インタビュー
「Lineage M」3周年インタビュー。新職業“死鎌士(デスサイザー)”を含む次期アップデートについて,日本版開発チームに直撃
これまで3年間,定期的なアップデートの提供によりプレイヤーを飽きさせない工夫を続けてきたリネージュMだが,本作の進化はまだ止まらない。3周年の時期には,新職業の追加を含む大規模アップデートが行われ,冒険の舞台は新たなステージへと飛翔する。
4Gamerではアップデートに先駆けて,日本版を手がけている開発ディレクターのイ・ジフン氏,企画プランナーのシア氏にインタビューを行ってきた。3周年施策はもちろん,それ以降の予定にも注目だ。
「Lineage M」公式サイズ
「Lineage M」ダウンロードページ
「Lineage M」ダウンロードページ
日本のプレイヤーに楽しく遊んでもらうために
4Gamer:
イ・ジフンさんには何度かインタビューをさせてもらっていますが,あらためて,それぞれの自己紹介からよろしくお願いします。
イ・ジフン氏:
日本版「リネージュM」の開発全般を担当している,イ・ジフンです。
本作に関しては開発Twitter(@LMJP_DEV)でも情報を発信しているので,プレイの合間にチェックしてもらえるとうれしいです。
シア氏:
リネージュMを遊んでくださっている皆さん,はじめまして。日本チームで企画面を担当しているシアです。普段は新規のイベントやコンテンツ,エピソードなどに関する企画立案を担当しています。
4Gamer:
日本版がまもなく3周年ですが,今の心境をお聞かせください。
シア氏:
これまでリネージュMを長く遊んでくださっているプレイヤーの皆さんには,とても感謝しております。
なかには,PC版での思い出を持って遊んでくださっている方々も大勢いるかと思いますが,リネージュMでは本作ならではのオリジナルコンテンツも用意して,“戦闘の楽しさ”をもっと感じていただけるタイトルを目指してきました。これからもより多くの人に楽しんでいただけるよう,引き続き努力していきます。
4Gamer:
PCの日本版「リネージュ」も20周年と大きな節目を迎えましたね。
イ・ジフン氏:
20年も続くというのはファンの方々あってのことですので,本当にありがたく思っています。そんな歴史あるタイトルをモバイル向けとしてリリースするにあたり,当時は期待と不安に駆られていたことをよく覚えています。というのも,日本におけるリネージュの知名度は,熱狂で迎えられた韓国とは事情が異なりましたので。
ただ,日本向けのチューニングを施すことに力を注いできたことが功を奏したのか,3周年を迎える現在,多くの方々から好意的なご意見をいただいており,がんばってきてよかったなとしみじみ感じています。
4Gamer:
リネージュMは定期的に情報公開されていますし,遊ぶ側にも「顔が見える開発・サービスチーム」のイメージが板についてきた印象です。
イ・ジフン氏:
ありがとうございます。これからもっと長期的に展開できるよう,皆さんに愛されるタイトルになるよう努めていきます。
4Gamer:
リネージュMは実際,定期的なアップデートで着実に進化してきて,プレイヤーからの評価も高いように見受けられます。その点,開発としては「評価を得られている理由」はどこにあると考えていますか?
イ・ジフン氏:
開発としてはまだまだ至らないことばかりだと思っていますが,我々が重点を置いているのは「日本のプレイヤーの皆さんに,ゲームを楽しくプレイしてもらうためにどうすべきか」というところです。皆さんからのご意見をもとに,開発とサービスチームでしっかりと話し合って仕様を決めてきたので,そこが評価されているのならうれしいです。
4Gamer:
なるほど。逆に現在の課題はなんでしょう。
イ・ジフン氏:
これまで開発してきて,プレイヤー全員を満足させられるコンテンツを生み出すのがいかに難しいかを再認識しました。ですからコンテンツ追加の際は,より多くの方々に楽しんでいただけるよう,大きな仕様から細かな数値まで,できる限り調整を行き届かせる。
それを徹底することが,現在の課題と言えます。
4Gamer:
韓国と日本だけみてもプレイスタイルは異なっているため,バランス調整は難しそうですね。先ほど「日本のプレイヤーにゲームを楽しくプレイしてもらうため」と話していましたが,日本独自のコンテンツも重要視しているのでしょうか。
イ・ジフン氏:
ええ,直近だと今年1月に実装した「パインワンド」が日本オリジナルコンテンツにあたりますが,血盟で楽しんでもらう内容として,ここにいるシアさんが細かな調整を手がけてきました。以降はプレイデータを参考に修正を施し,アップデートを重ねていく予定です。
日本オリジナルコンテンツについては,今後も継続して実装していきたいと思っていますので,ぜひご期待ください。
4Gamer:
「パインワンド」に対する感想はどうでしたか。
イ・ジフン氏:
前提として血盟向けのコンテンツとあり,たくさんのメンバーで集まって楽しめている血盟もあれば,人数の関係で攻略できないという血盟もありました。攻略自体が楽しめなければ,満足度も当然下がってしまいますので,そこをどうするべきかを現在検討しています。
シア氏:
シーズンが変わるときには,新しくバランス調整した「パインワンド」をお見せできると思いますので,楽しみにしていてください。
オロナインさん YouTubeチャンネル
新職業も追加。3周年アップデートを実施
4Gamer:
3周年のタイミングでは大きなアップデートがあるとのことで。
まずは,全体の概要を教えてください。
イ・ジフン氏:
熱心なプレイヤーの皆さんはすでに予想されていたかと思われますが,次期アップデートでは,新職業とそれに付随するコンテンツを追加します。おなじみの「TJのクーポン」配布もそうですが,リネージュMでは史上最高といっても過言ではないほどの豪華プレゼントも用意します。
4Gamer:
思い返すと,2周年アップデート「EP.4 TITAN」でも新職業(狂戦士)が実装されましたが,今回の新職業は“名称をプレイヤーから公募(応募は終了)”で決めるという新しい試みを行っていましたね。
こちら,公募に至った経緯はなんでしょう。
イ・ジフン氏:
今回登場する新職業は,先行サービスをしている韓国版で“死神”と呼ばれるものですが,日本版ではその特徴をも内包する名にすることで,より斬新さを感じられるのではと考え,名称を公募しました。
4Gamer:
当の名称は「死鎌士(デスサイザー)」に決まったとのことで。
こちらはどんな特徴を持っているのでしょう。
シア氏:
一言で表現すると,戦場の虐殺者です。
死鎌士(デスサイザー)は長く鋭い両手武器「サイズ」を振り回し,範囲攻撃を駆使して戦う近接クラスです。ほかの近接職と比べると体力と防御力が低いものの,ステータスを底上げできるスキルや,相手を弱体化させるスキルを習得できるのが大きな強みとなります。
4Gamer:
注目すべきスキルをいくつか教えてください。
シア氏:
戦況を変えうるもので言うと,敵の攻撃を回避すると同時に亡霊を召喚し,持続ダメージを与える「ゴーストカウンター」。デバフを与える「デスサイズ」。そして唯一無二な性能を持つ「ゴーストボディ」が注目の固有スキルです。当然,ほかにも有用なスキルは存在します。
4Gamer:
唯一無二という「ゴーストボディ」の性能が気になりますが。
シア氏:
ゴーストボディは,自身のホールド/スタン効果を解除して体力を一部回復しつつ,亡霊化できるスキルです。これにより一時的に半透明状態になって,敵からのターゲットを外すことができます。
主にPvPで活躍できるスキルですね。
4Gamer:
なるほど。それらを含め,基本はどんな戦い方になるのでしょう。
シア氏:
PvEでは,範囲攻撃スキルの「ジェノサイド」と「ヘルサイズ」を使ってまとめ狩りをすると,効率よく経験値を稼げます。
PvPでは,先に紹介した特徴的な3つのスキルをはじめ,相手をホールドできる「サイズグラップ」を利用して連携することで,すばやく接敵し,相手に致命傷を与えるといった戦術が可能です。
4Gamer:
完全に攻撃特化な職業なんですね。
シア氏:
はい。戦闘そのものを楽しめることがコンセプトな職業ですので,あとは実際に動かして確かめてもらいたいところです。それと,死鎌士(デスサイザー)専用の独自システム「デスレコード」もあります。
4Gamer:
「デスレコード」ですか。実に死神らしい。
シア氏:
「デスレコード」は専用UIを用いたシステムで,倒した敵の魂をデスレコードに刻み,その数に応じて能力値オプションを獲得できます。
いわゆるパッシブスキルに近い形の能力向上です。
4Gamer:
デスレコードに書き込む相手は,プレイヤーキャラクターですか?
シア氏:
そうですね。敵対するプレイヤーキャラクターを倒すことで,相手の名前がノートに記載されるんです。ちなみにデスレコードに関しては,グローバル共通の仕様をそのまま適用します。
3周年以降もUI改善に,クラスケアにと
4Gamer:
新職業以外の追加要素も教えてもらえますか。
イ・ジフン氏:
巡礼者が沈黙の平原を渡る前に,最後の休憩所として使ったという洞窟,新領地「エルモア」が新エリアとして登場します。
4Gamer:
新エリアは狩場としても使えそうですか。
イ・ジフン氏:
エルモアはレベルが高くなくても狩場として利用できます。
基本はテレポートを駆使してマップ奥へと進んでいく構造で,出現MOBの強さも段階的に変化しますので,自分に合った狩場を探して戦うことができます。もちろん,エルモアには新規ボスも配置するので,腕に自信がある方々はぜひチャレンジしてみてください。
シア氏:
同じく,新ワールドダンジョン「エスカロス」も実装します。
こちらは韓国版の仕様をそのまま使うか,日本向けに調整するかは検討中ですが,基本的な遊び方を説明しておくと,マップ内にランドマークがあり,それに触れて「タッチダウン」をすると報酬がもらえるといったものです。ランドマークはタッチダウンするごとに場所が変わっていくので,さまざまな狙いで挑戦してみてください。
4Gamer:
狩場というより,特殊なイベントを含んだダンジョンのような?
シア氏:
タッチダウンできる時間は決まっているので,普段は狩場として活用してもらうのがメインですね。プレイ時間に制限を課した“特殊な狩場”,などと認識してもらうと分かりやすいかもしれません。
4Gamer:
分かりました。ほかにアップデート要素はあるでしょうか。
イ・ジフン氏:
日本オリジナルコンテンツの「パインワンド シーズン2」と,間に合えば特種ダンジョン「夢幻の島」に関わる新コンテンツを予定しています。「夢幻の島」はPC版の内容をそのまま再現することを目指していて,リネージュMに現在導入しているものと立ち位置が被らないよう調整中です。大勢の方々に遊んでもらえるよう,短い時間でも楽しめるコンテンツに仕上げていきます。
ちなみになんですが,「パインワンド シーズン2」では,ボスのドロップとして取引できる英雄級のカードを取り入れる予定です。
4Gamer:
となると,「パインワンド」の重要性が増しそうですね。
これ以外にも日本独自の仕様は盛り込まれますか?
イ・ジフン氏:
大きな枠組みはグローバル共通の仕様を用いていますが,今後も敵の強さなどの細かなところで日本向けに調整を行っていきます。
4Gamer:
盛りだくさんな追加要素の一方で,キャンペーン関連はどうですか。
イ・ジフン氏:
アップデートの事前登録キャンペーンのほか,日本のサービスチームと連携し,いろいろと準備しているところです。
詳しくは公式サイトでの続報と,5月23日に配信する公式生放送「話せる島通信」を見ていただけると幸いです。
話せる島通信#20 3周年記念放送
4Gamer:
ここまで次期アップデートの話でしたが,3周年以降の展開について,話せる範囲でお教えてもらえるものはあるでしょうか。
イ・ジフン氏:
今年のアップデート計画に入っていて,現状話せるものとしてはユーザーインタフェイス(UI)の改善と,全職業対象のクラスケアですね。
4Gamer:
おお,クラスケアとなると多くのプレイヤーが注目しそうですね。
イ・ジフン氏:
戦闘が大半を占めるゲームですので,やはり注目されるのは間違いありません。クラスケアの方針としましては,一つの職業に片寄りが生まれないよう,より多くの方々に満足してもらえるような調整を目指していきます。詳細についてはもうしばらくお待ちください。
4Gamer:
3周年から先も,どんな進化を遂げるのか楽しみですね。
では最後に,ファンに向けてメッセージをお願いします。
シア氏:
プレイヤーの皆さんが今現在,リネージュMに対してどういう思いを持って遊んでいるのか。私たちはゲーム内データの分析調査だけでなく,SNSなどで発信されているご意見,ご要望も参考にしながら,今後の開発に生かしていきたいと思っています。
そして皆さんにゲームを楽しんでもらうことが一番ですので,それを実現するべく,今後もしっかりと調整したものをお届けしていきます。
イ・ジフン氏:
この3年間,開発に力を注ぐ一方で,SNSなどでプレイヤーの皆さんと交流しながら,いろいろなご感想を目にしてきました。
私自身,プレイヤーに近い目線を持つ開発者になることが理想で,皆さんと一緒に作り,また一緒に楽しめるタイトルを作り上げたいと考えているので,今後もどうぞリネージュMをよろしくお願いいたします。
「Lineage M」公式サイト
「Lineage M」ダウンロードページ
「Lineage M」ダウンロードページ
キーワード
(C)NCSOFT Corporation. Licensed to NC Japan K.K. All Rights Reserved.
(C)NCSOFT Corporation. Licensed to NC Japan K.K. All Rights Reserved.