プレイレポート
Nintendo Switch「Champion Jockey Special」プレイレポート。Joy-Conを手綱とムチにして,騎手になりきろう
2011年に発売された「Champion Jockey: Gallop Racer&GI Jockey」(PS3 / Xbox 360 / Wii)から約6年ぶりのシリーズ最新版となる本作は,2017年度「日本ダービー」までの最新競走馬データを収録し,Nintendo SwitchのJoy-Conを使った直感的な操作にも対応している。
4Gamerではプロデューサー山口英久氏へのインタビューを掲載済みだが,本稿では製品版に近いバージョンを実際に触ってのプレイレポートをお届けしよう。
競走馬を走らせる「ジョッキーアクション」と銘打たれた本作だが,操作の要領は車やバイクのレースゲームとそれほど変わらない。車で例えるなら,手綱を使った「追い」がアクセルで「引き」がブレーキ,「ムチ」がターボチャージャーといったところだ。
Nintendo Switch用ソフトとして発売される本作最大の特徴は,Joy-Conを左右それぞれの手に持つ操作タイプ(Dタイプ)でのプレイだ。追いは手綱を振るように両手のJoy-Conを上下に振り,引きは両方を上に向ける。左右への移動は,行きたい方向のJoy-Conを上向きにするといった具合だ。ムチを使うときは[L]ボタンか[R]ボタンを押したまま,一方のJoy-Conを振ればいい。
実際に手綱を握っているようなプレイはなかなか新鮮で,アーケードゲームのような感触でもある。周辺機器を追加購入することなく,この感覚を味わえるのは嬉しいところだ。
もちろんこれ以外にも,Joy-Conをグリップに装着したり,Joy-Con1つでプレイできたりといった操作タイプが用意されているので,自分に合ったものを選ぶといいだろう。
本作には,さまざまな操作タイプに加えて,「騎乗スタイル」という要素があり,こちらも操作に大きく関わってくる。「Champion Jockey」シリーズはかつてテクモ(当時)からリリースされた「ギャロップレーサー」と,コーエー(当時)からリリースされた「ジーワンジョッキー」が1つになったもので,それぞれのスタイルが用意されているのだ。騎乗スタイルはレース前に選択できる。
ギャロップレーサー風の「GR」スタイルは,操作の一部が自動化される初心者向けのスタイル。ジーワンジョッキー風の「GIJ」スタイルはすべての操作を自分で行ううえ,一部のゲージが表示されないという上級者向けだ。そして項目ごとにプレイヤーがカスタマイズできる「カスタム」スタイルも用意されている。
さて,本作について「操作の要領は車やバイクのレースゲームとそれほど変わらない」と書いたが,ほかのレースゲームと大きく違うのは,ひたすら速く走ればいいわけではなく「生き物である馬に合わせて走る」必要があるところ。レース前に確認できる馬の脚質や走り方のクセ,そして一時的に馬の能力がアップする「アビリティ」の発動条件を満たすように馬をコントロールするのが基本となる。
とはいえ,馬の脚質などのデータはあくまで目安。山口プロデューサーへのインタビューにもあるように,多少アバウトでも勝てる余地は残されている。
筆者も仕掛けが遅れたと思ったレースに勝つことがあったのだが,このあたりの“振れ幅”は,生き物である馬を操るゲームらしいと言えるだろう。
ゲームモードには,若手騎手としてデビューし,選択した年代からレースを順に戦っていく,メインの「ストーリーモード」のほかに,過去のレースの追体験など,さまざまなシチュエーションでのレースが楽しめる「レースモード」が用意されている。
ストーリーモードでは,競馬学校での講習(チュートリアル)などを経てプロ騎手となり,自ら交渉して騎乗馬を決め,週末のレースへと挑む。騎乗する馬にレース直前の「追い切り」(トレーニング)をして,馬のコンディションを整えることも可能だ。
レースで勝ちを重ねていくことで調教師やライバルとの信頼関係を築き,さらに強い馬に乗らせてもらう……という流れを繰り返し,国内のリーディングジョッキー,そして世界を目指す。
騎手生活では,勝ったと思ったレースを審議で落としたり,落馬事故でレースに出られなくなったりと,さまざまなハプニングが発生する。これを乗り越えていくのが醍醐味だが,設定でオフにすることも可能だ。
一方のレースモードでは,競走馬や競馬場を任意に選んで走る「フリーレース」のほか,伝説のスターホースに乗ってレースに挑み,規定の条件をクリアしていく「クエストチャレンジ」,ゲーム中に自分で育てた馬をシナリオに基づくレースに挑戦させる「シナリオチャレンジ」,過去の名レースを実体験する「ヒストリカルレース」など,さまざまなレースが楽しめる。
とくにヒストリカルレースは,ゲームでかじった程度の競馬知識しかない筆者も知っている競走馬やレースが登場し,「この馬に乗ってみたい!」という気分にさせられた。データもかなり充実しているので,本作で競馬の歴史を振り返ってみるのもいいだろう。
またレースモードの一部では,画面分割による対戦が可能なので,パーティーゲームのように大勢で楽しむのもよさそうだ。
「ひたすら速く」ではなく「馬に合わせて」走るという感覚,そしてジョッキーさながらの直感的な操作方法はなかなか新鮮だ。Nintendo Switchで新しい体験をしてみたい人はぜひプレイしてほしい。
「Champion Jockey Special」公式サイト
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