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ZUNTATA×SNK×ケイブが熱く対バン! タイトーステーション溝の口店の開店1周年を記念した特別イベントをレポート
イベントはZUNTATAの石川勝久氏によるアナウンスから始まり,それに続いて主催者であるタイトーステーション 溝の口店の髙野店長と,前店長にして首都第四店舗課の森氏があいさつを行った。森氏からは「今後も2周年,3周年と刻んでイベントをやっていきたい」という展望が述べられたが,後のトークショーで石川氏から明かされたところによると,開店記念イベントのZUNTATAソロライブを上回るものとして企画されたのが今回の3社コラボイベントとのことなので,今後ますますエスカレートしていくことに期待したい。
MCを務めたZUNTATAリーダーの石川勝久氏 |
現店長の髙野氏(左)と,前店長の森氏(右) |
第1部のトークショーでは,SNKからHORI_HORI a.k.a.DUGIA♪こと堀内正人氏と北 直樹氏,ケイブから松本大輔氏,そしてタイトーからMCの石川氏に加え,MASAKI氏と下田 祐氏が登壇。石川氏による「血で血を洗う抗争をしていきたいと思います」という宣言で,トークの火蓋が切られた。
タイトーとケイブは「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」(PC / PS4 / PS Vita)のコラボDLCなどで少なからず接点を持つが,タイトーとSNKが並ぶのはなかなか珍しい。これは岐阜県で昨年開催された「全国エンタメまつり」において,ZUNTATAとSNKのプロモーションチームが出会ったことがきっかけとなっており,先述のとおり今回のイベントを開店記念イベント以上のものにするため,出演オファーを出したのだという。
出演を持ちかけられた感想を聞かれて,堀内氏は「SNKは自らのイベント活動はあまり行わないので,今回のようなきっかけはありがたい」といった旨をコメントした。一方で北氏は,「血で血を洗うという,まさかそんな物騒なイベントだとは……」と,冒頭の石川氏による発言に対する不安を冗談交じりに語った。ちなみに,それに対する石川氏の返答は「やるかやられるかですよ!」だった。
この曲おすすめ(自社編)
とはいえ,あまり接点がないもの同士では会話の糸口を得るのが難しいということで,行われたのが“この曲おすすめ”というコーナーだ。ここでは,自社編と他社編に分けて,各社がおすすめの楽曲を紹介した。
SNKがおすすめする自社曲は,「ギースにしょうゆ」(餓狼伝説スペシャル),「シヴィレルパッション」(SNKヒロインズ Tag Team Frenzy),「IKARI」(KOF XIV Ver.)。SNKらしいリズムとギターサウンドに和笛のメロディが乗った「ギースにしょうゆ」は,言わずもがなの人気曲。北氏の作曲による「シヴィレルパッション」は,もともと諸事情でボツとなるはずだったところ,社内での評判が高かったために隠しエンディングに採用されたとか。「THE KING OF FIGHTERS XIV」(PC / PS4 / AC)版の「IKARI」は,堀内氏が「怒」のメインBGMをメタル調にアレンジしたもの。オリジナルの「怒」は石川氏も思い入れのあるタイトルで,とくに続編の「怒号層圏」がお気に入りだという。
続くケイブは,「Interception - 喧騒の街」(ケツイ〜絆地獄たち〜),「Justice」(三極ジャスティス),「わたしたち魔法乙女です☆」(ゴシックは魔法乙女)をピックアップする。並木 学氏の作曲によるブレイクビーツ調の「Interception - 喧騒の街」は,「シューティングゲームの楽曲はフュージョンやクロスオーバーが主体」だと思い込んでいた松本氏にとって,認識の幅を広げてくれた楽曲であるとのことだ。「Justice」はもう1人のケイブサウンドチームメンバー・宮本 武氏が手がけた楽曲で,松本氏は「とにかくカッコいい」とベタ褒めする。
タイトーが挙げたのは,「The world of spirit」(ダライアスバースト),「VISIONNERZ〜幻視人〜」(ダライアス外伝),「Good-bye ハルマゲドン」(SPACE 遣隋使)。土屋昇平氏の作曲による「The World of spirit」は,ZUNTATA30周年記念CDを作るにあたって行われた投票企画で1位,OGRこと小倉久佳音画制作所氏の作曲による「VISIONNERS〜幻視人〜」は同じく3位に入った,おなじみの人気曲だ。「Good-bye ハルマゲドン」は,どのゲームとも関係ないZUNTATA-J.A.M.のオリジナルアルバムに収録された楽曲で,石川氏は「こういう曲でアルバムを作れたいい時代があった」と昔を懐かしんでいた。
この曲おすすめ(他社編)
自社編の次は他社編ということで,SNKはケイブから「1&4面BGM」(怒首領蜂)と「立塞がる脅威」(ゴシックは魔法乙女),タイトーから「Daddy Mulk」(ニンジャウォーリアーズ)と「Tranquilizers」(ダライアス外伝)をピックアップ。北氏は音楽と演出がシンクロした「怒首領蜂」の冒頭が大好きだと語る。堀内氏は「Daddy Mulk」についてボーカルを入れたくなるメロディラインだと述べ,石川氏も「小倉氏のメロディには歌心がある」と同意した。
ケイブが挙げたおすすめ他社曲は,SNKから「ART OF FIGHT」(龍虎の拳)と,タイトーから「Born to Free」(メタルブラック)。松本氏は「ART OF FIGHT」の和風なメロディとオーケストラヒットの入れ方がお気に入りで,耳コピをしていたほどだという。「Born to Free」は,穏やかながら勇ましさがあり,しかも劇中の荒廃した世界にもマッチした曲で,先の「Interception - 喧騒の街」と同様に衝撃を受けたそうだ。また,松本氏は「メタルブラック」のボス撃破演出について,自分の中でこれを超えたものは未だ見つかってないと語った。
タイトーはSNKから「サイコソルジャー」(サイコソルジャー)と「Esaka?」(THE KING OF FIGHTERS '96),ケイブから「飛翔、戦いの空へ」(ゴシックは魔法乙女)と「]-[|/34<#!」(怒首領蜂大復活),「ラン」(怒首領蜂最大往生)をピックアップ。「サイコソルジャー」は“ゲームが歌った”ことで当時のゲーマーを驚かせたタイトルだが,石川氏もその例外ではなく,強い衝撃を受けたとのこと。「Esaka?」のネオジオCD版はギターにSOURCEの梶原 順氏,リズム隊にカシオペアの神保 彰氏と櫻井哲夫氏が演奏参加している楽曲で,下田氏はフュージョン&プログレの洗礼をこの曲から受けたという。「]-[|/34<#!」は,「グルーヴコースター3 リンクフィーバー」の“超シューティング祭”で同曲が収録されることになったとき,文字化けかと思う曲名から譜面の製作まで,多岐にわたってMASAKI氏を苦しめたとのこと。いろいろな意味で“思い出の曲”となっているようだ。
サウンドクリエイターを目指したきっかけ
トークショーの終盤には,それぞれがゲームのサウンドクリエイターを目指した経緯が語られた。堀内氏はオーナーともめてカーショップの店員を辞めた後,バンド活動やレースゲームを嗜んでいたことからゲームミュージックを仕事にすることに思い至り,某ゲーム雑誌でたまたま見かけたSNKの求人に応募したとのこと。北氏は,音楽系の専門学校で講師に紹介された着メロや通信カラオケのMIDI打ち込みをこなしつつ,ゲーム音楽の世界に入っていったという。
松本氏は学生時代からゲーム音楽の作曲家を目指していたものの,20代のころは就職氷河期が直撃したため願うような業務に就けずにいて,ケイブ入社のきっかけは30歳直前でアルバイト情報誌に発見した求人だったとのこと。ただその求人は,着メロや占いの制作スタッフ募集だったので,「怒首領蜂」などのケイブだとは実際に会社を訪ねるまで気付かなかったとか。採用後,上司に「ゲームの仕事をしたい」と言ってみたところ,ちょうどゲーム音楽の案件を大量に抱えていた上司が「全部あげる!」といった勢いで登用してくれたという。
下田氏がゲーム音楽に携わったのはかなり早く,なんと高校生時代とのこと。ただ企業への就職は先の3名同様にいろいろと紆余曲折があったようだ。MASAKI氏はビーイング系アーティストやX JAPANに傾倒しながらも,運送業に入ったりといった寄り道を経ているとのこと。MASAKI氏がタイトーに入社した経緯については,以前のインタビュー(関連記事)において,元ZUNTATAの内田 哉氏による紹介を受けたと語られている。
ラストは対バン!
第2部は,お待ちかねのライブパート。そのトップを務めたのはSNKサウンドチームだ。おすすめ曲の自社編にも挙げた「ギースにしょうゆ」の「THE KING OF FIGHTERS XIV」アレンジ版をツインギターで演奏し,最初から激しく攻める。
それに続くのは,メタルスラッグシリーズ全体のテーマ曲と言っても過言ではない,「メタルスラッグ2」の「JUDGEMENT」と「FINAL ATTACK」。ラストの曲は,「THE KING OF FIGHTERS XIV」の「Yappari ESAKA」と,「THE KING OF FIGHTERS '96」の「ESAKA?」の2曲による,新旧ESAKAメドレーだ。
ケイブパートでは,松本氏に加えて高田馬場ゲーセン・ミカドの店長であるイケダミノロック氏も登場する。松本氏は時にDJ,時にドラムスだが,今回はショルダーキーボードを装備して,他社からのおすすめ楽曲にも挙がった「立塞がる脅威」と,真少年編 第8章バージョンの「飛翔、戦いの空へ」を演奏する。
松本氏&イケダ氏が贈る最後の楽曲は「むちむちポーク!」メドレーで,1面BGMの「どきどき インザスカイ」からスタート。そこから繋がるのは,なんとゲーム楽曲ではなく「ケイブのうた こんぴれーしょんいめーじそんぐあるばむ」にも収録されていた「むちぽーきゅ!」。オリジナル版は内藤那津子氏がボーカルを入れていたが,歌うのはもちろん松本氏だ。
中毒性のある「むっちっち むっちむち」コールでヒートアップしたステージを引き継ぐのはZUNTATA。異様な熱気に石川氏は若干気圧されつつ,MASAKI氏と奏でる「アリス・ギア・アイギス」(iOS / Android)の「VANGUARD」でクールにスタートする。
2曲目は下田氏も加わり,「ダライアス」から「CAPTAIN NEO」と「BOSS SCENE 7」のメドレー,そして「レイフォース」から「PENETRATION」のMASAKI氏によるアレンジ版を演奏する。そしてラストは“ZUNTATAといえばこの曲”の「DADDY MULK」。演奏中に下田氏のギターの弦が切れるというハプニングもあったが,それを吹き飛ばすほどの熱い演奏を見せてくれた。
対バン形式ということで,今回のライブは各社の代表的な楽曲が多く披露された。観客も相応にヒートアップし,ZUNTATAの演奏が終わってもアンコールを求める手拍子が鳴り止まない。そんなわけで,ZUNTATAによるアンコール演奏が急遽決定。定番の「電車で電車でGO!GO!GO!」で,クライマックスを飾った。
ゲームミュージックは,楽曲アレンジなどで複数社がコラボレーションすること自体は珍しくないものの,トークショーが行われる機会は少なかったり,コラボレーションするコンポーザが“定番”で固まったりするので,今回のようなイベントはVGMファンにとって嬉しい機会だ。冒頭でも述べたように,「タイトーステーション溝の口店●周年イベント」は恒例化するかもしれないので,今後の展開も楽しみだ。なお,今回のイベントはFRESH LIVE内のZUNTATA CHANNELで,前半のみアーカイブが公開されている。
MEGARAGE公式サイト
ZUNTATAオフィシャルサイト“Z-Field”
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- 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男
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