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アクションアドベンチャー「Fe」プレイレポート。小さな生物Feとなって,光と影が形作る神秘的な世界を冒険しよう
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印刷2018/03/05 15:00

プレイレポート

アクションアドベンチャー「Fe」プレイレポート。小さな生物Feとなって,光と影が形作る神秘的な世界を冒険しよう

画像集 No.001のサムネイル画像 / アクションアドベンチャー「Fe」プレイレポート。小さな生物Feとなって,光と影が形作る神秘的な世界を冒険しよう
 Electronic Artsは2018年2月16日,アクションアドベンチャー「Fe」PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)の配信を開始した。

 EAが小規模デベロッパの独創的なタイトルをリリースする「EA Originals」ブランド第1弾として,スウェーデンの開発スタジオZoinkが手掛けた本作。小さな生物「Fe」が,北欧をイメージした神秘的な森の中を駆け回るアクションアドベンチャーだ。幻想的なビジュアルが特徴的だが,トレイラーやスクリーンショットだけでは,ゲームの内容まではつかみ切れない作品だ。本稿ではそのPS4版のプレイレポートをお届けしていこう。

「Fe」公式サイト


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 イヌ科の小動物のように尖った口と長めの尻尾,そして頭の後ろにたなびく毛はヤマアラシのトゲのようにも見える。2足歩行で歩き,小さなものを手に持って運んだり投げたりする身体能力もある。得意なのは木登りで,森に生える木には,リスのように先端まで素早く上ることができる。小さな主人公Feはそんなキャラクターだ。

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 薄暗い森の中で目覚めた彼(雌雄があるのかは不明。本稿では便宜上こう呼ぶ)は,右も左も分からずさまよい,やがて生物とも機械ともつかない奇妙な物体の前にたどり着く。ここで画面に表示された通りに[R2]を押すと,Feが歌声を発するということが分かる。物体から発せられる音と[R2]の押し具合によって波長を合わせると同調し,目の前に大きな足場が現れる。これがFeの最も特徴的な能力,歌声によるコミュニケーションだ。本作はゲームシステムの説明以外に言葉やテキストによるやりとりはなく,すべてこの歌声によって行われる。

[R2]の押し込みを調整することで波長を合わせられる
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いろいろなところで歌ってみると,何らかの反応がある
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 遠吠えのようにも聞こえるFeの歌声は,森に住む動物の子供達とは意思の疎通ができるものの,大人の動物たちは独自の歌声を持っていて,それを身に付けなければコミュニケーションをとれない。小さなFeの冒険には,森の動物たちの協力が不可欠であり,言葉の代わりとなる歌をいかにして覚えるかが,本作のアドベンチャー部分の大きな割合を占めている。

そのエリアの「主」と呼べるような動物と意思の疎通をはかると,新しい歌を教えてくれる
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歌を覚えることで,大人の動物ともコミュニケーションが可能となる
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歌声でコミュニケーションが取れると,動物が移動手段となってくれることも
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 Feが覚える歌声は,初めから歌えるものを含めて6種類。それぞれには対応のアイコンがあり,動物とのコミュニケーションのみならず,森のギミックを作動させるキーにもなっていて,歌を覚えることが森の開拓にもつながっている。

方向キーか[L1]ボタンで歌声を選択する
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対応した歌声を選ぶことで,そのギミックが発動する
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 ではなぜFeが動物たちの力を借りて森を冒険するのか。それは森で目覚めた彼と同様,プレイヤーにも分からない。森に「サイレント・ワン(Silent Ones=静かなるもの)」と呼ばれる正体不明の存在が襲来,何か異変が起きていることがオープニングで判明し,後に彼らがFeの前にも立ちはだかるということも,ゲーム進めていくと少しずつ明らかになっていく。そこに至るまでの過程を,テキストがないゲームシステム上でプレイヤーを上手く導いていくゲームデザインには感心させられる。

画面には最低限の情報しか表示されないが,何をすればいいのかは直感で分かるはず
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歌うと見える岩に描かれたヒエログリフ。ゲーム進行のヒントにもなっている
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ゲーム序盤で友達になる小鳥は歌うと現れ,行き先を教えてくれる
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 戦闘能力を持たないFeにとって,サイレント・ワンの存在は脅威以外のなにものでもない。発見されるとあっという間に捕縛されてしまうので,彼らがやって来られない高い木の上に駆け上がったり,要所にあるFeと同じ色をした草むらに潜ってやり過ごしたりする必要がある。音に敏感なことを利用し,歌声でおびき寄せるのも有効だ。童話やおとぎ話でも見たことがあるようなシーンで,自然な形でステルスアクションを取り入れている。

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 森の動物達の多くはこの異形の来訪者によって蹂躙されている状況にある。彼らをなんとかして救い出すことができれば,新しい歌を教えてもらえるかもしれない。
 またFeは道すがら入手するクリスタル状の「かけら」によって,新たな能力を開花させていく。面白いのは最初に得られる「滑空」の能力以外は原則,必修ではないということ。やり込み的な要素ではあるものの,探索をしてできるだけ多く集めていけばゲームプレイがよりスムースになる,というご褒美的なものだ。

森で見つけられるかけら。巧妙に隠されていることもある
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かけらで最初に身に付ける滑空の能力。高い木の上に登って飛ぼう
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 そんなFeの活躍を描くこの世界にも注目してみたい。柔らかい光とそこに落ちる影,そしてシルエットのような姿で描写されるキャラクターのコントラストは,絵本や子供番組で見た影絵を連想させる。エリアによって色彩が異なっているのも印象的だ。舞台の森は北欧がイメージとのことで,針葉樹が多いのが特徴だが,そこに住む動物達は我々が知っているものとは少し雰囲気が異なっている。中には驚くほど大きな個体も登場するが,とくに違和感なく受け入れられたのは,世界観の作り方やそこに至るまでの過程を描く演出が上手いということなのだろう。

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 そんな世界に現れるサイレント・ワンも,敵キャラクターとしての存在感が際立っている。頭がなく胴体には目のようなライトがあり,2本足で歩行し,素早く歩くときは4足になって移動する。特定の場所を巡回し,Feや動物を見つけると物質を放射して捕縛し,どこかへと運んでいくという機械的な行動を繰り返す様子がうかがえる。Feには絶対的な脅威であり,大量に現れたときの絶望感は計り知れないものがあった。
 童話のような世界観を持たせつつも,大胆な設定や演出が盛り込まれ,プレイヤーは飽きることなく,エンディングまでたどり着けるのではないだろうか。

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 雰囲気を重視したゲームながら,アクションゲームとしての手触りも良く,全体の難度はそれほど高くはない。迷ってしまっても小鳥の導きによって,行くべき方向はだいたい分かるようにもなっているので,アクションゲームが苦手という人にも薦められるタイトルだ。また,行き先の目安となるマーカーをマップに表示せずにプレイすることもできるので,世界の空気を味わいながらじっくりと探索を楽しむプレイスタイルもありかと思う。
 PC/PS4/Xbox One/Nintendo Switchと多くのプラットフォームに対応し,価格も安いので,画面の雰囲気を見て興味が出たなら,プレイしてみることをオススメする。

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