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10年の歴史を感じる楽曲群にグラブルファンが熱狂。「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA -SYMPHONY IN BLUE-」レポート
グラブルを題材にしたオーケストラコンサートは,8年ぶり2度目の開催となる。今回も第1回のコンサートから引き続き,栗田博文氏による指揮のもと,東京フィルハーモニー交響楽団が演奏を務めた。
本稿では,現地の様子に加えて,サウンドコンポーザーの成田 勤氏やキャスト陣も出演した9月21日における夜公演の模様をお届けする。
「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA -SYMPHONY IN BLUE-」公式サイト
GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA
-SYMPHONY IN BLUE-
指揮:栗田博文
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
(敬称略)
【9月21日夜公演】
<第一部>
・フレイメル島 -太古の工廠-
・天に散りし覇者との邂逅
・人間との戦い
・バトル4
・ライヒェ島 -人住まう魔窟-
・ナル・グランデの罪
・アウライ・グランデ
・Lyria
<第二部>
・命のカタチ
・Last Advent
・ユグドラシル・アルボスマグナ
・Dragon’s Circle -Hexachromatic-
・天と光、死と生
・ロボミ
<アンコール>
・アウギュステ列島 -白沫の瀑布-
・ローズクイーン
・どうして空は蒼いのか
・メインテーマ
東京ガーデンシアターの広大な会場がグラブル一色に!
本公演の舞台となった東京ガーデンシアターは,有明アリーナや東京ビッグサイトといったイベント開催地が軒を連ねる有明駅周辺の湾岸エリアに居を構える劇場型イベントホールだ。ホール内には,ステージ前面のアリーナ席に加えて,建物の3階から5階にわたり,3階分のバルコニー席が設置されている。
公演当日は膨大な来場者がホワイエ入り口に長蛇の列を形成。ホワイエでは「グラブル」イラストチームによるイラストギャラリーや,会場限定グッズの展示も実施されていた。
ギャラリーは入場列からも見渡せるように設営されており,多くのファンが目を奪われていた。コラボドリンク&フードの販売は,建物の3階から5階に常設されているフードコーナーと入れ替わる形で実施。こちらでも入場口に匹敵するほどの列が形成されていた。
ホワイエの奥に設置されたギャラリーは撮影が可能で,多くのファンが目を奪われていた。コラボドリンク&フードの販売は,東京ガーデンシアター内の3階から5階に常設されている売店(※一部を除く)にて実施。限定メニューを求める参加者たちが列を形成していた。
第一部はメインクエストの軌跡をたどる構成で東山さんが生歌唱を披露
9月21日の夜公演は,栗田氏と東京フィルハーモニー交響楽団が登壇するとともに,「フレイメル島 -太古の工廠-」の演奏で開幕となった。
ドラフの住民が多いバルツ公国のフレイメル島で流れるBGMということもあって,重厚感溢れる演奏によって,コンサートに臨む観客席の空気がじわじわと練り上げられていたようにも感じ取れる立ち上がりとなった。
続いての楽曲は,エクストラクエスト「討滅戦」などで耳にする機会が多い「天に散りし覇者との邂逅」。「フレイメル島 -太古の工廠-」で観客の公演に臨む姿勢が整えられたところで,おなじみの戦闘BGMが演奏されたことによって,一気に会場内のボルテージが上昇していく。
3曲目に演奏されたのは,メインクエスト63章における黒騎士戦のBGM「人間との戦い」。メインクエスト第1部「蒼の少女」編のラストバトルを飾ったこの楽曲は,もともとがオーケストラ構成。東京フィルハーモニー交響楽団との相性は言うに及ばず,曲の強みを存分に味わえた。
「人間との戦い」は,静かな出だしからエルステ帝国の重圧を感じさせる重厚な演奏が中盤まで続く楽曲となっている。しかし途中からは一変して,黒騎士の覚悟が滲む勇壮な曲調に。ハイテンポな弦楽器の音色が響き渡り,観客からは盛大な拍手が送られた。
ここで暗転した壇上に,ダーント役の星野貴紀さん,ユイシス役の立花理香さん,成田氏らが姿を見せ,MCトークを披露した。キャスト陣からは,本公演が8年ぶりのオーケストラコンサートであることに加えて,初回も栗田氏の指揮と東京フィルハーモニー交響楽団による演奏だったことも語られた。
成田氏からは,グラブル10周年が偶然にも,自身の作曲家としての20周年に重なっていることが明かされ,観客からお祝いの拍手が送られていた。また,「人間との戦い」にまつわる話もあり,当時の本楽曲は,これまでのリリースアルバムには収録されておらず,前回のオーケストラコンサート「SORA NO KANADE」の追加公演時に初めて演奏されたものだったという。
MCトーク後,4曲目に披露されたのは,イベント「四象降臨」などで耳にする機会が多い「バトル4」。「天に散りし覇者との邂逅」と同じく,プレイヤーにとっては戦闘BGMとして聞きなじみのある楽曲のひとつだ。
公演時には原曲のバンドサウンドとは異なり,ヴァイオリンの勇ましいメロディに加えて,管楽器の高らかな音色が際立つ演奏となっていた。
「バトル4」の演奏後には,再びMCトークに突入。成田氏から今回の「バトル4」は,「プリンセスコネクト!Re:Dive」などのコンポーザーとしても知られる中川峻彰氏によるアレンジ版であることが明かされた。
5曲目からは,メインクエストで「人間との戦い」が流れたシナリオよりあとのナル・グランデ空域で繰り広げられる第2部「暁の空」編におけるBGM「ライヒェ島 -人住まう魔窟-」と「ナル・グランデの罪」がピックアップされた。
「ライヒェ島 -人住まう魔窟-」は,ライヒェ島がオリエンタルな趣き漂う舞台であることから,楽曲にも和の要素が取り入れられている。そのため,ゲストミュージシャンとして,和太鼓演奏家の内藤哲郎さん,フルート奏者の髙桑英世さん(本楽曲では篠笛を演奏)が登壇した。
ちなみに成田氏によれば,髙桑さんはゲーム内で使用されている「ライヒェ島 -人住まう魔窟-」での笛奏者でもあるそうだ。楽曲の演奏は,内藤さんの和太鼓の音とともに始まり,オーケストラの弦楽器がしっとりとした音色を響かせていく。その中で髙桑さんの篠笛がメインの旋律を奏で,メインクエスト第1部「蒼の少女」編とは空域が異なる第2部「暁の空」編の空気感を想い起こさせる見事なオーケストラアレンジが施されていた。
一方,「ナル・グランデの罪」は,「暁の空」編を締めくくるナル・グレートウォール戦で流れた楽曲だ。「ライヒェ島 -人住まう魔窟-」の静かな演奏から一転して,管楽器の重低音を軸とした非常に勇壮な曲調となっていた。
7曲目では,さらに空域が変わり,アウライ・グランデ空域のBGMである「アウライ・グランデ」が披露された。この演奏においては,成田氏が自らピアノ演奏を担当。サウンドコンポーザーと東京フィルハーモニー交響楽団による,本公演ならではの演奏が実現された。
物悲しげな曲調の「アウライ・グランデ」は,成田氏のしめやかなピアノ演奏に合わせて進行し,オーケストラもそのメロディを追っていく。しかし,ただ悲しさを込めているわけではなく,アウライ・グランデ空域の壮大さも感じさせる伸びやかな演奏となっていた。
オーケストラコンサート第一部の締めとなる8曲目の演奏に際して,ルリア役の東山奈央さんが颯爽と登壇。そのまま東山さんが指揮台に立ち,オーケストラを指揮してみせるが,楽団からは不協和音が鳴り響き,星野さんと立花さんが止めに入る,という寸劇が繰り広げられた。
その後,MCトークで自己紹介を済ませた東山さんは,ゲストボーカルとして「Lyria」を生歌唱。さらに,ピアノを成田氏が担当し,東山さんの圧倒的な歌唱力によって,メインクエストを振り返るかのような楽曲の数々が締めくくられた。
第二部は近年のシナリオイベントを振り返る構成に
20分間のインターバルを挟み,第二部は8周年記念シナリオイベント「星のおとし子,空のいとし子」におけるメインBGM「命のカタチ」の演奏で幕を開けた。曲名どおり,命の脈動を感じさせる自然なテンポでピアノの音色が鳴り響き,観客がコンサートの再開にゆったりと誘われているかのような演奏が披露された。
9曲目にピックアップされたのは,7周年記念シナリオイベント「STAY MOON」のメインBGMである「Last Advent」。第一部で披露されたクラシカルな楽曲群とは異なり,月の民が持つ高度な科学力を想起させるシンセティックな音色が,相反するオーケストラの創意工夫によって見事に再現されていた。
10曲目は,本公演で披露された楽曲のなかでも,直近の実装コンテンツであるマルチバトル「ユグドラシル・アルボスマグナ」のBGM「ユグドラシル・アルボスマグナ」だ。
この曲の直前には,キャスト陣と成田氏によるMCトークがあり,ユグドラシルが住まうルーマシー群島のBGMやユグドラシル・マグナの戦闘BGMから,連綿とテーマが続く楽曲であることに成田氏が言及した。
ほかにも,本公演での「Last Advent」や「ユグドラシル・アルボスマグナ」は,「プリンセスコネクト!Re:Dive」や「ウマ娘 プリティーダービー」の作編曲で知られる東大路憲太氏によってアレンジされた楽曲であることが語られた。
「ユグドラシル・アルボスマグナ」は,変化に富んだドラマチックな展開で成り立っている楽曲だ。
本公演では,美しいストリングスの音色,ピアノの旋律,ゆったりとしたハープの調べ,伸びやかな管楽器,シンバルをはじめとした盛大な打楽器など,オーケストラ全体が実力を惜しみなく振るい,10年にわたる歴史を内包した「ユグドラシル・アルボスマグナ」の壮大さを表現していた。
11曲目と12曲目にも,公開されて間もない楽曲「Dragon’s Circle -Hexachromatic-」と「天と光、死と生」が2曲続けて演奏された。
演奏前のMCトークでは,成田氏が両曲ともリリースアルバムに収録されていないことに言及。「Dragon’s Circle -Hexachromatic-」は,東大路氏がアレンジを担当し,「天と光,死と生」は映画やテレビドラマの楽曲で著名な小林洋平氏がオーケストラ版の編曲を担当したそうだ。
「Dragon’s Circle -Hexachromatic-」は,空の世界を構成する元素を掌る楔である6体の竜たちとつぎつぎに戦う超高難度マルチバトル「天元たる六色の理」で流れるBGMだ。
楽曲自体も,各属性の六竜戦におけるテーマをアレンジしたもので,なおかつ原曲にバンドサウンドや電子音楽が含まれている。そこに,オーケストラ演奏時にはドラムが加わり,特殊な形態のアレンジが披露された。
ある意味で最新のグラブルが詰め込まれたとも言える「Dragon’s Circle -Hexachromatic-」だったが,続く「天と光,死と生」は10周年記念シナリオイベント「HEART OF THE SUN」フェニックス戦で流れたBGMとなる。
一見すると,どちらも最新の楽曲に思えるが,「HEART OF THE SUN」は,現在SIDE STORYとして恒常コンテンツとなったグラブルの最初のシナリオイベント「降焔祭」の続編として描かれたシナリオイベントだ。そして「天と光,死と生」も,「降焔祭」でのシナリオバトルをはじめとした多くの星晶獣とのバトルBGMとして使用されている楽曲「大星晶獣との戦い」の要素を取り入れた楽曲となっており,新しい楽曲ながらどこか耳慣れたメロディを,オーケストラが表現する緊迫感や臨場感とともに楽しめた。
最後の楽曲として第二部を締めくくったのは,スーパーロボット物をはじめとした往年の名作たちへのオマージュに満ちたシナリオイベント「ロボミ」のメインテーマである「ロボミ」だ。
ラストにしては意外な選曲のようにも感じられる「ロボミ」は,2016年の初回オーケストラコンサートのアンコール曲の終わり際にも演奏されていたので,8年前の公演に参加したかもしれない,古くからのグラブルユーザーに向けたファンサービスのようにも感じた。
さらに,栗田氏が指揮のさなかに観客席に向かって身振り手振りで手拍子を誘い,会場はオーケストラコンサートではなく,バンドのライブのような盛り上がりを見せていた。
アンコールでは「どうして空は蒼いのか」から「メインテーマ」へとつながる熱い展開に
「ロボミ」の演奏後には,演奏途中で鳴り響いた手拍子がそのまま拍手へと変わり,降壇した栗田氏が再び姿を見せ,アンコール曲が披露された。
今回のアンコール曲は「アウギュステ列島 -白沫の瀑布-」「ローズクイーン」「どうして空は蒼いのか」「メインテーマ」の豪華4本立て。1曲目では,雄大な海をたたえるアウギュステ列島の白波がマラカスやピアノによって表現され,「ロボミ」で形成された熱気が,瞬く間に穏やかな空気へと変わっていく。
2曲目は,マルチバトル「ローズクイーン」戦のBGM。ゲストミュージシャンとして,シンガーソングライターの霜月はるかさんがサプライズ登壇し,オーケストラが表現する神秘的な曲調と合わせて生歌唱を披露した。
3曲目の「どうして空は蒼いのか」は,屈指の盛り上がりを見せた5周年記念シナリオイベント「000 どうして空は蒼いのか Part.III」のメインBGMだ。「グラブル」屈指の人気シナリオイベントで,管楽器の高らかな演奏が際立つ楽曲となっている。
また,バグパイプの一種として知られ,伸びやかな音色が特徴的なイーリアン・パイプスの奏者である野口明生さんが登壇。さらに,第一部でもゲストミュージシャンを務めた髙桑さんがティンホイッスルを携えて再び出演した。
「どうして空は蒼いのか」のアレンジでは,オーケストラの管楽器と髙桑さんの演奏に,イーリアン・パイプスのメロディが加わり,唯一無二の広がりを感じさせる音色が会場の中に響き渡っていた。
雄大な空の広さが「どうして空は蒼いのか」によって表現されたあとには,本当のラスト曲として「メインテーマ」が演奏された。この曲は,ゲーム内はもちろんリアルイベントをはじめとした「グラブル」に関連する場所で耳にする機会が多く,これまで「グラブル」と歩んできた道程を振り返るとともに,これからの旅路を予感させる10周年コンサートの最後に相応しい楽曲だったと言えるだろう。
「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA -SYMPHONY IN BLUE-」は,圧巻の演奏はもちろん,随所で10周年という膨大な歴史を総括しつつも,最新の楽曲も含まれた,古くからのファンにも,新しいファンにもうれしい,粋な選曲が光るコンサートとなった。
10周年という節目を迎え,すっかり長寿コンテンツとして定着したグラブル。この先もどのような展開を見せてくれるのか,今後の動きにも期待したい。
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