プレイレポート
完全新曲3曲を引っさげて登場するPC版「SPACE INVADERS EXTREME」インプレッション。効果音とBGMが絶妙にブレンドされた進化形インベーダー
本作は「スペースインベーダー」の30周年記念作品として,2008年にPSPとニンテンドーDSで発売されたタイトルをPCに移植したものだ。ベースとなっているのはPSP版で,PC版ではインベーダーやボスなどのビジュアルがHD化されたほか,完全新曲となる3曲が追加されている。
「スペースインベーダー」のシンプルなゲーム性はそのままに,BGMとショット音を連動させる「BGM一体型効果音」や,スタイリッシュなビジュアルなどで新境地を開拓した本作をリリースに先駆けて遊んでみたので,そのインプレッションをお伝えしよう。
「SPACE INVADERS EXTREME」公式サイト
効果音とBGMのシンクロによって生み出される爽快感がキモ
まずは本作のゲームシステムを簡単に紹介しておこう。基本的なゲームプレイは,ビデオゲームの古典とも言える「スペースインベーダー」と変わらない。画面上部から迫りくるインベーダー達を相手に,CANNON(自機)を左右に動かして攻撃を避けつつ,ショットを駆使して撃退していくのだ。
では,「エクストリーム」ならではの魅力とは何か? それは何と言っても,ショット音や撃破音がダンスミュージック系のBGMとシンクロしていることに尽きる。
ゲームをプレイしていると,いつの間にかビートに合わせて身体が揺れている。テンポよくインベーダーを撃破したときは,連鎖効果が生み出す気持ちよさも相まって,思わず自分のプレイに酔ってしまうほどだ。効果音とBGMの連動を抜きに「エクストリーム」シリーズを語ることはできないだろう。
また,上述のように,PC版では以下の3曲の完全新曲が追加されている。さらに,既存曲もすべてリニューアルされているので,他機種版をプレイしたことがある人は,その違いに耳を傾けてみるのも一興だ。
○PC版で追加された楽曲
「Rave Lovers from Outer Space (STAGE5B)」 / 下田 祐(ZUNTATA)
「Future Extreme 20XX (STAGE5C)」 / COSIO
「Ending」 / 土屋昇平(ZUNTATA)
そしてもう一つ,「エクストリーム」シリーズの特徴とも言える「FEATURE」にも触れておきたい。これは,インベーダーを撃墜した順番によって得られる効果のこと。インベーダーは,赤,青,緑,黒,白のカラーに分けられており,同色のインベーダーを4体連続で撃破すると「POWER-UP FEATURE」が発生して,パワーアップアイテムを入手できる。
アイテムの種類には,着弾すると炸裂して広範囲に有効な「BOMB」(赤いインベーダー),貫通力のあるショットが撃てる「LASER」(青いインベーダー),5発の弾を一斉に撃ち出す「BROAD SHOT」(緑色のインベーダー),敵の攻撃を一定回数だけ防げる「SHIELD」(黒いインベーダー)がある。なお,白いインベーダーを倒してもPOWER-UP FEATUREには影響しない。
すべてのパワーアップには時間制限があるものの,どれも非常に強力で,使い方によってはインベーダー達をまとめて一掃できるものばかり。個人的なお気に入りはLASERで,まるでインベーダーの群れをスライスするかのようにサクサクと撃破できたときは,たまらなく爽快だ。
FEATUREにはこのほかにも,「ROUND FEATURE」「CHANGE TO UFO」「ROULETTE FEATURE」などがあり,これらはいずれも,高スコア獲得や自機のパワーアップにつながるものばかり。発動条件はそれぞれ異なるので,チャンスを見つけてぜひ狙ってみてほしい。
次々と襲来する個性豊かなインベーダー達
本作をプレイしていて,とくに面白いと思ったのは,敵であるインベーダーの多彩さだ。最もスタンダードな「ノーマル」に始まり,撃墜されると周囲の敵や自機まで巻き込んで爆発する「ボム」,数発撃ち込まないと倒せない「アーマー」など,一口にインベーダーといっても姿形だけでなく,能力も異なるものが登場する。
編隊もバリエーションに富んでいて,矢印の形や,まるで何かを示唆しているかのような意味深な並びなど,そのインパクトはなかなかのもの。見た目にも面白いので,そのあたりにも注目してほしい。
敵はインベーダーだけではない,UFOの存在もゲームプレイを盛り上げるのに一役買っている。中には,「ルーレット」「フラッシング」「ラウンド」といったボーナス要素のあるUFOも登場する。
しかし,それらはわずかな時間しか出現しないので,うかうかしているとすぐに逃げられてしまう。チャンスを生かすためにも,ボーナス系のUFOには常に気を配っておいたほうがいいだろう。それだけに,落とせたときの喜びは格別なハズだ。
筆者は本稿のために一通りプレイしたあとも,気がつくとスキマ時間にちょこちょこと本作を遊んでいる。そんなふうに肩肘はらず,気軽に楽しめるカジュアルさが,このゲームの大きな魅力なのだ。「スペースインベーダー」の文法を崩すことなく,現代風のサウンドやビジュアルをうまくブレンドし,大きく進化させた「SPACE INVADERS EXTREME」。未体験の人は,ぜひこの機会に遊んでみてほしい。
「SPACE INVADERS EXTREME」公式サイト
※掲載したゲーム画面は開発中のものです。
- 関連タイトル:
SPACE INVADERS EXTREME
- この記事のURL:
(C)TAITO CORPORATION 1978, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.