プレイレポート
「ヴァルキリープロファイル -レナス-」攻略の心得10選――近頃ガッツがないなという人でも楽々クリアできる方法を覚えよう&思い出そう!
VPシリーズの特徴は,直感的にコンボをつなぐバトルシステムをはじめ,北欧神話をモチーフとした壮大な世界観と,人間の営みの儚さとが巧みに織り交ぜられたストーリーにある。しかしまあ,初代VPの発売日は1999年12月22日だから……約18年前の作品か。現在もスマホゲーム「VALKYRIE ANATOMIA -THE ORIGIN-」(iOS / Android)でのシリーズ展開が続けられているものの,人によってはなんとも言えない,個人的なショックを受けるだろう。私はショックだ。
そんなわけで今回は,VPを知らない若い世代,知っているけどやったことない人達,「ふーん。私は暗記でAエンディングに行けますけどね?」といった熟練者が混在すると予想したため,“「VP-レナス-」攻略の心得10選”と題し,覚えておくと,あるいは思い出しておくと嬉しい,プレイの心構えを紹介していくことにした。
なお,本稿は物語を語ることはほぼなく,基本的なゲームの流れやシステムもそれほど紹介しないくせに,ネタバレへの配慮はいっさい皆無という姿勢である。まだエインフェリアとして選定されていない者(※購入するだけで君もエインフェリア!),見るもの出会うものすべてに新鮮な驚きと発見を感じたい冷厳なる勇者はすみません,帰ってください。
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その1「スマホで華麗に操作したくば」
これからゲームを始める初心者,ならびにスマホゲームに慣れている人には,まだ見ぬ困難として受け取ってもらいたいが,初代VPの経験者なら最初に思っただろう。「スマホの操作で,どうやってあのダンジョンのあそこを抜けるんだよ」とかを。
ゲーム中はワールドマップでダンジョンや街を選択し,そこから2Dキャラクターを操作して,2Dで構成されたステージを攻略していく。そして中には,「これは本格派アクションゲームかな?」と言いたくなるような,ギリギリの立ち位置で,ギリギリのジャンプをして,ギリギリの晶石アクションを駆使しなくては手に入らない宝箱などが,それなりに待ち受けている。
実のところ,経験者に指南できる技はない。バーチャルパッドという新たな手綱に慣れて,うまいことやってほしいとしか言えない。私だって,「炎の城塞のコントローラをぶん投げそうになったあの狭い難所をスマホでどうやって抜けろって言うんだ」という気分になっているんだから,あまり責めないでほしい。というわけでここからは初心者向けに,ゲーム内でいろいろお世話になるであろう,定番アクションを3つほど紹介していく。
1つめは「ダッシュジャンプ」である。基本アクションじゃないかと野次を飛ばしたくなる人もいるかもしれないが,ちょっとだけ待ってほしい。本作ではわりと,これを如何に徹底するかが,最大にして最強の打開策となることが多い。
使い道は実に単純。地面や晶石のギリギリ端っこ,レナスの踵しか乗っていないような場所から,助走なしでダッシュジャンプである。これは,ニーベルン・ヴァレスティよりも頼りになる可能性すら秘められた,あらゆる場面で機能する奥義と言える。なによりも初めに紹介していることから,この基本アクションの偉大さを察してほしい。
アルトリア山岳遺跡のこの宝箱は,フロア内のアイテムの有無を知らせてくれる携帯品「トレジャーサーチ」。宝箱の探索がグッと楽になるので,必ず取っておこう |
ラピス晶石を原子配列変換すると,敵の存在を感知する携帯品「エネミーサーチ」を作れる。エンカウントなしの装備などもあるが,基本は上記の2つ+好みの1つがオススメ |
2つめは「晶石アクションの応用」である。晶石は足場を作ったり,敵を凍らせたりする,ダンジョンの謎解きの要になるシステムだ。晶石だけでも「小さな晶石」「大きな晶石」「剣で割った晶石の欠片」「晶石が砕けた結晶」とあり,これらを各所の地形と組み合わせることで,さまざまな難所を踏破できるようになる。
とくに,欠片を積んで作るお手製の階段や,短時間しか機能しない結晶を駆使すると,ダンジョン内を裏技まがいに進むことも可能だ。ジャンプでは届かない対岸,絶妙な隙間がある天井など,さまざまな場所で応用が利くので,切り札のバリエーションは幅広く持っておくべし。まあ,どこで頭を悩まされるのかは自身で体験すべし。
3つめは「晶石が砕けたときに隣接していると生まれる反動」である。晶石アクションを2回重ねて作った大きな晶石に,3回めの晶石を放つと,晶石は砕けて結晶となる。その際,レナスが隣接したまま晶石を砕くと,その反動として一定距離,レナスが真横に吹き飛ぶ。
この一定距離というのが実に嬉しく,また低めな軌道の横っ飛びであることから,通常のジャンプやダッシュジャンプでは抜けられない場所にたどり着けるようになる。使い道は多いわけではないが,中には「ステージから落下するとワールドマップに戻される」といったダンジョンもあるので,移動パターンを定型化したい難所に活用していくのもいいだろう。
その2「待って。そのスキルの取り方」
キャラクターはLVアップで獲得したCP(キャパシティポイント)を用いて,さまざまなスキルを習得できる。ただし,このスキルの取り方によっては,簡単なダンジョンをも難しくしてしまう。初心者がそんな事態を回避できるようにと,この項ではオススメのスキルをいくつか紹介していく。
攻撃時やターン終了時に発動する「リアクションスキル」は,当分はDME(ディバイン・マテリアライズ・エナジー。いわゆる体力,HPに相当)を回復する「First Aid」でいい。ただ,通常戦闘BGMの「未確認神闘シンドローム」がその曲名で表現しているとおり,本作は神々やその眷属といった,強大な存在との戦いをテーマとしているため,終盤の戦闘では数万,数十万といったダメージが大安売りで飛び交う。特殊な鍛え方(その10で紹介)でもしていないかぎり,それらの痛みは耐えられるものではない。
その結果,初代VPは一部で“ガッツゲー”と呼ばれた。通称の由縁は,行動不能時に一定確率で復活する「Guts」と,行動不能回復アイテムを自動で使用する「Auto Item」を組み合わせた戦術に,誰しもが寄り掛かったためだ。これは特殊な攻略法ではない。もはや正攻法である。
ゲーム終盤,もしくはクリア後ともなれば,DMEなんてオシャレな飾りである。そのころにはキャラが生きているか,死んでいるか,それだけでパーティ状況を判断するようになるからだ。ボス戦が苦しくなってきたら,この2つのスキルのことを思い出してほしい。死の先を行く者の気持ちを体感できるはずだから。
「サポートスキル」「アタックスキル」は好みでよい。戦術にも関わってくるが,一部のスキルを除いて,習得の優先順位は低い。しかし,「ステータススキル」は違う。GutsやAuto Itemが終盤の要とすれば,ステータススキルの取り方は序盤の要である。この項目に属するスキルは大別すると「ステータスが上がるもの」「神界転送で役立つもの」となるが,当然のように最優先はステータスである。
各スキルは,ゲーム中に入手できるアイテムでアンロックしていくものが大半だが,優先すべきはDMEが上昇する「Survival」,複数のステータスが上昇する「Fight」,攻撃力を上昇する「Attack Pow」(最速入手はゾルデ地下墓地の2フロアめ。魔術士の場合はMagic Powが別途必要)である。
ステータスは装備の影響力が大きいので,ゲームを進めるにつれて優先度は変化していくものの,序盤から中盤に関してはこれらを徹底しなければ,「敵のワンパンでお陀仏」「攻撃しても1ダメージ」といった事態も起きてしまう。経験者なら,洵やジェイクリーナスなどで1度は経験しているはずだろう。
つまり,初心者ほど意味あり気なフレーバーテキストで紹介されているスキルに騙されてはいけないのだ。各スキルのテキストをしっかりと読み解き,実利のあるスキルを優先して取っていくのが大切だと覚えておこう。もちろん,神界転送に向けて人物特性も忘れずに。
その3「アーティファクトは横領一択」
ダンジョンの最奥にいるボスを倒すと,各ダンジョンのユニークアイテムである「アーティファクト」を入手できる。しかし,アーティファクトを確保しようとすると「ちょっと待った!」の如し,序列社会ならではの世知辛い警告が挿入される。そのテキストを意訳すると,「こういう宝物って社長(オーディン)のモノだから,現場の人は必ず献上してね(怒)」というものだ。初見ではどうするべきなのか,怯えることだろう。
しかし,直球で言おう。すべて手に入れて問題なし。苦労して手に入れた宝物と,天界でくつろぐ上司からの評価,そんなもの比べるべくもないだろう(※現実社会には適用しないでください)。パッと見では無価値に思えるアイテムでも,原子配列変換によって化けることが多々ある。しかも,アーティファクトの入手などで上下する「評価値」は,後述する評価報酬やエンディング分岐以外では影響力なんて無いに等しい。
祖父母から「たかし。オーディン様を敬いなさい」とか言われて育ってきた人でもないかぎり,「宝箱? 空っぽでしたけど?」と素知らぬ顔して,独り占めしてしまおう。
その4「使用キャラはとっかえるべし」
ゲーム内には,20を超えるエインフェリアが存在する。彼らを仲間にする方法はチュートリアルで習ってもらうとして,エインフェリアはゲーム進行の一区切りである「Chapter」ごとに神界へと送り,神界での活躍をニヤニヤと眺める,「神界転送」のシステムに関わってくる。そして,この項は賛否両論かもしれないが,パーティメンバーはコロコロと変えたほうが楽しいし,上司である「フレイ」から良いアイテムをもらいやすい。
20ものキャラがいると,自明の理だが,個々の強弱や使いやすさにバラつきがある。だから使わないキャラを神界転送し,強いキャラだけで攻略を進める,そんな人もいるだろう。しかし,それだとエインフェリア達の魅力を把握しづらいので,初プレイの人はできることなら,Chapterごとに2人を使って,その2人を神界に送って,次のChapterで新たに2人を加えてと,新鮮な気持ちでプレイできるローテーションを組んでほしいと思う。
慣れていないと,攻略中にLVやステータスで苦しむかもしれないが,そこは前述したスキルや装備でどうにかしたり,経験の宝珠をつぎ込んで整えたりもできるので,致命的な欠点にはならない。むしろ,本作はこのローテーションを前提に組まれているゲームデザインであることが体感できるはずなので,初めての人ほど,こうやって遊んでみるのがオススメだ。
ちなみにエインフェリアは皆,なんらかの原因で死亡した人物(=彼らを神々の戦士/エインフェリアとして導くのが戦乙女ヴァルキュリアの役目)である。そして一部のキャラのみ,故郷などに訪れると,その人物にちなんだアイテムを入手できる。オススメはいろいろとあるが,序盤に関しては,ピンポイントで最強なアリューゼの「ドラゴン・スレイヤー」と,序盤で大活躍する那々美の「護神刀“竜仙”」を必ず入手しておこう。
その5「神界転送の極意は“リセマラ”」
エインフェリアを神界転送したChapterの終了時,転送した人数,彼らのステータスや勇者適正値,求められる人材(=ステータススキルの該当スキル)などに応じて,神界アスガルドにおわしますレナスの上司のフレイより,ありがたきお褒めのお言葉や,浄化されそうな説教が飛んでくる。レナスがコンビニの店長だとすれば,エインフェリアは本部に送られたバイトで,それをこき使って査定するのがフレイである。わかりやすい?
そして定期報告の終了時,フレイはレナスの評価に応じて,アイテムを授けてくれる。最高評価の場合は“次のChapterの1戦級の武器”をもらえるので(※武器がもらえるChapterに限る),このためにも神界転送をしておいたほうがいいのだ。
ちなみにエインフェリアの活躍によって上下する神界の戦況は,優劣がどうなろうがレナスに関係することはなにもない。自身から最も縁遠いプロスポーツのリーグ戦の勝敗を確認する気分でいても構わない。とはいえ,自分が育てたエインフェリア達がコツコツと活躍している姿を見るのは結構楽しい。これを見るための初代VPとすら言える。
そして本題だが,評定終了時にもらえる強力な武器はランダムで配られる。武器には刀剣,槍,弓といったカテゴリがあるので,たとえ上質な刀剣が欲しいと思っても,それが手に入るか否かは,すべてフレイ様のご機嫌次第である。ゆえに,ここでは邪道の一手を授けることになるが,個人的には「欲しい武器種が手に入るまで評定前でセーブ&ロード」をオススメする。
長い目で見て,ここで是が非でも手に入れておかなくてはならないアイテムというのは少ない。だが,最上級の倭刀をもらっちゃったのに,次のChapterで倭刀を使えるキャラがいなかったら,アイテム欄でピカピカするだけのものになってしまう。各Chapterの最新武器を道具生成で確保するには,結構なマテリアライズポイントを要求されるため,自前の確保も意外とキツイ。ゲームの風情を壊す恐れがあるので高らかにはオススメしないものの,私なら絶対リセマラする。どのような面倒を取るのかは,各々に任せよう。
その6「面倒な戦闘はポイズン・ブロウ」
まずパーティ編成についての助言だが,“魔術師を1人は必ず入れるべし”である。魔法は攻撃用途のみならず,回復やバフ/デバフでより光る。面倒なザコ戦,困難なボス戦で幅広い選択肢を持つためには,強力な戦士よりも,1人の魔術師の存在が大きい。
それを踏まえての小技だが,魔術師の攻撃魔法は通常攻撃で出すと単体攻撃だが,メニューを開いて魔法一覧から選択すると,敵全体をターゲットにして放てる。そして,序盤でもスキルや護神刀“竜仙”で魔術師のINTを高めておくと,戦闘開始時(※有利攻撃時のみ)に全体魔法を放つだけで,ガードもされず,避けられることもなく,敵パーティに壊滅的なダメージを与えられるのだ。INT値や属性相性を踏まえれば,ザコ戦を魔法1発で終わらすことも可能である。
魔法はクール・ダンセルでも,プリズミック・ミサイルでも,シャドゥ・サーヴァントでもなんでも構わないが,ヒット数でダメージを稼ぐ魔法は,敵の形状によって“n発めが当たらない”こともあるので,私は1HIT技で敵全体にしっかりと当たる「ポイズン・ブロウ」を推している。ただ,CT(チャージ・ターン)は魔法によって加算量が異なるため,ポイズン・ブロウなどは1ターンで敵を始末できないと,動けなくなりやすいという弱点もある(※CTの仕組みは必ず自習しておこう)。
この解決方法としては,紫炎石を出しやすい通常攻撃を持つキャラ,とくに“Attack3のシャイニングボルトさん”こと,ルシオを使う。もしくはアタックスキルの「Mental Reaction」でCTを回復するのが最善と言える。ちなみにルシオは物語の重要人物ではあるが,通常攻撃のAttack1,Attack2,決め技のラウンドリップセイバーは非常にしょんぼりする,戦力外通知を送りたくなる性能である。
しかし,彼はそれらの弱点をものともせずに,前述したシャイニングボルトの力だけで自己を確立し,他者を圧倒している。初プレイの人は,シャイニングボルトの性能だけは絶対に確かめてほしい。
ついでに魔法の話を追記しておくと,魔術師の決め技は“セットした通常魔法に応じた中魔法・大魔法(※発動可能な武器のみコチラ)が発動する”という仕組みだ。しかし,残念なことだが,大魔法には歴然とした格差が形成されている。一例を挙げると,大魔法には1撃5000ダメージで全1HITのものや,1撃2000ダメージで全7HITのものが混在しているのだ。
結果,プレイヤー達からの愛を一身に引き受けたのが,クロス・エアレイドのセット時に発動する「セレスティアルスター」である。これは後のVPシリーズにおける大魔法の代名詞となるほどで,初代VPでは他の大魔法の追随を許さない,完全無比の1択として君臨している(※性能が近似した大魔法もあるが,総合力で軍配が上がる)。個人的にはいろいろな大魔法を見て,詠唱の台詞を暗記して口にして,後年に辛い思いをしてほしいところだが,ボス戦で困った人はとりあえずセレスティアルスターを使っておこう。これ以外を使うのはボスに対する舐めプである。
その7「困ったら攻略サイト(古参)」
18年前と言えば,光回線なんて未来の技術であり,ADSLの本格普及前であったから,ISDNやらテレホーダイなんて単語がインターネットの中核にのさばっていた。世間的にもネットなんて,アンダーグラウンド寄りの時代である。そんな時期に発売されたゲームなのだからネットの攻略情報なんてあまり……とはならないのが初代VPの面白いところ。同作は2000年代に入っても攻略情報が盛んに更新され,今でも顔馴染みに等しい個人サイトが大きな看板として,検索エンジンに引っかかる。
なにが伝えたいのかというと,攻略に行き詰まったら,そういうサイトを参考にするといい。他力本願。メディアの仕事放棄と思われるかもしれないが,私がこれから書き連ねていける攻略情報なんて,質も量も速度もたかが知れている。しかも,文字情報のみならず,(法規的な部分は言及しないとしても)ゲーム実況動画も無数にアップロードされている時代なのだから,読者の利益を優先するスタンスであるからこそ,今回はよそ様の18年分の財産に頼るのである(※ちなみに公式の攻略本サイトへのリンクも搭載されているので,こちらでもよい)。
さらに,憶えておいてほしいことがもう1つ。本作の攻略で求められるのは今回紹介している小ネタのみならず,ダンジョンの攻略方法が中心となるはずだ。中学生時代のまるで考えが足りなかった筆者のように,「亡失都市ディパン」の順路がさっぱり見つからなくて,コントローラ(これからはスマホ)を捻ったり,曲げようとしたり,投げつけたりしそうになる前に,柔軟な思考で答えを見てしまうのも一手である。ディパンのステンドグラスは見つけた瞬間キレたわ。
それに私は今この時点で,「ローム丘陵のカラクリ屋敷(難度Hardのみで登場するダンジョン)」だけは,ダンジョンに入った瞬間,ルート攻略を全力で検索するだろうと確信している。何度も攻略しているにも関わらず,さまざまなギミックで襲い掛かってくるのが,この初代VPという作品なのだ。おじさんにはもう,頭を捻る時間を楽しむ心の余裕がないのだ。
なお,難度Hardでプレイする人は,Chapter4「レザード・ヴァレスの塔」をくまなく探して,アイテム「配列変換の宝珠」を必ず手に入れておこう。入手までのギミックに若干悩まされるかもしれないが,これを起点に進化する原子配列変換はHard中盤以降の醍醐味となるので,絶対に逃さず確保しておきたい。
その8「忘れろよ。Aエンドなんてさ」
本作にはA,B,Cの3つのエンディングが存在する。このうち,Cだけはゲーム途中でも行けるバッドエンディング的なもので,上司(フレイ)に逆らいすぎて評価が駄々下がりしたとき,フレイ自らが圧倒的な火力で,一方的な暴力を振るいにくるというものである。暇なときにぜひとも試してみてほしいが,基本的に勝てるとは思わず挑もう。
そして問題はAとBである。これらはゲーム中盤(Chapter4〜6)のプレイによって分岐するのだが,もっと言うとChapter1〜3で「鈴蘭の平原」に行かないなどの細かな仕込みも必要とされるため,“Aエンディングを目指しつつ,Bエンディングも見るデータ”としてプレイしていかないかぎり,セーブデータの共用は難しい。そのうえAエンディングを見て,次はBエンディングをとなっても,ゲーム中盤の途中からのプレイだと,イマイチ気がのらないこともある。
Aエンディングに行くには,「自力で行った奴は人間じゃなくて神族」と言われても仕方ないほど,複雑怪奇なプレイを要求される。自然に遊んでいてたどり着くことは,まず不可能と思っていてほしい。そして,初プレイでガチガチにルートを固めてたどり着こうとすると,攻略サイトのあらゆる情報を読み解き,その指示にズレることなくプレイしていかねばならない。しかも,初心者ならクリア後のダンジョン「セラフィックゲート」で求められる“紅蓮の宝珠”の回収でケチが付くはずなので,それも含めてオススメできない。
Aエンディングを目指すときは,経験者であっても「これ間違ってない? 大丈夫?」と不安になりながら中盤までプレイすることになるので,初プレイの人はできれば,健やかに伸びやかに自由に楽しみ,Bエンディングを見てほしい。Aエンディングはその後に見るからこその内容なので,詰めVPは2周めにすべきだ。そのころには自然とノウハウが身に付いているはずだから,2周めは使用するキャラをすべて変えてみたりと,違う楽しみ方を並行するといいだろう。
その9「念願のチュートリアル飛ばし」
読んで字のごとく。「初めてプレイする」「久しぶりにプレイする」という人にはどうでもいいことだろうが,初代VPのプロローグやチュートリアル部分は本来,スキップできない仕様であった。つまり,2周め,3周めと遊ぼうとすると,セーブデータを確保していないかぎり,数十分もの導入部を見て,チュートリアルダンジョンもクリアせねばならなかった。私はゲームスタート時点のセーブデータを用意しておく派であったが。
つまるところ,今後は周回プレイをする際,煩わしさもなく,ニューゲームを楽しめるようになった。初プレイの人がたどり着くであろうBエンディング,上述したAエンディング,NomalとHardの違い(※NomalとHardでは出現するダンジョンが一部異なる。攻略を詰めると良いアイテムを入手しやすいHardのほうが楽,という仮説もある)など,2周め以降でお世話になるだろう。
その10「オススメしない。生命の腕輪」
最後は,初心者ほど楽になるはずだが,初心者ほどオススメできない,本作でも有数の面倒なやり込みを紹介する。本作ではキャラクターのDMEの最大値は「90000」となる。しかし,普通に経験値を稼いで,普通にLVアップさせると,クラス補正で上下するものの,最大値には絶対に3〜4万ほど届かない。
そこで,とある装備品を使う。それは「生命の腕輪」と呼ばれる,数を揃えるには多少の吟味が求められるアイテムである。生命の腕輪を装備したキャラには,“LVアップ時のDME上昇値が+300(※装飾品は最大2つまで装備可能なので最大+600)”の効果が付与される。言いたいことはもう伝わったと思うが,キャラのDMEの最大値を目指したければ,生命の腕輪を確保し,装備させる必要が出てくる。
しかし,これが結構大変なのだ。まず,戦闘時に有用性を発揮するそのほかの装飾品を付けられないのが痛い。ボス戦が辛くなる。経験者ならどうにかする手練手管もあるだろうが,初心者にはこれだけとっても厳しいものがある。さらに面倒なのが,腕輪の個数管理である。上述したとおり,獲得手段はいくつかあるが,量産するにはひと手間があり,パーティメンバー全員分の計8個を揃えられるのも,大体は中盤以降のことである。
そのため,「次の戦闘でこのキャラがLVアップしないか」「魔晶石を出しすぎたらLVアップしてしまう」「腕輪を付け替えるの忘れていた」など,キャラごとの独自の経験値調整に追われてしまうのだ。一応,経験の宝珠をこの調整にのみ費やし,各キャラの取得経験値量を個別にズラしていくのが楽なやり方だが,この時点で興味をなくしている人もいるだろうからこれ以上は割愛する。
うろ覚えの知識だが,LV20〜LV30あたりからLV99まで腕輪を付けていれば,DMEがカンストしたと思う。これをLV制限プレイの猶予と取るのかは人それぞれだが,私のように潔癖症なタイプはとくに,「Aエンディングを目指しつつ,忘却の洞窟と神界転送はリセマラしつつ,バトルで経験値調整しつつ……」などの要素が複合し,スタートからクリアまで最適解を通り抜けようとする,シューティングゲームの1コインクリアようなプレイになりかねない。ゆえに,初心者には危ない。危険なのである。
ただ,徹底しようとするのは大変だが,“レナスとアリューゼに1個づつ,あとはとくに使いそうなキャラだけ気に掛ける”くらいの心持ちでやるだけでも,通常攻略で目に見えて恩恵を受けやすい。1発で死ぬはずだったところが,1発は耐えられるようになるから,ゲーム後半で助かることもある。まあ,そもそもゲームクリアの目安LVは40〜60くらいだろうし,じゃあクリア後で真価を発揮するかというと,どうあがいても最終的な正義はGuts&Auto Itemにあるので,うん,DMEの値をオシャレにしたい人だけ挑むといい。
(※“Aエンディングを目指しつつ,Bエンディングも見るデータ”で進行する際,Chapter4〜6までに生命の腕輪でDMEをしっかりと鍛えておけば,Chapter6〜8の課程を休息で全部すっ飛ばして,AorBをクリアすることは可能。実際に経験済み。ただ装備面が辛い)
とまあ,遊び方も,進み方も,考え方も,豊富すぎるゲームなわけである。ぶっちゃけ,冒頭の“その1「スマホで華麗に操作したくば」”以外の知識は重しになるので,今ここで忘れてしまってもよい。初プレイでは気軽に未知の体験を。2度めのプレイではAエンディングを目指す。これがベストな楽しみ方だと思うので,熟練者以外はあまり真に受けず,フレイに叱られているといいだろう。
それと,今回は物語や設定については触れていなかったが,VPシリーズのシナリオはこの18年間,さまざまなゲームが世に出てきたことも意に介さないほど,今でも個性的なものと評せる。俗に言う“中二病”をガンガン刺激する内容に仕上がっているのも,ゲーム内のやり取りだけではキャラ同士の背景が見えてこないので設定資料集を漁ってしまうのも,いっそ恨めしいほどにプレイヤーを惹きつけてくる大きな魅力だ。
レナスという存在の真実,3人の戦乙女の関係,エインフェリア達の生い立ち,神界での争いなど,物語の細部の1つ1つを解釈し,その身に刻んでしまえば,こんな風にVPファンの仲間入りである。ちなみに私が中学生時代に最も影響を受けた作中の用語は「ロスト・ミスティック」(失伝した呪)です。
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(C)1999, 2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Original version developed by tri-Ace Inc./Character design : PRODUCTION I.G
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