プレイレポート
艦船の特徴を活かして勝利をつかめ。TVシリーズの後日譚が描かれる「ハイスクール・フリート 艦隊バトルでピンチ!」プレイレポート
なお,3月23日にはリリース直前特番の放送がTOKYO MXほかにて決定している。本作の動向に注目しているファンは忘れずにチェックしておこう。
「ハイスクール・フリート 艦隊バトルでピンチ!」公式サイト
上で紹介したとおり,本作はTVアニメ「ハイスクール・フリート」(以下,ハイフリ)を原作としたタイトルだ。まずは,TVシリーズを見てない人のために“ハイフリ”の世界観を軽く解説しておこう。
物語の舞台となるのは,「メタンハイドレート」の採掘による沈降現象により,多くの国土が水没してしまった“IF世界”の日本。国土保全のため,次々と築かれた水上都市はいつしか海上都市となり,それらを結ぶ航路の増大に伴って海の安全を守る多くの人員が必要となっていった。その中でも,女性によって構成される海上保安組織が「ブルーマーメイド」だ。TVシリーズで物語の主軸となった「岬 明乃」と「知名もえか」の2人は,ブルーマーメイドに憧れその養成学校である横須賀女子海洋学校に入学することになる。
本作のストーリーは,TVシリーズで展開された「RATt(ラット)事件」の後日譚にあたる。今回のプレイ中に確認した限りではあるが,本作のストーリーはTVシリーズの内容に直接的には関わらないため,ハイフリ初心者の人でも問題なく楽しめるだろう。
アニメで活躍したお馴染みの晴風クラスのメンバーはもちろん,同じ横須賀女子海洋学校に通う新キャラクターたちも多数登場。天津風の艦長である「高橋千華」や,時津風の艦長「榊原つむぎ」など,個性的なメンツが揃っている。ゲーム内だけでキャラクターを全員把握するのはなかなか大変なので,気になる人は公式サイトでキャラクター一覧をチェックしてみよう。
ゲームのメインコンテンツは,タイトルにあるとおり“艦隊バトル”だ。バトルをくり返して艦船に乗るメンバーたちを育成し,より強化された艦隊でさらなるバトルに挑む……といった,スマホゲームとしてはお馴染みのゲームサイクルが採用されている。
ただし,本作は対戦に重きが置かれており,いわゆる“スタミナ”の概念は存在しない。物語を中心に楽しみたい人も,対人戦を極めたい人も,自由なタイミングでゲームを楽しめるのは大きな魅力といえるだろう。
艦船に乗り込む主なメンバーはガチャで入手することになるが,ガチャを回すために必要な「マーメイドジュエル」は,ゲーム序盤でけっこうな量が手に入る。事前登録特典として配布されるマーメイドジュエルを含めれば,十分な戦力を揃えられるだろう。
3つの艦種とスキルが織りなす艦隊バトル
限られた指揮コストをいかに振り分けるかがカギ
ここからは,艦隊バトルの詳細なシステムを紹介していこう。バトルの大目標は,マップに配置された相手拠点の破壊だ。プレイヤーは最大で5隻の艦船を同時に指揮し,相手より先に,より多くのダメージを相手拠点に与えなければならない。
そんな艦隊バトルの中核を担っているのが,時間経過で累積する「指揮ゲージ」だ。模擬戦が開始された直後のマップはカラッポで,そのままでは何も起こらない。相手を攻撃するための艦船は,指揮ゲージを消費することではじめてマップに出撃させられるのだ。
マップに出した艦船は相手の拠点に向けて移動を開始し,その攻撃範囲に侵入すると自動で攻撃を開始してくれる。ただし,拠点到着前に相手の艦船が自身の攻撃範囲に入った場合は“交戦状態”となる。その場合は艦船への攻撃が優先されるので,拠点を攻撃する前に露払いを済ませておかねばならない。
艦船の移動ルートと交戦時の行動は,艦船に配備した艦長の「移動ルート」と「戦術」によって決定される。移動ルートは読んで字の如くだが,戦術は“相手艦船との交戦時の行動”を示すステータスだ。戦術には大幅に移動速度を下げて戦闘に専念する「交戦」と,速度を落とさずに拠点を目指す「突撃」の2種類が存在するので,状況に応じてマップに出す艦船を使い分けると良いだろう。
ゲーム中に登場する艦種は,大きく分けて「大型艦」「巡洋艦」「航洋艦」の3種類。大型艦は高威力の砲撃を命中させやすい巡洋艦との戦いを得意とし,巡洋艦は連続射撃で航洋艦を捉え,航洋艦は魚雷で大型艦を討つ……という3すくみの構図になっている。
ポイントとなるのは,いわゆる“属性”による威力の増加だけでなく,コストや攻撃力,移動速度といったステータスの組み合わせによって相性が成り立っているという点だ。単純に相性の良い艦種をぶつけるだけでなく,それぞれに合った立ち回りが必要になる。
種別 | 指揮コスト | 移動速度 | 攻撃手段 | 火力 |
---|---|---|---|---|
大型艦 | 高 | 遅い | 砲撃 | 高い |
巡洋艦 | 中 | 普通 | 砲撃/魚雷 | 普通 |
航洋艦 | 低 | 速い | 魚雷 | 低い |
各艦船がマップに出ているときに発動できる「スキル」もまた,戦略を決定する重要なファクターの1つだ。スキルにはさまざまな種類が存在するが,指揮ゲージを消費して発動できる任意発動型の「艦長スキル」と,常時発動型(誘発型)の「乗組員スキル」の2種類に大別される。
指揮ゲージを消費する艦長スキルはとくに強力で,地点指定で範囲内すべての相手艦船に砲撃を浴びせる「主砲斉射」や,防御力と移動速度を大幅に上昇させる「最大戦速」,相手拠点に大ダメージを与える「対拠点射撃」など,場合によっては一撃で戦況をひっくり返すほどの可能性を秘めている。
乗組員スキルは砲撃や魚雷が基本で,威力は高いが命中力の低いもの,威力は低いが発射間隔の短いものなどがある。艦長スキルの使い方に慣れてきたら乗組員スキルの構成も考えるといいだろう
この項目で最初に触れたとおり,指揮ゲージは時間経過で累積するため,使用できるコストの上限は限られている。艦船の出撃と艦長スキル発動のリソース源が同じため,艦船の展開を優先すればスキルの発動が遅れ,スキル発動を優先すると艦船の数で負ける可能性が生まれるわけだ。
低コストの艦長スキルを早めに発動してテンポを取るか,じっくりと相手の行動を見て範囲攻撃での逆転を狙うかはプレイヤー次第。指揮コストのジレンマを,いかに解消するかが戦略の練りどころである。
練り上げた戦略をスムーズに展開するためには,艦長や乗組員の強化も重要となる。メンバーはバトルをくり返すことでレベルが上がっていくが,強化手段はそれだけではない。アイテムを消費して直接ステータスを強化したり,限界突破や覚醒によってレベル上限を開放したりすることも可能だ。
また,メンバーが持つ艦長スキルと乗組員スキルは「威力」「射程」「再使用時間」などの項目に分かれており,各項目ごとに強化を行える。ただし,各項目の合計強化回数の上限があるため,すべての数値を最大まで高めることはできない。一撃の威力を優先するか,相手より先に攻撃できる利点を重視するか,再使用時間を速めて回転率を上げるかの判断は,艦隊全体での運用方法に合わせて考えるのが良いだろう。
強化のためには,やはり必要な素材を集めなければならない。覚醒素材は外洋訓練で,ステータス強化素材はランクマッチで,スキル強化素材はシーズン報酬で,限界突破素材はショップをメインに入手でき,キャンペーン時にはより多く獲得できるようだ。
とくにメンバーを指定して訓練に出すことで,一定時間経過後に報酬が得られる「外洋訓練」は重要な収入源の1つだ。訓練で入手できる報酬は事前に表示されているが,訓練結果で高評価を得られれば報酬が増えることもある。一度設定してしまえば放置するだけで報酬が得られるので,ゲームを遊べない時間の穴埋めにぴったり。ガンガン外洋訓練を行ってカードの覚醒素材を集めよう。
本作をプレイしてみて,本格的な艦隊戦シミュレーションゲームほど難しくなく,かつ戦略性が失われすぎない,丁度良いバランスになっているように感じられた。原作を知っているファンほど楽しめる作品であるのは間違いないが,リアルタイムでの戦略バトルを楽しめるゲームファンであれば,遊んで損のない作品に仕上がっている。初期に入手できる艦船とメンバーだけでも本作の基本は十分体感できるので,気になった人はぜひ触れてみてほしい。
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(C) AAS/海上安全整備局
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