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印刷2019/03/07 01:00

プレイレポート

「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」メディア向け試遊会レポート。フロム・ソフトウェアからの新たな挑戦状に挑む

 フロム・ソフトウェアが2019年3月22日に発売を予定しているアクションアドベンチャー「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」PC/PS4/Xbox One)のメディア向け試遊会が,2月27日に同社にて開催された。

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 当日は製品版とほぼ同等のPC版が用意され,約2時間で2つのシチュエーションを体験することができた。「Demon's Souls」から脈々と続く,ハードな手応えのアクションゲームの系譜を受け継ぎながらも,純和風の世界観や刀によるせめぎ合いなど,これまでとはひと味違ったテイストが魅力だ。本稿ではそのプレイレポートを,その場で撮影した動画とともにお届けしていこう。

試遊はPC版を使って行われた。操作などは昨年の東京ゲームショウなどに出展されたものと同じだが,PC版なので,ゲーム中に表示される操作説明はXbox Oneコントローラ準拠だ
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試遊会会場には,本作のビジュアルや設定画が展示されていた
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 時は戦国時代末期,本作では「狼」と呼ばれる忍者の壮絶な戦いが描かれる。その舞台となる「葦名城」や登場人物は架空の存在であり,これまでの同社のアクションゲーム同様,現実にはあり得ないような外連味あふれる世界観が設定されているのも見どころの1つだ。

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 今回の試遊では,ゲームスタート時のチュートリアルから,葦名城の城下を探索するマップ,そしてゲームをある程度進めたセーブデータを使用し,紅葉が美しい寺院「仙峯寺」周辺のマップに挑むことができた。

 プレイヤーキャラクターとなる狼は,その主である御子を葦名の侍にさらわれ,左腕を斬り落とされてしまう。ある人物の計らいにより葦名城城下の荒れ寺へと連れてこられ,斬り落とされた左腕に「忍義手(しのびぎしゅ)」を装着された狼は,連れ去られた御子を救出するために,御子から譲られた刀「楔丸」を手に,難攻不落の葦名城へと挑んでいくのである。

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 狼はその荒れ寺を拠点として,葦名城へと向かうわけだが,とくに目的地は示されておらず,行くべき道を探しながら進んでいくこととなる。
 マップの要所には「鬼仏」の像が置かれていて,ここがリスポーンやファストトラベルのポイントとなる。序盤にはこの鬼仏が比較的近い間隔で置かれていて親切なところも感じられたが,死を迎えれば手持ちのお金とスキルポイントが半分になるので,そこは覚悟しておきたい。

 狼は序盤から忍義手に「鉤縄」を装備している。屋根の飾りや太い木の枝などに現れる丸い標的に使うと,その場所へと移動できる。道中はあらゆるところに鉤縄で飛べる場所が存在していて,高所を移動することにより,敵の死角を進んだり,新たなルートを開拓したり,あるいは逃げ道として使ったりと,立体的な行動が行えるのだ。高所から敵をロックオンし,飛びかって攻撃すれば,敵を一撃のもとに葬る「忍殺(にんさつ)」も容易だ。
 この鉤縄を使った移動は,主人公が忍ということを実感させるアクションであり,ステルス移動にも通じている。今回の試遊でもこの鉤縄での移動を駆使することで,ある程度の敵を回避することに成功した。

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 城下には敵が無数に存在していて,対峙すれば当然,戦闘が発生する。狼が持つ攻撃手段は,右手に持った刀と左手の忍義手に仕込まれた「義手忍具」となるわけだが,後者は「手裏剣」や「爆竹」などの使える回数が限られた牽制・補助向けの武器で,主な戦いは刀によって行われる。

 プレイヤーと敵には体力を表すゲージのほかに,特殊な条件のもとに蓄積していく「体幹ダメージ」というものが存在していて,これを意識した駆け引きが本作のアクションにおけるキモとなる。
 戦闘時は,敵の攻撃に対してタイミングよく防御することでそれをはじき返し,体幹ダメージを与えられる。体幹ダメージが一杯になると体力ゲージの量に関係なく忍殺を行えるのだ。
 防御時のはじき返しはいわゆるジャストガードで,タイミング自体はそれほどシビアではないものの,いわゆる「パリィ」とは違い,一度成功しても敵が立て続けに攻撃してくる場合があるので油断は禁物だ。もちろん敵の種類によって攻撃のパターンも異なり,はじき返しのタイミングもそれぞれ違っている。
 今回の試遊では,仙峯寺の周辺で遭遇した錫杖を持つ僧侶や,両刃の薙刀のような武器を持つ簑笠(みのかさ)姿の侍は,攻撃のタイミングが掴みにくい敵の典型だった。とくに後者は動きがかなりテクニカルで,今回の試遊では残念ながら一度も倒すことができなかった。

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 体幹ダメージはプレイヤー側にも存在していて,敵の攻撃を受けたり,通常の防御をしたりすると蓄積する。プレイヤーの体幹ダメージが一杯になると体勢を崩してしまい,大きなピンチに陥ってしまう。忍殺されるようなことはないものの,周囲に敵が多い場合や強敵を相手にしているときは死も免れないだろう。ちなみに,体幹ダメージは敵味方とも時間経過で回復するが,その速度は体力ゲージの量と比例していて,体力が多いほど速く,少なければゆっくりとなる。
 これまでの同社のアクションゲームでは,強力な敵に対してはヒット&アウェイが有効だったが,この体幹ダメージによる忍殺が行えるようになったことで,戦い方の選択肢が増えている。ただし強敵に関しては,忍殺を複数回行う必要があり,はじき返しをミスしたときのリスクも大きいので,場合によってはヒット&アウェイで戦う手もあるだろう。

 敵と戦うときに気をつける必要があるのは,強敵相手の攻撃に対して表示される「危」のマークだ。これは敵のガード不能攻撃の合図で,何らかの回避攻撃が必要となるわけだが,その攻撃手段によってステップによる回避とジャンプによる回避を使い分けなければならない。ガード不能攻撃が下段攻撃の場合があり,その場合はジャンプによる回避が必要となる。「危」マークが出たからといって,安直にステップで回避しようとすると痛い目に遭うというわけである。

 プレイヤーとなる狼の成長システムについては,敵を倒すと手に入る「スキルポイント」を消費してのスキルツリーの開放と,素材を使った忍義手の改造,そしてボスを倒したときに得られる「戦いの記憶」で攻撃力を上げるといったものが存在している。
 今回の試遊では,忍義手の改造を試すことができた。忍義手の改造は,拠点となる荒れ寺にいる仏僧がやってくれるのだが,その素材となるアイテムは自分で見つけなければならない。道中で発見した「手裏剣車」は,その名の通り「手裏剣」を撃ち出す義手忍具を装備できる素材だ。手裏剣は体力と体幹の両方にダメージを与える飛び道具で,単純にダメージを与えるだけでなく,ヒットさせた直後に攻撃することでコンビネーション技を繰り出すこともできた。

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 ここまで試遊で分かったことを書いてきたわけだが,実際のプレイでは事前に予想をしていたとおり,死にまくりの展開であった。冒頭から敵に発見されて,背中から切りつけられて死に,ステルス移動中に木の柵を壊して敵に気づかれて死に,敵の攻撃をうまくはじき返したと思ったら,たたみかけられて死に,盾を持った敵の倒し方が分からず死に,序盤で出会う強敵の「侍大将」や「赤鬼」にはまったく歯が立たずに死んだ。

 ここで延々とトライ&エラーを繰り返して少しずつ進んでいくこともできるが,本作では鉤縄を使った移動ルートを見つけることで戦闘を回避し,探索によって義手忍具の素材を見つけてから強敵に挑むなども可能だ。
 さらに,死んだときもその場に復活する「回生」(通常は鬼仏で休憩をすると1回ぶん使え,敵を倒し続ければ再使用も可能になる)を行え,このときは自分を倒した敵を死によって欺くことができるなど,システムをうまく使った戦略の組み立てもできる。
 もとより,本作の主人公は鎧を着込んだ戦士ではなく身軽な忍者であり,真正面からの戦いは意図的に難度が高くなるようにようにデザインしているとのこと。忍者らしい,よりテクニカルな戦いを味わえるアクションゲームとして捉えるといいだろう。

 ゲームデザインに基づいた論理的な難度の設定はさすがフロム・ソフトウェアのお家芸で,さらにプレイにおいての選択肢があったことで,さんざん苦しめられた筆者も,(この序盤に限っては)心折れることなく挑戦することを楽しめた。ファンの期待を裏切らない完成度も実感できたので,発売日の3月22日を期待して待とう。

 最後に,試遊中のプレイ動画も掲載しておく。初プレイで操作も敵の配置も慣れておらず,ミスが多い点はご容赦を。また,ストーリーのネタバレは排除しているが,マップの探索は当然,進めることになるので,発売まで一切のネタバレが見たくないという人は注意してほしい。

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