イベント
竹中直人さんと波瑠さんが制作秘話を語った,「仁王2」完成発表会をレポート
「仁王2」は,3月12日に発売されるアクションRPGだ。妖怪の血を引く主人公と,商人・藤吉郎は,2人で1人の“秀吉”として手柄を立てるべく,戦国の世を奔走する。この日はシブサワ・コウ氏をはじめとしたコーエーテクモゲームスのスタッフが登壇したのに加え,藤吉郎役の竹中直人さんと,謎めいた妖怪狩り・無明役の波瑠さんが登場し,制作秘話を明かした。
●「仁王2」完成発表会 登壇者一覧
・コーエーテクモゲームス
シブサワ・コウ氏(コーエーテクモゲームス ゼネラルプロデューサー)
鯉沼久史氏(コーエーテクモゲームス 代表取締役社長)
早矢仕 洋介氏(「仁王2」ゼネラルプロデューサー)
安田文彦氏(「仁王2」プロデューサー&ディレクター)
・ゲスト
竹中直人さん(俳優 藤吉郎役)
波瑠さん(俳優 無明役)
完成発表会では,まず鯉沼氏が登壇。「『仁王』はコーエーテクモゲームスにとって思い入れのあるタイトル。旧コーエーとテクモが経営統合し,歴史ゲームとアクションゲームという互いの得意部分を合わせて開発したシナジーの象徴と言えるものだからです。発売後は全世界のユーザーさんから好評をいただき,期待値が上がる中で苦労しつつ『仁王2』を制作しました」と,コーエーテクモゲームスにおける「仁王」シリーズの位置付けについて語った。
続いては早矢仕氏と安田氏が登壇。「『仁王』は紆余曲折があって発売までに12年かかりましたが,おかげさまで全世界での出荷本数が300万本を超えました。続編である『仁王2』は達成感と満足感において『仁王』を越えるゲームであり,明日からお楽しみいただけますのでよろしくお願いします」(早矢仕氏),「『仁王2』は“ダーク戦国アクション”というコンセプトはそのままに,和風かつダークさの象徴としての妖怪にフォーカスし,半妖である主人公と敵妖怪のどちらもがパワーアップ・進化した作品になっています。オリジナルの主人公を作れるキャラクタークリエイト,最大3人でのオンラインプレイ,史実武将たちが織りなすオリジナルのストーリーといった部分に注力していますので,楽しみにしていてください」(安田氏)と,セールスポイントをアピールした。
ここで舞台上にはゲストの竹中さんと波瑠さんが招かれ,安田氏とのトークコーナーがスタートした。安田氏が竹中さんと波瑠さんに出演をオファーしたきっかけは「リアルとファンタジーを融合させた『仁王2』を制作するうえで,俳優として活躍している2人の力を借りれば,しっかりとリアリティある戦国時代を描けるのではないか。秀吉といえば竹中さん,妖怪を狩る無明については役柄通りに強さと美しさを兼ね備えた波瑠さんにお願いしたい」というものだったそうだ。
とはいえ,竹中さんと波瑠さんはゲームへの出演があまりないため,安田氏も断られる覚悟をしていたものの,快諾してもらえたという。2人は「とても光栄だと思いました。NHK大河ドラマの『秀吉』『軍師官兵衛』,そして映画『熊本物語』で藤吉郎を演じてきましたが,再び彼を演じられる機会があるというのは驚きでした」(竹中さん),「ゲームのお仕事が多いわけではないため,声を当てるのが難しかったですが,新しい体験がありました。前作もプレイしているので続編に出られるということで緊張しましたし,『仁王2』にもワクワクしています」(波瑠さん)と,それぞれの立場から役への思い入れを語った。
「仁王2」では竹中さんと波瑠さんの表情をキャプチャーして,藤吉郎と無明の3Dキャラクターを作成している。キャプチャー作業と,3Dキャラクターとしてゲームに出演した姿についての感想を聞かれ,竹中さんは「子供の頃から自分の顔は大っ嫌いで,100台ものカメラに顔を撮られるなんてことは考えていなかったので,ものすごく怖かったです(笑)。いつもどんなお芝居をしているかは記憶にないんですけど,監督の指示に従っていろいろな表情を演じました。表情だけで体を動かさないので不思議な感じがあり,楽しかったです。画面ではもう少し若くなっているかと思いましたけど……」とユーモア混じりに回答。
そして波瑠さんは「まったく初めての経験だったので,カメラの台数に圧倒されました。分からないことだらけで,監督さんの指示に従うことしかできず,期待にお応えできたのかな……という気持ちでした。大きい画面で見ると恥ずかしいですが,美人補正を掛けてもらった感じですね」と,ゲームの収録ならではの経験に驚きを隠せない様子だった。
2人に対して安田氏は「パーフェクトでした」と太鼓判。「秀吉が辞世の句を詠むシーンを収録する際,竹中さんが台本を閉じて暗唱されているのを見て,本当に秀吉なんだ……と感動しました」と絶賛した。竹中さんは「“露と落ち 露と消えにし我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢”というのは最高の辞世の句です。(秀吉役を何回も演じているけれど)役によって演じやすいとか演じにくいということはなく,監督の指示に従うだけです」とあくまでも謙虚で,そこにかえって一流俳優の風格が感じられた。
普段からゲームを遊ぶのかという質問に対しては,「ゲームはやりませんが,空き時間はずっと音楽を聴いてます。ジャンルはいろいろですけど,映画音楽が多いかも知れないですね」(竹中さん),「忙しくないなら日課のように遊びます。ゲーム友達には海外の方もいて,仕事終わりに仲間がいるバーにいくような感覚でボイスチャットしつつゲームを楽しみます」(波瑠さん)と対照的な回答だった。
続いては,「仁王2」のキーワードである「戦場での緊張感」と「強敵を倒した達成感」にちなみ,2人に「最も緊張した瞬間」と「最高の達成感を味わった瞬間」を聞くというコーナーとなった。
●「最も緊張した瞬間」
「山田孝之さん,斎藤 工さんと共同制作した映画『ゾッキ』の撮影です。基本は各人が撮るんですが,シーンによっては2人が共同で撮るものもありました。互いにどう演出するかを探るのは緊張感がありますが,とても楽しい瞬間でしたね」(竹中さん)
「NHKの連続テレビ小説『あさが来た』のヒロインに応募した時ですね。オーディションの最終審査を終えて結果待ちをしている時,『もう一度審査したいので大阪へ来てほしい』というお話があり,何も知らずに大阪へ行ったんですが,その場で合格を知らされ,翌日の発表会見に出席することになったので,パニックになるくらい緊張しました」(波瑠さん)
●「最も達成感を覚えた瞬間」
「映画『山形スクリーム』を監督し,波瑠さんにも出演していただいたんですが,その際の長期ロケですね。天候に恵まれず,撮影している最中に雨が降っては撤収する……という繰り返しでした。最終日も雨だったんですが,雲の向こうにポツンと青空が見え,それが広がって夏の青空になり,無事に予定通り撮影終了できました」(竹中さん)
「『山形スクリーム』ではチェーンソーを持って戦う17歳の女子高生を演じたんですが,すごく達成感がありました。先日も海外で1か月間のロケがあり,体調も崩さずに無事終えることができ,安心感と達成感がありましたね」(波瑠さん)
また,本作について2人は,「迫力のある画面なので,どんな妖怪が出るのか楽しみです。モンスターのマニアでもあるので,これを機にゲームを始めたいと思います。ハマって家から出られなくなりそうで怖いですが,自分(が演じる秀吉)を倒してみせます(笑)」(竹内さん),「『仁王2』も少しプレイさせていただきましたが,ゲーマーでなくてもキャラクタークリエイトなどでいろいろな人が楽しめるゲームですので,ぜひ年齢性別を問わずプレイして欲しいです」(波瑠さん)とコメント。
最後にシブサワ・コウ氏が登壇し「『仁王2』は旧コーエーとテクモが経営統合してから10周年を記念した作品です。総力を挙げて制作しており,社内のQA(品質管理)部門における評価も経営統合以来最高の作品となりました。自分のような普通のアクションゲーマーでも達成感を覚えることができますし,難関があってもマルチプレイやNPC『すけびと』などさまざまな勝ち方がありますので,いろいろなジャンルを遊んでいる人にプレイしてほしいです」と語って,完成発表会を締めくくった。
会場では「仁王2」のコラボ情報も発表されている。2020年3月12日からは,既報のとおり居酒屋「金の蔵」との期間限定コラボがスタートする。加えて,2020年5月22日に公開される映画「燃えよ剣」とコラボすることも明かされた。こちらは具体的な内容について改めて発表が行われるとのことなので,気になる人は続報を待とう。
「仁王2」公式サイト
- 関連タイトル:
仁王2
- この記事のURL:
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.