インタビュー
「終焉誓約」はスマホ向けのJRPGと言えそうだ。中国黄金世代の本作プロデューサーにインタビューを実施
今回は,同作のプロデューサーを務めるシュウ・フェイ氏にインタビューする機会を得られたので,その内容をお届けしよう。日本展開や,Nintendo Switch進出に意欲的な姿勢もうかがえるので,ぜひチェックしてほしい。
中国黄金世代のプロデューサーが陣頭に立つ
スマホ向けのJRPG「終焉誓約」
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。日本のアニメやゲームが好きだとお聞きしましたが,そのきっかけになった作品を教えてください。
ドラゴンボールや聖闘士星矢です。その後はFateシリーズや,NARUTO,ONE PIECEにも強く惹かれましたが,やはり1番好きなのはドラゴンボールですね。
4Gamer:
ゲームを作ろうと思ったのはいつ頃のことなんですか。
シュウ氏:
若い頃からです。ゲームを作るのが夢だったんですよ。
4Gamer:
ゲーム開発にはどんなきっかけで関わりを持ったんでしょうか。
シュウ氏:
当初はCGなどを制作していましたが,2008年に機会が訪れました。正式に作り始めたのが2009年で,PCゲームです。それから2013年のモバイルゲーム開発に移行するまで,いろいろなことを試してきましたが,JRPGを作ったのは今回の終焉誓約が初めてです。
4Gamer:
終焉誓約の企画を立ち上げたとき,ゲームのコンセプトはどのように決めていったんでしょうか。
シュウ氏:
まずは革新的なバトルシステムを考えました。この開発だけで1〜2年の時間を費やしています。
4Gamer:
なぜそこまでのコストを?
シュウ氏:
バトルはゲームのコアとなる部分でしたので,ほかのタイトルとはきちんと区別化をしたかったんです。また,これから新しい世代のゲームを遊ぶ人との趣向が合うように,表現や演出を重視し,2次元的なアピールができて,かつコンシューマっぽい作りで,将来的にはNintendo Switchにも進出したい。そんな思いからこだわり抜きました。
4Gamer:
ゲームの世界観はどのようなものをイメージして構築されたんでしょうか。
シュウ氏:
日系とヨーロッパのハーフというのをイメージし,伝統的なファンタジーや,アーサー王の物語から発想を得て,剣と魔法,竜や騎士,お城,フィールドをデザインしています。
中国内における従来の日系ゲームは,ビジュアルを重視していて,そういった作品と区別化しているのが終焉誓約における世界観の設定であり,工夫したところです。
4Gamer:
バトルシステムの開発だけで1〜2年なのに,全体の開発期間となるとどこまで膨らむんですか。
シュウ氏:
全体の開発は3年間かかりました。
4Gamer:
開発チームの人数は何人くらいでしょうか。
シュウ氏:
前期のコアメンバーは40人未満でしたが,今は70人を超えています。サポートメンバーを含めたら100人以上ですね。
4Gamer:
やはり開発メンバーの年齢は全体的にお若いんですか。
シュウ氏:
20代のスタッフが多いですね。企画やデザイナーといった中心メンバーには1990年代以降に生まれた人が多く,平均年齢は26歳くらいです。
4Gamer:
これまでの社内テストや,今回のプレイアブル出展などで,ゲームのどういった要素に評価が集まっていますか。
バトルシステム,シナリオ,広大な世界の3点ですね。
4Gamer:
では,逆にどういった要素が不足しているとお考えでしょうか。
シュウ氏:
未来的にはシナリオ面をもっと厚くしたいですね。特定のキャラにフォーカスしたサイドストーリーや,クライマックスの演出,キャラ同士の友情など,細かく表現していきたいです。
4Gamer:
現状,ゲームの完成度はどれくらいでしょう。
シュウ氏:
85%とは言えます。
4Gamer:
つまり,少なくとも中国での配信はもう近いと考えてもいいんでしょうか。
シュウ氏:
ノーコメントでお願いします(笑)。
4Gamer:
では,終焉誓約はどういった人に注目してほしかったり,遊んでもらいたかったりしますか。
シュウ氏:
主流の客層は18〜24歳で若い世代をターゲットにしていますが,古き良き日本のIPに思い入れが強い人にもこのゲームをぜひ遊んでみてほしいです。
4Gamer:
東京ゲームショウへの出展もお考えとのことですが,今年のTGSを通じて日本人も終焉誓約を遊べそうですか。
シュウ氏:
今はChinaJoyで手一杯で詳しいことはまだ決められていませんが,準備を進めていくのは確かです。
4Gamer:
最後に,終焉誓約に興味を持った人へ一言いただきたいです。
シュウ氏:
自らの手で日本へ持っていって,ぜひ皆さんに詳しく紹介したいです。よろしければ遊んでもらって,直接感想も言っていただき,商品としてより良くしていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。