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「作りたい」という思いを満たすために作った会社「Thinking Stars」――もう30代なので,いまこそ挑戦しないと!
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印刷2018/11/05 20:21

インタビュー

「作りたい」という思いを満たすために作った会社「Thinking Stars」――もう30代なので,いまこそ挑戦しないと!

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 中国の新興デベロッパの人達に話を聞いていて,「明らかに日本とは違うな」と思うのは,会社の中核を担うメンバーが,ほぼ例外なく海外で経験を積んでいることだ。UBI,EA,Microsoft,SEGA,Activision……中国から一度出て,海外の大手デベロッパ/パブリッシャで何年にもわたってあまたの経験を積んで,そのノウハウを引っさげて産卵時のサケのように中国に帰ってくる。
 「日本の開発者は一般的に英語が苦手なので最新の情報を追えてはおらず,国外で経験を積むことも少ないので感覚がズレていることも多い」とはたまに聞こえてくる話だが,それとまったく正反対のことが,中国のゲーム開発者界隈では起こっているわけだ。

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 今回紹介するThinking Starsについてもそれは当てはまる。CEOであるLi氏は,Gameloftで数年間の経験と実績を積み,多くの有名IPの作品に関わっている。社のほかのメンバーも,同様に海外の大手で経験を積んだ人が多い。
 そういう,海外でソフィスティケートされた若者たちは,コンソール機の遅れからいまだ「ゲーム後進国」だと思われている自国に戻り,どういう思いで作品を作っているのだろう。その片鱗を,少しだけ聞いてみよう。



「Fringe Wars」公式サイト

「Fringe Wars」Steamストアページ


Thinking Stars CEO Li Yao氏。このSEGAのTシャツ,暗闇で光って違う模様が表示されるのだ(SEGAが大好きらしく自慢してた)
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4Gamer:
 本日はお時間をいただきありがとうございます。
 今日のインタビューのためにLiさんの経歴を調べていて,「マイト・アンド・マジック」「プリンス・オブ・ペルシャ」など,欧米のゲームタイトルに多く関わっていたことを知りました。どういう経緯でこれらのIPと?

Thinking Stars CEO Li Yao氏(以下,Li氏):
 そこが気になるんですか?(笑)

4Gamer:
 4Gamerはもともと欧米のゲームを中心に紹介するメディアだったので,このへんの作品が出てくると,もう気になって気になってしょうがないんです(笑)。

Li氏:
 なるほど(笑)。私が関わったのはGameloftです。
 大学を卒業して入社したGameloftは,当時社員が十数人しかいなかったので,1人でいろいろなIPに携わることになりました。そこで,いま名前が挙がったようなIPで仕事をしていたというわけです。まぁ私が勤めていた4年間で,会社の規模もどんどん大きくなっていきましたけど。

4Gamer:
 4年で退職されたんですか?

Li氏:
 ええ。その後は独立して会社を興して,大手の下請けとしてスマホ向けゲームを作っていました。いずれは自分達でも……と思っていましたが,下請けをしながら感じたのは,大手にはFree to Playで儲けるためのノウハウが非常に蓄積されていて,我々が入って戦ってもとうてい勝てないのではないか,ということでした。

4Gamer:
 冷静ですね。

Li氏:
 なので,2年前から私たちはコンソールゲームの開発を始めました。コンソールゲームなら,コアなゲーマーとしっかりコミュニケーションを取りながら作れば,面白いものができると思ったんです。

4Gamer:
 Thinking Starsを立ち上げたのはいつですか。

Li氏:
 2016年の12月です。

4Gamer:
 会社の発足時はどんなポリシーを持って,どんな会社にして,何をしていこうと思っていたんでしょうか。

Li氏:
 後世に残るような良いゲームを作りたい……という気持ちだけです。
 確かに2年前も今も,コンソールゲームで利益をあげるのは非常に難しいと思います。しかし私も40歳近くになり,開発者としての経験も積んで,小さいころから遊んできたコンソールゲームで後世に残る作品を作ってみたいと思ったんです。もし失敗しても,どこかに就職すればいいかな,と(笑)。

4Gamer:
 あんまり気負いはないんですね(笑)。

Li氏:
 ええ。今の世界市場に向けて作品をリリースしてもうまくいくかどうかは分かりませんが,良いコンソールゲーム作りにはチャレンジしたいと思ってます。

ChinaJoyでの展示は,いつも人だかり。美麗なSFグラフィックスが大画面でグリグリ動いているので,人目に付くこと請け合いだ
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40歳を越える前に素晴らしいゲームを作って,その後はどこかに就職したいですね(笑)


4Gamer:
 しかし中国の開発者の皆さんは,最初から世界に目を向けて作り始めますよね。

Li氏:
 そうですね。ご存じかと思いますが中国には,ゲーム機の製造と販売が禁止されていた「失われた15年」という言葉があります(編注:2000年に禁止〜2014年に解禁)。
 中国はこの間にスマホゲームが大きなトレンドになって発展しており,ユーザー数もとても多いです。対するコンソールゲームは,解禁された後も,受け入れてくれるコアなゲーマーが少ないという背景があります。なので中国のコンソールゲームの開発者たちは,日本と違って最初から世界を視野に入れて開発を進めるという考え方があるのだと思います。

4Gamer:
 初めてSteam「Fringe Wars」とPS4「ANNO Mutationem」の映像を拝見したとき,グラフィックスとアートに驚きました。言葉どおり,世界で通用するレベルだな,というのが正直な感想です。失礼な言い方ですが「中国の作品に見えない」というか。

Fringe Warsは,Steamにも情報(→こちら)があるので,見たことがある人もいるかも?
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Li氏:
 E3で「Fringe Wars」を見せたときも,「中国の作品には見えない」という評価をいただきました(笑)。

4Gamer:
 「Fringe Wars」にしても「ANNO Mutationem」にしても,色使いがすごく欧米的ですよね。あれはLiさんがGameloftにいて欧米タイトルに関わった経歴と,アートスタッフのコンセプトに共通した何かがあるからなのでしょうか。

ANNO Mutationem……は,ピクセルグラフィックスでレトロ調に描かれた作品。この会社に興味を持つことになったのは,このANNOが発端だ
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Li氏:
 そうですね。アートスタッフはGameloft時代からの友達で,毎週末に集まっては一緒にゲームをプレイしていました。今もチームのスタッフたちは家族ぐるみで付き合いがあるんですよ。

4Gamer:
 今おいくつですか。

Li氏:
 36歳です。ちょうど厄年なんです(笑)。

※中国では自分の生まれた干支が厄年(つまり12の倍数)

4Gamer:
 まだまだいけますね。

Li氏:
 いやもう業界では年齢が上のほうですよ(笑)。今のゲーム開発者は20代が多いんですが,我々は30代です。今挑戦しなければ,絶対に後悔するだろうと思ってるので。

4Gamer:
 いいものを作りたいという気持ちはすごく分かりますし,クリエイターであれば絶対皆さんそう思ってると思います。ただ,良いものを作ること,時間がかかること,お金を稼ぐことは,それぞれ全然別のことですよね。何を優先させますか?

Li氏:
 それは……いろいろな人から投資をしていただいているのに,こういうことを言うのはどうかと思うのですが,やはり利益とクオリティのどちらを追求するかと聞かれれば「クオリティ」を選ぶと思います。長く遊ばれる良いものを残したいですから。
 そうやって心おきなくチャレンジをして,40歳を越える前に素晴らしいゲームを作って,それが全部かなったら,どこかに就職して家族のために働きたいですね(笑)。今のメンバーは全員家庭を持っているので。

4Gamer:
 なかなか……面白いですね。とくに悲観的というわけでもないですし,そういう考えを持って口にする開発者にお会いするのは初めてかもしれないです。

Li氏:
 ははは(笑)。確かにコンソールゲームは儲からないですし,スマホゲームを作っている知り合いの多くがお金持ちになっているのは,いつも目にしていますよ(笑)。でも,自分たちは「思い」を満たすために作っているわけです。おそらくですが,コンソールゲームを作っているほかのクリエイターに取材すると,似たようなことを言うんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 Liさんのお気持ちはとてもよく分かりました。スタッフの皆さんも同じなんですか?

Li氏:
 そうですね,同じ思いだからいてくれるんだと思っています。彼らは昔から意気投合しているゲーム仲間なんです。「Liさんに15年ついていきます」と言ってくれてますが,もう間もなくその15年が経とうとしてますね(笑)。もちろん,そこを過ぎてもまだ,一緒に働き続けたいと思っていますが。

スタッフ全員集合。この規模の会社によくある,とてもアットホームな雰囲気だ
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4Gamer:
 自動更新の契約書みたいですね(笑)。

Li氏:
 「もし会社がなくなったら,僕らはゲームを作る以外に何ができるんだっけ?」という話になることもありますが,そういうときは「セブンイレブンで働けばいいじゃない」と言うことにしてます。中国にも店舗が多いしきっと雇ってもらえます!

4Gamer:
 ははは(笑)。

Li氏:
 私たちが作った作品に対して「素晴らしい」という評価はいただいていますが,いいゲームを作ったからといって儲かるわけではないということも分かっていますので,覚悟はしています。
 このインタビューで,コンソールゲームを作っている人たちに対して励みになるメッセージを伝えられないかもしれませんが,ある程度の経済力が保証されているベースの上で作ったほうがいいよ,ということはお伝えしておきます。私は人生に後悔したくなかったので,ちょっと無理をしてこの道に進みましたが。

4Gamer:
 まぁ普通に考えたら,Gameloftに居続ければ給料は出るし,出世はするし,ゲームは作れるしいいことばかりじゃないですか。

Li氏:
 そうですね。でも私は出世やお金儲けにあまり重要性は置いてませんでしたから……。もちろん,お金儲けが悪いというわけではありませんし,ゲーム業界に携わる人たちは皆さん頑張っておられますし,素晴らしいと思います。ただ,私は自分のやりたいことをしたかったんです。

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何かのコピーを会社に言われるがままに作るのではなく,オリジナルのタイトルが作りたかったんです


4Gamer:
 でも安全な立場を捨てて,やりたかったことを追いかけるというのはなかなかできることではないと思います。大きい会社にそのままいれば,自由に作品を作ることはできないかもしれませんが,作品が売れても売れなくても同じ給料がもらえるわけですし。

Li氏:
 確かにおっしゃる通りです。でも私は,何かのコピーを会社に言われるがままに作るのではなく,オリジナルのタイトルが作りたかったんです。

4Gamer:
 そういう意味では,「ANNO Mutationem」はオリジナリティが高い作品ですよね。いろいろな作品からインスピレーションを受けているであろうことは分かるんですが,あの世界観と表現方法は目立っていると思います。

Li氏:
 ありがとうございます。
 「ANNO Mutationem」は,Xbox E3 2017 Briefingで発表された「The Last Night」に影響を受けています。ああいうサイバーパンクなアートはすごく好きですし,The Last Nightの手法を参考にすることで,以前から考えていたアイデアを実現できました。「Castlevania」(邦題:悪魔城ドラキュラ)や「ICEY」「Dead Cells」などにも,とても影響を受けています。

4Gamer:
 確かにアクションは「ICEY」っぽいですね。
 それにしても,「Fringe Wars」のような欧米ライクな最新グラフィックスを使ったタイトルも作れるのに,なぜ「ANNO Mutationem」はわざわざピクセルで描写されたのでしょうか。

懐かしい雰囲気を持ったピクセルグラフィックスのSFアクションゲームである「ANNO Mutationem」。スマホ版も出るようなので期待だ
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Li氏:
 まず「ANNO Mutationem」は,日本や韓国のアニメや漫画,ゲームにとてもインスピレーションを受けています。特に「銃夢」には強く影響されました。

4Gamer:
 なるほど,「銃夢」の雰囲気はありますね。

Li氏:
 もちろん3Dの最新技術を使った描写もできましたし,それは我々の得意とするところなんですが,「ANNO」では,昔のゲームでよく使われていたピクセルのグラフィックスを使うことで,プレイヤーに「懐かしいな」と感じてもらいたかったんです。
 もちろん,ただピクセルで描写しただけではなくて3Dのグラフィックス技術もそこに混ぜ込んで,2次元の画面で3Dの効果を出しています。

4Gamer:
 なるほど「懐かしい」という気持ちですか。……言われてみれば,私がこの作品の画面を最初に見たときには「Syndicate」を思い出しました。

Li氏:
 ああ! 知ってるんですね! Syndicateを知っている人がいてとても嬉しいです。私も,とてもとても大好きです。でもSyndicateを知っているということは,もうけっこうなおじさんですね(笑)。中国では,知ってる人はまずいないですよ。

4Gamer:
 いやあ,たぶん日本にもほとんどいないですよ。知ってるのはおじさんだけです(笑)。
 そんな「ANNO Mutationem」は,ちょっと懐かしくて古いSFの名作ゲームという感じがすごくしますね。Liさんの狙いは成功していると思います。

Li氏:
 ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。

4Gamer:
 ところでグラフィックスは何人くらいで作ってるんですか?

Li氏:
 十数人です。正確な人数はパッとは思い出せません(笑)。
 「ANNO Mutationem」のピクセルも,「Fringe Wars」のグラフィックスも,全部自分たちでやっています。

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4Gamer:
 日本でもピクセルアート……というかドット絵を描ける人は,ほとんどいないらしいですよ。聞いた話でしかないですが。

Li氏:
 こちらでは,ドット絵を使っている会社がほとんど残ってないので,当時ピクセルアートを描いていた技術者は,今新しい仕事に就くのが難しい状況になっています。
 でも「OCTOPATH TRAVELER」を見たときは「あんなに美しいピクセルアートを作れる人がまだいたんだ!」とすごく感動しました。あれくらいまでがんばりたいですね。

4Gamer:
 「OCTOPATH TRAVELER」はすごいですよねえ。中国でも大人気だとか。
 さて,これだけ競争の激しい中国のゲーム業界で「Thinking Starsはこれだけは負けないぞ」とアピールできる部分はどこですか。やはりアート?

Li氏:
 「自分の作りたいものをとことん最後まで作る」という信念……ですかね。中国や世界でナンバーワンになりたいとか,名を挙げたいとか,そういうことは一切考えていません。ただ,自分の作りたいものを作っていくだけです。

4Gamer:
 信念ですか。信念はお金じゃ買えないものですから,強いですね。


祖母にFFXVの映像を見せたら「全然人間に見えないね」と言われたんです(笑)


4Gamer:
 しかしあなた方の作品を見るまでもなく,中国の開発力はどんどん上がっていて,個人的には「もう日本に追いついているのではないか」と思っているんです。その点は,中国の開発者であるLiさん自身はどうみていますか?

Li氏:
 私の考えですが,日本や欧米の開発力に追いつくのはまだまだ時間がかかると思いますよ。それは,技術力というよりも「制作体制」の問題ですが。

4Gamer:
 体制……ですか?

Li氏:
 現在の中国は,大手の企業に属さない小規模のデベロッパが,それぞれ独自にゲームを作っている状態です。小規模であるうちはいいんですが,やはり日本やアメリカのようなAAAクラスのゲームを作ろうとするなら,大手パブリッシャの同様のしっかりした管理が必要ですし,それなしには作れないと思います。

4Gamer:
 あぁなるほど。そういう観点でしたか。

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Li氏:
 例えば,今「ANNO Mutationem」のチームは20人しかいませんが,これがもし200人になったとしたら会社はすぐに潰れてしまうと思います。なぜなら会社として,大人数を管理する経験やノウハウがありません。人数を10倍にしたからといって,効率も10倍になるわけではないんです。
 ほかの中国のデベロッパもたぶん同じで,小規模のゲームなら作れるんですが,AAAタイトルとなると難しいと思います。疑問や問題の解決も,大人数になるとうまくいかなくなる場合が多いでしょうし。

4Gamer:
 そうですねえ。組織は人が増えるほど,どんどん動きづらくなってきますしね。

Li氏:
 日本のマーケットでは,逆に大手企業の開発者が独立して小規模なチームでゲームを作ることがあると思います。しかしその場合,大手で作っていたときより良くないゲームが生まれることがあります。どちらも理由は同じで「ノウハウがないから」ですね。

4Gamer:
 私も昔は「モチベーションがあればどうにかなるんじゃないか」と思っていたんですが,最近になって「そういうわけじゃないんだな」ということを改めて知りました。

Li氏:
 残念ながらおっしゃるとおりだと思います。

4Gamer:
 あと,Liさんの外資系の経験から来る見解を聞いてみたいのですが,日本や欧米の作品が中国に入ってくるときに足りないものって何だと思いますか? 例えば日本のスマホゲームのトップ勢は,そのほとんどが中国で結果を出せていません。

Li氏:
 ゲーマーとしての「基礎の違い」が根底にあると思います。例えば日本の若いゲーマーが過去のゲームタイトルを遊んでいなくても,コンソールを筆頭に昔から続くゲームの文化があります。そういう土壌が根底にあるので,日本のスマホゲームは種類も豊富ですし,ゲーマーたちも遊び方をすぐに理解してくれます。

4Gamer:
 なるほど。

Li氏:
 しかし,中国には日本のような古いゲームの歴史もないですし,若いゲーマーだと,最初に接したゲームはスマホゲームだったという人が多いんです。ですので,スマホゲームが基準で「ゲームとはこういうものなんだ」という認識の基準はそこにあるわけです。ですから日本のゲームを遊んでも,ゲームというものに対する感覚が違いすぎて,そもそも理解できないんだろうと思います。

4Gamer:
 なるほど,ベースがないから分からないということなんですね。
 確かに,例えば今の日本の40代の人は,今現在ゲームを遊んでいないとしても,昔ファミコンやプレステ,ゲームボーイなどに触れているわけで,ベースはできていますからね。

Li氏:
 はい。例えば,「ファイナルファンタジーXV」は,ファミコン時代のドット絵からグラフィックスの進化を見てきたゲーマーにとっては,素晴らしい進歩を遂げていることが分かります。
 しかし先日,ゲームに触れたことのない私の祖母にFFXVの映像を見せたら「全然人間に見えないね」と言われたんです(笑)。これこそが「土壌の違い」なんだと思います。

4Gamer:
 なるほど……。それを言われてしまうと(笑)。

Li氏:
 はい(笑)。

4Gamer:
 そろそろお時間なので,では最後に……「Fringe Wars」と「ANNO Mutationem」が日本で展開されるかは今のところ分からないんですが,日本のユーザーに向けてコメントをいただけますか。

Li氏:
 小さい会社ながら,全力で最善のものを作りたいと思っています。足りないところもあるかもしれませんが,「Fringe Wars」と「ANNO Mutationem」は日本でもサービスしたいと思っていますので,どうぞよろしくお願いします。

4Gamer:
 ありがとうございました。

―――2018年8月4日収録
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