インタビュー
[TGS 2018]画面を埋め尽くす宝石の“ジャラジャラ感”が爽快な2DアクションRPG「ラピス・リ・アビス」プレイレポート&ディレクターインタビュー
本作は,日本一ソフトウェアらしい表情豊かな可愛らしいデフォルメキャラクターを操作して戦う,横スクロールのアクションRPGだ。プレイヤーキャラクターは,「ハンター」「ネクロマンサー」「シールダー」「メイド」「ガンナー」「ウィザード」「デストロイヤー」「ビショップ」の8職業から,4人を選んでパーティを組み,冒険に出る。
面白いのがパーティの表示方法だ。「DANGO」と呼ばれる戦闘秘術により,メインで操作するリーダーの上に,顔だけが団子状に積み重なる形で表示されるのである。リーダーは,冒険中にいつでも瞬時に交代可能なため,戦局に合わせて適宜切り替えていくことになる。
ただし,リーダーのHPには注意しなければならない。パーティメンバーごとにHPが定められており,そのうちダメージを受けるのはリーダーだけなのだが,もしリーダーが倒されてしまうと,そのキャラクターはDANGOから消滅してしまう。そうなると,そのぶん操作キャラクターであるリーダーのステータスが低下してしまうのだ。つまり,パーティメンバーが欠けないよう立ち回るのが重要なのである。
冒険するステージは立体的な迷路のようになっており,どこかに10個の紫色のオブジェクトが配置されている。敵を倒しながら探索を進め,5個のオブジェクトを破壊できれば,ステージのどこかにゴールが出現する。制限時間内にそこまで到達できればクリアとなる。
本作の大きな特徴となるのが,敵を倒したり宝箱を開けたりしてゲージを溜めると発生するボーナスタイム「フィーバーモード」だ。これが発生すると,一定時間無敵になり,敵やブロックから「フィーバージェム」が手に入るようになる。このフィーバージェムを集めると,ステージクリア時の報酬がよくなるポイントがもりもり増えるほか,「フィーバースロット」が回転し,その景品によって攻撃力や防御力が上がったり,金貨の入手率が上がったりするアイテムが手に入るのだ。
特筆すべきはフィーバージェム入手時のエフェクトで,敵を倒した瞬間,画面を埋め尽くすほどの宝石が大量発生し,ものすごい勢いで集まる。このエフェクトが強烈で,非常に気持ち良く,無心で敵やブロックを叩きまくりたくなること間違いなしである。
試遊後,本作のディレクターを務める板野広和ディレクターに話を聞く機会を得たので,最後にその模様をお届けしよう。
4Gamer:
本作はDANGOのビジュアルが特徴的ですが,日本一ソフトウェアさんの見た目が面白いタイトルはだいたい「企画祭」(※)から生まれている印象があります。本作もそうなんですか?
※日本一ソフトウェアが毎年開催している社内イベント。新人からベテランまで,誰でも企画を提出し,採用されたものは本当にゲーム化される。「htoL#NiQ-ホタルノニッキ-」や「夜廻」もここから生まれた。
板野広和氏(以下,板野氏):
2年ぐらい前の企画祭で選ばれたものになります。私は普段デザイナーで,本作でもディレクター兼デザイナーみたいな感じなのですが,企画祭で選ばれた当時は夜廻の背景グラフィックスのメインスタッフだったため,本作の開発に着手するまで時間が空いてしまいました。ただ,その間にNintendo Switchが発売されたおかげで,Switchでも出せます。
4Gamer:
試遊して面白かったのが,フィーバータイムで宝石がジャラジャラ出てくる爽快感だったのですが,あれはどういう発想で入れたものなのでしょう。
板野氏:
シューティングゲームで,アイテムがドバっと大量発生して一気に獲得するシーンってあるじゃないですか。あの気持ち良さをアクションゲームで表現したかったんです。私自身はシューティングゲームも好きで,企画祭で出そうと思ったぐらいなんですけど,ジャンル的にプレイヤー層がどうしても限られてしまいます。なので,あの派手な感じをアクションゲームに落とし込むことを目指しました。
4Gamer:
ベースは横スクロールアクションですけど,パーティ編成や装備集めなど,RPGの要素も強く盛り込んでいますよね。
板野氏:
アイテム集めの要素を入れたかったんです。「Diablo」のようなハック&スラッシュ系で,装備を集めて厳選する作業が好きなので,あれをカジュアルに楽しめないかと思いまして。
4Gamer:
変な名前とテキストの装備品がどんどん集まっていくので,可愛らしいグラフィックスと合わさって,日本一ソフトウェアさんらしさみたいなのを感じました。
板野氏:
グラフィックスと言えば,ディスガイアなどは3頭身ですけど,本作では2頭身を採用しているので,日本一ソフトウェアでは一番デフォルメが強いタイトルになっているかもしれません。
3頭身って,デフォルメしつつもかっこよさを出すのにバランスがいいんですけど,本作で3頭身にすると,DANGOの顔だけ表示が気持ち悪くなってしまうんです。
4Gamer:
ああ,分かるかも……。
板野氏:
2.5頭身はどうかとか,実際にいろいろ試してみたんですけど,2頭身のコロっとした感じが一番可愛かったんですよね。実際,タイトル発表後に可愛いという反応をいただいているので,狙い通りになったと思います。
4Gamer:
なぜDANGOで積み上げようと思ったんですか?
板野氏:
企画祭に出すにあたって,ビジュアル面のインパクトがほしかったというのがきっかけです。それと,横スクロールアクションでパーティを表現するにあたって,リーダー以外のキャラクターがAIで動くとか,後ろをついてくるよりも,積み上げてシンプルにまとめたほうが,ストレスなく操作できるんじゃないかなと。
4Gamer:
確かに,リーダー交代が瞬時に行われるのは,操作していて気持ちよかったです。
板野氏:
本作は,手軽に遊べるというのを重視していて,操作感や難度の調整には注力しているんです。
ちょっと話はズレますけど,日本一ソフトウェアは昔プリニーの横スクロールアクションを出したんですよ。
4Gamer:
ありましたね,なぜかプリニーが主人公のやつ。
板野氏:
あれがもう,めちゃくちゃ難しかったんです。コアな方からは歯ごたえがあると好評だったんですが,多分9割以上のプレイヤーは途中で投げたんじゃないかなと。今回はそうならないよう,クリアの達成感よりも,「ガーっと敵をやっつけて,ガーっとアイテムを回収して,なんか気持ちいい!」みたいな感覚的な部分をフィーチャーしています。
必須の職業とかもないですし,見た目で気に入った職業で好きにパーティを組んで,アクションゲームが苦手な人でもジャラジャラ感と装備集めを楽しめるようにしているので,キャラクターの可愛さなどが気になる人は,ぜひ触ってみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「ラピス・リ・アビス」公式サイト
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(C)2018 Nippon Ichi Software, Inc.
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