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銃撃多重奏RPG「END OF ETERNITY 4K/HD EDITION」の魅力とは。難解な戦闘システム,理解する前と後では見る目が変わります──
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印刷2018/10/17 00:00

プレイレポート

銃撃多重奏RPG「END OF ETERNITY 4K/HD EDITION」の魅力とは。難解な戦闘システム,理解する前と後では見る目が変わります──

 2010年1月にトライエースが開発し,セガから発売された「END OF ETERNITY」(PS3/Xbox 360)。その4K/フルHD対応のリマスター版となる「END OF ETERNITY 4K/HD EDITION」PC / PS4)が2018年10月18日に配信される。
 今回のリマスター版発売のニュースを見て,筆者のように「8年前にプレイしたけど,また久々にやってみるか」という人もいるだろうし,プレイしたことのない人もいるだろう。

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 ただ,単に「隠れた名作!」だとか「やったことのない人にオススメ!」という感じではオススメしづらい作品でもある。
 というのも,本作の「t・A・B」(tri-Attack Battle)と呼ばれる戦闘システムは,完全に理解するためのハードルが高いのだ。「とりあえず適当にやっていれば,なんとなく分かってくるだろう」くらいの気持ちで始めてしまうと,「え……? ちょ,これ……え?」となること必至である。

「END OF ETERNITY」には変人が多く登場するが,その中でも屈指の変人・ガリジャーノン(CV:若本規夫)。本作の戦闘システムに初めて触れたときは,彼でなくとも,こう言いたくなるはずだ
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 しかし,ひとたび理解すれば,「END OF ETERNITY」は,とてつもなく斬新なRPGへと変貌する。ボスではない,通常の敵との戦いがこんなに退屈しないRPGが今まであっただろうか。よくぞこんな戦闘システムを創り出したものだ,と──。

 というわけで,PS3/Xbox 360版の頃にプレイしたが挫折したという人や,この機会にやってみようと思っている人たちの手助けをしつつ,「END OF ETERNITY」の戦闘システムの魅力をお伝えしてみたい。なお,今回プレイしたのはPC版「END OF ETERNITY 4K/HD EDITION」で,Xbox One用コントローラを使用しているため,本稿のボタン表記はそれに合わせている。

「END OF ETERNITY 4K/HD EDITION」公式サイト



戦闘システムがよく分からないキミへ──。これは前代未聞のシミュレーション・シューター・アクションだ


 ゲームの最序盤で町の住人に「まずは闘技場でバトルに慣れた方がいいな まぁ 腕に自信があるなら行かなくてもいいが」と言われるが,これは絶対に行っておくこと。「どうせチュートリアルだろ? いらねぇよ!」と思っていると,後悔することになる……。

「習うより慣れろ」とは言うが,まさにその通り。闘技場でのチュートリアルは必ずこなしておこう
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戦闘システムのチュートリアルは16項目あるが,全部クリアできない人のほうが多いかもしれない
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 次に戦闘画面を見てみよう。

味方は手前,奥が敵。戦闘に入ると,このように分かれた状態でフィールドに配置される
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 ここからキャラクターを動かしていくわけだが,「行動力ゲージ」があり,無制限には行動できない。1回の行動でどこまで移動し,どの敵にどれだけ攻撃するかを考える。ここまではとりあえず,「マス目のないシミュレーションRPG」のような感じだと思ってもらえばいい。

写真で示しているのが行動力ゲージ。こちらが動けば敵も動くが,何も操作していないときは敵も動かない。じっくり考えられる
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 味方からの攻撃は,すべて銃かグレネードで行う。剣などの武器による近接攻撃は一切存在しないのが特徴だ。
 「銃やグレネードなら,遠くからでも当たるんじゃないの? わざわざ移動しなくても……」と思うかもしれない。しかし,ここに「チャージ」という要素が絡んでくる。
 チャージとは,「狙いをつけるためにかかる時間」のようなもので,本作では,敵に攻撃する際にターゲットを決定した後,このチャージが溜まるのを待つ必要がある。

画面中央の赤い照準の外周がチャージのためのゲージ。時計回りに溜まっていき,これが1周まわると1回攻撃できる
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 チャージにかかる時間は,敵との距離で変化する。これが,敵に接近しなければならない理由で,至近距離だと0.5秒以下の超スピードで溜まることもあるが,遠距離だと何秒待ってもゲージが1周せず,ついには行動力ゲージが尽きてしまうこともある。「近くならわざわざ狙いをつけるまでもないが,遠距離となると,よーく狙わないと……」という銃の事情をうまくゲームシステムに落とし込んでいるわけだ。

これくらいの距離だと,ちょっと遠い。近ければ近いほどいい
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 だからといって不用意に近づけばいいわけではない。チャージ中に攻撃されると,チャージそのものがキャンセルされてしまうのだ。

攻撃をくらってしまうと,チャージは中断され,また溜め直しとなる
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 チャージは銃のレベルと同じ回数だけ溜めることが可能なので,ゲージを2周3周と,溜めれば溜めるほど威力は増す。ただし,その間に敵に狙われればチャージを中断される可能性も高まっていくし,チャージ中も行動力ゲージは減っていくので,状況に応じてベストな溜め方をする必要がある。
 敵のHPゲージの横には味方の誰を狙っているかが表示されるので,事前に敵のターゲットを確認しながら動けば,チャージのキャンセルはほぼ防げるだろう。

敵のHPゲージの横には「V」「Z」「R」という文字が表示されるが,これは,味方の誰を狙っているかを示している。ヴァシュロン=V,ゼファー=Z,リーンベル=Rだ。スクリーンショットは,ターゲットがヴァシュロンに向いているので,背後をとれている状態
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戦闘の核“インビンシブル・アクション”


 しかし,常に敵のターゲットをすべて確認するのも大変だし,面倒だ。ではどうするかというと,「インビンシブル・アクション」を使いこなすことが重要になる。
 これは,事前にどこまで移動するかを決定し,その線上を走りながらチャージを溜められるというもの。チャージがたまれば,走りながら攻撃でき,アクション中に敵の攻撃を受けても,チャージがキャンセルされない。まさにインビンシブル(Invincible)の言葉通り,「無敵」な状態というわけだ。

誰に狙われていようが無関係。銃弾の飛び交う中をスタイリッシュに駆け抜け,一方的に攻撃できる
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 「じゃあ,常にインビンシブればいいじゃん! 立ち止まって撃つなんて愚の骨頂だよね!」と言いたくなるところだが,話はそううまくない。インビンシブル・アクションは1回使うごとに,「I.S.ゲージ」を1つ消費するのだ。

画面下に表示されているオレンジ色の物が,I.S.ゲージ(正式名称,Invincible State ゲージ)。インビンシブル・アクション発動後,1つ減っているのが分かる
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 「また何か専門用語が出てきたぞ……」と身構えなくても大丈夫。I.S.ゲージは,要するにパーティメンバー3人全体での根性パワーだ。これがあるうちは,味方のHPが0になっても戦闘不能にならず,I.S.ゲージを1つ消費して復活する。

 また,I.S.ゲージは味方へのダメージを「スクラッチ・ダメージ」に抑えるという,重要な機能もある。
 またまた専門用語が出てきたが,ダメージにはスクラッチ・ダメージと「ダイレクト・ダメージ」の2種類があり,分かりやすく言えば,スクラッチ・ダメージは「仮ダメージ」,ダイレクト・ダメージは「実ダメージ」だ。

HPゲージの青い部分がスクラッチ・ダメージだ
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 スクラッチ・ダメージはいくら蓄積しても所詮は仮であり,ダイレクト・ダメージを与えて「確定」される前なら,少しずつ回復していく。I.S.ゲージは味方のHPを守る盾のような物でもあると考えておこう。

 では,I.S.ゲージがすべてなくなるとどうなるかというと,「DANGER」状態となり,味方3人は震えながら逃げ回ることになる。

比喩表現ではなく,味方3人は生まれたての小鹿のように内股でガクガクと震える。根性パワーが尽きてしまったのだ……
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 DANGER状態は相当にマズい状況で,こうなると7割くらいはゲームオーバーになる。
 まず,味方が受けるダメージはすべてダイレクト・ダメージになるので,HPが0になれば,即ゲームオーバー。さらに,インビンシブル・アクションが使用できないので,立ち止まって撃つしかない。さらにさらに,この状態で攻撃を受けると,I.S.ゲージの殻「I.S.ベセル」が飛び散ってしまう。

写真の赤丸で囲んだ物が,飛び散ってしまった「I.S.ベセル」。I.S.ゲージの容器のような物だ。これがない状態では,I.S.ゲージの回復条件を満たしても回復しないので,早く拾い集める必要がある
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 飛び散った殻をすべて集めたとしても,敵からの攻撃を食らえば,また撒き散らしてしまう。しかもこの殻,敵が取ると,敵のHPが回復してしまうのだ。こうなると,せっかくHPを削った敵が元通りになるわ,I.S.ゲージの最大値が減ったことになるわで,戦況はガクンと不利になる。

 I.S.ゲージは,敵を1体倒したときや,敵の部位を破壊したときに1つ回復する。DANGER状態になったら,とにかく敵を攻撃してI.S.ゲージの回復に努めるしかない。もうちょっとで倒せる,という敵がいるならば,DANGER状態になってすぐにその敵を倒すことでなんとかリカバリーできるが,飛び散った殻を複数個,敵に取られ始めると,もうアウトと思っていいだろう。

細い欠片は,4つ集めるとI.S.ベセル1つになる。I.S.ベセルを敵に取られてしまった場合は,その敵を攻撃すると落とすことがある
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 つまり,DANGER状態は敗者復活戦のようなもので,「I.S.ゲージがなくなる」という状況が,すでにマズいのだ。


攻めの姿勢を見せ続けることが“銃撃多重奏RPG”の真髄


 とはいえ,I.S.ゲージがなくなることを恐れてインビンシブル・アクションを使わないなら,チャージがキャンセルされないように,コソコソ……と移動しては,パァン……パァン……と撃つ,ひどく地味な戦いになってしまう。
 ご安心いただきたい。「END OF ETERNITY」は,そんなチマチマしたゲームではない。もっとダイナミックで,爽快感にあふれるゲームなのだ。

 実はこのゲーム,序盤が最も難しい。進むごとにラクになっていくのだ。
 「いやいや,逆でしょ!」と思われるかもしれないが,ちゃんと明確な理由がある。初期状態の「I.S.ゲージ」の数の少なさだ。

I.S.ゲージの初期値は3。ゲームが進むと増えていくが,増えるまでがツラい。普通に進めていると,チャプター4まではゲージ3のままだ
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 I.S.ゲージが0になるとDANGER状態になるので,I.S.ゲージは最低1つは残しておかないと身動きが取れない。つまり,I.S.ゲージの最大値が3しかない序盤だと,インビンシブル・アクション3回以内に敵を倒すか,敵の部位破壊を成功させ,I.S.ゲージを回復する必要がある。

I.S.ゲージは,フィールドを探索していると得られることもある。1増えるだけで大違いなので,可能な限り調べ尽くしておきたい
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 慣れていればラクなのだが,戦闘システムを理解しきれていない状態でホイホイとインビンシブってしまうと,アッサリとDANGER状態になり,そのままゲームオーバーになる。こうした経験を何度か繰り返すと,「自分には向いていないゲームなのかもしれない……」と諦めの境地に入ってしまいかねない。

 そこで,I.S.ゲージは「温存する物」ではなく,「消費して,回復する物」という認識に変えなければいけない。回復手段は,先述の「敵を倒す」か「敵の部位破壊を行う」。そして,これはちょっと意図的に狙うのは難しいが,「ゲージ・クラックで分割されたHPの分割地点まで削ること」だ。

「ゲージ・クラック」という現象が起きると,敵のHPゲージが分割され,この場合,分割された部分までHPを削ると,I.S.ゲージが1回復する
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 重要なのは,先程のスクラッチ・ダメージとダイレクト・ダメージだ。これは敵へ攻撃する場合も同様のシステムで,スクラッチ・ダメージのほうが与えやすい。弱い相手ならば,ひたすらダイレクト・ダメージだけを与え続けても倒せなくもないが,少しゲームが進むと,敵がカタすぎて,それだけではいつまで経っても削れないことが多い。

 スクラッチ・ダメージを散々稼いだところに,ダイレクト・ダメージを1発ガツンと決める。これが,「END OF ETERNITY」の基本スタイルとなる。

スクラッチ・ダメージでHPゲージが真っ青になったところへ,ハンドガン使いを突撃させる。快感な瞬間だ
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 このために知っておくべき大切なことは,武器の性質だ。
 ハンドガンはダイレクト・ダメージ,マシンガンはスクラッチ・ダメージになる。つまり,マシンガンでは敵にトドメは刺せないのだ。

「置いてあるドラム缶を撃って,爆発に巻き込んでやる!」と思っても,マシンガンでは一向に爆発しない
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 初期状態だと,パーティメンバー3人の装備配分はハンドガン2丁とマシンガン1丁となっている。ゲームが進むと複数の銃が入手できるので,マシンガン使いを2人に増やしたり,場合によっては2丁拳銃だったりといったことも可能になるのだが,最初はとにかくハンドガン2人,マシンガン1人で突き進むしかない。

 まず最初の行動でマシンガン使いを先行させて,スクラッチ・ダメージを与える。そこへ残りのハンドガン2人でトドメを刺す,という感じだ。

キャラクターの行動順は,[RB]ボタンで他のキャラにまわすか,[B]ボタンで行動終了することで,次のキャラに飛ばせる。とにかくマシンガンを持ったキャラを最初に行動させよう
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 ここまでを特に意識せずにやれるようになると,「END OF ETERNITY」の戦闘はほぼ理解できたことになる。

 チャージのことを考えると,できるだけ敵に近付いたほうがいいが,チャージのキャンセルだけはされたくない。
 となると,まずマシンガン使いがインビンシブル・アクションで突撃して,敵のHPゲージをスクラッチ・ダメージで真っ青にする。次にハンドガン使いがインビンシブル・アクションで追いかけて,スクラッチ・ダメージで真っ青になった敵にトドメを刺す。
 これで敵を1体減らし,I.S.ゲージが1回復するが,合計で見ると,I.S.ゲージが1減っている。

 さて,こうなってくると,できればI.S.ゲージの収支をプラマイゼロにしたい。そのためには,マシンガン使いがインビンシブル・アクションで突撃する際に,1回のインビンシブル・アクションで2体以上の敵のHPをスクラッチ・ダメージで真っ青にすればいいのだ。こうすれば,ハンドガン使いが次のインビンシブル・アクションで2体にトドメを刺すことができ,I.S.ゲージを2つ使って2つ回収できる。


 通常の敵ならこの方法でなんとかなるが,ボス戦となると難しい。部位破壊をメインにしつつ,運よくゲージ・クラックが発生することを祈る戦いになるだろう。


上級編“吹き飛ばし”と“レゾナンス・アタック”


 さて,「END OF ETERNITY」の戦闘システム解説も総仕上げだ。
 まずは,敵を空中に打ち上げる「吹き飛ばし」。これは,インビンシブル・アクションの地上攻撃を行うことで発生する。

インビンシブル・アクションの地上攻撃を当てて「BLAST UP」の表示が出たら,敵が浮き始める。あとは空中お手玉の時間だ
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 インビンシブル・アクションには,地上を走りながらの攻撃と,ジャンプからの空中攻撃の2種類がある。
 [X]ボタンでインビンシブル・アクションの移動ルートを設定,そこからさらに[X]ボタンでインビンシブル・アクションがスタートするわけだが,このとき,[X]ボタンをもう1回押してしまうと,ジャンプからの空中攻撃になる。
 地上攻撃と空中攻撃の差を分かっていないと,「なんとなくカッコ良いから,[X]ボタン連打でいいな」と思いがちだし,割となんとかなることも多いのだが,実はインビンシブル・アクションは地上攻撃が重要なのだ。

 地上攻撃の重要性は,敵を吹き飛ばし中に,さらにインビンシブル・アクションの地上攻撃を当てると,「追撃チャンス」が発生することにある。

追撃チャンスが発生すると,カーソルがルーレットのように高速で動き,黄色の部分で止めることで追撃成功となる。戦闘にいろいろな要素を盛り込みすぎィ!
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 カーソルを黄色の部分で止めると追撃成功。レベル無視の多重チャージが可能になり,大ダメージと共にアイテムを多数入手することができる。
 また,黄色の部分で止められなくとも,敵が空中にいる間に攻撃すれば追撃チャンスは何度でも訪れ,回数を重ねるごとに黄色の部分が広くなっていく。どんどん当たりやすくなっていくというわけだ。


 一方,空中攻撃の利点は,敵や障害物を飛び越えながら攻撃できることと,敵に部位がある場合は,向いている方向にかかわらず攻撃できることだ。

敵の周囲には防壁のような緑色のゲージがあるが,これが部位。地上からだと,その方向からの攻撃でしか削れないが,空中からなら方向は無関係。ただし,どこが削れるかは分からない
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戦闘フィールド上にはトーチカなどの障害物が置かれていることがある。基本的には上手く利用するべきだが,邪魔なときはインビンシブル・アクションで華麗に飛び越えよう
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 そして「END OF ETERNITY」の戦闘システムの集大成ともいえるのが,「レゾナンス・アタック」だ。

 レゾナンス・アタックは,3人の配置で三角形を描き,その線上で3人が同時にインビンシブル・アクションを行うというもの。これは強力な反面,発動までの前提条件がいろいろと厳しい。しかし,使いこなせるようになれば,「END OF ETERNITY」の戦闘は“完全に”理解できたと言ってもいい。

 まず,インビンシブル・アクションで行動するときに,操作キャラ以外の2人を結ぶ線をまたぐようにして移動をすると,線が青くなる。この行動で,レゾナンス・ポイントが1溜まる。

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普段はこうだが……
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2人の間をまたぐと,こうなる

 次に,レゾナンス・ポイントが1以上溜まっている状態で[Y]ボタンを押すと,移動ラインが三角形を描く。この状態で[X]ボタンを押すと,レゾナンス・アタックが発動する。
 ただ,1ポイントだと,三角形の一辺しか移動しない。3ポイントあれば,3人が三角形の三辺を移動しながらインビンシブル・アクションを決め続けられる。


 このことから,戦闘中はできるだけ操作キャラ以外の2人を結ぶ線をまたぐようにしてインビンシブル・アクションを行い,レゾナンス・ポイントを溜めつつ,ここぞという場面でレゾナンス・アタックを発動させるのがベストとなる。

 ……と,言うのはカンタンなのだが,意識していないと,3人の位置がたまたま三角形を描いていたなんてことはなかなかないので,かなり計算して移動しなければならない。
 しかも,レゾナンス・ポイントが増えない行動や,行動順を飛ばしたりすると,レゾナンス・ポイントが1減るのだ。これがキツい。終始,エレガントな動きを求められる。しかし,動画を見ると分かるように,威力は絶大。苦労には,ちゃんとリターンがあるのだ。

 最初はワケが分からなかった戦闘システムも,こうして見てみると,非常に良く練られたものであることが分かるかと思う。
 ちなみに,“吹き飛ばし”と“レゾナンス・アタック”は使わずとも進められる。慣れてきたら使ってみる,という感じで大丈夫だ。

 長々と書いてきたが,大事なことは「マシンガンでスクラッチ・ダメージを与えて,ハンドガンでダイレクト・ダメージにする」ことと,「常にI.S.ゲージの回復を考える」こと。これだけなのだ。


それでも苦戦するというキミへ……


 それでも苦戦するとすれば,レベル不足とカスタマイズが原因だ。

 まず,キャラクターのレベルは,ハンドガン,マシンガン,投擲という3つの武器種の熟練度の合計値なので,装備している武器をメンバー間でマメに交換していかないと,レベルは上がりにくい。とくに投擲類は消費アイテムなので,ついつい,使わずに進めてしまう。

どうしても遅れがちな投擲レベル。グレネードの類は,序盤は調達しづらいのもネック。適度にがんばろう
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 一方,カスタマイズも重要だ。9×9のマス目にパーツを配置していくパズルのような画面で,銃とパーツの連結マークに合ったパーツを試行錯誤しつつ,どれだけ無茶な銃を作り出せるかの挑戦が楽しい。

銃には「●」や「□」,「−」といったマークが付いており,その箇所にはマークが合致するパーツのみ付けられる。また,パーツにパーツを付けることもできる
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 このカスタマイズのおもしろいところは,現実味を考えなくていいことだ。手始めにスコープの上にスコープをつけ,その上にスコープをつけるところから始めてみよう。これでチャージ速度がグンとアップだ。何を言っているか分からないかもしれないが,「ぼくがかんがえたさいきょうの銃」を作るようなノリで進めていけばいい。

「トップサイト」は,お金さえあれば,序盤から合成で作ることができる。これを上方向に2つ重ねて,トドメに一番上にスコープをつけろ!
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過去にプレイしたXbox 360版のセーブデータに残っていた装備。隙間があるので,まだまだである。「これ,弾はどういうルートで発射されるんだよ」とか考えてはいけない
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 レベルが上がると,何よりHPが上がるのが大きい。また,銃の最大重量も上がる。カスタマイズすればするほど,パーツをゴテゴテと付けていくことになるので,その分,重くなる。最大重量を超過するパーツは付けられないので,レベルを上げて最大重量も上げていくことは重要だ。

赤丸で囲んだ部分が「最大重量」。パーツを付けるほど重くなっていき,これを超過するパーツは付けられない
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「プレイヤーの思考の成長」と「飽きずに見ていられる派手なガンアクション」が魅力


 やればやるほどに分かるが,一見,複雑に見える戦闘システムも,「こうするしかない」というほどに突き詰められている。最終的には「レゾナンス・アタックを発動しやすくするには,戦闘開始からどういう順で,どの位置にキャラクターを移動していくべきか」を考えるようになっていくが,この自分自身の成長に自分で驚くし,複雑さに面食らっていた最初の頃との差がおもしろい。

 RPGではマンネリ気味になりがちな通常の敵とのバトルも,このシステムなら飽きが来づらいのもポイントだ。シミュレーション寄りではあるが,テンポが良いので待ち時間がない。アクション映画さながらのカメラワークと,爽快感のある銃撃音。チャージを重ねるときの「グイーングイーン」という音も気持ち良い。“銃撃多重奏”とは,よく名付けたものだ。

「そんなポーズで撃たないとダメなのか!?」と感じるような,スタイリッシュな銃撃の数々。モーションは恐ろしく豊富だ
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 タイトル画面で放置していると流れるオープニングムービーを見ると分かるが,「END OF ETERNITY」の世界観は重厚で,とてもシリアスで悲しい物語が根底にある。

人が機械に支配されている世界と,それを変えようとする人物。主人公の1人であるヴァシュロンも,普段は見せないマジな顔を見せる
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 しかし,主人公の3人組はその重さを吹き飛ばすように,とても軽いノリで依頼をこなしていく。軽いノリ→飽きない戦闘システム→時々シリアスなストーリー→軽いノリ→飽きない戦闘システム,といった感じのローテーションが,プレイヤーを物語の先へ先へと促していく。

3人のリーダーであり,実力者であり,生粋のエンターテイナーでもあるヴァシュロン。「かなり腕が立つが,普段はおちゃらけている」という,男だったら誰しもがこういう男になりたいと憧れるであろう理想像
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「チィーッス,世間をナナメに見てまーす」的な若者代表の雰囲気ムンムンのゼファー。しかし,そのチョイ悪な風貌とは裏腹に,メチャクチャ純情
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紅一点のリーンベル。見た目はかわいいが,決して飾らず,本音でぶつかってくる。わりと物理的にぶつかってくる。とくにスケベ心と金銭欲にまみれたヴァシュロンとのやり取りが,見ていて楽しい。戦闘でも,「こんにゃろおぉぉぉ!」と腹の底から叫びながらグレネードを投げる姿は,見ていて爽快
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 今回,「END OF ETERNITY」を久々にプレイしたが,8年前の作品とは思えないほど新鮮に楽しめた。
 唯一無二としか言いようがない戦闘システムは,久々に触れると相変わらず複雑だったが,慣れとは恐ろしい。最初は「えーっと……あれ? どうやるんだっけ……やっぱり複雑で難しいな」という感じだったのだが,この原稿を書き終える頃には「こんな,やればすぐ分かる当たり前のことを説明して何になるのだろうか……」と正反対の感想になってしまった。この記事を読んだ人が本作をプレイして,同じ感想に辿り着くことを祈りたい。

 ゲームをクリアすると,難度が「NORMAL」と「HARD」から選べるようになる。「NORMAL」は1周目と同じだ。
 「HARD」でもう1周クリアすると「ADVANCE」が開放され,「ADVANCE」をクリアすると「PROFESSIONAL」が開放される……というように上位の難度をクリアするごとに新たな難度が出現していくのだが,この後,「HURT ME PLENTY」→「ULTIMATE」→「SUPREMACY」→「LEGENDARY」→「MYTHOLOGY」→「ZENITH」と続く。なんと合計10種類も難度が存在するのだ。最低9周しないことには,最高難度をプレイすることすらできない。これらの難度のクリアはトロフィー/実績の対象にはなっていないが,やり込みたい人にとっては,食べきれないほどのごちそうだ。
 「END OF ETERNITY」とは“永遠の終わり”を意味するが,もしかすると,あなたにとっては“永遠に終わらない”ゲームになるかもしれない。

 最後に,またもガリジャーノンの言葉を借りて,本作の戦闘システムを賞賛したい。

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「END OF ETERNITY 4K/HD EDITION」公式サイト

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