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プロ選手12人が鹿児島に集結。「ぷよぷよファイナルズ SEASON5」最終決戦は記録的な大連鎖も飛び出す熱戦を展開!
SEASON5を戦ってきたプロ選手による大会は,ファイナルズ史上まれに見る激戦が繰り広げられた。
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市電が走る屋外会場が舞台となった「ぷよぷよファイナルズ SEASON5」鹿児島大会は大きな盛り上がりを見せ,10月の国体参加も視野に
セガは2023年3月4日,「ぷよぷよ」の公式プロ大会「太陽生命 ぷよぷよファイナルズ SEASON5 鹿児島」を,鹿児島市のセンテラス天文館 センテラススクエアにて開催した。初の屋外会場での大会は,通行する一般客をも取り込む実験的な大会となった。本稿ではその会場の様子をレポートする。
今大会には,SEASON5の「ぷよぷよチャンピオンシップ」4大会の優勝者と準優勝者の7名,「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」の優勝者,「ぷよぷよランキングポイント SEASON5」の上位プロ選手5名が出場した。出場選手は以下の通り。
delta選手(STAGE1,STAGE3優勝)
live選手(STAGE1準優勝)
ともくん選手(STAGE2,全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI優勝)
せたなぎ選手(STAGE2準優勝)
ぴぽにあ選手(STAGE3準優勝)
くまちょむ選手(STAGE4優勝)
Tom選手(STAGE4準優勝)
<ぷよぷよランキングポイント SEASON5 上位プロ選手>
Shiyota選手
SAKI選手
リッキー選手
fron選手
タイタン選手
※タイタン選手はmeta選手出場辞退による繰り上げ出場
12名の出場選手は6名ずつの2ブロックに分かれ,10セット先取のリーグ戦を行い,各ブロックで勝ち数の多い(勝ち数が同じ場合はセットポイントの総数で決定)上位1名ずつが決勝へと進出する。決勝戦は10セット2本先取のルールで,勝利者には賞金100万円,準優勝者には賞金30万円が贈られる。昨年まで出場者は8名だったが,今年から枠が12名に増えている。
リーグ戦のうち,壇上で行われる試合が公式配信にて中継された。各大会常連のトッププレイヤーによる10ポイント先取の対戦はどれも見応えのあるものとなった。
Aブロック第1戦の壇上は,せたなぎ選手とlive選手の試合に。立ち上がりはlive選手が素早く2ポイント先取し,“覇王”の強さを見せつける。しかし,せたなぎ選手もだんだんと調子を上げ,14連鎖10万点超えの大連鎖から速攻に転じるなど,緩急を付けた戦術で“覇王”に10-7で勝利を収める。
その裏で行われていたくまちょむ選手対Tom選手の対戦は,前回のチャンピオンシップSTAGE5の決勝戦と同じカードだ。こちらは9-9のフルカウントまで試合がもつれ込み,来場者を大いに沸かせた。リベンジを果たしたいTom選手だったが,くまちょむ選手が10-9で勝利となった。
Bブロック第1戦の壇上は,2022年にプロになったばかりの最年少リッキー選手と,この1年で最もレベルが高い状態にあるというfron選手の対戦だ。fron選手の調子のよさは本物のようで,自らあみ出したfron積みを主体としつつ,盤面上方の細かい攻撃でプレッシャーを与えていく。リッキー選手も悪くはなかったものの,隙を見せなかったfron選手が10-3の大差で勝利した。
Bブロック第1戦の裏で行われていたのは,SEASON3の覇者ぴぽにあ選手と,SEASON2/SEASON4の覇者ともくん選手の試合だ。こちらも10-2という大差で,ぴぽにあ選手がともくん選手を破っている。今年のチャンピオンシップSTAGE4でも同カードでともくん選手は敗れており,リベンジならずといった結果だった。
Aブロック第2戦の壇上は,タイタン選手対くまちょむ選手だ。出だしはくまちょむ選手がリードする形で始まったが,タイタン選手もそれに食らいつき,5-5のタイから長期戦を制してついに逆転する。しかし,くまちょむ選手はここからベテランの粘り強さを見せてマッチポイントに。最後はぷよ引きも味方につけた12連鎖でくまちょむ選手が勝負を決め,客席に向けガッツポーズを見せた。
裏の試合では,Tom選手がせたなぎ選手を10-4で下した。live選手とShiyota選手は互いに譲らないシーソーゲームを繰り広げ,Shiyota選手が接戦の末,勝利している。
Bブロック第2戦の壇上は,SAKI選手とfron選手の対戦となったのだが,ここで思わぬ波乱が発生した。1本目でfron選手がツモ運悪く負けてしまい,そこからSAKI選手がペースを掴んでいく。SAKI選手の果敢な攻めが見事に刺さり,メンタルを乱されたfron選手は苦しみ続け,ファイナルズでも例のない10-0のパーフェクト勝利をSAKI選手に許してしまった。
予想外の結果となった壇上とは対照的に,他の卓では白熱した対戦が展開。第1戦を大差で落としたともくん選手はdelta選手を10-8で破って調子を取り戻し,リッキー選手もぴぽにあ選手に10-7で勝利するなど,第1戦で敗北した選手が全員勝利する形となった。
Aブロック第3戦はTom選手とShiyota選手が壇上へ。ともに攻撃的な2人による殴り合いのような対戦は見応えがあり,大きな連鎖が放たれるたびに客席から声が上がる。序盤はShiyota選手が先行する形となったが,Tom選手も高度な対応で追い上げる。解説のALF氏も苦笑いするほどアグレッシブな対戦は,Tom選手が10-7で勝利した。
その裏では,くまちょむ選手がせたなぎ選手に10-7で勝利。live選手対タイタン選手は10-6でlive選手が勝利した。くまちょむ選手がすでに3勝しているため,3敗のタイタン選手は決勝進出が叶わなくなってしまった。
Bブロックの第3戦の壇上は,リッキー選手とdelta選手の対戦だ。冒頭のインタビューで自身を「見劣りする」と謙遜したリッキー選手だったが,ここでは優勝常連のdelta選手相手にリードする形で試合を進めていく。ポイントを先行されたdelta選手も落ち着いており,着実にポイントを取り返していく。しかし7-7の場面でリッキー選手が仕掛けた5連鎖が刺さり,そこから3連勝をもぎ取って勝負を決めた。
裏の試合では,前戦で1ポイントも取れなかったfron選手が調子を取り戻し,10-7でぴぽにあ選手を破って,決勝進出に望みを繋いだ。
休憩を挟み,試合は後半戦へ。Aブロック第4戦の壇上は,2勝1敗のShiyota選手VS全勝のくまちょむ選手だ。Shiyota選手は,解説のmomoken氏も困惑するほどトリッキーなくまちょむ選手の攻めにも動じず,ポイントを先行していく。最後はくまちょむ選手の本線を先に使わせることに成功し,自身の本線で勝負を決めた。10-5の大差で完勝したShiyota選手は,勝ち数でくまちょむ選手と並ぶ形となった。
裏ではlive選手が10-9でTom選手を下し,せたなぎ選手は10-5でタイタン選手を相手に勝利。全勝のくまちょむ選手に黒星が付いたことで,勝負は最終戦まで分からなくなった。
Bブロック第4戦の壇上は,delta選手対ぴぽにあ選手だ。ともに2敗しており,絶対に負けられない2人による対戦は熾烈なものとなった。両者ともに瞬間的な判断が素晴らしく,些細なミスが敗北に繋がる緊張感は,観戦する側にも伝わってくるほどだ。中盤はdelta選手が7-4でポイント先行していたものの,ぴぽにあ選手が破竹の5連勝で逆転する。このままぴぽにあ選手が勢いで押し込むかと思われたが,delta選手も崩れることなく9-9のイーブンに。最後は大連鎖の打ち合いからセカンドを積みきれなかったぴぽにあ選手が一歩遅れ,delta選手の勝利となった。
その裏では,リッキー選手対SAKI選手が7-10でSAKI選手に,ともくん選手対fron選手は10-7でともくん選手に軍配が上がった。これで,3敗のぴぽにあ選手以外は全員に決勝進出のチャンスがある状態だ。
Aブロックの最終戦の壇上は,くまちょむ選手対live選手という好カードだが,この試合もまた誰も予想しない展開となった。序盤はlive選手が3-1と先行する。くまちょむ選手はなかなか勝ちきれず,解説のmomoken氏も「内容でも負けている」と,精彩を欠いている旨を指摘した。すると,live選手はその流れのまま1ポイントも取られることなく,大差で勝利した。
決勝進出者は,裏で試合をしている4人の結果次第に。Shiyota選手はせたなぎ選手に勝利すれば唯一の4勝で決勝進出を確定できたが,8-10のスコアで敗退。一方,Tom選手は10-5の大差でタイタン選手に勝利した。Tom選手の総得点は48となり,Shiyota選手(総得点45),live選手(総得点45),くまちょむ選手(総得点36)と勝ち数は同じものの,得点差で決勝進出を決めた。
Bブロック最終戦の壇上は,勝利すれば決勝進出が決定するともくん選手と,リッキー選手の戦いに。ともくん選手の勝敗次第で戦績が大きく変わる一戦だったため,すでに試合を終えていたほかのBブロック選手からも注目が集まっていた。
しかし,初戦の大敗が嘘のように調子を上げているともくん選手は,開幕から4連勝を決めていく。リッキー選手の攻めにも完璧な対応で,最後は盤面が埋まった状態での大連鎖対決に勝利して,10-4の大差で勝利。ともくん選手が決勝進出を決め,3度目のファイナルズ優勝という前代未聞の記録への挑戦権を得た。
いよいよ決勝戦,攻めのTom選手に対し守りのともくん選手という組み合わせだが,1セット目で互いにポイントを取り合う中,ともくん選手がかつて持ち味だったという攻めの戦術にシフトする様子を見せる。
中盤,ともくん選手が6-5でリードすると,17連鎖14万点という記録的な大連鎖を繰り出す。対してTom選手は15連鎖ダブル12万点という,通常の打ち合いなら圧倒できる大連鎖を繰り出すものの,その圧倒的な火力には敵わない。その後,ともくん選手はさらに5連鎖全消しという完璧なセカンドで観客を沸かせた。
しかしTom選手もここで折れることなく,接戦に持ち込むが,最後はともくん選手がおじゃまぷよが降る不利な状態から6連鎖を決め,1セット目を勝利した。
続く2セット目,Tom選手が先行する形でスタートするが,ともくん選手も簡単には勝たせず,拮抗した展開となる。4-3とTom選手がリードを維持する中,ともくん選手は14連鎖を決めて勝利すると,そこから5連勝。その後Tom選手も取り返すが,試合は9-5でともくん選手のマッチポイントに。
しかし,ここで終わらないのがファイナルズだ。Tom選手も攻めの手を緩めることなく,13連鎖からセカンド8連鎖で1本取ったことをきっかけに,なんと4連勝で9-9のタイに並ぶ。
運命の分かれ道となった最終ラウンド,互いに連鎖を組みにくい流れの中,ともくん選手が先に放った5連鎖に対し,応戦する手を引けなかったTom選手は万事休す。ともくん選手がシーズン2連覇にして3度目のファイナルズ優勝を決めた。
勝利後のインタビューでともくん選手は,初戦を大差で負けたことがショックであきらめモードになりそうだったが,SNSでファンからの応援メッセージを読み,気持ちを切り替えることができたと語る。決勝戦での17連鎖も,連鎖が切れないよう冷静にネクネク(次の次)の引きまで見て,しっかりと繋げることができたそうだ。
準優勝のTom選手も,自身がやれるところまでやり切って,あとは実力不足だったとコメント。ここからさらに練習を重ねて,次の大会に備えたいと述べた。
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