イベント
[TGS 2018]「プロジェクト ドーランジェ」の紹介ステージをレポート。本作は,SFCのRPGで泣いた世代が作った“家庭用の臭い”がするゲームだ
DMM GAMESエグゼクティブプロデューサー花澤雄太氏 |
世界観構築およびコンセプターを務める寺田憲史氏 |
「プロジェクト ドーランジェ」は,現時点では仮称と「魔法と秩序が織りなすハイファンタジーRPG」というジャンル名だけが明らかになっている作品である。
プロデューサーは「刀剣乱舞-ONLINE-」「FLOWER KNIGHT GIRL」を手がけた花澤雄太氏。そして,世界観構築及びコンセプターは「ファイナルファンタジー」の1作目から3作目までの脚本を担当した寺田憲史氏。DMM GAMESと台湾のJFi Gamesの共同開発となっており,DMM GAMESがイラストとシナリオを制作し,ゲーム部分はJFi Gamesが担当する……という分担になっているという。対応機種はスマートフォン(iOS / Android)およびPCで,リリースは「2019年春」が予定されている。
花澤氏によれば,プロジェクト ドーランジェは“普通の少年である主人公の成長譚”だという。主人公達ボードゲーム部員が,古びた「ドーランジェ」というボードゲームをプレイしたところ,突如ゲームの中のファンタジー世界に引き込まれてしまう。主人公は,離ればなれになったボードゲーム部員を捜しだし,元の世界に戻るべくドーランジェのクリアを目指すことになるのだ。そのうえで,“現実でうまくいかない人間が,自分の活躍できるところに行ってしまったらどうなるか”というテーマのもと,深い人間関係が描かれるという。
見せ場の1つであるバトルシステムについても少しだけ情報が明かされた。本作では主人公本人が戦うのではなく,状況に応じて様々なキャラクターをカードから召喚して敵に挑むのだという。召喚されるキャラクター達は美少女揃いで,可愛らしい系からカッコイイ系までタイプも様々。誰を召喚するかの選択によってバトルの状況が変化していくという。花澤氏は,制作にあたっては“家庭用ゲームの臭いがするもの”をキーワードにしているそうで,どんなシステムになるかが楽しみだ。3Dキャラクターが必殺技を繰り出すムービーも披露されたので,今はムービーを見つつ想像を膨らませるといいだろう。
ゲーム概要が紹介された後は,舞台上に寺田氏を加え,トークコーナーがスタートした。花澤氏と寺田氏だが,実は十数年前に花澤氏が家庭用ゲーム機のRPGを開発している際に寺田氏と一緒に仕事をしたことがあるという。時は流れ,花澤氏が“家庭用ゲームの臭いがするもの”であるプロジェクト ドーランジェを開発するにあたり,ファイナルファンタジーなど家庭用ゲーム機のRPGで実績がある寺田氏にオファーしたそうだ。花澤氏は「スーパーファミコンのRPGで泣いた世代」だけに,寺田氏をリスペクトすることしきりで,まるで師弟のようにも見えた。
寺田氏はソーシャルゲーム関連の仕事をするのはプロジェクト ドーランジェが初めてだったため,花澤氏から家庭用ゲームとの違いについてアドバイスを受けつつコンセプトを練ったという。中でも問題になったのが,プレイスタイルの違いだ。
家庭用ゲームは腰を据えて遊ぶが,ソーシャルゲームは細切れな空き時間を使ってプレイするもの。イベントシーンが長すぎたりすると,バトルしたくてアプリを立ち上げた場合などに,プレイヤーが不完全燃焼を起こしてしまう可能性がある。そこでプロジェクト ドーランジェは“普通の少年である主人公が,ファンタジーな異世界に飛ばされてしまう”という,ゲーマーが身近に思える構造にしたそうだ。
とはいえ,ファンタジーな異世界に行きっぱなしでは,普通のファンタジーものになってしまい,現代の少年を主人公に据えた意味が薄くなる。そのため,ファンタジー世界と現代をつなぐような仕掛けを用意しているそうだが,そう頻繁に使うものではないらしい。
ここで寺田氏が参考にしたのが「新世紀エヴァンゲリオン」だという。エヴァに乗って激しく戦い,ボロボロになったはずの主人公達が,その後すぐに学校で楽しく過ごす……という同作を見て,当初寺田氏は「シナリオ的には反則なのではないか(整合性が取れないという意味だろう)」と思ったものの,こういう構造になっているほうが視聴者には身近に感じられるのだろう,と認識を改めたのだという。こうした手法をソーシャルゲームに取り入れることで,より感情移入できるのではないかと考え,プロジェクト ドーランジェのコンセプト作りが進められたとのことだ。
最後に両氏は「年末をメドに新たな情報をお出しし,桜が散るころにはリリースしたいと思います。せっかく寺田さんと組ませていただいたのだから,ゲームファンが楽しめるようなものにしたいです」(花澤氏),「ソーシャルゲームは初めてですが,やってみると次々にアイデアが浮かんできました。そうした意味ではとても勉強になったプロジェクトなので,応援してください」(寺田氏)と意欲を示した。
※画面は開発中のもの。仕様は予告なく変更される場合がある
- 関連タイトル:
プロジェクト ドーランジェ
- 関連タイトル:
プロジェクト ドーランジェ
- 関連タイトル:
プロジェクト ドーランジェ
- この記事のURL:
キーワード
(C)DMM GAMES/JFIGAMES
(C)DMM GAMES/JFIGAMES
(C)DMM GAMES/JFIGAMES