プレイレポート
原作者・蝸牛くも氏のGMでお届けする「ゴブリンスレイヤーTRPG」先行リプレイ。マフィア梶田ら,歴戦の冒険者達がダンジョンに挑む
4Gamerではアニメ第1話の放映に合わせて,原作者・蝸牛くも氏と,そのゲーム化を手がけるグループSNE代表である安田 均氏の対談を掲載しているが,今回はその第2弾として,同作の世界観をベースとして現在開発が進められている「ゴブリンスレイヤーTRPG」の先行リプレイをお届けしてみたい。
なお今回リプレイでゲームマスター(以下,GM)を担当するのは,「ゴブリンスレイヤー」の原作者である蝸牛くも氏,その人である。プレイヤーには,4Gamer読者にはおなじみのゲームライター・マフィア梶田氏と,プレイ場所を提供してくれた東京・神田のテーブルトークカフェDaydreamの店長である岡田篤宏氏が参加。そして僭越ながら本記事の執筆を担当する筆者・岡和田 晃が末席に名を連ねる。
王道復古の“オールドスクールRPG”を目指し,2019年5月の発売が予定されている「ゴブリンスレイヤーTRPG」とは,どんなゲームなのか。その一端がいち早くつかめるリプレイとなっているので,本作が気になっている人は必見だ。
それでは,さっそくゲームセッションを始めよう。なお,本記事で紹介しているルールはあくまで開発中のものであり,製品版では変更となる場合がある。その点はあらかじめご了承いただきたい。
「ゴブリンスレイヤー」原作者・蝸牛くも氏×グループSNE代表・安田 均氏対談。オールドスクールRPGの新たな潮流
蝸牛くも氏の原作小説をベースとしたアニメ「ゴブリンスレイヤー」がまもなく放送開始となる。古き良きTRPGの影響が色濃い同作だが,その原点はどこにあるのか。「ゴブリンスレイヤーTRPG」を制作中というグループSNEの代表・安田 均氏と原作者による対談をお届けしよう。
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冒険者(アドベンチャラー)を作ろう!
蝸牛くも氏(以下,くもGM):
本日はお集まりいただきありがとうございます。「ゴブリンスレイヤー」という小説を書いております,蝸牛くもと申します。
今日はGMを担当しますが,実は私も「ゴブリンスレイヤーTRPG」を遊ぶのは初めてだったり(笑)。
マフィア梶田:
どうも,マフィア梶田です。TRPGをやるのは久しぶりっスね。
岡和田 晃(以下,岡和田):
今回の記事を担当する岡和田です。梶田さんとは,「クトゥルフ神話TRPG」の記事以来ですね。
岡田篤宏氏(以下,岡田氏):
テーブルトークカフェ Daydream店長の岡田です。今日は発売前の「ゴブリンスレイヤーTRPG」が遊べるということで,参加させてもらいました。
ところで,「ゴブリンスレイヤーTRPG」の限定版にはメタルフィギュアが同梱されるそうですが,戦闘はグリッドマップを使うタイプなんですか?
くもGM:
使っても使わなくても,どちらでも遊べるゲームデザインになっています。ただ,使うと状況が可視化されるので,分かりやすいですよね。ちなみに,今回は自分も自前のフィギュアを持ってきました(笑)。
岡田氏:
じゃあ,せっかくなので店にあるジオラマを使いましょうか。こちらです。
マフィア梶田&岡和田:
おお,これはすごい!
くもGM:
ああ,実は「ゴブリンスレイヤー」の舞台である「四方世界」って,これのことなんですよ。まさに。
マフィア梶田:
え,このグリッドマップですか?
くもGM:
はい。「ゴブリンスレイヤー」の世界は,「宿命」の神様と「偶然」の神様が,どちらが世界を支配するかで殴り合っていたところから始まっています。でも,それじゃあ決着がつかないからって,じゃあサイコロで決めようとなり……。
岡和田:
原作の「間章」に描かれているエピソードですね。
くもGM:
そうです。でも「宿命」と「偶然」じゃあ,サイコロを振っても決着がつくわけがない。それも飽きてきたので,次はサイコロを使って違う勝負をやろうとした。そこで四方世界を作り……コマを作って,怪物を作って,最初はウォーゲームをしていました。そのうちにコマの一人が,単身敵の王城に乗り込んで,相手の大将の暗殺をやりとげたことで,これは面白いと神様はまた盛り上がることになって。
マフィア梶田:
ほうほう。
くもGM:
そのうち魔法使い達がワチャワチャ出てきて,怪しげな札で魔法合戦を始めたりとかもありましたが,結局彼らはどこかへ行ってしまって,今は冒険者達の時代になっています。
岡田氏:
TRPGの成り立ちから,「マジック:ザ・ギャザリング」台頭に至るまでのアナログゲームの歴史が,メタ的にそのまま神話になってるんですね。
まずは「種族」の選択からだが,本作では「只人(ヒューム)」「鉱人(ドワーフ)」「森人(エルフ)」「蜥蜴人(リザードマン)」「圃人(レーア)」の5種族から選ぶ仕組みだ。なお只人の寿命は普通の人間と同じで,成人年齢は15歳。圃人は寿命が只人の倍ほどあって,成人年齢が30歳。森人には成人も寿命もないが,各技能(弓の腕前など)が一人前になった時点で「大人」と判断される。鉱人の寿命は圃人と森人の間にあって,かなり長いようだ。
マフィア梶田:
俺は自分の分身を作ろうと思うので,「只人」にします。外見もそのまんまということで。
岡田氏:
「圃人」って,いわゆるハーフリングですよね。身長が人間の半分くらいで,すばしっこい。では自分はこれをやります。
岡和田:
となると,ヒロイン枠として女性キャラクターが必要なのでは。エルフかドワーフか……この世界の女ドワーフって髭は生えるの?
くもGM:
生えるには生えますが,最近は「只人」にかぶれて剃っている女性もいます。原作では,外伝で「鉱人」の女の子が登場しましたが※,まだ幼くて髭はありませんでした。
※「ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン」第2巻
岡和田:
では,私のキャラクターは「鉱人」の女にします。身だしなみとして,髭は毎日剃っているということで。一風変わったタイプのヒロイン像をやってみようかと(笑)。
またヒットポイントに相当する「生命力」は,2d6(6面ダイスを2個振った合計値)を3回出して,その結果から一つを選択して決定する。このとき選ばれなかった結果は,一方が「移動力」の決定に用いられ,もう一方は破棄となる。つまり,生命力が高いキャラクターは鈍重になりやすいわけだ。
さらには「出自表」や「来歴表」,「邂逅表」といったチャートを振ることで,キャラクターが冒険に出るまでの,これまでの人生が決まっていくのだが……。
岡和田:
……この出自表,この世界の人口分布が透けて見えますね。確率的に一番出やすい農民で,それ以外のほとんどは職人か兵士,みたいな。
マフィア梶田:
(コロコロ)おっ,俺は騎士の出身みたいです。
岡田氏:
それはすごい。レアを引きましたね。しかも騎士なら,最初から「戦士」のレベル1を持っているという。
割り振りは自由なので,1つの職業を極めて良いし,3の職業をレベル1で取得しても良い。なお1つの職業に注ぎ込む場合,普通にやると2レベルまでしか取れなそうだが,先の「出自」と組み合わせることで、いきなり3レベルのキャラクターを作ることも不可能ではない。
マフィア梶田:
これは悩ましいな〜。すでに「戦士」はレベル1を持っているわけだから……いや,ここは剣の道一本で行くべきかな?
くもGM:
「戦士」をレベル3までとるか,もしくは「斥候」あたりに振ってマルチクラスにしてもいいかもしれません。
う〜ん。いや,ここは「戦士」に極振りで行きます。女神官ちゃんに並ぶレベル3で!
岡田氏:
「圃人」でも「魔術師」になれますか? 能力値的には,向いてなさそうですが。
くもGM:
変わったビルドもありだと思うので,職業に制限は設けていません。もちろん,有利不利はあると思いますが。
岡和田:
回復役は必要なので,私は「神官」を2レベルで取りましょう。神官として信仰の対象は,原作の女神官に対抗して,彼女と同じ地母神で! 呪文は原作でも大活躍の《聖壁(プロテクション)》を選択します。ちなみに原作のあのシーンは「D&Dがよくわかる本」っぽさがありますね。
くもGM:
ええ。それと「ソーサリー」1巻クライマックスのマンティコア戦を意識してます(笑)。
■それぞれの旅立ち
くもGM:
それでは,皆さんキャラクターが完成したようなので,自己紹介をお願いします。口調までキャラクターに合わせるかは……お任せということで。
むむ。では先達の皆さん,ちょっと見本を見せてください。
岡和田(以下,鉱人神官):
「あたいは,ハセコ氏族の神官だわさ!」
岡田氏:
だわさキャラ! 昭和テイストがあっていいかも(笑)。
鉱人神官:
地母神を信仰している「鉱人」です。最近,「只人」の女神官でイキっている奴がいるらしいので,ライバル視している……という設定です(笑)。ハセコ氏族というのは野伏の氏族ですね。猟師の生まれなので,職業は「神官」2レベルのほか,「野伏」も1レベル持っています。呪文は《小治癒(ヒール)》と《聖壁》を習得。これも件の女神官に対抗して習得……したんだわさ(笑)。
【データ:鉱人神官】(担当:岡和田 晃)
種族:鉱人 年齢:45 性別:女
経歴:猟師/平穏/好敵手 等級:白磁 髪:茶 瞳:茶
■第一能力値:体力点3,魂魄点2,技量点5,知力点0
■第二能力値:集中度3,反射度1,持久度1
生命力:17,移動力:10,呪文使用回数:2
■冒険者レベル:1 ■職業:野伏1レベル,神官2レベル
■技能:暗視,工作,戦棍,治癒呪文,動植物知識,幸運(すべて初歩)
■呪文:《小癒(ヒール)》,《聖壁(プロテクション)》
■装備:戦棍(メイス),鎖帷子(チェインメイル),小盾(バックラー)
マフィア梶田:
神官って,みんな冒険に出るものなんですか?
そういうわけではありません。神殿にこもりっきりで,政治力で偉くなっていく人もいます。ただ呪文(奇跡)を得るには冒険に出た方が授かりやすいという。だから神官といっても,皆が奇跡を操れるわけではないのです。
岡田氏(以下,ダンジョン坊や):
じゃあ次。ボクは子どもっぽい見た目の「圃人」で,「ダンジョン坊や」と呼ばれています。もともとは猟師として平穏に暮らしていたのですが,森の中でダンジョンを見つけたことをきっかけに,その魅力に取り憑かれてしまいました。「世界中にあるダンジョンを見て回りたい」という一心で冒険者になったわけです。
あと遺跡で学んだのか,「魔術師」を1レベル持っています。ただし「集中度」は0なので,発動にはかなり不安があります。《力矢(マジック・ミサイル)》の呪文を習得していますが,使えるのはレベル1だから1回だけ。まあ,切り札ということで(笑)。
【データ:ダンジョン坊や】(担当:岡田篤宏)
種族:圃人(レーア) 年齢:30 性別:男
経歴:猟師/平穏/部下 等級:白磁 髪:赤 瞳:黒
■第一能力値:体力点2,魂魄点3,技量点4,体力点3
■第二能力値:集中度0,反射度5,持久度1
生命力:16 移動力:40 呪文使用回数:1
■冒険者レベル:1 ■職業:野伏1レベル,斥候2レベル,魔術師1レベル
■技能:暗視,隠密,片手剣,動物知識,幸運(すべて初歩)
■呪文:《力矢(マジック・ミサイル)》
■装備:片手剣(ショートソード),鋲打ち革鎧(スタテッド・レザーアーマー),小盾(バックラー)
くもGM:
魔術師は「真言呪文」を操りますが,使える回数はレベル依存です。例えば2レベルの魔術師が《力矢》と《火球(ファイアボール)》を憶えていたとして,実際に唱えられるのはどちらかを2回か,もしくは双方を1回ずつです。
鉱人神官:
「真言呪文」に限らず,呪文はすべて同じ仕組みですね。「あたいの奇跡も2回までよ!」
ダンジョン坊や:
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」への原点回帰ですね。
くもGM:
設定としては生命力を削って呪文を唱えているのですが,普通は自分の生命力なんて把握してないので,TRPG版では分かりやすさを重視して回数制になりました。それとは別に,呪文の回数が尽きてもスタミナを削ることで「限界突破(オーバーキャスト)」もできます。
鉱人神官&ダンジョン坊や:
それは熱い!
「消耗」するので,かなり危険ではありますが……。では最後の一人,梶田さんの自己紹介をどうぞ。
マフィア梶田:
ええと,異世界転生してきた(?)マフィア梶田です。皆からはマフィアと呼ばれています。
くもGM:
そこはじゃあ,侠客(マフィア)でいきましょう(笑)。
マフィア梶田(以下,侠客):
おお! 侠客と呼ばれています。騎士の家系に生まれ,学校教育もちゃんと受けたのですが……なんで冒険者になったんですかね?
鉱人神官:
親と喧嘩したとか,恋人と駆け落ちしたとか?
侠客(マフィア):
……決して成績はいい方ではなく。家の事情にうんざりして,家を飛び出してしまいました。長男なのに,俺は好きに生きると。ゴテゴテした騎士の装いに反発し,軽戦士風の装備をしています。
【データ:侠客(マフィア)】(担当:マフィア梶田)
種族:只人(ヒューム) 年齢:31 性別:男
経歴:騎士/学校/家族 等級:白磁 髪:スキンヘッド 瞳:黒
■第一能力値:体力点3,魂魄点2,技量点2,知力点3
■第二能力値:集中度2,反射度2,持久度2
生命力20 移動力:18
■冒険者レベル:1 ■職業:戦士3レベル
■技能:片手剣,軽鎧,小型盾,長距離移動,投擲,博識(すべて初歩)
■装備:小剣(ショートソード),鎖帷子(チェインメイル),円盾(ラウンドシールド)
受付嬢さん,登場
くもGM:
では,冒険をはじめましょう。皆さん,よろしくお願いします。
プレイヤー一同:
よろしくお願いします!
くもGM:
ここは「ゴブリンスレイヤー」の世界。怪物がいて,迷宮がある。迷宮の奥深くには悪い魔法使いがおり,空を見上げればドラゴンがいる。森にはエルフが,鉱山にはドワーフがいて,都では貴族が変な陰謀を企んでいます。概ね我々が思い描くファンタジー,それも一昔前のファンタジーRPGの世界だと思ってください。皆さんがいるのは,その辺境の街。その街の冒険者ギルドからスタートします。
侠客(マフィア):
すでに冒険者ではあるのですよね。
くもGM:
はい,皆さんはそれぞれ冒険者ですが,登録を済ませたばかりの初心者――いわゆる白磁等級です。たまたま同期ということで,一党(パーティ)を組むことになりました。とある受付嬢さんが,皆さんを担当してくれます。というわけで,「受付嬢さん決定チャート」を振っていきましょう。
ダンジョン坊や:
受付嬢さんキタ!
くもGM:
種族と外見はGM側で振りますので,皆さんには特徴をダイスで決めてもらいましょう。どうぞ。
一同:
(コロコロ)
くもGM:
(結果を見ながら)えー,皆さんを担当する受付嬢さんは,犬系の獣人さんです。黒髪を一本結びにしていて,瞳は灰色,服装は東洋風です。以前は冒険者だったとか,いや奴隷だったとか噂されています。あと,泣き虫です。
鉱人神官:
属性多すぎだわさ! これはダイス目次第でリザードマン娘が担当だった可能性も……。
侠客(マフィア):
……なくはない。今はドラゴンっ娘萌えもあるわけだから。
くもGM:
彼女が皆さんの前にやって来て,話し始めます。「えーと,ボクが皆さんの担当になる……」。
侠客(マフィア):
ボクっ娘! 犬系で! 東洋風の!(錯乱)
くもGM(受付嬢):
ボクからさっそく仕事を依頼したいのですが,構わないでしょうか?
ダンジョン坊や:
やった! ダンジョンだよね,ダンジョンだよね!
くもGM(受付嬢):
隣の街まで山を超えていく商人さん達がいるのですけど,ちょっと最近この辺りが物騒で。馬車で商品を運んでいく必要があって,護衛が必要なんです。本来ならもっと高い等級の冒険者を派遣するのですが,人手が足りなくて。引き受けてくださいませんか?
ダンジョン坊や:
護衛? ダンジョンじゃないの?
くもGM(受付嬢):
ダンジョンではありません。ですが,道中で見つけたものは,皆さんのものにしてもらって構いません。それとは別に,銀貨8袋の報酬も用意してあります。
侠客(マフィア):
日給としては悪くないな。引き受けようじゃないか。
鉱人神官:
大丈夫! あたいはアウトドア派だわさ。
くもGM:
じゃあ皆さんが引き受けると,受付嬢さんは肉球のついた手をパンと叩いて,依頼人である商人のところへ案内してくれます。件の商人は,只人のそこそこ年のいった方のようです。「やあ,皆さんが引き受けてくださって助かります」。
ダンジョン坊や:
「今回がはじめての冒険なんですよね」と,言わんでもいいことを言います(笑)。
くもGM:
ちょっと不安そうな顔をしますが,商人は「見るからに剣の達人っぽい人がいるから大丈夫でしょう。背が高くて体格がいい」と。
侠客(マフィア):
鎧がおろし立てで,あまり汚れてないんだけど(苦笑)。でも,任せてください!
■いざ冒険の旅路へ
くもGM:
では,さっそく出発とまいりましょう。皆さんのほかにも,別口で雇われた冒険者が4人ほどいるようです。彼らとローテーションを組んで護衛をすることになりますが,早番と遅番どちらにしますか?
鉱人神官:
原作にも「ゴブリンにとって夕方は早朝」という言葉がありましたし,ここはやはり遅い時間を警戒すべきでしょう。というわけで,夕方から起きて,護衛につくようにします。「商人さん,積荷は何を積んでる……んだわさ?」
くもGM:
食糧とか羊毛とかですね。交易品が売れたら,それで馬を買って帰るつもりのようです。
では一党が持ち場について,急な山道をえっちらおっちら進んでいると……ここで「技量集中」判定を行います。2d6に技量点と集中度を足した値を加えて行為判定を行ってください。
鉱人神官:
技能の補正は効きませんか?
くもGM:
効きます。周囲の異変を察知できる技能であれば,これを加えてください。
鉱人神官:
では野良育ちゆえの「野伏」を加えて……(コロコロ)達成値は19!
ダンジョン坊や:
高い! 僕は12。
侠客(マフィア):
自分は「戦士」しかないからなあ……でも10はあります。
くもGM:
では,全員が気づきました。遙か上の方から「ゴーッ」という音が近づいてくるのを感じます。馬車の中にいる人は,地面がかすかに揺れているようにも感じるでしょう。
ダンジョン坊や:
首を出して外を覗いてみます。
くもGM:
土砂が山津波となって押し寄せてますね。ここに到達するまで,あまり時間はないようです。どうします?
侠客(マフィア):
いやいやいや,逃げるしかないでしょ!
ダンジョン坊や:
御者に向かって叫びます。「馬を急がせて! 上から土砂が来るぞ〜!」
くもGM:
皆さんが警告を発したので,間一髪,直撃を逃れることができました。しかし馬車はそのまま横転してしまい,休息を取っていた冒険者達は土砂に巻き込まれてしまったようです。横転した馬車から,商人さんが「ひどいことになった」と青い顔をしながら出てきます。
鉱人神官:
放っておくわけにもいかないので,あたいが怪我の様子を見るわさ。
くもGM:
では混沌とした状況なので,ほかのことに気を取られない集中度が求められます。「知力集中」(知力点+集中度)に,神官レベルを足して判定してください。
鉱人神官:
(コロコロ)12です。
くもGM:
君達以外の冒険者のうち2人は,生きてはいますが骨折して動けないようです。押し流された残りの2人は,恐らくもう生きてはいないでしょう。商人は大きな怪我こそありませんでしたが,ひっくり返った馬車を見て途方に暮れています。
鉱人神官:
応急処置は大丈夫?
くもGM:
はい。添え木をして包帯を巻くくらいであれば,判定は必要ないです。
侠客(マフィア):
とりえず,馬車を起こしましょうか。
くもGM:
こちらも集中度を加味して,「体力集中」(体力点+集中度)で判定をお願いします。「戦士」レベルも足して構いません。
侠客(マフィア):
(コロコロ)おっと,12。
くもGM:
なんとか馬車を起こしましたが,壊れていてこのままだと走れそうにないようです。商人さんは困った顔をしながら,「すまないが,助けを呼んでくれないか」とお願いしてきました。「隣町まで行かずとも,宿場なり何なりはあるはずだ」と。
ダンジョン坊や:
崖の上を調べてみていいですか? 万が一,これが人為的なものなら大変ですし。
くもGM:
それなら,「知力集中」+斥候レベルで判定を。
ダンジョン坊や:
(コロコロ)13いきました。
くもGM:
崖の上にチラッと人影が見えた……気がしました。
ダンジョン坊や:
ええっ,本当に誰かの仕業だったってこと?
くもGM(商人):
「この辺りには山賊とか出るという話だから,護衛を雇ったんだけどねえ」
鉱人神官:
……とすると,皆を置いていって大丈夫なのかな。
くもGM:
ここは一本道で,君達の後ろは土砂で埋まっている状態。崖は道具があっても登攀は難しいでしょうね。
鉱人神官:
退路を断たれた。「くれぐれも気をつけてね」と商人達に言い残し,助けを求めに行きましょう。
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ゴブリンスレイヤーTRPG
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