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「Ryzen 9 3950X」は16コア32スレッドに到達。AMDが独自イベントで「Ryzen 3000」の追加ラインナップを発表
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印刷2019/06/11 09:00

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「Ryzen 9 3950X」は16コア32スレッドに到達。AMDが独自イベントで「Ryzen 3000」の追加ラインナップを発表

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「Ryzen 9 3950X」は16コア32スレッドに到達。AMDが独自イベントで「Ryzen 3000」の追加ラインナップを発表
 北米時間6月10日,AMDは,E3 2019のタイミングに合わせて,会場にほど近いイベントホールで「AMD Next Horizon Gaming」という新製品発表イベントを開催した。このイベントに先だって6月8日と9日に,AMDは世界中のメディア関係者を集めた事前説明会を開催している。

壇上でスピーチするLisa Su博士(President and CEO,AMD)
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 これらのイベントには,AMD社長兼CEOであるLisa Su博士をはじめとして,AMDのCTO兼テクノロジー&エンジニアリング部門上級副社長のMark Papermaster氏,新たなMr.RadeonことRadeon Technologies Group担当上級副社長のDavid Wang氏など多くのAMD幹部が登壇して,新製品や新技術をアピールしていた。
 2日間のイベントを振り返ると,9日の午後に行われた,新製品のアーキテクチャや関連技術の解説がメインと言えるものだったが,それについては別途レポートすることとして,本稿では8日の午後と9日の午前に行われた発表から,新世代CPUである「Ryzen 3000」シリーズについての話題をレポートしたい。

Mark Papermaster氏(左,CTO and Senior Vice President,Technology and Engineering,AMD)と,David Wang氏(右,Senior Vice President for the Radeon Technologies Group,AMD)
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Ryzen 5 3000シリーズと16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xが発表に


 AMDは,すでにCOMPUTEX TAIPEI 2019において,第3世代のRyzen 3000シリーズとして,8コア16スレッド対応の「Ryzen 7 3800X」および「Ryzen 7 3700X」と,2基のCPUダイを1パッケージとした12コア24スレッド対応の「Ryzen 9 3900X」を発表済みだ。
 今回の事前説明会では,その下位となるRyzen 5 3000シリーズから,「Ryzen 5 3600X」と「Ryzen 5 3600」が発表となった。

新たに発表となったRyzen 5 3600XとRyzen 5 3600。メーカー想定売価はそれぞれ249ドル,199ドルとのこと
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 Ryzen 5 3600XとRyzen 5 3600は,どちらもZen 2コアベースで6コア12スレッド対応の第3世代Ryzenである。両製品とも,1920×1080ドットのフルHD解像度(1080p)から,2560×1440ドットの1440p解像度でゲームを楽しむメインストリームクラスのユーザー層をターゲットにしたCPUであるという。

 AMDが想定する競合製品は,価格面で見るとIntelの「Core i5-9600K」あたりとのこと。ただ,Core i5-9600Kは,6コア6スレッド対応なのに対して,Ryzen 5 3600X/3600はどちらも6コア12スレッド対応CPUであるという点で優位にあるとアピールしていた。また,新チップセットの「AMD X570」搭載マザーボードと組み合わせることでPCI Express Gen.4(以下,PCIe 4.0)環境が利用できることは,競合にはない魅力とのことだ。

Ryzen 5 3600シリーズはCore i5-9600Kを打ち負かすというよりも,「性能的に拮抗する」とアピールしていた。
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価格対スペック比に優れているのがRyzen 5 3600シリーズのアピールポイント。AMDは,eスポーツの人気タイトルと相性がいいことを強調しており,「CS:GO」におけるフレームレートを比較して見せていた
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第3世代Ryzenと対応する競合Intel製CPUのスペックを比較したスライド。コア数とスレッド数,PCI Expressの世代,価格のすべてにおいて,第3世代Ryzenが勝るとアピールしている
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Ryzen 9 3950Xを掲げるSu氏
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 もちろん,発表となったのはRyzen 5シリーズだけではない。
 Su氏は,「Ryzen 9 3900Xを発表したとき,大勢の人たちから『もっとコア数の多いモデルは出さないのか』という問い合わせをいただいた。なんて貴方たちは強欲なんだ! 答えはYESだ!」と叫びながら,16コア32スレッド対応のハイエンドCPU「Ryzen 9 3950X」を披露したのだ。

 Ryzen 9 3950Xは,Ryzen 9 3900Xが搭載する2基のZen 2コアに含まれるすべてのCPUコアを有効とした製品だ。16コア32スレッド対応のRyzen系CPUとしては,初代Zenベースの「Ryzen Threadripper 1950X」や,第2世代ZEN+ベースの「Ryzen Threadripper 2950X」に匹敵するCPUとなる。

Ryzen 9 3950Xの主なスペック。スペックだけでなく「TDPにも注目してほしい」とSu氏
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 しかも,Ryzen Threadripperに対してRyzen 9 3950Xは,

  • CPUアーキテクチャの世代が新しい
  • 動作クロックが高い
  • PCIe 4.0環境が利用できる
  • 価格がかなり安価

ついにAM4プラットフォーム対応で12コアを超えるCPUが登場した
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といった利点を有する。
 なによりも魅力的なのは,Ryzen Threadripperシリーズでは,専用のTR4プラットフォームが必要だったのに対して,Ryzen 9 3950Xは,ごく一般的なRyzen用のAM4プラットフォームで利用できるところだろう。
 Ryzen 9 3950Xの発売は2019年9月の予定で,メーカー想定売価は749ドルとなっている。

イベント会場のデモコーナーでは,Ryzen 9 3950Xの実動デモが注目を集めていた
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「最高の性能を求める旅は終わらない」と,今後の展開についても言及
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 また,CPU関連のセクションでは,今後のZenファミリーにおけるロードマップも示された。
 それによると,次世代CPUコアとなる「Zen 3」は,Zen 2で使っている7nmプロセス技術の改良版である「7nm+」で開発が進んでいるとのこと。開発状況は「順調」(On Track)であるという。

 一方,その先に来る「Zen 4」は,現時点で「設計中」(In Design)とのこと。これは,TSMCが2019年4月に発表した,半導体製造の露光技術にEUV(Extreme Ultra Violet:極紫外線)を使った5nmプロセス技術をターゲットにして開発を進めているためであろう。

Zen 3の開発は順調,Zen 4は設計中であるそうだ
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 CPUに関する話題は以上のとおりとなる。なお,AMDは同じ説明会で,次世代GPU「Navi」に関する説明も行っている。それについては別項で紹介しているので,そちらも合わせて参照してほしい。

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 北米時間6月10日,AMDは,E3 2019のタイミングに合わせて,独自の新製品発表イベントを開催。それに先駆けて,メディア関係者向けの事前説明会も行った。本稿では,事前説明で開示されたAMDの次世代GPU「Navi」に関する詳細をレポートしよう。

[2019/06/11 09:00]

AMDのE3 2019特設Webページ(英語)

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