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印刷2019/08/01 22:00

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Intel,Ice LakeことノートPC向け第10世代Coreプロセッサ計11製品のスペックを公開

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 2019年8月1日,Intelは,開発コードネーム「Ice Lake」と呼ばれていた新型CPUである第10世代CoreプロセッサのSKUと仕様を発表した。Ice Lakeについては,CES 2019やCOMPUTEX TAIPEI 2019で段階的に概要が説明されていたが,今回ようやく具体的な製品ラインアップと仕様が明らかになった。

 発表となったのは,薄型ノートPC向けでTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)が28W,または15Wの「Ice Lake-U」6製品と,2-in-1ノートPC向けでTDPが9Wと低い「Ice Lake-Y」5製品だ。
 発表となった11製品のスペックをまとめたのが表1表2になる。

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 Core i7およびCore i5シリーズはいずれも,4コア8スレッド,Core i3シリーズは2コア4スレッドとなる。最上位の「Core i7-1068G7」のみTDPが28Wだが,ベースクロックが2.3GHz,ブーストクロックが最大4.1GHzと高く設定されているのがポイントだろう。

 さて,第10世代Coreプロセッサは,10nm製造プロセスで本格的に量産される初めてのCPUで,マイクロアーキテクチャとして新たに開発された「Sunny Cove」(開発コードネーム)を採用する。Sunny Coveでは,Skylake世代のCPUコアと比べて,1クロックあたりに並列実行できる命令数(Instructions Per Clock,IPC)が平均18%向上したという。

第10世代Coreプロセッサにおける強化のポイント
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Sunny CoveとSkylake世代のCPUコアとの性能比較。SPEC 2016,SPEC 2017,SYSmark2014 SE,WebXPRT,Cinebench R15の各アプリケーションでのテストとなっている。平均で18%のIPC向上を実現したという
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 さらに,機械学習の推論処理向けに提供される新命令セット「Intel Deep Learning Boost」(以下,DL Boost)に対応し,これを利用した場合,前世代の「Whiskey Lake」と比べて,2.5倍の性能を実現するそうだ。また,低消費電力時のAI処理を担うIntel GNAも実装されているという。
 最近では,クライアント側でも画像処理や動画のアップスケーリング,音声におけるノイズ処理などで,機械学習の推論処理が活用されており,こうした分野で効果を発揮するとIntelは説明する。

Ice LakeとWhiskey LakeでのAI性能の比較。物体検出を行う「SSD-MobileNet」で2倍,「画像分類AI」のResNetで2.5倍の性能をアピールする
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 第10世代Coreプロセッサにおける大きなポイントは,統合型グラフィックス機能(以下,iGPU)が,Intelの言う第11世代iGPUに刷新となったことだ。上位モデルのiGPUでは「Intel Iris Plus Graphics」(以下,Iris Plus),下位モデルでは「Intel UHD Graphics」といったように,異なるブランド名が付けられている。加えて,iGPU内の演算ユニットに相当する「Execution Units」(以下,EU)の数に応じて,製品名の末尾にG7,G4,G1とグレードを示す接尾辞が付くようになった。
 基本的には,G7とG4がIris Plus,G1はUHD Graphicsといった区分けになっており,これまで製品名からは分かりにくかったiGPUのグレードが判別しやすくなったわけだ。

 気になる性能であるが,第11世代のiGPUは,1TFLOP以上の演算性能を持ち,第9世代のiGPUと比べて,ゲームのフレームレートは約2倍になるという。COMPUTEX TAIPEI 2019では,Whiskey Lake世代のCore i7-8565Uや,競合製品であるRyzen 7 3700Uとの比較を紹介し,その性能をアピールしていた。(関連記事

Iris Plusと第8世代Coreプロセッサが備える「UHD Graphics 620」(第9世代iGPU)との比較。フルHDにおけるゲームプレイでより高いフレームレートを実現するという
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 また,ゲーマー向けの機能としては,VESAのディスプレイ同期技術である「Adaptive-Sync」(≒FreeSync)や,Windows 10がサポートするシェーディング技術「Variable Rate Shading」(西川善司氏の解説)への対応もポイントといえよう。

 iGPUに組み込まれたビデオエンジンも強化しており,「HEVC」(High Efficiency Video Coding,H.265)でのエンコードで,2倍の処理速度を実現するほか,色域規格の「BT.2020」をサポートするという。
 
メディア周りのエンジンも強化。ゲーム実況・録画やコンテンツ制作といった用途での性能も向上したという
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 インタフェース周りでは,CPU内にThunderbolt 3コントローラを統合し,最大4基のThunderbolt 3ポートをPC上に実装可能だ。さらに通信機能として,ノートPC向け第9世代Coreプロセッサと同様,Wi-Fi 6ことIEEE 802.11axに対応する。

Thunderbolt 3は,従来のシステムではコントローラが別に必要だったが,第10世代CoreプロセッサではCPU側に統合された
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 Intelによると,第10世代Coreプロセッサを,今後12カ月の間にあらゆるセグメントに向けて投入するという。8月末には,ノートPCの中でも,より高いマルチスレッド性能が求められる製品分野と,法人向けノートPCを対象とするvPro製品について,詳細を告知すると予告している。

 なお,第10世代Coreプロセッサ搭載の製品として,すでにDellの「XPS 13 2-in-1(7390)」がアナウンスされているが,2019年9月6日〜11日に,ドイツのベルリンで行われる大規模見本市「IFA 2019」では,さらに第10世代Coreプロセッサを採用した製品が登場するのではなかろうか。

Intel公式Webサイト

  • 関連タイトル:

    第10世代Core(Ice Lake,Comet Lake)

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