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印刷2019/08/23 14:14

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[gamescom]20年以上も前のゲームエンジンで作られた,「WRATH: Aeon of Ruin」をチェック

 ドイツ・ケルンで開催中のゲームイベント,gamescom 2019の1C Entertainmentブースで,3D RealmsとKillPixel Gamesが共同で開発する新作FPS「WRATH: Aeon of Ruin」のプレイアブルデモが公開されていた。

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「WRATH: Aeon of Ruin」公式サイト


 「WRATH: Aeon of Ruin」は,23年前に開発されたゲームエンジン「Quakeエンジン」(現在はパブリックドメインとして無料で使用可能)を使って「現在のPC環境向けの新作を本気で作ったらどうなるのか?」というコンセプトのもとで作られている作品だ。開発は,新設のスタジオであるKillPixelが担当しており,「Duke Nukem 3D」で知られる3D Realmsがパブリッシングと制作の協力を行っているという。

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 もっとも,「どうなるか?」と言われても,高いフレームレートでゲームが動くとしか言いようがなく,ブースでプレイしたところ,上限が666fpsに達するという非常に滑らかなグラフィックスが体験できた。あまりにも滑らかで,「W」キーを押した途端にゾワっとするような感じを覚えたほどだ。

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 「WRATH: Aeon of Ruin」は,永遠に続く時空の狭間を漂い続ける仮面の戦士「アウトランダー」が,何者かから,世界に湧き出し始めた古代の「ガーディアン」達を始末しろという任務を受けるところから始まる。最初のマップは遺跡のような場所で,右手に仕込んだブレードのみを武器にして出現するスケルトンと戦っていく程度だが,ショットガンなどの武器をピックアップしていくにつれて敵の数も増え,激しい戦闘が続くといった流れなっていた。
 ブレードの押し出し(マウスの左クリック)とジャンプ(スペースバー)の同時押しで遠くにジャンプできるギミックを使って隠し部屋のアーマーを見つけるといった要素もあり,また,セーブポイントを任意に生成できるシステムなど,作り込みもしっかりしているように感じた。

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 「Quakeエンジン」は,1993年の「DOOM」から本格的に始まるFPSジャンルの黎明期に,SiliconGraphicのAPI「OpenGL」を用いて3D描画を実現した初期のゲームエンジンとして有名だ。それをそのまま利用しているだけに,「WRATH: Aeon of Ruin」のグラフィックスのテクスチャは粗く,アンチエイリアシングなどもなく,カクカクした建物のデザインにも古さを感じる。
 しかし,当時はメモリなどの制約で不可能だった広大なマップが実現されており,キャラクターアニメーションも調整されているほか,モンスターの流血や肉片の飛び散りなども表現されている。発売に間に合うかどうかは不明だが,「QuakeWorld」のプログラムコードを利用したマルチプレイモードも予定されているという念の入れようだ。

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 すでに8月も終わりだが,発売予定は今のところ「2019年夏」から変更されておらず,KillPixelのフレデリック・シュレイバー(Frederick Schreiber)氏が「もうほとんど完成している」と述べるなど,発売は目前に迫っている様子だった。
 8月15日には,「Duke Nukem 3D」「Buildエンジン」を利用したFPS「Ion Fury」が3D Realmsからリリースされたばかり。こうした初期のエンジンを使ったゲームを現在の環境でプレイしてみたいと思う人には楽しみなタイトルになるはずだ。

「WRATH: Aeon of Ruin」の開発を行うフレデリック・シュレイバー氏(右)と,古参のスタジオである3D Realmsのスコット・ミラー(Scott Miller)氏(左)
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