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社会サバイバルストラテジー「Frostpunk」がコンシューマゲーム機にやってくる。ゲームパッドでのプレイ感はいかに?
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印刷2019/04/14 12:00

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社会サバイバルストラテジー「Frostpunk」がコンシューマゲーム機にやってくる。ゲームパッドでのプレイ感はいかに?

 11 bit studiosが2018年にリリースした「Frostpunk」は,「社会全体がサバイバルする」という際どくもアグレッシブなテーマを持ったシティビルダーかつ社会シミュレーションゲームとして,世界中で高い評価を得た。DLCも順調にリリースされており,「あの『This War of Mine』のデベロッパがどんなゲームを作るのか」という重い期待に応えたと言っていいだろう。

 そのFrostpunkが,PS4Xbox Oneに移植される。REBOOT Develop 2019で開発中のバージョンを見せてもらったので,本稿でレポートしよう。
 なお,画面写真を含む記事の内容が製品版と異なる可能性があることには注意してほしい。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 社会サバイバルストラテジー「Frostpunk」がコンシューマゲーム機にやってくる。ゲームパッドでのプレイ感はいかに?



ゲームパッドでストラテジーゲームを快適に楽しむには


 今回見せてもらったコンシューマ版のFrostpunkは,「最適化は終わっていないが,基本的なユーザーインタフェース(UI)デザインその他は完成している」という段階のものだという。リリースは2019年夏の予定だが,よほど大きなトラブルがない限り,発売日が大きくずれ込む可能性は低いと思われる。

 11 bit Studioのmarketing directorであるPatryk Grzeszczuk氏によると,開発チームが最も重視したのは,「コンシューマゲーム機でプレイするにあたっても,最高のゲーム体験ができるようにすること」だったという。11 bit Studiosは移植作開発の基本姿勢として「同一の体験,同一の挑戦,同一の楽しさ」を掲げており,この目標に対しては「一切の妥協をしない」そうだ。

Patryk Grzeszczuk氏
画像集 No.007のサムネイル画像 / 社会サバイバルストラテジー「Frostpunk」がコンシューマゲーム機にやってくる。ゲームパッドでのプレイ感はいかに?

 その姿勢は開発前の調査段階においても現れている。開発チームは作業の前段階として「それまでコンシューマゲーム機向けに発売されたストラテジーゲームをすべて遊んだ」という。「すべて」というのは若干修辞的な発言だとしても,ともあれ先行作品を徹底的に調査したわけだ。
 そのうえでチームは「いくつかのゲームはうまくやれていて,いくつかのゲームは失敗している」と判断し,何がよくて何が駄目なのかを丹念にチェックしていったという。

 そこから得た知見をもとにデザインされたコンシューマ版「Frostpunk」は,ゲームパッドでの操作に合わせてUIが最適化されているだけでなく,ゲームバランスにも若干の調整が入っているという。PC版と「同じゲームだ」と感じてもらうためには,ゲーム自体にも手を加えねばならなかったというわけだ。

 実際,そのようにして研ぎ澄まされたゲームパッド向けUIの完成度は,極めて高いと感じた。

 開発チームは「あらゆる行動が,すばやく正確に選択できる」ことを最も重視したそうで,カメラやカーソルのコントロールは迅速かつ自然に感じられた。

 例えばカーソルは通常画面中央にあり,アナログスティックを動かすとマップがその方向に移動していくが,マップ端ではカーソルが画面中央から外れて動くようになる。これによって「マップ端の何かを操作するとき,無意味な空間が画面の大半を占める」という問題は起こらない。
 とても小さな工夫のようにも思えるが,なるべく多くの情報を同時に把握しておきたいストラテジーゲームにおいて「視野の広さが常に確保されている」のはとても重要だ。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 社会サバイバルストラテジー「Frostpunk」がコンシューマゲーム機にやってくる。ゲームパッドでのプレイ感はいかに?

 建造物の配置にも工夫が凝らされており,建物がグリッドにスナップするのは当然として,視点として「完全に真上から見下ろす」ことも可能となっている。
 PC版であれば「何かを操作しながらカメラを回転させる」ことが容易だが,パッドで操作しているとこの動作が難しくなるため,完全見下ろしモードが追加されたというわけだ。

 またオブジェクトに対するアクションも洗練されており,基本的には

(1)オブジェクトにカーソルをあわせる(ある程度までスナップする)
(2)ボタンを押す
(3)コンテキストメニューが表示される
(4)アナログスティックでアクションを選んでボタンを押す


 というステップで実行可能となる。このコンテキストメニューは,ほぼあらゆる行動が2クリック以内で達成できるようにデザインされたという。

 ともあれ,筆者が見た範囲で言えば,コンソール版「Frostpunk」は,「ゲームパッドでストラテジーゲームを遊ぶ」という課題に対して,かなり優れた回答をもたらしているように思える。

ダイヤル式のコンテキストメニュー。画面の一番上に見えるタブはワンボタンで左右に移動でき,異なる建物に対するアクセスも容易だ
画像集 No.005のサムネイル画像 / 社会サバイバルストラテジー「Frostpunk」がコンシューマゲーム機にやってくる。ゲームパッドでのプレイ感はいかに?


コンシューマ版は「DLC全部入り」でのリリース予定


 PS4やXbox One向けのリリースということで,パッケージ版の販売も予定されている。となると気になるのは「特典付きの限定版はあるのか?」という点だろう。
 Grzeszczuk氏によると「現状ではまだ何も言えないが,プランとしてはある」とのことだ。「例えば画集のような何らかフィジカルなものがおまけでついているという販売形態をプレイヤーが好んでいるのは知っているし,僕もそういうものは好きだ」とのこと。「絶対に出る」(あるいは日本で買える)とは言えないものの,期待しても良さそうだ。

 また,ここまで完成度の高いUIということになると,PCでもゲームパッドで遊んでみたいという気持ちも高まる。
 キーボードとマウスでゲームを楽しむというのは言うまでもなく楽しいが,どうしてもプレイの姿勢は前のめりになり,「ぎゅっと集中した」プレイ体験になりがちだ。これに対してゲームパッドでは,椅子の背もたれに体を預けるようなくつろいだプレイ,違った体験が味わえると思う。これについては11 bit Studiosでも同じ認識があるようで,Grzeszczuk氏も「僕もゲームパッドで遊ぶのが好きだ。適当にごろ寝しながらでも遊べるし,リラックスしてゲームを楽しめる」と同意してくれた。

 とはいえ,パッチなり何なりでPC版がゲームパッドでの操作に対応するという話は「あり得るが先の話になる」ということだった。
 前述したように,ゲームパッドへの対応はゲームバランスの調整まで含むものになるので,そのままPCに持ってくるのは難しいようだ。コンシューマ版の評価が高まれば必然的に「PCにも」という声が出ると思うので,このあたりはのんびり待ちたい。

 なおコンシューマ版のFrostpunkは,現状PCで発売されているDLCが「全部入り」でのリリースとなる。また,発売後もDLCの提供が予定されているとのことだ。今のところ日本向けの情報はないが,今後に期待したい。

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