インタビュー
「V4」日本運営への1周年記念インタビューを掲載。11月の新規クラス「ランサー」を皮切りに,新地域や新コンテンツも実装予定
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1周年特設サイト「FIRST ANNIVERSARY FESTIVAL」
「V4」ダウンロードページ
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日本プレイヤーの好みに合わせて
調整と運営を重ねた1年間
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。まずはこの1年のあいだ,どのようなコンセプトで運営を進めてきたかをお聞かせください。
黄 珀信氏(以下,黄氏):
本作の特徴の1つとして,フィールドでの支配権争いが挙げられます。そして,もう1つ特徴的な部分がありまして,サーバーの枠を超えた戦いがほかのMMORPGと異なる部分だと言えます。
この2つの特徴をより際立たせることをコンセプトにし,これまで運営してきました。このコンセプトが消えてしまうと,ほかのMMORPGと差別化できなくなりますので,非常に気をつけています。
4Gamer:
差別化を図るなかでとくに意識した部分はどういったところでしょうか。
黄氏:
ユーザーのご意見で「フィールドでの支配権争いをメインとしたゲーム性が合わない」という声をいただいた場合でも,なるべくその特徴を消さないように調整してきました。
4Gamer:
具体的にお話しできる調整例があればお聞かせください。
黄氏:
例えば,本作はフィールドを支配することによって恩恵を受けられるので,フィールド上でのプレイヤーキル(PK),PvPのような状況が多発しやすいゲームになっています。この部分を苦手とされるユーザーも少なくないため,良い報酬が用意された一部の地域の設定を,PvP可能な地域から「平和地域」というPvPができない地域に変更し,PvPが苦手なユーザーでも遊びやすいように調整しました。
4Gamer:
新クラス,新フィールドなどのコンテンツが次々と実装されてきましたが,フィールドに限らない多人数によるPvPコンテンツも追加されています。こういったコンテンツを追加するときには,PvPを好まない人も参加しやすいように調整されているのでしょうか。
黄氏:
ほかのMMORPGでも共通するのかもしれませんが,日本ユーザーの皆さまの傾向としては,スポーツライクなPvP,大規模戦には抵抗がないようなのですが,キャラクターを成長させるための狩りの途中にフィールドで発生するPKを好まない傾向はあるかと。
「V4」の大規模コンテンツである「ワールドボス」や「次元乱闘戦」などは,いわゆるスポーツライクなPvPに分類されるコンテンツとなっておりまして,それらを好まないというご意見は今のところいただいていないので,多人数で競い合うPvPは楽しんでもらえているのかなと思っております。
4Gamer:
1年間を振り返ってみて,ここがターニングポイントだったといえるタイミングはありましたか?
黄氏:
最初のアップデート日である2020年10月21日に,「ビテン高原」という新規フィールド追加に合わせてフィールドボス「ファルヴィネア」も追加されました。
日ごろ競争相手となっている別サーバーのユーザー同士が協力し,新規追加されたフィールドボスを討伐する流れが発生したとき,MMOの醍醐味が実現できたとして,運用メンバー同士で盛り上がりました。
最初は意図していなかったので,そういうプレイで盛り上げてくれたユーザーに対して感謝の気持ちを伝えたいです。協力して倒すことをユーザー主体でイベント化してくれたことが,運営側としても非常にうれしい部分でした。
4Gamer:
フィールドボスを倒すときのプレイヤーは,チャットを中心に交流して盛り上がっていたのでしょうか。
黄氏:
そうですね。さらにSNS上,Twitter,Discordでもほかの人とつながり,コミュニケーションを交わしながら作戦を立て,討伐してくれていました。
4Gamer:
結果としてフィールドボスは,かなり日本プレイヤーの好みに合わせたようなコンテンツになったのですね。
黄氏:
開発側に意図はなくて,ライバルと競い合って倒すというところには終始していたはずです。しかし日本ユーザーの場合は,みんなで一致団結して倒したいという傾向が強いので,そういった流れになったのだと思っています。
4Gamer:
運営方針はどのような路線だったのでしょうか。
黄氏:
日本のユーザーの皆さまは協力プレイを楽しみたいという要望が他地域に比べて強い傾向にありますが,本作はGvEなどの多人数で協力するコンテンツがあまり充実しておりません。
そこで,なるべくギルドのコミュニティの方々が連携を取りやすいような,コミュニティを活性化するためのイベントを用意していきました。あるいは追加されたギルドコンテンツの報酬を手厚くすることで,コミュニケーションのきっかけとしてもらえるような施策を中心に配置していったことが,日本の運営方針の特徴になります。
4Gamer:
そのあたりは日本に限った施策だったのでしょうか。
黄氏:
基本的にコンテンツは全世界共通なので,その中で調整できるポイントはイベントなどになってきます。そこで,ギルドに関連させたイベントを集中的に投下するような配分は,日本独自の施策になってきているかと思います。
もう一点,日本版で注意していたところがありまして,本作はフィールドの支配権を手にしたユーザーに報酬が集中していきます。
それによって,上位のユーザーとそうではないユーザーとの格差が生じ,多くのユーザーのプレイモチベーションを下げてしまう原因となっておりました。その部分については,例えばイベントでも強めの報酬が獲得できるようにして,なるべくそこまで格差が広がらないように注意してきました。
4Gamer:
なるほど。
黄氏:
実際にその意図がユーザーの皆様に伝わっているかどうかは難しいところではありますが,ほかの地域と比べて,日本地域ではそのような形で報酬バランスを調整してきました。
4Gamer:
満べんなく報酬を配ったときに,プレイヤーから反響などはありましたか。
黄氏:
さまざまなご意見をいただきますが,目立つ意見としては,ほかのMMORPGに比べて,いわゆる「課金を迫る圧力は低いんじゃないか」というようなコメントが見受けられました。そういったコメントが多い時期と,そうではないコメントが多い時期が入り混じっていましたが,1年をとおして見ると,ほかのMMORPGに比べて「課金をしなくても十分に毎日成長ができるんじゃないか」という意見はいただいております。
4Gamer:
そういった日本独自のイベントを実施するときに,それぞれのコンセプトなどをはっきりと決めてからやるような形だったのでしょうか。
黄氏:
明確な問題が出ていたので,その問題に対して「このイベントで解決したい」というように協議して,内容を設定していきました。各イベントについては,それぞれの問題点を改善するためのイベントだということを伝えながら,実装していきました。
4Gamer:
運営として意識しているという部分はどういったものになりますか。
黄氏:
そうですね。そのときに差が出てきているアイテムについては「このアイテムだったら課金ユーザーにも受け入れてもらえるだろう」「このボリュームだったら大丈夫だろう」というアイテムをセッティングしていきました。
運営側からプレイヤーへのアプローチは
「ゲーム内のコミュニティを守る」ということ
4Gamer:
そのほか運営するにあたり,気をつけていることはありますか?
黄氏:
おかげさまで1年間サービスを続けられたMMORPGということもあって,ユーザーの皆さまにとって非常に大切なコミュニティが多く形成されており,皆さまの日々の生活の一部として溶け込んでいるのかなと考えています。その大事なコミュニティを守ることが運営の責務だと考えています。
本作を遊んでいただいているユーザーの皆さまのコミュニティを維持していく,守っていくために何が必要かということをいつも考えているような状況です。
4Gamer:
そうして考えたことも,格差を埋めるというようなことにつながっているのでしょうか。
黄氏:
もちろんそれもありますが,ギルドのコミュニティが盛り上がるような,みんなでワイワイできるようなイベントを開催していく部分にもつながっています。
コンテンツ部分で不足しているプレイヤー間での交流を活性化できないか,イベントを通じて皆さんと一緒に楽しめるような施策が打てないか,ということも考えつつ,実装していっているような状況です。
4Gamer:
イベントに加えて,比較的高い頻度でアップデートが実施されてきていますが,そこに対する声はありましたか。
黄氏:
1回目のアップデートで「たくさん新しいものが入りすぎだ」という声をユーザーからいただきましたね。正式に言うと3か月に1回ほど大型のアップデートを実施していたのですが,「それを分散したほうがいいんじゃないか」というような声は結構ありました。
ほかの地域と比べて日本のユーザーの皆さまは,コンテンツ消費スピードが速い傾向にあります。その結果,アップデートのスケジュールをほかの地域よりも短縮して入れていくような状況になっていますので,消化ペースに合わせて短いスパンで準備しているのが日本版の状況です。
4Gamer:
1.5周年や2周年に向けた今後の開発方針は,どのようなものになってくるのでしょうか。
黄氏:
今後の方針においても,今もプレイしてくれているユーザーにとって,大切なコミュニティがなくならないように心がけていく予定です。プレイしているユーザーの皆さまが何を望んでいるのか,というところにもしっかりと耳を傾けながら,できることを実現していくという方針で運用したいと思っています。
コンテンツそのものについては,韓国で先行して実装されているコンテンツがあるので,そちらをメインに追加していくことになりますが,そうなったとしても日本のユーザーの嗜好に合うように調整をしたうえで,アップデートを繰り返していきたいです。
4Gamer:
本作は1周年を迎えましたが,リリース初期と比べて,ユーザーの要望などで変わった部分はありましたか。
黄氏:
リリース直後にGvGコンテンツがなかったので,入れてほしいという声を非常にたくさんいただきました。あとは「パーティプレイのメリットを追加してほしい」という意見が非常に多かったです。今年の3月に実施したアンケートでは,ご意見の中身が「新しいフィールドや新しい地域を追加してほしい」といったマップ拡張に関するコメントに変化していました。
ほかには「上位ユーザーとの格差を縮めてほしい」というご意見も多かったです。「プレイ時間に応じた成長が止まってしまって,確率を突破しないと成長しにくい」という声が多くなってきたのが,リリース開始から半年ほどを迎えた今年の3月でした。そこで確率を突破できるようなアイテムを配布して対応していくこともありました。1周年のタイミングでも,アンケートに近いキャンペーンを実施しておりまして,過去にあったイベントでどれが良かったかというようなアンケートを取り,現在はそれを参考に復刻版イベントの準備を進めております。
4Gamer:
プレイヤーの声を聞き届けていく優先度みたいなものは,現状どのようにお考えですか。
黄氏:
パーティプレイのメリットを求める声が非常に多かったので,コミュニティが強固になっていくような施策が必要なんじゃないかと思っております。そのためにも,コミュニティが活性化するような施策の優先度を高くしてきました。
ギルドメンバーたちと日常の会話を楽しむことによって,1日のリズムを作っていくような遊び方はMMORPGの特徴とまでは言えないかもしれませんが,目立つ遊び方だと思っています。ギルドコミュニティがより楽しくなるような施策やコンテンツを優先するように,日本版は進行したいと思っていますね。
4Gamer:
今後のアップデートスケジュールに関しても可能な範囲で教えてください。
黄氏:
まず新規クラス「ランサー」が2021年11月に追加予定となっています。そして2021年12月には新しい地域が実装される予定です。大規模戦として「ワールドルナトラ」を来年の1月〜3月に実装し,サーバーVS.サーバーの戦いができるように準備しております。
さらに「パーティレイド」という,パーティで挑戦できる高難度レイドを来年の6月までに実装する予定です。
9月も1周年を記念し,豪華報酬が得られるイベントを展開中です。
具体的には,最強キャラクター,最強ギルド,最強サーバー,最強サーバー群をそれぞれに相応しいコンテンツで決定していく「4大最強決定戦」というイベントを開催します。
また,「4大感謝還元祭」というキャンペーンも実施しまして,第1弾としてゲーム内にログインするだけで,ゲーム外グッズが当たる抽選券を配布し,9月25日の1周年記念オンラインイベントで抽選結果を発表しました。第2弾として豪華なゲーム内アイテムが当たるキャンペーンも実施し,ゲームの内外で1周年を盛り上げております。
その他にも、復帰してくれたユーザーがプレイ中のユーザーに追いつきやすくなるような,レベル85になるまで経験値が1500%アップするイベントや、これまでにお話ししたギルドの活性化を促進するために,「修練の島」というギルドコンテンツでイベントモンスターが発生し,貴重なアイテムをドロップするイベントを実施する予定です。
4Gamer:
ありがとうございました。最後に,読者に向けてメッセージをいただきたいです。
黄氏:
まずお伝えしたいのが,ユーザーの皆さまのおかげで1周年を迎えられたということです。
まことにありがとうございます。これまで支えてくださった皆さまに感謝の気持ちを伝えるため,イベントで還元させていただきたく思っておりますので,プレイしてくれている方はもちろんですが,これから始めようとしてくれている方も,本作から1度離れてしまった方も,この1周年という機会をきっかけにログインしていただければ幸いです。
──2021年9月9日収録。
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