「聖剣伝説 3 TRIALS of MANA」体験版プレイレポート。3Dグラフィックスでフルリメイクされ，多彩な攻撃手段を駆使するアクションRPGに

　スクウェア・エニックスは，2020年4月24日発売のアクションRPG「聖剣伝説 3 TRIALS of MANA」（PS4/Switch/PC。PC版は4月25日発売）の体験版を3月18日に配信する。本作は，1995年9月に発売されたスーパーファミコン用ソフト「聖剣伝説3」のフルリメイクタイトルで，グラフィックスの向上やバトルシステムの再構築，キャラクターのボイス対応やアレンジ楽曲の収録，サイドトークの追加などで現代向けに作り直されている。本稿では，PS4向け体験版をプレイしたインプレッションを交えつつ，新要素を紹介していこう。


　本作ではオリジナル版同様，「トライアングルストーリー」を採用している。このシステムは，ゲーム開始時に6人のキャラクターの中から主人公1人と仲間2人を選択し，その組み合わせによってストーリーの一部が変化するというものだ。今回の体験版では，もちろんすべての組み合わせを選択できるが，筆者は主人公にケヴィン，仲間にシャルロットとリースを選んでみた。

ゲーム内はフル3Dグラフィックスで描かれる

　バトルは，フィールド上やダンジョン内で敵に近づくとシームレスにスタートする。オリジナル版よりもアクション性が高く，［○］ボタンが弱攻撃，［△］ボタンが強攻撃（長押しで溜め攻撃），［□］ボタンが回避，［×］ボタンがジャンプとなっている。またジャンプ中に攻撃ボタンを押せば，空中の敵を攻撃することも可能。さらにコンボもあり，［○］ボタン→［△］ボタンで吹き飛ばし攻撃，［○］ボタン→［○］ボタン→［△］ボタンで範囲攻撃など，かなり多彩なアクションを楽しめる。
　一方，敵の特殊な攻撃は主人公や仲間にヒットする前に攻撃範囲が表示される。したがって移動または回避を駆使して範囲外に逃れる必要が生じ，とくにボスバトルでは生死に関わる重要なポイントとなる。

敵が繰り出す特殊な攻撃の範囲を確認しつつ，多彩なアクションを駆使してダメージを与えていく

　本作では，アイテムや特技・必殺技を使うための「リングコマンド」も健在。さらにアイテムと特技・必殺技をそれぞれ4種類ずつ登録しておけるショートカットも用意されている。
　リングコマンド使用時はゲーム内の時間が止まるため，バトル中はポーズ機能の代わりに使うこともできる。よりテンポの良いバトルを楽しみたいなら，ショートカットを活用するといった使い分けが可能だ。

本作のリングコマンドはアイテム用と特技・魔法用の2種類

SPゲージが100％になると，必殺技を発動できる

　バトルの獲得経験値は，敵を殲滅するまでの時間や被ダメージがなかったとき，必殺技を使って敵を倒したときなど，条件に応じてボーナスが加わる。
　経験値が一定まで溜まると主人公や仲間はレベルアップし，HPや力などの基本ステータスが上昇する。またレベルアップに伴って得られる「育成ポイント」を一定数割り振ることで，特技，魔法の習得やさらなるステータスアップ，アビリティの取得が可能となる。


　このうちアビリティはステータスの強化やバトルで有利になるといったさまざまな効果のものがあり，装備すると効果を発揮する。また本作にはオリジナル版同様，「クラスチェンジ」があり，上位のクラスは装備できるアビリティの数が増える。
　さらにキャラクターやクラス固有のアビリティのほか，取得した本人以外のキャラクターも装備できる「リンクアビリティ」もある。


　ストーリーが進行し，ゲーム開始時に選んだ仲間が主人公と合流するシーンに到達すると，「プロローグ体験」をするかどうかを選択することになる。このシステムは，合流した仲間のプロローグをプレイし，主人公に出会うまでのストーリーを回想できるというもの。プロローグ体験中はプレイデータのセーブができず，また獲得したアイテムはストーリー本編に持ち込めない。
　一方，プロローグ体験をしない選択をすると，合流した仲間のプロローグムービーを観られる。

プロローグ体験中はバトルも発生する

　仲間が合流すると，［L2］または［R2］ボタンでプレイアブルキャラクターを切り替えられるようになる。選択中のキャラクター以外はAI操作となり，攻撃対象を決める「ターゲット」と攻撃や回復，支援のバランスを決める「戦略」，そして特技と必殺技，回復アイテムの使用頻度を決める「使用条件」の3項目を設定可能だ。

宿屋に置いてある植木鉢に植えると，アイテムを入手できる「アイテムの種」も健在。本作では植木鉢にレベルの概念があり，高レベルになるほど良いアイテムを入手できる確率が上がり，また，モンスターが種をドロップする確率もアップする

　この体験版は，ストーリー本編最初のボス「フルメタルハガー」とのバトルを終えたところで終了。全体的に丁寧な作りで，ストーリーもバトルもテンポ良く進み，オリジナル版ファンの期待に応える仕上がりだと感じた。また作曲家・菊田裕樹氏監修のもとアレンジされたBGMも，広がりや奥行きを持たせつつオリジナル版を思い起こさせるものとなっている。加えてBGMは，オリジナル版の音源に切り替えることも可能で，これまたオリジナル版ファンへの配慮がなされているのも嬉しいところだ。


　アクション性が高くなったといっても，決してシビアなわけではない。例えば攻撃であれば，対象に近づいて攻撃ボタンを押せば自動的に追尾してヒットするという印象で，幅広い層のプレイヤーが楽しめるチューニングになっている。
　名作のフルリメイク版ということで，オリジナル版ファンを含め注目している人も多いと思うが，まずは体験版でその仕上がりを確認しよう。

「聖剣伝説 3 TRIALS of MANA」公式サイト