プレイレポート
「たべごろ!スーパーモンキーボール」プレイレポート。練り込まれたレベルデザインが挑戦意欲をかき立てる
※PC(Steam)版は発売日,価格ともに未定。Xbox One版は海外のみ販売
アーケードゲームの初代「モンキーボール」は,「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏が生み出したことでも知られており,直感的なルールで遊べるカジュアルゲームとして人気を博した。シリーズ展開は,2012年のPS Vita用ソフト「スーパーモンキーボール 特盛あそビ〜タ!」から新作がしばらく途絶えていたが,今回7年ぶりの復活を遂げた。
本作は,2006年にWiiで発売された「スーパーモンキーボール ウキウキパーティー大集合」をリメイクしたものだ。単なる移植ではなく,ソースコードをすべて書き直し,“一部のステージやミニゲームをリファインする”“ソニックをはじめとした隠しキャラクターを追加する”など,大幅な改修が加えられている。
さらに,ゲーム内容も全100ステージのメインゲームと4人まで同時プレイできる「パーティーゲーム」(ミニゲーム)が収録されているほか,ステージクリアの時間を競う「タイムアタック」と10種のミニゲームを連続で遊ぶ「デカスロン」モードも追加されており,大ボリュームに仕上がっているのもポイントだ。
直感的なルールと,巧みなレベルデザインが挑戦意欲をかき立てる
本作のルールは“アナログスティックでおサルの入ったボールをコロコロと転がし,ゴールを目指す”というものだ。
コースには障害物や敵が配置されているので,うまくかわしたり,ジャンプで飛び越えたりして避けていく。コースの端や途切れ目からボールを落としてしまうとミスになるので,落ちないように気をつけつつゴールインできればステージクリアとなる。
ボールが転がるスピード感と,巧みにボールを操って狭いコースを駆け抜けるときのスリル,コーナリングやジャンプをうまく決めたときの達成感は本当に気持ちいい。
おサルたちは初期状態で6キャラクターから選べて,それぞれスピード,ジャンプ力,大きさ,重さなどが異なっている。バランス型の「アイアイ」,速度が遅く身体が大きいためトラップや敵に引っかかりやすいが吹っ飛びにくい「ゴンゴン」,加速に優れた「ドクター」など個性豊かだ。ゲームを進めていくとコスチュームが増えていくので,着替えて気分を変えるのもいいだろう。
10のステージからなる「ワールド」をコンティニューなしでクリアできれば,栄誉の証「チャンピオンメダル」をもらえる。よりよいタイムとチャンピオンメダルを目指して頑張っていこう。
「スーパーモンキーボール」シリーズの妙味は,レベルデザイン,つまりステージ構成の面白さにある。
気持ち良く突っ走っていたと思ったら,コースが途切れていて奈落の底へ落ちる。高い塔を必死に登った後に細い橋が待ち構えており,緊張のあまり踏み外す……といった具合に,絶妙のタイミングでこちらのミスを誘ってくる。
ゲーム後半には最初見たときは軽く絶望してしまうステージもあるのだが,ミスの原因が分かりやすいうえに設計が絶妙なので「次こそは!」と挑戦意欲をそそられる。コンティニューは無制限かつ素早くリトライできるのも相まって,もう1回,もう1回だけ……と遊んでしまう。
そして,繰り返し遊ぶうちに「コツが掴めてきた,もうここではミスらないぞ!」となっていく。つまり,「トライアンドエラーからの上達」というアクションゲームのオイシイところを短いサイクルで味わえるのだ。
そして,ステージ構成が計算され尽くしたものであることを理解すると,「快走が続いてるけど,そろそろ何か仕掛けてくるんじゃないのか」とか「曲がり角があるけど,きっとその先に何らかのトラップがあるんじゃないか」といった考えが頭をもたげる。さながら開発者と知恵比べをしているようだ。
そんなことを考えながら初見プレイでトラップを抜けられたときは,開発者に勝った感があって大変に気持ちがいい。この快感を味わうためにもぜひとも予備情報を仕入れることなくプレイしてみてほしい。
ボス戦は“巨大なタコの背後に回り込んで弱点の後頭部を一撃する”“恐竜型メカの背を渡り,妨害をはね除けつつ弱点のある先端部を目指す”など趣向が凝らされている。攻撃ボタンが無いゲームだけに,ボスの動きを見切るのが重要になってくるのだ。
初見のオススメは,敵や障害物に強いゴンゴンでゆっくり進んでいくやり方だ。じっくり攻略方法を見つけたうえで,タイムアタックやチャンピオンメダルといったやり込み要素に挑戦するといい。ゲームオーバーになることも,コンティニューすることも本作では当たり前なので,トライアンドエラーを繰り返しながら存分に楽しもう。
ゆかいなパーティーゲームで大盛り上がり
シリーズの名物でもあるパーティーゲームは,10種類のミニゲームを最大4人でプレイ可能だ。ルールもジャンルもさまざまで文字通りパーティーの際にもってこいのゲームになっている。いくつかのゲームを紹介していこう。
ほかにも,ツルツルと滑る氷原をホバーで移動してフラッグを回収する「はたとりホバーレース」,パーティーゲームの定番「モグラたたき」など,いずれもシンプルなルールでワイワイ楽しめるものばかりだ。10種類のパーティーゲームを連続で遊ぶ「デカスロン」モードでは,得意なものでスコアを伸ばし,不得意なものでもある程度戦えるようにしておく総合的な腕前が求められる。友達を集めて遊べば盛り上がること間違いなしだ。
シンプルなルールと,レベルデザインの妙味が光る本作。遊んでいくうちに開発者の意図が見えてきて,まるで知恵比べをしている気分に浸れる辺りは良い意味でレトロゲーム的というか,往年のセガタイトルを思わせるものがある。
それでいてグラフィックスは最新機種のもので,おサルたちの可愛らしさやステージの美しさに目を奪われる。カジュアルに遊べる間口の広さと,タイムを突き詰めていく奥深さがあり,幅広い層にオススメできるゲームと言えるだろう。
「たべごろ!スーパーモンキーボール」公式サイト
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