プレイレポート
[G-Star 2019]“足漕ぎでの移動”とFPSの相性は? 「SPECIAL FORCE VR: INFINITY WAR」をVR拡張デバイス「Alleg」で体験
中でも目を引いたのは韓国のVR拡張デバイスを開発するPNI VRの「Alleg」を利用した「SPECIAL FORCE VR: INFINITY WAR」の出展だ。
下の写真を見ればなんとなく想像できると思うが,「Alleg」は,プレイヤーの足の動きをゲーム内のキャラクターに反映させるVR拡張デバイスである。
個人的な話で申し訳ないが,筆者はいくつかVRタイトルを体験したことがあるものの,身体全体を動かす,いわゆる体感型のVRはプレイしたことがない。そのうえで,FPSとVR拡張デバイスとの相性はどうなのかをお伝えしたい。
「SPECIAL FORCE VR: INFINITY WAR」自体は2019年8月から早期アクセスが行われている対戦型のFPSタイトルだ。手を動かしてリロードしたり,照準器を除いて狙い撃ったりといった要素はなく(狙撃銃以外),VR FPSとしてはややカジュアルな部類に入るのではないだろうか。
今回展示されていたAllegは,足の動きで左右への振り向きにも対応できる特別モデルのようだった。
「SPECIAL FORCE VR: INFINITY WAR」ではペダル部分を漕いで前進や後退をし,各足を外側に向けると振り向く(このとき座席も動く)。それ以外の機能としては,高低差を登ったり攻撃を受けたりしたときの振動がある。
実際にプレイしてみると,足漕ぎでの移動は予想以上に疲れる。また,こちらは設定次第でどうにかなるのかもしれないが,移動スピードと足こぎのスピードが一致せず,違和感もあった。
両足を使った振り向きも,座席が動きだすときと止まるときの衝撃が強く,また細かい操作がしづらい。高低差を移動するときの振動も大きめで,その辺りを「気にする必要がある」のは対戦型FPSとしては辛かった。
ただしこれは素早い動きが必要になる「SPECIAL FORCE VR: INFINITY WAR」だからであって,例えばロボットモノのVRなどだと,より没入できるのではと感じた。
この手のデバイスの問題点は,画一的なプレイ環境として整備しづらいために対戦には向いていないということだ。個人で使うには対戦の公平さも含めて,十分にその性能を発揮できるかと言われると疑問が残る。
一方で,アミューズメント施設などで来場者に同じ環境を与える場でのプレイには向いているはずだ。
VR拡張デバイスは没入感を高めるが,すべてのタイトルで有効に使えるデバイスの開発は難しく,ひとつに特化したワンオフのアイテムになりがちだ。そのあたりをクリアできる汎用的なデバイスができれば,もう一段階上のVR体験をより手軽に楽しめるのではないだろうか。
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