連載
レトロンバーガー Order 20:ビスコの「婆裟羅」がブラジル経由でSteamに登場! あとブラジルでゲーム機の関税が引き下げられるってさ編
今の世の中,戦国時代の武将や忍者をイケメン/美少女化したゲームはよく見られるものとなっています。そういったジャンルを代表するタイトルと言えば? そうですビスコの「婆裟羅」です。常識ですね。
そんな「婆裟羅」と続編の「婆裟羅2」が,この2019年に帰ってきた! しかもブラジルから!! そんなわけで,今回はブラジルのゲームスタジオ・QUByte Interactiveが2019年8月14日にSteamでリリースしたPC版「VASARA Collection」を紹介します。
「VASARA Collection」は,2000年にリリースされたアーケードゲーム「婆裟羅」と,2001年にリリースされた「婆裟羅2」,および両タイトルをベースとした“タイムレスモード”を収録したもの。QUByte InteractiveはPC / PS4 / Nintendo Switch / Xbox One / PS Vita向けのダウンロード版をリリースしていて,そのほかStrictly Limited GamesからPS4 / Nintendo Switch / PS Vita用のパッケージ版およびコレクターズエディション版(すでに全種完売ですが……)が発売。日本ではコーラスワールドワイドが,ローカライズしたPS4 / Nintendo Switch / Xbox One版を「婆裟羅コレクション」という邦題で11月14日に発売する予定です。
「婆裟羅」シリーズのコンセプトを簡単に表すと「イケメン/美少女化した武将や忍者が登場する戦国SFシューティング」です。今でこそ戦国武将がイケメン/美少女化するのは定番となっているものの,2000年代初頭に雑賀孫市や百地三太夫を美少女にしているのは時代を先取りまくりですね。まあ,本作の設定的には「歴史上の人物と同名の少女」みたいなところなので,「美少女のウルトラレア織田信長を合成で進化させよう」的な今日(こんにち)の狂気はまだ見られません。
背景設定は徳川家康や織田信長がブイブイギュンギュン言わせてるような戦国時代ですが,プレイヤーキャラクターはホバーバイク的なSFビークルに乗っていて,巨大浮遊兵器や人型ロボットなどの和風マシーンがボスとして登場します。一見すると奇抜ですが,シューティングゲームの世界では,アメリカ人やイギリス人の忍者がタイムマシンで戦国時代に行って織田信長を討ったり(原始時代や古代エジプトにも行ったり),織田信長配下の忍者が人型ロボットに乗って兄弟弟子同士で対決したり,戦国っぽい時代に暴れん坊の巫女がレシプロ鳥居で飛んだりしていますし,それどころか室町時代のメガネ男子が爆弾投擲で木造の戦車や浮遊砲台を破壊していたりもするので,割と普通ですね。余談ですが,こっち方面の狂気は最近では薄い気がします。
筆者はアーケード稼働時の「婆裟羅」と「婆裟羅2」をそれほどプレイしていなかったので,移植度については何とも言えませんが,普通にプレイする分には嫌な遅延や処理落ちもなく快適に楽しめます。また,「婆裟羅」における“婆裟羅モード”が,アーケード版ではバサラゲージMAX時の溜め攻撃実行による発動だったのに対し,本作ではボタン押下による任意のタイミングでの発動に変わっていて,少し遊びやすくなっているのは嬉しい改良点(オプション設定でアーケード仕様に切り替えることも可能)。例えばステージごとのリスタートがないなど,オプションが充実しているとは言えませんが,難度や自機数,初期ボム数はアーケード版準拠の仕様で変更可能なので,ニュービーでも安心です。
ゲーム自体は,敵との接触がミスにならなかったり,溜め攻撃で敵弾を消せたりするので,シューティングゲームとしては難度が低め(婆裟羅2の終盤を除いて……)。ただ当たり判定は大きめなので,弾幕シューティングに染まったプレイヤーは,ギリギリでの回避を狙うあまり被弾して苦しんだりするでしょう。というか筆者がそうなんですが。
Unityで構築されたタイムレスモードは,「婆裟羅」と「婆裟羅2」をミックス&3Dグラフィックスでリメイクしたもの。率直な評価としては「微妙」と言わざるをえないものの,オマケ的なものとして考えれば「これはこれでアリ」といったところ。ゲーマーのオフ会などで「実はこんなものが」と出してみると,ワイワイ楽しめるのではないでしょうか。ただ,快適な動作にはそこそこのPCスペックが要求されるので,持ち出して誰かと遊びたい場合はNintendo Switch版がベターかもしれません。
ビスコのゲームは近年,ライセンスを得たフランス・JoshProdから「ブレイカーズ」や「武蔵巌流記」,「バンバンバスターズ」がリバイバルされていたりしますが,日本国内の正規流通でビスコのリバイバル作品がリリースされるのは,おそらく今回が初。今後もリバイバル作品が続々リリースされることに期待したいですね。「雀々しましょ」とか。あと「恋こいしましょ」とか。いっそのことサミーとセタのタイトルも集めて「SSVコレクション」とか。
それにしても最近,ブラジルがキてますね! QUByte Interactiveのほか,日本産レトロゲームをオマージュしまくる「Blazing Chrome」(関連記事)や「Oniken」などを手がけたJoyMasher,日本産アニメの影響が強い「オーバーライド 巨大メカ大乱闘」(関連記事)を手がけたThe Balance,8bit風メトロイドヴァニア「Necrosphere Deluxe」を手がけたCat Nigiri(社名ロゴは猫の握り寿司)などなど,いずれもブラジルのゲームスタジオです。また,8月15日にはブラジル政府からゲーム機に関する税金を20%ほど引き下げることが発表されたりもしています(ブラジルにおける発売当初のPS4は日本円換算で約17万5000円だそうで,そこから課税を20%下げてもまだまだ高くね?と思わなくもないですが)。この調子でブラジルのゲーム産業が発達していったら,日本のゲーマーにとっても面白いシーンが繰り広げられるのではないでしょうか。いけいけブラジル。ゴーゴーブラジル。
QUByte Interactiveの「VASARA Collection」公式サイト
コーラスワールドワイドの「婆裟羅コレクション」公式サイト
ビスコの「婆裟羅」公式サイト
ビスコの「婆裟羅2」公式サイト
- 関連タイトル:
VASARA Collection
- 関連タイトル:
婆裟羅コレクション
- 関連タイトル:
婆裟羅コレクション
- 関連タイトル:
婆裟羅コレクション
- この記事のURL:
キーワード
Copyright (C) 2000, 2001 VISCO Corporation
Copyright (C) 2019 QUByte Interactive Ltda.
(C) 2019 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved. VASARA Collection is developed and owned by QUByte Interactive. VASARA Collection will not ask for, collect, store or share any of your personal data. VASARA Collection (C) QUByte Interactive 2019
(C) 2019 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved. VASARA Collection is developed and owned by QUByte Interactive. VASARA Collection will not ask for, collect, store or share any of your personal data. VASARA Collection (C) QUByte Interactive 2019
(C) 2019 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved. VASARA Collection is developed and owned by QUByte Interactive. VASARA Collection will not ask for, collect, store or share any of your personal data. VASARA Collection (C) QUByte Interactive 2019