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[TGS 2019]「FAIRY TAIL」菊地啓介プロデューサーインタビュー。キャラクター・絆・ギルドの成長物語をガストブランドがRPGへと昇華する
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印刷2019/09/15 13:45

インタビュー

[TGS 2019]「FAIRY TAIL」菊地啓介プロデューサーインタビュー。キャラクター・絆・ギルドの成長物語をガストブランドがRPGへと昇華する

 コーエーテクモゲームスのガストブランドで展開されるRPG「FAIRY TAIL」PC / PS4 / Nintendo Switch)の最新情報が,2019年9月15日に行われた東京ゲームショウ2019の同社ステージで明らかになった。

 本作は,真島ヒロ氏原作の同名コミック・アニメをゲーム化したタイトルで,「アトリエ」シリーズなどで知られるガストブランドが初めて手がけるコラボ作品だ。ステージでは,「人気エピソードから本作オリジナルエピソードまで熱いストーリーを体験!」「人気魔導士たちが夢の共演。プレイアブルキャラクターは10名以上!」「仲間と共に『ギルド』も成長。ランクアップで追加要素が開放!」「等身大の3DCGで躍動する登場キャラクターたちが,迫力の魔法バトル!」といった4つの注目ポイントが発表された。

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 さらに,10名以上登場するプレイアブルキャラクターのうち,主人公ナツ・ドラグニルほか,ルーシィ・ハートフィリア,グレイ・フルバスター,エルザ・スカーレット,ウェンディ・マーベルの5人の姿が披露され,そのバトルシーン映像などから,3DCGで迫力のあるバトルを繰り広げる様子も見ることができた。

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 この発表を踏まえ,本作の開発を手がけるプロデューサーの菊地啓介氏にインタビューし,さらに詳しいゲーム内容について聞いた。


「FAIRY TAIL」のすべての要素がゲームと親和性が高く,それをRPGに当てはめる


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回この「FAIRY TAIL」を,ガストブランドで製作することになった企画の経緯から教えてください。

コーエーテクモゲームス「FAIRY TAIL」プロデューサー菊地啓介氏
画像集 No.004のサムネイル画像 / [TGS 2019]「FAIRY TAIL」菊地啓介プロデューサーインタビュー。キャラクター・絆・ギルドの成長物語をガストブランドがRPGへと昇華する
菊地啓介氏(以下,菊地氏):
 開発自体は1年ほど前からスタートしているのですが,企画はそこからさらに2年ほど前にさかのぼります。かねてから講談社さんより「FAIRY TAIL」のゲーム化についてお声がけをいただいていて,私自身も原作のファンでして,何かしらの形で実現できないかと検討していたんです。
 今回開発を手がけたガストのこれまでの作品は,「アトリエ」シリーズなどすべてオリジナルタイトルで,コラボタイトルを一度も扱ったことがありませんでした。ですが,日本だけでなく,ほかの地域でも人気のあるタイトルとコラボすることで,全世界で楽しんでいただけるRPGを作れるのではないかという考えがあったんです。

4Gamer:
 確かにガストさんは過去のラインナップに,今回のようなコラボタイトルがあった記憶がありませんね。

菊地氏:
 この「FAIRY TAIL」という作品は,ファンタジーの世界観やストーリー展開,特徴的なキャラクターなどのすべてがゲームとの親和性が高いと捉えています。そして,その魅力をどういう切り口でゲーム化したらファンに喜んでもらえるかと考えたときに,当社が得意とするアクションゲームという選択肢ももちろんありました。ですが,キャラクターや仲間との絆,あるいはギルドなどの“成長”という部分にフォーカスを当てたいということもあり,それにはRPGが最も適しているのではないかと考えたんです。

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4Gamer:
 なるほど,それはありますね。

菊地氏:
 RPGであれば,仲間が協力して強大な何かに立ち向かうという熱い展開も楽しめますし,「FAIRY TAIL」ファンでゲームが初めての方でも,魔法を選んでボタンを押すだけですごい魔法を撃てるようなゲームデザインを実現できますから。
 そこで真島先生や講談社さんと相談させていただいて,ガストが得意とするRPGとして作らせていただくことになりました。

4Gamer:
 そんなガストさんが手がける「FAIRY TAIL」は,一体はどんなRPGになるのでしょうか。

菊地氏:
 RPGといっても表現方法はいろいろあると思いますが,ゲームの流れとしては,原作でも重要な存在となるギルドを拠点として,そこでいろんな依頼を受けて,討伐や探索をして戻ってきた成果として,ギルドが成長するというゲームサイクルになっています。
 システム的には「アトリエ」シリーズのようにシンボルエンカウントを採用していて,フィールドにいる敵と接触すると,コマンド入力式の戦闘シーンに突入します。本作の戦闘は,敵側にも陣形があって,それに対してキャラクターが持つ魔法がどんな属性を持っていて,どこまでの効果範囲があるのかを考えるという,戦略性の高いバトルシステムになっています。

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4Gamer:
 陣形に対して範囲を選ぶということは,ストラテジー的な要素もあるのでしょうか。

菊地氏:
 ターン制の戦闘なので,あまり時間をかけて考えるものでもありませんが,魔法を撃つときは多少なり戦略的な考えは必要となるかもしれませんね。

4Gamer:
 原作漫画やアニメでは魔法での戦いがメインですが,ゲームではどうなるのかを教えてください。

菊地氏:
 もちろんコマンドの中には打撃による攻撃も用意していますが,仲間は全員魔法が使えて,その属性や効果範囲に関する戦略もありますので,必然的に魔法を使うことがメインとなります。魔法を使うには当然MPが必要なのですが,敵を倒すとMPが還元されるというシステムがあって,MPの消費と還元を意識したマネジメントみたいなものも,戦闘の面白さの1つになります。
 さらに条件が揃えば連携によってさらに強力な魔法を撃つこともできまして,この詳細はまた後日お知らせする予定です。

インタビュー時に見せていただいた実機でのゲーム画面。ゲームとして動かせるところまで完成している
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原作漫画&アニメ中盤で盛り上がる「大魔闘演武編」のストーリーを体験


4Gamer:
 冒頭でおっしゃっていましたが,キャラクターの成長のほかに,仲間との絆やギルドの成長もあるそうですね。

菊地氏:
 はい,RPGですからキャラクターの成長は必然なのですが,原作漫画やアニメの物語に沿ってキャラクターもたくさん登場しますので,その組み合わせによって,誰と誰が仲良くなる,みたいなフィーチャーを用意しています。
 またギルドにもいろいろな機能や役割があります。それを自分のがんばりで好きなように強くできたら楽しいだろうと考え,旅先で入手したポイントを消費して,ギルドを発展させられるようにしました。

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4Gamer:
 本作はアニメ版に準じているとのことですが,ストーリーはどのあたりからのものとなりますか。

菊地氏:
 ステージでお見せした画像は,「天狼島編」のクライマックスのハデス戦でしたが,ゲームではそれが序章となっていて,その後ギルドが落ちぶれてしまい,みんなの力で復興させていくところから始まります。そこから続くストーリーとして,物語中盤にあたる「大魔闘演武編」がゲーム前半のストーリーとなっていきます。

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4Gamer:
 そこを本作のストーリーの主軸に選んだ理由をお聞かせいただけますか。

菊地氏:
 理由はいくつかあるのですが,まずは主要のキャラクターがある程度揃ったところからゲームを始めたかったということがあります。ファンとしては,序盤のキャラが少ない状態よりも,たくさんいたほうが嬉しいですからね。
 それともう1つは,ストーリー的にギルドの再興を描いているというのがポイントで,初めてこの「FAIRY TAIL」という作品に触れる人にとっても,ギルドが成長していく様子をゲームの展開として自然に体験することができるんですよ。
 ストーリー的にもグッと盛り上がるところですので,ここからのスタートを選ばせていただきました。

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4Gamer:
 ストーリーは当然ながら原作漫画やアニメの物語に沿っていくと思うのですが,発表ではゲームオリジナルのエピソードが組み込まれるという情報がありました。それはどこで体験できるのでしょう。

菊地氏:
 メインストーリーはアニメ版に沿ったものとなりますが,ガストの作品を遊ばれている方はご存じかと思いますが,エンディング後にもお話しが続くような仕様があって,本作でもそうしたところにオリジナルのエピソードを用意しようと考えています。
 またそれぞれのキャラクターのエピソードや依頼など,物語の流れを崩さない程度に,オリジナルの話をちりばめていく予定です。

4Gamer:
 今回マグノリアの街をゲーム上で再現しているそうですが,街とフィールドはどのようにつながっているのですか?

菊地氏:
 そこも「アトリエ」シリーズと同様に,ゲーム全体のワールドマップがありまして,そのポイント上を行き来する形になりますね。

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4Gamer:
 マグノリア以外に別の街なども登場しますか。

菊地氏:
 ステージでお見せした画像にもクロッカスの街の一部分がありましたが,いくつかの街も行けるようになります。

4Gamer:
 全体的に「アトリエ」シリーズを踏まえてのRPGテイストが盛り込まれているんですね。

菊地氏:
 もちろんそっくりそのままではないのですが,ガストが手がけてきた作品の経験を生かすような形で,ゲームを構築しています。

4Gamer:
 「FAIRY TAIL」をあまり知らなくても,ガスト作品のファンなら楽しめると考えてもいいでしょうか?

菊地氏:
 そうですね。ガストの作品として恥ずかしくないように作り込んでいますので,楽しみにしていただければと思います。


ファンのために原作を大切にしつつ,ゲームとしての完成度も尊重する,真島ヒロ氏の監修


4Gamer:
 本作を開発する過程で,真島ヒロ氏や講談社とは,どのようなやりとりをされているのでしょうか。

菊地氏:
 ご存じかと思いますが,真島先生はゲームをたくさん遊ばれいて,執筆活動を含めエネルギーにあふれていて,僕が感じたのはファンをすごく大切にされる方でもあり,ご意見をいただくときは常にファン目線だということを感じています。
 キャラクターの見た目に関わるグラフィックス面の細かな監修はもちろんですが,それだけではなく,ゲーム内容に関しても私とディレクターでプレゼンした内容に対して,アドバイスをいただいています。非常にクリエイティブな提案も多く,こちらも刺激を受けて,開発をさせていただいています。

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4Gamer:
 例えばどんなアドバイスがありましたか。

菊地氏:
 私が感心したのは,ファンのために原作を大切にするという前提ではあるんですが,ゲームとして面白くなるのであれば,必ずしも原作に沿わなくてもかまわないとおっしゃっていただけたことでした。
 「FAIRY TAIL」という作品を生かしつつ,ゲームとして楽しくなっているべきということを言われていて,1つ1つのコンテンツでの表現に関してしっかり考えられている方だと感じましたね。今回,ゲームオリジナルの魔法なども用意したりして,ゲームとしての完成度を高めるための抜き差しをしつつ,全体を構築しています。

4Gamer:
 なるほど。それは開発者として,すごくやりやすいのでは。

菊地氏:
 やりやすくもあり,緊張感もあります。プロ目線からの監修ですので,いい意味での緊張感があって,一緒に楽しく作らせていただいています。

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4Gamer:
 開発現場はどのような反応をされていますか。

菊地氏:
 ちゃんと作らなければならないというプレッシャーの中,開発陣にもファンが多いIPですので,作り甲斐のある作品を手がけているという雰囲気はありますね。過去タイトルの経験を生かしつつ,自信を持って送り出せるようなものが作れるのではないかと,私自身も期待しています。

4Gamer:
 現在はどのぐらいまで完成しているのでしょうか。

菊地氏:
 全体では50%程度というところですね。素材は一通り上がっているのですが,ゲームをつないでみてから,演出面の調整や不便なところの改善など,まだまだやることはたくさんあると感じています。

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4Gamer:
 これから新たな情報が明らかになっていくと思うのですが,ファンにはどこに注目してもらいたいですか?

菊地氏:
 登場キャラクターや街の構造など,ファンがこのゲームでどんな体験ができるのかということを,これから徐々に見せていきたいと考えています。原作漫画やアニメならではの強力な魔法を自分の操作で撃てるとか,仲間になるキャラクターでこんなパーティを組んでみたいとか,想像の中で遊んでもらえるように情報を出していきますので,いろいろ楽しみにしていただければと思います。

4Gamer:
 コーエーテクモゲームスさんのタイトルは,原作の追体験ができるような作品が多く,それがガストさんの手腕でRPGに昇華されるところは見どころになりそうですね。

菊地氏:
 そうですね。今回ガストブランドで,ほかのIPを扱わせていただくのは初めてとなりますが,弊社でも成功しているタイトルはありますので,そういったところを取り入れながらしっかりまとめていければと思っています。ファン向けのタイトルなので,その方々の想像以上のものを提供していきたいです。

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4Gamer:
 10月の生放送で,また新しい情報が明らかにされるそうですね。

菊地氏:
 はい,そこでは実機の画面などもご覧いただけるかと思います。

4Gamer:
 発売は少し先になるかと思いますが,期待しているファンにメッセージをお願いします。

菊地氏:
 今回,最初に情報を出したときに,楽しみにしているというメッセージを,国内外のファンの方からいただき,大変励みになりました。我々はそんな皆さんに向けて作品を作っているのだということを改めて感じ,私自身が「FAIRY TAIL」を読んで面白かった部分,熱くなった部分を体験できるようなゲームを作っています。今後の情報にも期待いただきつつ,もうしばらくお待ちください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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「FAIRY TAIL」公式サイト


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