インタビュー
「メタルマックス ゼノ リボーン」インタビュー。新時代の「竜退治はもう飽きた!」反主流RPGとは? 自身を問い思い込みの枷を外して開発に挑んだ発売延期の裏側
2020年9月10日の発売を予定している本作だが,開発の遅れとクオリティアップを理由に2度の発売延期をしており,当初の予定からは約半年遅れての再誕“リボーン”を迎えることになる。
開発の遅れは,ここ最近の世相もあるだろうが,クオリティアップについてはかなり大掛かりな改修・追加が行われているようで,本来の発売日であった3月26日以降も,「新たな車の追加」や「スキルツリー式の成長システム」「新・戦車改造システム」といった新システムを発表。戦闘についても「クルマで走りながら敵を吹っ飛ばすバトルシステム」へ変更したとのアナウンスを行っている。
そこで今回,初公開である“「ポM」参戦”の情報を含めた新要素とあわせて,発売直前になぜここまで大きな追加・変更をする必要があったのかを,シリーズ原作者の“ミヤ王”こと宮岡 寛氏と,プロデューサーの河野順太郎氏,そしてディレクターの友野祐介氏に聞いてきた。発売延期の決断の裏側には何があったのか,その詳細をお届けしたい。
左から友野祐介氏,宮岡 寛氏,河野順太郎氏。宮岡氏はリモートで参加 |
「メタルマックス ゼノ リボーン」公式サイト
新たな可能性を追求するため,延期を決断する
4Gamer:
よろしくお願いします。
宮岡 寛氏(以下,宮岡氏):
「メタルマックス」シリーズの原作者で,「メタルマックス ゼノ リボーン」ではエグゼクティブディレクターをしている宮岡です。ふだんは友野新監督の応援をしたり,アイデアを出したりしています。ゲームを楽しみにしつつ,口を出す……みたいな感じですね(笑)。
河野順太郎氏(以下,河野氏):
角川ゲームスのプロデューサー,河野です。作品の方向性やアイデアの実現など,作品の外堀を埋めたり,決めていく仕事をしています。
友野祐介氏(以下,友野氏):
開発会社の24Frameで,今回はディレクターをしている友野です。小学生の頃から「メタルマックス」シリーズをプレイしていて,その時の経験を活かしてゲームを作っています。
4Gamer:
ありがとうございます。ではさっそくですが,「メタルマックス ゼノ リボーン」(以下,リボーン)は,発売が2020年3月26日から7月9日に,さらに9月10日へと延期されましたが,その理由からお願いします。
河野氏:
クオリティアップと言えば話が早いのですが,もう少し具体的に話すと,“「METAL MAX Xeno」(以下,旧ゼノ)を新しくする”ことから“「メタルマックス」自体を新しくする”ことへ意識が変わったためです。
当初は「旧ゼノ」を順当にリメイクするはずでしたが,発売記念イベントでのファンの皆さんからの反響をじかに見て,さらに友野さんのこだわりもあったことから,どんどん前へ前へと突き進んでしまいました。
友野氏:
開発を進める中,“クルマで疾走しながらバンバン撃ちまくるバトル”という,新しい可能性の尻尾が見えてきたんですね。実現すれば,「リボーン」はリメイクを越えたタイトルになると思ったので,システムを変更することにしました。
ふつうはこんなことできないんですが,そこで「やらなければならない」という決断を下せる人,下す人達がこの「リボーン」を作っているんです。僕自身「メタルマックス」シリーズのいちファンですので,「モンスターハンターたる者,相手の尻尾(開発の先)が見えているなら追いかけんといかんじゃろう!」と思いますし。
宮岡氏:
2019年末の時点では,開発終了に向けて「リボーン」をどう綺麗に収めようかと考えていたのですが,そこから発売を延期して新しい可能性を追求することになりました。
まあこれも,「メタルマックス」シリーズの開発に脈々と流れる“無茶をする”という遺伝子が受け継がれた結果なんだなと思います(笑)。
友野氏:
延期前までの我々は,ふつうのRPGを作るような考え方に毒されていたところがあり,「リボーン」も,前作「旧ゼノ」の“一本道的な感覚”や,“戦闘におけるやれることの少なさ”を引きずっていました。
しかし,我々の中の「メタルマックス」という存在が,「そんなんじゃダメだよ!」って許してくれなかったんです。そして,延期を決めてからは,そのふつうの考え方を払拭した上で,開発におけるブレーキを外しています。手堅くまとめるよりも,おもしろさを重視し,手間を厭わないということです。
4Gamer:
大きな意識改革なんですね。では「旧ゼノ」と違う点,そして「メタルマックス」らしい点については,どうなのでしょうか。
友野氏:
ゲームそのものの進め方でしょうか。これは以前も話していますが,最終目的さえ達成できるのであれば,そこまでの道筋は自由に行動できるようになっているんです。仲間たちを加入させるかどうかも自由で,ヒロインであるトニを見捨てたり,拠点のアイアンベースに頼らず,犬とだけ旅するようなことも可能です。
また,仲間たちと親密になれば,彼・彼女らの人となりが分かってきて,シリーズお馴染みのフェイクエンディングで幸せに暮らすようなこともできます。
さらに大きな変更点として,仲間たちの成長システムをスキルツリー式にしました。これにより,どのキャラクターも自分好みに特徴を出した育て方をできるようになっているんです。
河野氏:
クエストやストーリー進行の自由度は,延期前の仕様からさらに高くなっていますし,さらに育成や戦闘システムなども当初の予定から大幅に変更しているので,3月発売予定だったものとはかなり中身が変わってしまいました。
「旧ゼノ」ともずいぶんと違うものになっています。同じところは世界観と登場人物くらいで,リメイクというより「メタルマックス ゼノ リボーン」という完全新作と言っても過言ではありません。
過去の「メタルマックス」の2D表現を3Dに置き換えるのではなく,最初から3D表現で「メタルマックス」を作ったらこうなるはずってものを,初めて形にできたんじゃないか。そういう手ごたえを感じてます。
少なくとも戦車に乗って走って戦うゲームって意味では、「メタルマックス リボーン」と言ってもいいかと。いまからゼノを取って「メタルマックス リボーン」に改題するのはさすがに厳しいですが(笑)。
4Gamer:
「旧ゼノ」だけでなく,「メタルマックス」自体のリボーンであると。それが果たせているのであれば,ファンも待った甲斐があるでしょうね。
河野氏:
ただ,納期を守れず,最初にお約束した2020年3月からの延期はもちろんのこと,7月からも再延期となる事態を招き,ゲームをお届けできなかったのは事実ですので,僕はプロデューサー失格です。本来は間に合うように着地点を探すべきところで,さらに風呂敷を広げてしまったので。
友野氏:
僕もディレクター失格だと思います。
河野氏:
しかし,前のめりのチャレンジをファンの皆さんはきっと評価してくださると信じて再延期を決断しました。
4Gamer:
延期は残念でしたが,クオリティアップを喜ぶ人は多いと思います。宮岡さんがこうした流れを見て思うところはありますか。
宮岡氏:
「旧ゼノ」では“グラフィックスこそ3Dになりましたが,ゲームの作りは2D時代を引きずっていた”というのが実情でした。実は今回の延期前もそれを感じることがあったのですが,延期以降は,そう感じることはありません。
「メタルマックス」をいまのハードで生まれ変わらせるには,ここを解決しなければならないというところに挑戦したんだなと。
4Gamer:
延期することによって,「メタルマックス」シリーズが今後直面するであろう課題に取り組むこともできたわけですね。先の話になりますが,「ゼノ リボーン2」(PS4 / Switch)や「コードゼロ(仮称)」の開発も予定されていますし,とても大事なことに感じます。
3D時代の「メタルマックス」を象徴する新たなバトル。クルマと生身では戦闘に大きな違いも
4Gamer:
延期によって大幅な変更が加えられた戦闘システムについて教えてください。
友野氏:
「旧ゼノ」の戦闘システムは全て捨てた上で,新しく構築したものになっています。クルマで走りながら撃ちまくれるようにもなっていて,これが気持ちいいんですよ。また,搭載している武器から一斉に射撃を行う「ラッシュ射撃」は,モンスターの群れも一網打尽にできるので爽快です。
過去作までは,すべてのメンバーのコマンドを入力した後に各キャラが動き始めていたのですが,「リボーン」では敵味方が同時に行動する中で次々とコマンドを入力していきますので,なかなかにカオティックなバトルになっています。
4Gamer:
アクションバトルのRPGへとジャンルが変化したということでしょうか。
友野氏:
いえ,あくまで戦闘の基本としてコマンド入力時は時間が止まるコマンド選択式です。ただ,クルマで走りながら攻撃でき,ラッシュ射撃という一斉攻撃のシステムがあり,戦闘に入りオートアタックを使えば乗っているクルマやパーティーメンバーが自動で攻撃してくれる。結果として,走りながら次々とモンスターを吹っ飛ばせるようになったということです。
4Gamer:
なるほど,コマンドでありながら毎回「たたかう」を選んで,演出を待ちながら戦闘する仕組みから脱却している感じなんですね。
友野氏:
あと戦闘が発生するフィールドですが,「旧ゼノ」ではほとんどなかった,徒歩オンリーの場所も増やしました。敵も味方も,射程距離と攻撃範囲はけっこう真面目に判定しているので,速度や攻撃手段,探知の異なるクルマと徒歩の違いに大きな意味があります。
4Gamer:
徒歩,要は生身ならではの移動や戦闘に意味はあるのでしょうか。
友野氏:
マップには正面突破以外のルートを用意していますので,物陰に隠れて敵の探知を無効化するなどの戦略も取れます。これは延期前から仕込んでいましたが,“モンスターが通れないような狭い地形の向こうから一方的に狙い撃つ”ようなこともできるんです。
一部のモンスターは攻略法を見つけると楽に倒せますから,そこで荒稼ぎした上で強力な装備を買い込み,一気に強くするプレイもOKです。もともと「メタルマックス」シリーズは,お金さえあれば地道なレベル上げをしなくても強くなれるゲームですから。
河野氏:
クルマに乗っている時は,強力な武器と厚い装甲による安心感と爽快感ある戦闘が,徒歩時ではいつも以上に高い戦略性が必要な緊張感のある戦いが,それぞれ味わえます。この辺りは2D時代の「メタルマックス」シリーズに近い感覚ですね。
4Gamer:
シリーズのファンが2D時代の戦闘から脳内で思い描いていたはずの戦いを,「リボーン」では実際に操作して楽しめるということですか。
友野氏:
そうです。いちファンとしての僕の妄想を形にしているわけですから(笑)。例えば,たくさんのモンスターがいるところに踏み込むと,一斉にこちらを向いて攻撃してくるんですが,この辺りの演出などは,学生時代の僕が「『メタルマックス』の戦場にカメラを置いたらどうなるんだろう?」と思っていた部分を再現した形になっています。
4Gamer:
ファンならではの思いをゲームに組み込む。その熱い思いで「リボーン」をより本当の「メタスマックス」シリーズへと近づけていくというわけなんですね。
友野氏:
また,今回は移動時における速度の表現がパワーアップしています。クルマの速度を「旧ゼノ」の約2倍にアップさせ,クルマの種類ごとに速度を差別化したで,フィールドを駆け巡るのが楽しくなっているんです。
さらに,フィールド上から移動可能範囲のエリア制限を取っ払い,低レベルのうちからどこへでも行けるようにしています。初期のメタルマックスが持っていた奔放な自由度を目指したんですよね。
3月に発表していますが,スーパーファミコンの「メタルマックス2」で初登場し,ファンにはとても人気のある「野バス」も復活させました。シャシーの中を見ると犬や仲間が座っている姿が見えて面白いですよ。
河野氏:
「リボーン」において,クルマの速度は大きな意味を持ちます。強敵を振り切って先に進み,未踏の地に眠る強い兵器を入手してから再戦を挑むというようなこともできますし。速度の速い野バスなんかはこうした時に便利でしょうね。ただ,操作性は凄くピーキーなのでテクニックが必要になるでしょうが。
宮岡氏:
速度の概念が加わったことで“敵の群れに突っ込み,撃たれながらも走り抜ける”ということができるようになったのは面白いですね。
2D時代のクルマは武器兼防具であり,敵に撃たれた際も“防御の数値が優れているから死なないで済んだ”という表現でしたが,今回はこれに“素早いから戦闘を回避できた”という新しい表現が加わりました。
「旧ゼノ」までは,実際の移動時間と途中で遭遇する戦闘の回数によって“近い”“遠い”を演出していたのですが,「リボーン」では速度の概念によって移動に対するイメージが変わった感があります。
4Gamer:
クルマと徒歩といった2種類の移動手段がある「メタルマックス」シリーズですので,さらにその違いによる速度の概念は,開発においてずいぶんと影響があったのではないでしょうか。
宮岡氏:
そうなんです,これまでの「メタルマックス」シリーズは,クルマであっても徒歩であっても速度の違いは感じられなかったんです。それが「リボーン」では,新たな表現として活用できるようになりました。ただ,できることに気づいたのがけっこう遅かったんです(笑)。
4Gamer:
新たな可能性を作り込みたくなってしまったんですね。
友野氏:
宮岡さんからは「『メタルマックス』というのは,常に前のめりに倒れてきたシリーズなんだ」と言われてきましたから,もうとにかく前に進むしかないと(笑)。前のめりといえば,今回はシリーズ恒例の「投げにくい石」「投げやすい石」も存在しています。
手榴弾とは別の効果を持つ投擲アイテムであるうえ,当たる確率についても個別に設定しているので,作るのが結構大変だったんです。攻略の主流になるアイテムでもないし,誰も使わないかもしれないんですが,「メタルマックス」を名乗るために,これは入れようと。
4Gamer:
シリーズらしさを表現するためには,無駄と思われることでも手間を惜しまないと。そういえば新たに「新・戦車改造システム」の発表もしていましたが,クルマの強化方法はどうなっているのでしょうか。
河野氏:
今回は,どのシャシーも共通で最大5か所の特性スロットを持っていて,自由に「特性チップ」をはめ込めるようになっています。また,固定武器などの制約を無くし,すべてのシャシーに大砲を5つ積むといったこともできますね。
友野氏:
「旧ゼノ」ではシャシーごとの性能を限定する形でバランスを取っていました。しかし,このやり方ではどうしても“正解”と“不正解”が出てきてしまったんです。具体的に言ってしまうと“穴1”の種類が大砲でないシャシーは最終的に使う意味がない,的な。
しかし,今回はシリーズ初となる速度でのクルマの個性の表現に加え,パラメータ的にはどのシャシーも最後まで使えるようにすることを目指しました。ですので,改造を進める上で障害となる固定武器の撤廃などによって,シャシー毎に装備兵器が偏ってしまうようなこともなくなっていると思います。ファミコン時代を彷彿させる自由度があるんです。
河野氏:
使えないシャシーはありません! どのシャシーでも何らかの方向性で最強を目指せる! といった形になっているので,操作感や見た目で好きなクルマを選んで改造していってほしいですね。
4Gamer:
自由度を高めてゲーム体験が深めるのは,ゲームの進行や戦闘,移動と同様ですね。
友野氏:
性能だけでシャシーを選ぶことに抵抗を感じていたのも,システム変更の理由です。個人的には,バギー1台で最終ボスを倒すようなプレイにロマンを感じていましたし,強いシャシー,弱いシャシー,徒歩など,あらゆる遊び方にちゃんとプレイ体験が伴わなければならないとも思っていましたから。
宮岡氏:
クルマ関連については,倉庫にしまったままで改造できるようになったのも嬉しいところです。自分が言うのもなんですが,あれは不便でしたから。
友野氏:
「旧ゼノ」でこうした仕様を実現できなかったのは,“たくさんのクルマを画面に出すと処理が重くなる”という懸念があったからなのですが,今回そこは克服しています。前回はそういった仕組みの部分が直感的でなかったこともありプレイヤーからUIについての指摘や質問を受けることが多かったのも印象に残っています。
あと,今回はUIのデザインも分かりやすくオシャレになっていますよ。
宮岡氏:
そう,「メタルマックス」とは思えない位にね(笑)。
友野氏:
「旧ゼノ」はキャラクターの絵などイラストの彩度が高かったので,これに合わせるためUIにもキツイ差し色が必要でした。そうしたこともあり,UIの見た目も結果的に派手になっていたんです。
言い換えれば“キャラクターの絵に合わせてUIを弄っていた”わけですが,「メタルマックス」らしい渋い雰囲気のUIの方が大事だろうということになり,イラストのテイストを変更することになったんです。
「メタルマックス ゼノ リボーン」,緒賀岳志氏が手掛けるキャラクターの新ビジュアルが公開。旧ビジュアルは2周目以降で切替可能に
角川ゲームスは2020年6月17日,同社が9月10日に発売を予定している「メタルマックス ゼノ リボーン」の,イラストレーター 緒賀岳志氏が手掛ける新ビジュアルを公開した。ゲーム内には前作で採用されたビジュアルも収録されており,2週目以降から切り替え可能となるという。
4Gamer:
なるほど。今回のイラストは緒賀岳志氏が担当されていますが,そうした事情もあったんですね。
友野氏:
これまでのシリーズも基本的にはそうですが,「旧ゼノ」では世界観の設定やそれに基づくUIデザインの作成とは別に,キャラクターデザインは並行で別々に制作を進めました。結果,織田nonさんには本作にも受け継がせていただいた魅力的なキャラクターを生み出してもらえたのですが,「リボーン」では世紀末ならではの世界観やキャラクターのビジュアル面での一体感をよりリアルに高めたいと考えました。
そこで今回は,“次回のMMXR2にもつなげていくべきもの”として「汚れた感じやゴツい感じを押し出し,生きていくだけでも大変な世界と,そこで生き延びているキャラクターたち」といった形で,とオファーさせていただきました。
4Gamer:
「旧ゼノ」では流行の絵柄に寄せてきた感がありましたが。「リボーン」では「メタルマックス」らしさに戻したと。
友野氏:
思えば「メタルマックス」シリーズがプラットフォームの端境期で溺れかけ,何らかの変化を求められた苦しい時期でしたので,キャラクターを今風なテイストの絵柄にしたり,シナリオ面でも従来のシリーズと比較して過激な言葉を意図的に押し出したりという部分はありましたね。
その辺の要素が話題を呼んだところはありましたが,“自分たちはそうした流行を追いかけられるほど器用ではない”ということもわかりました。そこで今回は「メタルマックス」に求められている“しっかりとしたストーリーの土台や,楽しくなる要素を地道に積み上げていく”ということを肝に銘じています。
4Gamer:
見た目が大きく変化したキャラクター達ですが,育成方法も変わっているようですね。発表では,「新・キャラ育成システム」と呼んでいましたが。
友野氏:
「旧ゼノ」のキャラクターたちは「職業」に就いていましたが,今回はスキルツリー制とし,“使えないキャラクターを無くす”“個性を表現する”という2つの課題を両立しようとしています。
4Gamer:
スキルツリーですか。それはまた大きく変えてきましたね。具体的にはどのような育て方になるのでしょう。
友野氏:
各キャラクターは,「DRIVE(運転能力)」「REPAIR(修理能力)」「MEDICAL(医療能力)」「MILITIA(戦闘能力)」「SURVIVE(生存能力)」という5つの基本スキルツリーに加え,専用のスキルやツリーを持っていて,レベルアップ時に得たポイントを割り振ることで強くなります。
これにより,好きな方向性+キャラクターの独自性を持つ育成が可能になるわけです。機械化された左手を持ち,「旧ゼノ」では「復讐の左手」と「逆鱗の左手」といったスキルを使えた主人公のタリスですが,今回は「NEPH TECH」という専用ツリーがあり,様々な属性攻撃ができるようになっているといった感じです。
また,基本スキルのツリーにもキャラクター専用のスキルが存在する場合もあります。機械いじりが好きなヨッキィならば,「REPAIR」ツリーの中に,さらに専用の効果の高いスキルが存在していたりもするんです。
4Gamer:
キャラクター共通のスキルツリーと,専用のツリー,スキルで個性を持たせているんですね。最終的に全スキルを習得できるのかと,スキルリセットの可否が気になりますが。
友野氏:
周回を繰り返して,最終ボスを倒す度に“何か”を手に入れることで,各キャラクターが持つスキルを全習得することは可能ですね。スキルリセットもできるのですが,これには専用アイテム「スキルリセッター」が必要になります。入手数はまあまあ多いので,最初はスキル振りに悩まず,好きなように育てていってみてください。
4Gamer:
全スキル習得はけっこう大変そうですが,この辺りはやり込み要素として楽しめそうです。
友野氏:
あと本邦初公開の情報となりますが,今回はアンドロイドのポMと一緒に戦うことができますよ。レベルアップしてもスキルポイントがあまり入らず,成長も遅いのですが,アンドロイド専用のツリーを持っています。それと,彼女だけキャストが変わっておりまして,戸坂美月さんにお願いしています。
4Gamer:
成長が遅い代わりに,ほかのキャラクターと比べて強かったりするんですか。
友野氏:
強いというか,“ほかのキャラクターたちの専用ツリーから,スキルのいいとこ取りをした”形になっています。あと,戦闘を通じてポMが人間臭くなっていき,ロボット三原則に反する……という流れを表現したくて,最終的にはアンドロイドなのに敵からお金やアイテムをぶんどる「強奪」を使えるようにしています(笑)。キャラクターの動きが全体的に格好よくなっているので,彼女が戦うと映えますよ。
4Gamer:
「旧ゼノ」の時点で彼女を使えなかったのはなぜでしょうか。あと「ポM」(ぽえむ)といった変わった名前には何か由来が?
宮岡氏:
「旧ゼノ」のポMには,アイアンベースで完全回復してくれたり,プレイヤーに様々な情報を提供するという役割がありました。しかし,一緒に戦っていると,死んでいる状況もあるわけで,そうするとジンゴロウ辺りが出てきて「完全回復するね!」といった形になってしまいます(笑)。
友野氏:
ポMは狂言回し的な存在でもあったので,死んでいるような状況はシナリオ的に許容できなかったんです。しかし,今回はゲームエンジンも進化しています。当初は「旧ゼノ」の弱点を補うための進化でしたが,開発を進めていくうえでいろいろなことをやれることが分かり,その恩恵のひとつがプレイヤーキャラクターとしてのポMの参戦なんですよ。
今回はパーティにタリスがいなくても大丈夫なので,ポM,トニ,マリアとイティカから3人とか,犬との2人(?)旅なんかも編成できますよ。
宮岡氏:
ちなみにポMの名称ですが,「Post-Human Modified Class M」の略です。これは「旧ゼノ」の中でも説明しているので,ご存知の人もいるかと思います。
4Gamer:
さまざまな面で自由度の高くなった「リボーン」ですが,基本的なゲームの進め方はどのような形になっていますか。「旧ゼノ」と比べて,物語であるシナリオがどうなっているのかも気になります。
友野氏:
物語の本筋は変わりませんが,それを紡いでいくクエストを受けるか・受けないかはユーザーさんの自由です。あと,メインの目標については「旧ゼノ」以上にしっかりナビゲートしてくれるので,迷ったりすることはないと思います。「旧ゼノ」が一本道だったのは正規ルートを逸れた際の処理が大変だったからという側面もあるんですが,今回は敢えてそこに挑戦しています。
河野氏:
極めつけはラスボスの扱いでしょうか。「旧ゼノ」ではゲーム中盤で最終ボスの正体が明らかになるんですが,今回は最初からアイアンベースのご近所にそびえ立っているんですからね(笑)。
友野氏:
もちろん,フィールド上に強力なモンスターがうろついていたりもします。ふつうのゲームなら“絶対に勝てないイベント戦”で処理されるであろう敵も,「リボーン」では倒すことができます。ただ,強敵であることに変わりはないので,準備を整えて挑戦してみてください。
4Gamer:
そうなってくると,武器そのものの強化も大事になってきそうですが,この辺りも「旧ゼノ」と変わっていたりするのでしょうか。
友野氏:
はい。兵器を改造した際のパワーアップ値もブレーキが壊れていて,攻撃力のほか射程や攻撃範囲もものすごくアップするので,その過激なインフレ具合を楽しんでほしいですね。攻略で使うであろう入手しやすいメイン兵器もですが,「旧ゼノ」では改造できなかったレア兵器も,今回はちゃんと改造できるようにしています。
4Gamer:
ゲームバランスが崩れる危険性もあったと思うのですが。
友野氏:
ふつうなら,強い武器はそのままに据え置いて,弱い武器をチマチマ調整していく手法をとりますよね。要は,ユーザーさんが強くなりすぎるとまずいので,ブレーキを掛けつつ開発するわけです。しかし,攻撃時の演出,表現や,爽快さを長所として突き詰めているんです。
ミサイル系などは強化することで発射される弾数自体を増やしているので,見た目も凄く派手になっていますね。ふつうなら処理能力の問題などで諦めるんですけれど,そこを無理にプログラマーにお願いしたりしています。
4Gamer:
最初にお話があった,ブレーキを外す開発姿勢が兵器の調整やグラフィックス表現にも表れていると。それを見守ってきた宮岡さんは,どんな気持ちだったのでしょうか。
宮岡氏:
さっきも話しましたが,“「メタルマックス」を3Dのゲームにするのであれば,ここを解決しなければならない”というテーマに挑戦する開発になりましたね。もともと「ゼノ」と名付けたのは,過去のシリーズとは違う新たな「メタルマックス」を作るためでした。
にもかかわらずその「旧ゼノ」には,まだたくさん過去の呪縛がかかっていたわけです。ある意味,初代「メタルマックス」の反骨精神に立ち戻ることで,今まさにそれを乗り越え,今ここにあるRPGとして「リボーン」しつつある。そんな感じですね。
4Gamer:
なるほど。生みの親から見ても新たな挑戦に対する評価は高いわけですね。発売日もですが,やはり「メタルマックス」シリーズにとっては“無茶をする”という遺伝子は大事だと。
考える時間が得られたことで変革した開発への意識。思い込みの殻を破った先にあった面白さ
4Gamer:
新たな要素や変更点ですが,これらの可能性を追及することに決めたのが3月ですよね。ちょうど,新型コロナウイルス感染拡大の影響で,企業がリモートワークをし始めた時期ですが,こうした状況も影響はあったのでしょうか。
友野氏:
ゼロではないと思います。延期を決める前の段階から「何だかイマイチだなあ……」と悩む日々が続いていたのですが,実作業以外の時間が取れるようになって,それまでとは異なる考えが浮かんだりしましたから。
赤裸々に弱音を吐いてスタッフたちに相談することもあり,「それなら,色々と整理してふつうのゲームにしたらどうか?」というアドバイスをもらったりもしていたんですよね。そんな中,試しにクルマの速度を3倍くらいに上げて遊んでいたところ,凄く楽しかったんです。
4Gamer:
3倍ですか,それは凄いですね。発売直前でそんな大胆な変更は遊びでもしませんよね(笑)。
友野氏:
“スピードが速くて敵から逃げまくれる”という設定はいろいろと危険なので,ふつうはやらないんですよ。
4Gamer:
アクションならわかりますが,RPGでも影響を受けるのですか。
友野氏:
先ほどの話にも出ましたが,モンスターをスルーして進めちゃうんです。結果として,そのマップに到達しているキャラクターのレベルが予想しづらくなります。
「旧ゼノ」では,クルマの速度,移動可能な範囲などを制限する形でゲームの進行やバランスを調節していました。移動可能なマップ範囲を限定すれば, “この辺りにユーザーさんが来るときは,大体これ位のレベルになっている”というような想定もし易いですし,“そのレベルであれば何回くらいの攻撃,ターン数で勝てないと不親切だろう”という考え方で,そこに出現するモンスターの強さを調整できますからね。
4Gamer:
なるほど。速度に制限をかけることによって想定できるエンカウント数や得られる経験値からバランスを取っていった方がいいと。近年の親切になったRPG的な考え方といえそうですね。
友野氏:
当時は“あまりクルマが便利すぎても問題だろう”なんて考えていました。いわゆるふつうの考え方に毒されていたんですよ。
4Gamer:
そうした中で,「旧ゼノ」を踏襲しイマ風に親切にした開発中の「メタルマックス ゼノ リボーン」と,いちプレイヤーとして「メタルマックス」を遊んでいた頃の感性に折り合いが付かないところがあったが,ふとした遊びの中からそれが解消されたと。
友野氏:
そうですね。“とにかく楽しいことが大事だし,便利なこと自体には何も問題無い”“モンスターを避けてレベル不足になることも,プレイヤーのプレイ体験だろう”と意識を変えました。そして,発売延期をきっかけに,クルマに乗って高速で疾走しながらのバトルを追及することにしたんです。
開発が納期や予算第一の仕事になり,どこか諦めかけていたところに物事を見直すタイミングが訪れて,面白いことのために時間を使えるようになったことが「リボーン」にとって,よかったことなのかもしれませんね。
河野氏:
3Dグラフィックスで「メタルマックス」をリボーン(再生)するというテーマを見つめ直したと言ってもいいでしょう。そういう意味では「メタルマックス ゼノ リボーン」は,シリーズ全体にとってのリボーンにもなっていると思っています。
友野氏:
昨今は,いろいろなシリーズで時代に即したテーマの変更が問われています。「ゼルダの伝説」や「ファイナルファンタジー」では,グラフィックスの進化だけでなく戦闘を含めたシステムを,「ドラゴンクエスト」は,見た目の進化をしつつも,基本的なシステムは旧来のシリーズを踏襲する決断をしていますよね。
そうした中で「メタルマックス」が行うのは,これまでとまったく異なる方向を目指しつつも,お行儀のよい変革はしないといったところでしょうか。
「(いわゆる)「3大RPG」に「メタルマックス」が入っていないのはなぜだ」と言っていただける熱心なファンもいらっしゃって大変光栄なのですが,こうした作品とは別の道が開けたし,ここを進んでいるのは我々だけだと堂々と歩きたいと思います。
河野氏:
これからPlayStation 5も発売されますし,AAAタイトルがさらに豪華になっていく中,「メタルマックス」がどう生き残っていくのかを突き詰めるいい機会になりましたね。
友野氏:
今回は,PS Vitaがなくなっていてしまったことで据え置き機一本になりました。つまり,同じ据え置き機用ゲームとしては,AAAタイトルと並べられることがあるわけです。
そうした中で,映画的に一本道を辿るようなゲームを作っていたのでは,掛けられる予算や規模が違いますので確実に負けます。いかにしてAAAタイトルを遊ぶに等しい満足感を覚えていただくかを追及するには,ブレーキを外して誰もやらないようなことをやるしかないんです。奇しくもこれは初代「メタルマックス」の時に宮岡さんがやられたことと同じようなことだと思います。
宮岡氏:
僕には「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のような美しくバランスが整ったものは作れないと思っています。我々が何か作るとなると,そうした作品がやらない,反主流的なことをやるしかない。
そんな気持ちで作った初代「メタルマックス」ですが,「リボーン」もその志に近い形へと進んでいるのかなと思います。発売後になりますが,プレイヤーからは“何を感じて何を見つけたか”といった感想を聞いてみたいですね。
4Gamer:
現場のモチベーションは,開発に対して“ブレーキを外す”前と後で変わりましたか。
友野氏:
明確にアップしましたね。スタッフたちが「このゲーム,面白いですね」という頻度も上がりましたし,一人一人が「『メタルマックス ゼノ リボーン』は自分たちのゲームなんだ」と感じるようになったんだと思います。
先にお話ししたミサイル系武器の発射弾数をアップする際も,当初スタッフからは描画の負荷なんかについての懸念があったんです。しかし,「ミサイルの数を増やすとこう面白いんだ!」と話をしたり,実際にデータをいじって一緒に見たりすると「あ,いいね」とかってなって,予想を超えた最適化をしてくれる,なんてこともありました。
4Gamer:
ファンイベントからフィードバックを受けて変えたところはありますか。
友野氏:
5月に実施したオンラインでのファンイベントでは実機プレイをお披露目したんですが,その際に頂いたコメントやご意見はフィードバックしています。
4Gamer:
さまざまな声があったと思いますが,印象に残っている意見はありますか。
友野氏:
待ち伏せているロボットに遭遇した際,「なんで動かないんだ!」と言っていたことが印象に残っています。“殺人ロボットなんだから,滅多に人も通らない場所で動き回ってエネルギーを浪費したりはしない”という設定はあるんですが,見る側からすると違和感があったんでしょうね。……もっというと「旧ゼノ」の時は“ロボットが歩くモーションを制作していないので歩かせようがない”というマイナス面での裏事情がありました。
しかし,こういった意見がきっかけになって,あえて止まっていたモンスターたちもやはり動かすようになりました。“設定を大事にして動かさないより,動かした方が楽しい!”ということに我々も気づいたんです。結果,今度は逆に動かしまくってしまい,大乱戦になって調整の難易度は増しましたけどね。
4Gamer:
設定としての正しさを取るか,プレイヤーが感じる面白さを取るか。今回は後者を選んだわけですね。
自由度から生まれるやり込み度の高さ。そして開発における「メタルマックス」らしさとは
4Gamer:
今回は自由度が高く,縛りプレイもいろいろな可能性がありますが,過去にファンとして遊んでいた時の縛りプレイで,印象に残っているものはありますか。
友野氏:
「メタルマックス2」の場合は,低レベルクリアです。すべてのザコから逃げたとしてもスナザメを倒した時点でどうしてもレベル5になってしまうので,その後にいかに戦闘を避けてレベルを上げないか工夫しましたね。戦闘の自由度も高く,使うと5ターン後に衛星レーザーが照射される「BSコントローラー」だけで戦うのもおもしろかったです。スナザメが砂に潜る時に戦車から降りて素早くBSコントローラーを使い,ひたすら耐え続けると,衛星レーザーがトドメを刺してくれるんです(笑)。
4Gamer:
過去シリーズについてお聞きします。こうした自由度の高さはどの程度まで計算して作っていたのでしょう。
宮岡氏:
経緯はいろいろですけど,プログラマーが黙って実装していたようなものもありましたよ。BSコントローラーについては,衛星レーザーに対してのロマンを持っていたのと,“5ターン待てば主人公以外の存在が強敵を倒してくれる”なんてことを「ドラゴンクエスト」がやっていなかったということが実装の理由でもあります。
4Gamer:
ここにも「反・ドラゴンクエスト」の精神が(笑)。いちファンから開発へと立場を変えた友野さんですが,今思う「メタルマックス」らしさとはなんでしょう。
友野氏:
たぶん「新しい要素やアイテムを思いついた際,これがゲーム全体にどのような影響を及ぼすかということをネガティブに考えない」ことなんじゃないかと思います。プレイヤーがおもしろければいいんです。
とはいえ,「メタルマックス」の世界には,明文化されていない独特の空気感がありますから,どんなネタでも放り込んでいいというわけではないんです。自分がいちプレイヤーとして「メタルマックス」を遊んでいた時の“良き思い出”と照らし合わせ,これに叶うモノであれば残るし,そうでないなら切り捨てる決断が必要なんです。
4Gamer:
面白いと思えるなら,実装の苦労は厭わないと。当たり前の考えではあるんでしょうが,実際にやるとなると,スケジュールを含めて大変ですからね。宮岡さんの場合はいかがでしょう。
宮岡氏:
自分もそれに尽きますね。シリーズ初期のタイトルを作っていたころは,プランナー3人のバカ話からいろいろなアイデアが生まれていましたから。そうした意味で,“「旧ゼノ」の時はバカ話をしなかった”というのは反省です。企画会議なんて堅苦しい場ではなく,バカ話が大事なんです。
河野氏:
そういえば「リボーン」に関しては,延期が決まってからはやたらとバカ話をしてますね,我々。
4Gamer:
ここまでの話をまとめると,全員が自分のゲームだというモチベーションを持つこと,そして皆でバカな話をすることが大事であると。ただ,開発の規模が大きくなると,その辺も難しくなりそうですね。
友野氏:
そうですね。どこかで“意味はないけど面白いじゃん”というアイデアを通すための説得カロリーが必要になってきますから。
4Gamer:
過去作ではこうした説得カロリーは発生していたのでしょうか。
宮岡氏:
ファミコンやスーパーファミコンで開発していた頃は,僕が全てを任されていたので,GOサインを得るための説得カロリーはなかったです。ただ,馬鹿話の場で自分がやりたいアイデアを話す際,ノってこないプランナーさんをどうくすぐるかという努力はありましたね。
シリーズ恒例のフェイクエンディングを思いついたときなんかは,「そんなことをして本当に大丈夫なのか!?」という反応が出ました。ほかにそんなことをやってるゲームもありませんでしたからね。といっても,思いついちゃったものはやりたくてしょうがないんです(笑)。
4Gamer:
ゲーム機用RPGの黎明期ならではのエピソードですね。では最後に,「リボーン」を注目している人や,発売を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
河野氏:
「メタルマックス ゼノ リボーン」は一見非日常のゲームに見えるかもしれませんが,実はあくまで日常の延長線上のふつうの感覚や常識で挑んでいただけるゲームだと思います。
モンスターやロボットなど一見して強いヤツは強いし,偉い(笑)。弱い人間は,そいつらに立ち向かう為には魔法なんて実際にはもちろん存在しないから,強力な兵器を詰め込んだクルマを使うしかない。生身で戦おうものなら当然苦戦するし,死ぬ。けっこうリアルですよ。
直感的にパッと感じたこと,逃げて先に進んでしまおうかとか,こんな風にクルマを改造してみよう,といったことに制約も少なく,その気付きがもちろん正解とは限りませんが,基本何でもできるんです。
例えばこれがファンタジー世界を舞台にしたRPGなら,遊ぶ前にその世界のお約束やお作法を思い出すのが結構大変だと思うのですが,その点このゲームはリアルな常識や感覚がけっこう通用するので,作品に没入するためにそうエネルギーを使う必要がないんです。
気付けば忘れた頃にまた繰り返しプレイしたくなる。だから,色々なRPGをやっている人こそ,こんなRPGなかなか無いと思いますので、ぜひ遊んで欲しいですね。
そして,お待ちいただいているファンの方々,大変お待たせしました! 当初の計画を遥かに超えて,これ以上無いぐらい思い切って前のめりに仕上がったゲームです。リメイクとは何だったのか? の変わりっぷりを楽しんでいただければ幸いです。
友野氏:
ふつうのRPGに飽きた方に手にとっていただき,「メタルマックス」を初めて遊んだ小学生の頃の僕と同じようにビックリしてほしいです。近いうちに、角川ゲームスさんと実際にファンのみなさんに触っていただける機会を設けたり,我々の取り組みを説明させていただく動画も公開しますので,そちらもぜひ見て下さい。
宮岡氏:
シリーズファンの方々にとっては新しい「メタルマックス」ですし,いろいろなRPGを遊ばれた人であってもほかではできない体験ができるゲームですから,ぜひ多くの人に遊んでいただければと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
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