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敵も自分も一撃必殺!「Ghostrunner」プレイレポート。忍者×カタナ×サイバーパンクな世界観が魅力
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印刷2020/10/27 12:00

プレイレポート

敵も自分も一撃必殺!「Ghostrunner」プレイレポート。忍者×カタナ×サイバーパンクな世界観が魅力

 505 GamesとAll in! Gamesは,サイバーパンクの世界を舞台にしたパルクールアクション「Ghostrunner」PC / Xbox One / PS4 / Nintendo Switch)のPC版とXbox One版を2020年10月28日に発売する。本作は人々が圧政に苦しむサイバーパンクな街で,「ダーマ・タワー」と呼ばれるビルの最上階を目指し,ハイテク刀を携えたサイバー忍者が敵を切り伏せて進んでいく一人称視点のアクションゲームだ。

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 世界観もさることながら,戦闘では「敵も自分も一撃必殺」という思い切りの良さが特徴で,高難度のいわゆる“死にゲー”作品と言える。また物語の演出を除けば味方らしいものはほぼ存在せず,先へ進むには純粋に自分のテクニックと試行錯誤が必要だ。そのストイックさに期待しているゲーマーもいることだろう。

 今回は発売前にPC版の前半をプレイする機会を得たので,そのレポートをお届けしよう。

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ネオン輝く圧政の街にそびえ立つ摩天楼「ダーマ・タワー」。一度は敗北を期したサイバー忍者が,その頂上に再度挑む


 世界に厄災が降りかかり,人類が「ダーマ・シティ」と呼ばれる巨大都市の中でしか生きられなくなった時代。街を支配する「キーマスターのマーラ」は,圧政と暴力により独裁体制を維持していた。苦しんだ一部の人々はレジスタンスを結成するが,事態は好転せず,都市の監視は強まるばかりとなっていた。

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 そんな街の中でもひときわ目立つ超高層建造物「ダーマ・タワー」の頂上を目指す,ひとりの男の姿があった。壁や看板を伝って自由に駆け回り,一閃の元に敵を刀で切り伏せるその男の名は「ゴーストランナー」。サイボーグ化した身体は超人的な能力を発揮し,ついに異形のターゲットの元にたどり着くことに成功する。

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 一進一退の勝負を繰り広げるゴーストランナーだったが,突然ゴーストランナーの身体に異常が発生し,隙を突かれて腕をもがれたあげく,下層に投げ捨てられてしまう。次に目を覚ましたのは,街の見知らぬ一角。腕は修復され刀も手元にある状態であり,頭の中では囁き声が聞こえてくる。「お前の本来の力は失われている。協力するため,私を助けろ」と。
 こうしてゴーストランナーは謎の声に導かれ,再度タワーの最上階を目指す復讐の戦いに身を投じることになる。敗北の借りを返し,本来の目的を果たすために。

外から見れば繁栄を謳歌する大都市に見えるダーマ・シティだが,その実態は暴力が支配し悪漢がのさばる廃退した場所だ。ゴーストランナーはあと一歩までターゲットを追い詰めるものの,無残な敗北を味わうことになる
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 冒頭でも少し触れたが,本作の基本システムは一人称視点のメレー(近接)アクションだ。プレイヤーは主人公のゴーストランナーを操り,敵の攻撃をかいくぐりつつ,タワーの最上階を目指す。
 主な武器は,一見普通の刀だがあらゆる敵を一撃で真っ二つにできるハイテクソードだ。敵を切り伏せるだけでなく,タイミング良くボタンを押すことで敵弾を消滅させたり,後述するアップグレードによって弾いたりもできる。刀を振る速度は目にとまらないほど速く,一瞬で敵を無力化できるのが爽快だ。

刀を振る速度は本当に速く,武器のリーチ範囲に入れば邪魔な敵も一瞬で肉塊もしくはガラクタと化す。とはいえ,その「懐に飛び込む」のに苦労するのだが
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 とはいえ前述のとおり,この“一撃必殺”は敵だけでなく自分にも適用される。つまり「敵の攻撃が当たれば一撃で死ぬ」ということであり,プレイ中に気を抜ける場面はほとんどない。
 何せ1面から登場するザコの銃弾でも,当たればそこで終了だ。チェックポイントからの再スタートになり,場合によっては同じところで何十回と足止めを食うことになる。いくらやられても敵の数が減ったり,ヒント用のガイドが表示されるといったこともないので,純粋にプレイヤーの試行錯誤が必要だ。ちなみにリトライは何回でも可能だが,オプションに難度設定はないので,例え詰まっても「ここだけちょっと簡単にして……」なんて甘えも効かないので覚悟しよう。

サイバーパンクをモチーフにした本作だが,各所にある漢字やカタカナの看板が“いかにも”という感じで素敵。グラフィックスは本当に美しく,敵の妨害がなければじっくり眺めて歩きたいくらいだ
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 またもう一つの大きな特徴として,公式のジャンル名にも入っている“パルクール要素”がある。本作は安定した広い地面を進んでいくような場面が少なく,先へ進むためには壁を走ったり,グラップリングフックを使って飛び移ったりと,パルクールに頼ることが非常に多い。
 一部を除きフィールドは一本道のリニアな作りになっており,パルクールでの移動を経て,開けた場所に来たら敵が複数で待ち受けている……といった展開が定番だ。なおゲーム自体はステージ制となっており,指定の場所にたどり着けば次のステージに進むというスタンダードな仕組みである。

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 パルクールは壁に沿うようにジャンプするだけで簡単に発動するし,ぶら下がれるフックの有効距離もかなり長い。動作も非常に高速かつ安定しており,思い通りに駆け抜けられたときのカッコよさはかなりのもの。パルクールからのジャンプでタイミング良く敵を真っ二つにできたときは,思わずテンションが上がってしまう。

壁や看板を駆け抜け,坂を滑り降り,グラップリングフックで遠くに飛びながら先へ進もう。ただしタイミングを逃せば,待っているのは落下死だけだ
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 とはいえ,そのパルクールでの移動もなかなかにシビアで,ジャンプのタイミングが遅れたり,壁への進入角度が悪いと次に飛び移れずあっさり落ちてしまう。落下した場合の救済策はほとんどなく,大概は奈落の底に落ちてそのまま死んでしまうため,当然チェックポイントからやり直しだ。
 実は筆者の場合,敵の攻撃よりも落下が死因になることが多かった。パルクールと戦闘はセットになっていることもあり,何回もやり直してやっとの思いでその先にたどり着いたら,待ち構えていた敵に十字砲火を食らった,なんてこともある。

場所によっては地形自体にトラップのようなものが仕掛けられている。画面のシチュエーションは「電流が定期的に流れる壁」で,電流に触れればもちろん死ぬ。タイミングを計って避けるしかない
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 以上のように本作は,まごう事なき“死にゲー”だ。だが一撃でやられるという特徴もあって,ある種パズル的な要素も強いように思う。例え反射神経や動体視力に自信があっても,むやみやたらに敵のど真ん中に着地すれば,四方八方から撃たれてあっという間にやられてしまうだろう。

 なので新しいエリアに来たら,とりあえず地形に沿って進んでみて,やられたら「なぜ死んだのか」と「どうしたら死なずに済むのか」を考える必要がある。落下したなら,操作ミスでない限り壁やフックを見逃したということだし,敵にやられたならそこが足を止めていい(あるいは着地していい)場所ではなかった可能性が高い,ということになるわけだ。

序盤でも少し進むと青白いシールドに守られた敵が出てくるが,想像できるとおりにそのままだと倒せない。まずは球体のシールド発生装置を絶つ必要があるが,大概は開けた場所の中央や奥に設置されている。当然,真っ正面から突っ込むだけでは繰り返しやられるだけだ
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 つまり本作では,純粋にテクニックが足りなかったときに死ぬことも多々あるが,それと同時に「先へ進む手段を探すための試行錯誤の死」が避けては通れないものとして存在している。最新のグラフィックスで作られたダーマ・タワーと都市は非常に美しく,見た目はまさに現代のゲームそのものだが,この辺りのルールには昔懐かしい“死んで覚える”時代のレトロゲームを思い出してしまった。正確には「次に死なないために死ぬ」と言った方が,より近いかもしれない。

ステージの途中では,「サイバーヴォイド」と呼ばれる電脳空間のような場所に移動することがある。この中では幻想的な空間の中でパズルを解いたり,後述する特殊アビリティのチュートリアルを受けたりと,本編の世界とは少し違ったプレイが求められる
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恐らくプレイ中,何百回と見ることになる死亡時の画面。ボタン一つですぐにリスタートできるが,どれぐらい“巻き戻る”かはステージの場所次第。大概は小刻みにチェックポイントが用意されているが,たまに長丁場(に感じるエリア)もあったりしてガックリくることも
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超人的な能力を駆使し,多勢に無勢の戦いを有利に進めよう。先に進むほど能力がアンロックされ,対抗手段が増えていく


 前述のとおり本作のメイン武器は刀だが,それ一本で進めるほどダーマ・タワーは甘くない。言うまでもなく刀のリーチは手が届く範囲に限られ非常に短いうえ,敵は平然と飛び道具を使ってくる。つまり何も工夫しない限り,アウトレンジから一方的に攻撃を受け続けてしまうわけだ。

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 こういった不利な状況を覆すには,ゴーストランナーに備わっている特殊能力を活用しなくてはいけない。ゲーム開始直後の主人公は完調ではないが,それでも「ダッシュ」「感覚ブースト」が使用可能だ。ダッシュは一般的なゲームと同じ高速移動だが,最初から空中での使用も可能で,届かない場所への移動に必須だ。
 感覚ブーストはいわゆる「スローモーション」であり,空中でダッシュボタンを長押しすることで発動する。これを活用して敵の攻撃を左右に避けつつ,解除時に一気に近づくといった戦法が可能だ。

ダッシュを使えば危険な障害物を避けることができるし(上),感覚ブーストを活用すれば敵弾の回避と敵の接近がセットでおこなえる(下)。どちらもゲームを進める上での基本テクなのだ
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 感覚ブーストはリーチが短い刀剣使いには救世主のような存在だが,実は周囲の速度が遅くなるだけで,本人の耐久力が上がったりするわけではない。したがって,発動中でも被弾すれば即死する。
 また空中以外では発動できないので,何もないところではジャンプと併用する必要がある。普通のダッシュでも敵に近づくことはもちろん可能だが,タイミングが悪いと自ら敵弾に当たりに行く結果となるだろう。

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 ステージが進んでいくと,本来持っていた能力が復活する形で,アップグレードと特殊アビリティがアンロックされる。アップグレードは文字通り主人公を強化するもので,刀で弾丸を敵にはじき返せるようになる「弾道変更:リフレクト」,感覚ブースト中に壁向こうの敵が見えるようになる「感覚ブースト:X線」など,基礎能力やスキルを強化することができる。

主人公のアップグレードはパズル仕立て。進行に応じてモジュールとソケットが増えていくため,最初は選択の余地があまりないが,好みのものをチョイスしよう
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 アップグレードは,「ブースター・モジュール」と呼ばれるブロックをスロットに入れることで有効化されるが,これはパズルのようになっており,うまく空きスロットの形にはめ込まなくてはいけない。
 スロット自体はゲームの進行に応じて段階的に増えていくが,基本的には強力な能力ほどサイズが大きかったり,変わった形をしているので,すべてを同時に利用するのは難しい。入れ替え自体はメニューからいつでも可能なので,状況に合わせてこまめに変更していくと,進行が若干楽になるだろう。

アップグレードの一つ「感覚ブースト:X線」。装備しながら感覚ブーストを使うと,文字通りX線のように敵が透けて見える。直接敵を倒せるような力はないためか,モジュールのサイズは小さめ
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 一方の特殊アビリティは一種のスペシャル技のようなものだ。例えば最初に入手できる「ブリンク」は,発動すると高速移動しつつ,進行方向にいる敵を一瞬で片付けられる。うまく使えばリーチの短さをカバーできるが,使用するには左下のゲージに表示される「集中力」が必要となる。

ブリンクはダッシュと斬撃がセットになったようなアビリティ。うまく敵を範囲内に納められれば一網打尽も狙えるが,実践で狙うのは結構難しい
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 集中力は時間経過に応じて自動で回復するが,敵を倒すと回復量が増える。前述のアップグレードには,この特殊アビリティを強化するものもあるため,使い勝手がいい特殊アビリティを中心にキャラを成長させていくのも面白いだろう。
 ただし集中力の自然回復量は,前述のアップグレードスロットの空きに応じて増えるため,必ずしも限界までアップグレードをセットするのが望ましいとは限らないようだ。この辺りは,一種のジレンマになってくる。

数はそこまで多くないようだが,マップには収集要素も用意されている。詳しい世界観に触れる機会は多くないので,気になる場合は集めてみよう
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 前述のように本作は,初見の場所では大概あっという間に死が待っている。だが,必ずしもガチガチの覚えゲーということはなく,ある程度のアドリブは可能だし,アビリティやアップグレードが解放されていけば選択肢も増えるため,よりプレイヤーの思った通りに進める場面も増えるはずだ。マップはリニアな構成だが収集要素もあり,探索の楽しみもある程度は用意されている。

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 グラフィックスは美しく,ダーマ・シティの近未来ながら廃退的な空気が良く表現されているし,見る機会は少ないがゴーストランナーのハイテクでサイバーな忍者感に,たまらないものを感じる人も少なくないだろう。筆者もかなり好きな方である。

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 繰り返すが本作はかなりプレイヤーに対してシビアな作風で,難度はかなり高く,さらにいくらやられても救済策はほぼ存在しない。正直に言うと,あまりにも同じところで死亡を繰り返したときは,「難度調整機能が欲しいな……」と思ったこともあった。

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 とはいえ試行錯誤しただけ結果がついてくるのは確かであり,ハイスピードなパルクールと,タイミング良く敵を真っ二つにできる剣戟が組み合わさった時の爽快感がクセになるのも事実だ。ある程度人を選ぶのは間違いないと思うが,世界観やハードな難度に興味がわいたゲーマー,そして「我こそがサイバー忍者だ!」という自信のある人は,手に取って遊んでみてほしい。

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