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Tiger Lakeこと第11世代Coreプロセッサは「10nm SuperFin」で大きく進化。注目すべきポイントをIntelが紹介
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印刷2020/09/19 00:00

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Tiger Lakeこと第11世代Coreプロセッサは「10nm SuperFin」で大きく進化。注目すべきポイントをIntelが紹介

 2020年9月17日,Intelの日本法人であるインテルは,オンラインで報道関係者向け説明会「インテル・テックトーク」を開催し,開発コードネーム「Tiger Lake」ことノートPC向け「第11世代Coreプロセッサ」(以下,開発コード名)の特徴を紹介した。
 Tiger Lakeは,米国時間2020年9月2日に,Intelが発表した最新プロセッサで,既存のIntel製10nm製造プロセスをベースに改良を施した「10nm SuperFin」を初めて採用した製品だ。新しい「Willow Cove」マイクロアーキテクチャのCPUコアを最大4基と,開発中の単体GPU「Xe」の低消費電力版である統合型グラフィックス機能(以下,統合GPU)「Iris Xe Graphics」(以下,Xe)を説明している。

Tiger Lakeの概要
画像集#001のサムネイル/Tiger Lakeこと第11世代Coreプロセッサは「10nm SuperFin」で大きく進化。注目すべきポイントをIntelが紹介

 まずは10nm SuperFinの特徴から見ていこう。10nm SuperFinでは,トランジスタのゲート長を広げることで,ゲートに流れる電流が増えた。また,ソースとドレインを改良することで抵抗値を下げたことで,トランジスタのスイッチング速度が向上している。

Tiger Lakeは,トランジスタの改良により性能が大きく向上した
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 また,メタルスタック(配線層)では,半導体に近い低層部の抵抗値を下げたほか,高層部のキャパシタ容量を4倍に増やすことで,これまでよりも安定した電力供給が可能になったそうだ。

メタルスタックでは,抵抗値の低減や新しい素材の採用といった取り組みを行った
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 こうした改善により,10nm SuperFinは既存の10nm製造プロセスから,約18%の性能向上を実現。既存のノートPC向け第10世代Coreプロセッサである「Ice Lake」(開発コードネーム)と同じ動作クロックであれば消費電力を低く,同じ消費電力であれば動作クロックを引き上げられるようになった。

Intelが2020年8月に開催した独自イベント「Architecture Day 2020」で公開した資料より。10nm SuperFinは,既存の10nmプロセスと比べて,およそ18%程度の性能向上を実現した。1世代でこれほど性能が向上したのは,Intelの歴史上でもこれが初めてだという
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Ice Lakeと比べて電力効率が上がり,同じ動作クロックであれば消費電力を低く,同じ消費電力であれば動作クロックを引き上げられる
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 Tiger Lakeは,動作クロックの範囲もIce Lakeより広がっているそうだ。Ice Lakeが採用するSunny CoveベースのCPUコアは,最大3.9GHz駆動だが,Willow Coveコアでは最大4.8GHz駆動まで可能になったという。

最大動作クロックが900MHz向上した
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 統合GPUのXeも,10nm SuperFinの採用により,動作クロックの引き上げが可能となり,電力当たりの性能が大幅に向上している。加えて,Ice Lakeの統合GPUである「Iris Plus Graphics」と比べて,実行ユニット(Execution Unit,EU)数が1.5倍と大幅に増えた。そのほかにもLLC(Last Level Cache)の増強や,メモリコントローラの強化によるメモリ帯域幅の向上といった改善が行われている。

新設計のXe-LPマイクロアーキテクチャを採用したIris Xe Graphics
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Ice Lakeの統合GPUと比べて,スペックを大幅に強化した
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 Tiger Lakeは,競合と目する「Ryzen 4000」シリーズを上回る性能を実現したというのが,Intelの主張だ。

Intelは,ベンチマークソフトの結果だけでなく,実ゲームにおける性能も競合のRyzenを上回るとアピール
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 Tiger Lakeは,メモリ周りも大幅に強化しており,現状はLPDDR4-3200,およびLPDDR4x-4267まで,将来はLPDDR5-5400までのメモリに対応する予定だという。メインメモリの動作クロックが統合GPUの性能に与える影響は大きく,より高速なメモリが利用可能になったことで,統合GPUの性能が向上する。

チップ間を接続するファブリックに加えて,メモリ周りも強化した。DMA(Direct Memory Access)を行うときに,メモリを経由せず,データを直接LLCに転送できる技術「I/Oキャッシング」を盛り込むという
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 AI処理を担うハードウェアアクセラレーター「Intel GNA」も第2世代となり,これまでよりもさらに電力消費を抑えたという。音声のノイズ除去や,画像の超解像処理など,機械学習を利用した処理のニーズはますます高まっている。Intelは,こうした分野でもTiger LakeがRyzen 4000シリーズに対して優位に立つとアピールした。

AI処理をCPUコアではなく,Intel GNAにオフロードすることで,CPUのリソースをほかに回すことができる
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Tiger Lakeは,AI用の命令セットに対応しており,競合製品よりも高速に処理を実行できるというのが,Intelの主張だ
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 また,Intelは,これまで「Project Athena」と呼んでいた新世代の薄型軽量ノートPC規格を「Intel Evo Platform」(以下,Evo Platform)というブランド名で展開する。今回の説明会では,ノートPCがEvo Platformと認められるための要件も公開した。
 Evo Platformは,Tiger Lakeの採用だけでなく,バッテリー駆動時の性能や長時間のバッテリー駆動,起動の速さ,高速充電への対応が柱になるという。Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)への対応やThunderbolt 4といった,最新インタフェースの搭載なども要件に含まれている。将来的にはこれらの要件に加えて,AI処理や5G通信に対応した製品も登場してくるとのことだ。

Evo Platformの要件
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Intel日本語公式Webサイト

  • 関連タイトル:

    第11世代Core(Rocket Lake,Tiger Lake)

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