連載
NFTゲームの世界:第1回は「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」を紹介。大型アップデートで“ブレヒロ2.0”となり,遊びやすい機能も充実
新連載「NFTゲームの世界」では,最近の流行であるブロックチェーン技術を使ったゲーム,「NFTゲーム」を紹介していく。
今回は,double jump.tokyoとエイリムが共同で開発し,2020年1月30日から配信中の「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」(BROWSER / iOS / Android)を取り扱う。2023年3月9日に大型アップデート「-魂源の双神 Twin Gods of the Roots-」が実施され,新バージョン「ブレヒロ2.0」として運営されている。
本作は,エイリムが2013年にリリースし,2022年にサービスを終了した「ブレイブ フロンティア」(iOS / Android)のユニットやアイテムが,NFTとなって登場するファンタジーRPGだ。NFTは,ゲーム内マーケットで売買できるほか,tofuNFT(外部リンク)やOpenSea(外部リンク)といったサードパーティのNFTマーケットでも取引できる。
「ブレヒロ2.0」の変更点
大型アップデート「-魂源の双神 Twin Gods of the Roots-」では,新たに「ブレイブパワークリスタル(BPC)」「エルドシャード(ELS)」という2種類の暗号資産が登場し,ゲームプレイでトークンを稼げるようになった。これらは,BOBG※による発行支援のもと提供されている。
※BOBGは,国内ブロックチェーンプロジェクトのトークン発行/運用/管理をサポートする事業を展開している
また,ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」上で,double jump. tokyoが運営するLayer 2ブロックチェーン「HOME Verse」にも対応し,HOME Verseで初のゲームとなった。細かい話はここでは割愛するが,HOME Verseではガス代(手数料)が無料となっている。多くのブロックチェーンゲームで使用されているイーサリアムでは,取引に多額のガス代がかかってしまうため,プレイヤーにとって重要なポイントだ。
戦闘は全自動。最大5体のパーティで戦う
本作では,最大5体のユニットでパーティを組み,フルオートバトルで敵を倒していく。戦闘は画面をクリックすることで進行し,早送り機能も搭載されている。なお,最初に3体のユニットが配布されるため,無料でプレイを始めることも可能だ。
PvEコンテンツの「クエスト」は,時間経過で回復する「体力」を消費することで挑戦でき,クリアすると経験値と「スフィア(装備品)」が手に入る。スフィアは,使用期限がある非NFT「レプリカスフィア」と,低確率で入手できるNFT「オリジナルスフィア」の2種類が存在し,オリジナルスフィアはレベルアップやマーケットでの売買が可能となっている。
PvPコンテンツの「ランクマッチ」では,エントリー時に全プレイヤーが「防衛パーティ」を設定する。マッチング開始を押すと,プレイヤーは攻撃側となり,ランダムで選ばれた相手の防衛パーティが表示されるので,それを見てから「攻撃パーティ」を編成して全自動の対戦を行う。この対戦は,防衛側にとっては知らないうちに行われる。そして,これらの勝敗に応じてレートが変動し,期間終了時の順位に基づいてトークンを入手できる。また,1日5回までは対戦の勝利時にもトークンを受け取れる。
このほかにも,「ランド」「タイトルマッチ」など,さまざまなコンテンツが用意されているが,基本的にはクエストで経験値やスフィアを入手してユニットを強化し,それらを使ってランクマッチで順位を上げてトークンを獲得するイメージだ。
ユニットはパーツを組み合わせて召喚。アートの変更も可能
ユニットは,外見・属性を決める「アバター」,基礎ステータスを決める「ステータス」,ブレイブバースト(必殺技)の内容を決める「BB」という3つのメモリア(パーツ)から構成される。メモリアは,「メモリア生成チケット」を使ってランダムに生成でき,同一レアリティのメモリア3つと「デルタ召喚チケット」を使うことでユニットを召喚できる。各チケットはトークンを使って購入できる。
参考までに,メモリアを3回生成して,それらを使ってデルタ召喚した場合にかかる費用は,アンコモンが約315円,レアが約975円,エピックが約3900円,レジェンダリーが約1万5600円といったところだ。ランクマッチが,レアリティによってクラス分けされていることもあり,予算に応じた遊び方ができるのは魅力的だ。
また,ユニットのアート変更機能も本作の特徴となっている。性能はいいんだけど見た目が気に入らないという場合は,好きな画像をアップロードしてユニットのサムネイルを変更できる。天使の画像を使用すると「セラフィックグレイス」というスキルを習得できるなど,アートに対応してカードの性能も変化するようで面白い。
なお,他人の著作権を侵害する画像のアップロードはもちろん禁止されているので,今回は画像生成AI「Stable Diffusion」(関連記事)で出力した画像を使用した。
機能が充実していて遊びやすい。オートバトルは単調かも
本作は,3年以上サービスが続いていることもあり,機能が充実していて遊びやすい印象を受けた。公式スマホアプリ(提供元:tokenPocket)には,ウォレット機能が含まれているので,面倒な設定をせずにプレイ可能だし,ブロックチェーンゲームに手慣れたユーザーであれば自分のMetaMaskウォレットをインポートすることもできる。マーケットは,出品してから30分は取引されないので,値付けを間違えたらキャンセル可能だ。ブロックチェーンゲームとして,全体的に洗練されている。
しかし,ベースとなっているオートバトルは,現代のゲーマーにとって物足りないかもしれない。パーティを組んだ後は見ているだけなので,単調に感じる人が多いだろう。ユニットやスフィアの構成を考える過程はそれなりに楽しいのだが,こちらは逆に複雑で,どれが強いのか一目では分かりづらい。NFTの価値を理解するには,ゲームをしっかりとプレイする必要があり,純粋な投資目的での参入は難しそうだ。
本連載ではNFTゲームを,ゲーム性およびファイナンス(金融)の観点から,それぞれ★(最大5個)で評価する。現時点でのゲーム度は「★★★」,ファイナンス度は「★★」とする。また,本作は無料や低予算でもプレイでき,複雑な設定も必要ないので,現行NFTゲームでトップクラスに遊びやすいと感じた。ただし,ブロックチェーン業界の発展のためには今後,もっと初心者にやさしいものが出てくることが必要だと思うので,遊びやすさを「★★★★」としておく。
なお,本記事は紹介を目的としたものであり,これらNFTの購入を推奨するものではない。投資にはリスクが伴うので,十分に調べたうえ各自で判断してほしい。
※文中における暗号資産のレートは,2023年3月23日18:00時点のものです
ブレイブ フロンティア ヒーローズ | |
---|---|
ジャンル | RPG |
プラットフォーム | ブラウザ(PC/スマートフォン) tokenPocketによる公式アプリ(iOS/Android) |
リリース日 | 2020年1月30日 |
初期費用 | 無料 |
ゲーム度 | ★★★ |
ファイナンス度 | ★★ |
遊びやすさ | ★★★★ |
開発 | double jump.tokyo,エイリム |
公式サイト | https://bravefrontierheroes.com/ja |
公式Twitter | https://twitter.com/bfheroes_pr |
ホワイトペーパー | https://guide-ja.bravefrontierheroes.com/ |
BOBGによるホワイトペーパー(トークン情報有) | https://bobg.gitbook.io/brave-frontier-heroes-whitepaper/ |
ブロックチェーン | HOME Verse,Oasys(OAS),Polygon(MATIC),Ethereum(ETH) |
ガバナンストークン | Brave Power Crystal(BPC) |
ユーティリティトークン | Eldo Shard(ELS) |
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(C)double jump.tokyo Inc. / (C)Alim Co., Ltd.
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