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[インタビュー]「プラグマタ」のテーマは「何を基準として人と呼べるのか」。深みのある物語と幅広い戦闘スタイルでプレイヤーを楽しませる
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印刷2026/03/18 00:00

インタビュー

[インタビュー]「プラグマタ」のテーマは「何を基準として人と呼べるのか」。深みのある物語と幅広い戦闘スタイルでプレイヤーを楽しませる

 2026年4月17日に発売を予定しているカプコンの新作「プラグマタ」PC / Nintendo Switch 2 / PS5 / Xbox Series X|S Switch2版は4月24日の発売を予定)の合同インタビューが,3月初旬に実施された。

 今回のインタビューは,ニューヨークのような都市での戦い,ヒューとディアナのカスタマイズ,巨大ボスをはじめとした新たな敵といった,ハンズオンでプレイできた範囲の内容を踏まえたものとなる。

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[2026/03/18 00:00]

 加えて,制作にまつわる苦労や新要素の狙いなど,気になる質問をプロデューサーの大山直人氏とディレクターの趙 容煕氏に聞いた。

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大山直人氏
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趙 容煕氏


――本日はよろしくお願いします。シューティングとパズル要素を組み合わせるうえで,ゲームデザインとして難しいところはありましたか。

趙氏:
 シューティングとハッキングのパズルを別々の存在として実装するのではなく,1つのゲームとしてミックスするのが一番難しいところでした。プレイヤーさんに無理やりやらせるのではなく,それぞれの要素を能動的に使いたいと感じていただけることが大事です。

 そのうえで,シューティングだけが強くても,ハッキングのパズルだけでクリアできてもいけません。両者を同じ割合で使って敵を倒せるバランスが理想なんです。

大山氏:
 ハンズオンでは,体験版からプレイが進んだ段階のものをプレイしていただきました。敵の数やバリエーションも増えていますし,ヒューは新たな武器を使えるようになっています。複数の敵から襲われることもあったと思いますが,どの敵から倒すか脳をフル回転させる楽しさを味わっていただきたかったんです。

趙氏:
 「プラグマタ」のオリジナリティはハッキングのパズルにありますが,作り手から押し付けるのではなく,能動的にプレイしていただくことを目指しています。そのためのバランス調整に一番時間がかかったように思います。

大山氏:
 慣れてきたあたりで新たな選択肢が増え,飽きることなく楽しんでいただける。そういった部分を強く意識して作っていきました。

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――昨年の東京ゲームショウで体験版を出展されましたが,反応はいかがでしたか。

趙氏:
 さまざまなお声が入り混じるものだと思っていましたが,非常にポジティブなフィードバックが多く,正直驚きました。「体験版は面白かったけれど,製品版は長く遊べるようになっているのだろうか?」といった疑問を持つ人もおられると思いますが,たくさんの工夫と遊びを詰め込んでいますので,ご安心ください。

――複数種類の敵と同時に戦う中でも,ディアナがヒントを喋ってくれるので,対処が分からない「初見殺し」にならないのが印象的でした。こちらは意図的な調整なのでしょうか。

大山氏:
 「プラグマタ」はほかに類を見ない戦闘システムのうえに新規IPですから,慣れるまで難しく感じる方もおられると想定しています。そこで,戦闘システムから探索,マップ構造まで,どんなプレイヤーさんでも慣れていただけるよう設計していきました。

趙氏:
 ヒューとディアナが協力しながら進んでいくのがコンセプトですので,2人のバディ感を大事にしていきました。ただ,ディアナがヒントを喋るにしても,くどくならないよう調整を施しています。

――ディアナの場合は「もっと喋ってほしい」と思えるくらいに好感度が高かったです。道中でヒューとかわす会話も楽しかったですし。

趙氏:
 どれくらい喋らせるかは,開発スタッフからフィードバックをもらいつつ調整していきました。「喋り過ぎ」という意見があったので頻度を下げたら,今度は「存在感がない」という声が出るなど難しかったですね。プレイのテンポにも関わるところですので,収録はしたけれどカットしたボイスもあります。

大山氏:
 「プラグマタ」は11言語というカプコンタイトルとしては多めのボイスに対応していまして,収録も大変でした。ぜひ現地の言葉で楽しんでください。

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――ディアナがヒューと会話し,人間について理解を進めていくさまも面白かったです。本作の物語のテーマはどういったものでしょうか。

趙氏:
 「何を基準として人と呼べるのか」がテーマとなります。人間のヒューはアンドロイドのディアナを,どこまで友達や自分の娘として感じられるかを物語として描いています。

――2人の関係性から家族的なものを連想する人も多そうです。

趙氏:
 「どこで生まれたのか,何でできているか」といった部分よりも,「どのような存在で,どんな考えをしているか」が大事ということを描きました。

大山氏:
 ディアナがヒューから普遍的な愛情など,いろいろなことを学んでいく過程をたくさんのセリフで描いています。

――ニューヨークのような都市を探索できてテンションが上がりました。マップデザインで意識したポイントはありますか。

趙氏:
 ニューヨークは誰もが知っている街ですから,そのままゲーム内に出しても面白くありません。だからといって街ではなく,SF施設にすると,どこのゲームでも見かけるようなものになってしまいます。

 そこで「プラグマタ」では,“AIが出力した嘘のニューヨーク”という設定としました。知っている場所が出てくれば,プレイヤーさんたちの共感度も上がるでしょう。そのうえで本当のニューヨークではないことを表現するため,どこか歪なものがほしいと考えました。
 だから,あのステージには反転した道路や途中で断ち切られたかのようなタクシーが配されているのです。

――ヒューたちが探索している基地では,ニューヨーク以外の都市をAIで再現する計画があることも示唆されています。ほかの都市も出てきたりもするのでしょうか。

趙氏:
 あのニューヨークも,マドリードやソウルといったさまざまな文化が入り混じったものだったりします。ほかのステージは都市ではなく,地球のどこかとなります。

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――タクシーが重ねて置かれているなど,現実世界を舞台としたゲームではできないような絵作りがされていたのが魅力的でした。先ほどお話があった歪さをマップに取り入れる中で,どんな工夫があったのでしょう。

趙氏:
 歪とは人が見たことのない形状であり,見たことがないものはユニークでもあるということです。とはいえ,あまりにユニークな形だと,謎解きに関連しているのではないか,何か意味がある地形なのではないかと勘違いされてしまいます。歪=ユニークでありつつ,単なる背景であるというバランスが難しかったです。

大山氏:
 おかげで,道が分かりづらいといったフィードバックはありませんでした。

――歪さを取り入れることで,マップを構成するうえでの自由度は上がったのでしょうか。現実の建物を再現するのであれば構造などクリエイティブにもある程度制限がかかりますが,3Dプリンタで作っているという設定なら融通も利きそうに感じられます。

趙氏:
 そうですね。我々が知っている地球の要素を3Dプリンタで出力した設定ではありますが,そのまま再現したのでは一般的な背景と変わりません。ユニークさを出すために力を入れてデザインをしていきました。

大山氏:
 現実を再現しつつ,設定をミスしてタクシーが床にめり込んでいたり,壁からバスが生えたりといった違和感がユニークなところです。AIが作り上げた設定ですが,実際の開発では人間たちが苦労してAIっぽい違和感を表現する仕組みを仕込んでいます。

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――マップ構造が立体的でしたが,こうしたマップを作るうえでの苦労がありましたら教えてください。

趙氏:
 ステージクリア型のゲームではあるので,敵を倒して移動を繰り返す一本道マップだとプレイヤーさんを飽きさせてしまうのではないかと考え,立体的な構造としました。歩くだけではなくジャンプやスラスターを使い,発見を楽しむようなマップを目指しています。

大山氏:
 マップ構造が立体的になるほど迷いやすくなる部分もありますので,動線について工夫しました。例えばニューヨークですと先に進むため6つの「ビーコン」をアンロックする必要があります。ビーコンからは赤い光の柱が天に向けて伸びているため,迷ったら上を見ていただければ次の目的地が分かるわけです。

 さらに,ディアナに周囲を「スキャン」してもらえば道を教えてくれる仕組みも取り入れています。

――今回のハンズオンでは,ヒューは近距離でのダメージを上げたり,ディアナはハッキングの有効距離を伸ばしたり,といったカスタマイズ要素が印象的でした。

大山氏:
 カスタマイズ用の「カスタムモジュール」は,さまざまなユニークなものを用意させていただきました。隠し部屋的なところに置かれたものもありますよ。

趙氏:
 シューティングとハッキングのパズルを同じ割合で使っていただきたいというお話はしましたが,ゲームに慣れた後半はこの割合を変えてプレイしていただけるような要素も入れてあります。人によっては,ハッキングがメインになる人もいるかもしれません。

――となるとハッキングのみでクリアするようなスタイルも想定していると。

趙氏:
 想定済みです。体験版の時点でもハッキングのみでクリアされた方がおられます。そして,ゲームの後半ではカスタマイズによっては,1回のハッキングで射撃より大きなダメージを出すことも可能になります。

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――ハンズオンの最後では巨大なボスが登場して驚きました。

大山氏:
 サイズ感はステージによってまちまちですが,ラストにユニークなボスが待ち受けています。

趙氏:
 ステージが広いことを考え,ロケーションごとに似合いそうなボスを配置しています。それぞれのステージボスはビジュアル的にインパクトがあり,攻略面でもユニークな仕組みを取り入れています。

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――ボス戦では体力が尽きそうになるギリギリで勝つことができ,バランス調整の妙味を感じました。

大山氏:
 開発の要所で「プラグマタ」を遊んだことのない方を連れてきてテストプレイを進めました。こうして決まったのが製品版の難度――「CASUAL」と「STANDARD」で,あまりゲームを遊んだことがない方はCASUALを,一般的なゲーマーはSTANDARDを選んでいただければと思います。

 探索で得られるリソースを拠点である「シェルター」に持ち帰ってヒューとディアナを強化していけば,自然に進めるバランスになっていますので,初心者の方も安心して楽しんでください。

趙氏:
 当初は難度がどんどん上がり,死にゲーのような高難度になってしまっていました。これは開発チームがずっとプレイすることで,慣れてきてゲームが簡単に感じてしまうからなんです。その難度でほかの方にテストを頼んだところ,難しすぎるというフィードバックが返ってきたため,いい塩梅に調整していきました。

 体験版も開発チームとしては,「ここまで簡単にしていいのか」というくらいの難度にしたんですが,実際に配信してみるとちょうどいいというお声が多くて良かったです。もちろん,製品版では高い難度も用意しています。

――シェルターに戻ると倒した敵が復活するのは,強化をじっくり楽しみたい人に向けた要素なのでしょうか。

趙氏:
 そのとおりです。ゲームの後半ですべての要素がオープンしたとき,「プラグマタ」というゲームを理解していただける瞬間が訪れます。プレイヤーの皆さんには,ぜひ体験していただきたいですね。

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――お二人が好きなプレイスタイルについて教えてください。

大山氏:
 どちらかというとハッキング寄りです。連続でハッキングしてダメージを稼ぎつつ,大ダメージを与えたいときは強力な銃器を使ったり,「マルチハッキング」でまとめて装甲を開いて一気に倒したりといったスタイルが好みです。

趙氏:
 自分はシューティング寄りですが,ゲーム後半ではハッキングに集中しているかもしれません。カスタマイズの中には,敵の体力が減った際にハッキングすると「フィニッシュブロー」というノードを出現させるものがあります。このノードを通ってハッキングすると,パンチで大ダメージを与えられるようになります。

 これに複数の敵にハッキング効果を伝播させるマルチハックを組み合わせることで,次々とパンチして倒していく,といったプレイもできるんです。あまり説明しすぎるのもよくないので,教えたくはなかったんですが(笑)。

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――最後にイースターエッグ的なネタについて教えてください。ニューヨークには「Resident Evil」ならぬ「Resident Devil」なる看板があって面白かったですが,ほかにもこうした遊びは用意してあるのでしょうか。

趙氏:
 自分が好きなゲームに面白いイースターエッグがあることが多くて,「プラグマタ」にも取り入れようと思ったのがきっかけです。ほかにも面白いネタをいくつも用意しているので,ぜひ楽しんでください。

――本日はありがとうございました。

カプコンのセルフオマージュとなる「Resident Devil」ポスター
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