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[TGS2022]いよいよ日本にも投入? Intel製単体GPU「Intel Arc」搭載ゲームPC&グラフィックスカードが披露される
デスクトップPC向け製品がもうじき登場するというIntel Arcを採用する製品や試作PCを見ていこう。
まずは,デスクトップPC向けのIntel Arc搭載製品からだ。ブースの入り口近くには,アクリルケースの中に2枚のIntel Arc搭載グラフィックスカードが展示されている。どちらもASRock製とのことで,Intelの競合であるAMD製GPU搭載カードを積極的に展開しているASRockから,Intel製GPU搭載カードが登場するというのは,なんとなく面白い。
2基の空冷ファンを搭載するグラフィックスカードは,Intel Arcのラインナップでもハイエンド市場向けに位置付けられる「Intel Arc A750」を搭載しているとのこと。ゲーマー向けグラフィックスカードでは,性能面で主力製品となりそうだ。ただ,残念ながらアクリルケースから出して,実物を手に取って見ることはできなかった。
一方,シングルファン仕様の短尺タイプは,Intel Arcの中でもエントリー市場向けの「Intel Arc A380」を搭載するとのことだ。
グラフィックスカードの隣には,Intel Arc A380を搭載するIntel純正の小型デスクトップPC「NUC12 Extreme」も展示されていた。こうした小型PCをベースとした製品も,今後,国内市場で販売されるだろう。
Intelブースのほかのコーナーでは,Intel Arc搭載PCによるゲームの体験プレイも行える。デスクトップPCを使ったデモ機は,サードウェーブのゲーマー向けPC「GALLERIA」のデスクトップPC筐体を用いたものだ。
デモ機に組み込まれたグラフィックスカードは,Intel Arcの最上位モデルである「Intel Arc A770」を採用したもので,Intel純正のカードであるという。
報道関係者向けに説明を担当したIntel技術本部 部長の安生健一朗氏によると,Intel Arc搭載グラフィックスカードは,PCパーツメーカーからだけでなく,Intelからも発売するとのこと。これは,Intelがグラフィックスカードメーカーとしても本格的に市場参入するという意味ではなく,Intel Arcをゲーマーの間に認知,定着させるためのプランであるようだ。
Intel Arcが市場に根付くまでは,Intelからも搭載グラフィックスカードを供給することで,市場の拡大を目指す。そして,ある程度は市場に定着したら,あとはPCパーツメーカーの手に委ねるという考えであるわけだ。
Intel Arcは,デスクトップPC向けに先行して,ノートPC向け製品が投入されている。ただ,これまで,日本向けにIntel Arc搭載ノートPCを展開するPCメーカーはなかったのだが,遠からず,搭載PCが日本でも購入できるようになるようだ。
Intelブースには,Intel Arc搭載のノートPCとして,HPの「Spectre x360 16-f1000」の製品版と,NEC製の搭載ノートPC試作機「LAVIE N15」が出展されており,「モンスターハンターライズ」を試遊できるようになっていた。
A300番台のIntel Arcは,高性能を重視したGPUではないので,ゲーマーが積極的に選ぶ価値があるかどうかは微妙である。ただ,ゲームもできるノートPCの新しい選択肢として,Intel Arcが根付いてくれると,ゲーマーにとっての選択肢が増えるのは確かだろう。今後の広がりに期待したいところだ。
ちなみに,ゲーマー向けPCブランド「GALLERIA」のサードウェーブも,TGS会場に大きなブースを構えてゲーマー向けPCをアピールしているが,その中で,ノートPC向けIntel Arcではハイエンドクラスの「Intel Arc A730M」を搭載したゲーマー向けノートPC「GALLERIA UL7C-AA2」を参考出展していた。
説明担当者によると,まだドライバソフトが開発中なので,性能が安定しない面はあるものの,ベンチマークテストレベルでは「GeForce RTX 3060 Ti程度の性能はあるのではないか」とのこと。性能と価格次第では,ゲーマーに受け入れられる製品になるかもしれない。
Intel公式Webサイト
4Gamerの東京ゲームショウ2022特設ページ
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GALLERIA
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