ピクミンと横須賀市をひまわり畑に！　「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」体験レポート。開発者にこだわりも聞いた

　Nianticの手がける「Pikmin Bloom」（ピクミン ブルーム。iOS / Android）のリアルイベント「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」が，2023年7月23日に神奈川県横須賀市で行われた。

　今年4月に開催された「Pikmin Bloom Tour 2023 : 札幌」に続く，第2弾となる本イベントは，開催地を探索しながら，スペシャルスポットに指定された名所を訪ねたり，特別なチャレンジに挑戦したりする，「Pikmin Bloom」の楽しさを満喫できる内容になっている。

「Pikmin Bloom」は，位置情報機能を使って，動物のような植物のような不思議でかわいい生き物“ピクミン”たちと一緒に，街の探索が楽しめるアプリだ

　今回，イベント会場で，「Pikmin Bloom」のシニアプロデューサー 小山 顕氏とゲームデザイナー 須田 灯佑貴氏に話を聞く機会を得た。イベントへの想いや今後の展望などをうかがったので，本稿にてお届けしよう。

※初出時，小山 顕氏の名前を一部誤って表記しておりました。お詫びして訂正いたします。（8月1日16：28）

須田 灯佑貴氏（左），小山 顕氏（右）

　また，日頃「Pikmin Bloom」のおかげで外に出ていると言っても過言ではないライターの体験レポートも，記事後半で紹介するので，今後参加するときの参考にしてもらいたい。

アナタの街にも「Pikmin Bloom Tour」がやってくる!?
街の魅力発信とファンの声を大切にしたイベントづくり

4Gamer：
　「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」開催の意図を教えてください。

小山 顕氏（以下，小山氏）：
　一番は横須賀市というステキな街の魅力を，「Pikmin Bloom」を通して，参加者のみなさんに感じてもらうことです。たくさん歩いて，デコピクミンに出会うところまで，今日1日イベントに参加してもらうだけで「Pikmin Bloom」の楽しみ方を体験できます。始めたばかりの方も，今日をきっかけにいろいろな楽しみを見つけてほしいと思い，イベントを企画しています。

須田 灯佑貴氏（以下，須田氏）：
　たくさんの思い出を作ってほしいですね。


4Gamer：
　「チャレンジリスト」のお題も，初心者や年齢層問わず楽しめる内容になっていますよね。お題の1つが“ひまわりを3000本植えよう”というのも，夏らしくてステキだなと思いました。

小山氏：
　何の花にしようかというのは，2人で相談しました。みんなで花を植えることによって，「Pikmin Bloom」内の横須賀市がひまわりで埋め尽くされていきます。バーチャルな世界の出来事ですが，リアルタイムで花畑が広がっていく光景を見て，僕たちもうれしいですし，プレイしているみなさんも喜んでいただけたのではないかと思います。

ARモードで撮影した横須賀市の写真。街がひまわり畑になっていて，壮観だった

4Gamer：
　開催地を横須賀市にした理由や，スペシャルスポットの選定基準を教えてください。

小山氏：
　まず横須賀市のロケーションが素晴らしく，歩ける距離の中に文化的，歴史的に魅力的なスポットが数多く存在している点です。また，過去にいろいろなイベントが開催された実績もあり，自治体のみなさんが協力くださったことが大きいです。

　歩いていただくと分かるのですが，道路が整備されていて広く，参加者のみなさんが歩きやすいと判断したことも横須賀を選んだ理由です。

須田氏：
　スペシャルスポットの選定基準は，横須賀市の象徴や，魅力が凝縮された場所を選んでいます。また，歩き疲れたら休憩できるような場所なども考えて選びました。

小山氏：
　スペシャルスポットを歩くだけで，歴史にも触れられるし，おいしいものにも出会えると思います。ほかにも魅力的な場所がたくさんあるのですが，定休日のお店などは，今日体験してもらうことを優先して泣く泣く諦めました。


4Gamer：
　今回のスペシャルスポット以外にも，おしゃれなスカジャンのお店やカフェがいっぱいで，また来たいという気持ちになりました！　2回目の開催ですが，前回の札幌の反響はいかがでしたか。

小山氏：
　社内外含めて，参加した方からポジティブな反応をいただき，我々も自信を持って今後も開催していきたいと思いました。今回は夏なので，暑い中でもお楽しみいただけるようにと気を配りました。

4Gamer：
　本当にたくさんの方が参加されていますが，参加者の年齢層も幅広いのでしょうか。

小山氏：
　そうですね。親子でご参加されている方や，女性の方々も多くいらっしゃいます。Nintendo Switchで最新作「ピクミン4」が発売され，そこからアプリにも興味を持ってくださる方も増えて，本当にいろいろな方が来てくださっています。

　最新のコラボアイテムを身に着けてきてくれた女の子もいて，みなさん，“ピクミン好き”をアピールしてくださっていますね。

4Gamer：
　私の周りにも，最近始めたプレイヤーさんが多いです。駅でお土産を交換されている方たちもいて，オフ会的な楽しみ方もありますよね。

須田氏：
　コミュニティが広がっていくのも，リアルイベントの醍醐味ですよね。先ほども歩いている方が「こんなに『Pikmin Bloom』をやっている人がいるんだね。うれしい！」と話していて，こちらもうれしい気持ちになりました。

4Gamer：
　これほど反響があると，今後の展開も気になるところです。お話しいただける範囲で，展望を教えてください。

小山氏：
　ツアーと銘打っていることもあり，できる限りみなさんの期待に応えられるように，いろいろな街で開催したいと思っています。

須田氏：
　私たちは，みなさんからいただくご意見にはほとんど目を通しています。SNSで「うちの地域にこんなに楽しいところがあって，道も広いです」という情報を教えてください。

4Gamer：
　最後に，「Pikmin Bloom」を楽しんでいるみなさんへのメッセージをお願いします。

小山氏：
　感謝のひと言しかないです。みなさんの言葉は真摯に受け止めておりますので，うれしいことも，大変なことも，僕らに投げかけてください。

須田氏：
　我々をピクミンだと思って，引っこ抜くときの優しさを持って，声を届けていただけるとうれしいです。ツアーは今後の開催も検討しているので，今回は来られなかったという人も，楽しみに待っていてください。

4Gamer：
　ありがとうございました。

須田 灯佑貴氏（左），小山 顕氏（中央），シニアプロダクトマネージャー 中島りか氏（右）

美しい景色を見て，美味しいものも食べて！
ピクミンがくれたステキな思い出

　「Pikmin Bloom」では，苗をプランタースロットにセットして歩くことでピクミンを成長させ，大きくなったら引っこ抜いて仲間にできる。


　ピクミンは歩いたところに落ちていたフルーツや，新しい苗の場所を教えてくれるので，拾ってくるように「おつかい」を頼むことも可能だ。また，フルーツから手に入るエキスをあげて「なかよし度」を上昇させ，ハートのゲージが4つ満タンになると“デコピクミン”に変化する。入手した苗の色や場所によって，いろいろなピクミンに出会えるのも本作の楽しさの1つだ。

　筆者は，仕事がら自宅作業をしていることが多いのだが，本作をプレイするようになってから，「新しいピクミンに会いたい！　チャレンジのお題をクリアしたい」という一心で外に出る機会が増えた。根っからのインドア派の意識さえ変えるのだから，かわいいピクミンたちの持つ力は本当にすごい。

定期的にイベントも開催されており，特別なデコピクミンを手に入れられるチャンスも。種類が豊富で，コレクター魂を刺激されるのだ

　本イベントは，横須賀市中心部をメインに，街全体を歩いて探索するというものだ。公式サイトによると，会場全体を周ると，約5kmほどとのこと。このように書くと「歩くのが大変そう！」と思うが，街を楽しむことに注力したイベントということもあって，休憩できるようなスポットもたくさんあるので安心してほしい。運動不足の筆者でも街を満喫しながら存分に楽しめました！

　参加者には，ピクミンの紙製サンバイザーと，スペシャルスポットが記されたイベントマップなどが配布される。多くの参加者のみなさんがサンバイザーを身に着けて探索しており，街にピクミンが溢れているような光景はとても微笑ましかった。

参加者プレゼントがこちら。ピクミンの紙製サンバイザーは赤ピクミン，黄ピクミン，青ピクミンの3種類があり，筆者は赤ピクミンをゲット！

　イベント中は，金のピクミンの苗（デコピクミンを最初から仲間にできる苗。芽吹かせるのに必要な歩数も少ない）や，ツアー参加の証になるバッジがもらえる特別なチャレンジにも挑戦できる。難度はあまり高くなく，子供連れの家族やアプリを始めた初心者でも，気軽にクリアできる内容になっていた。


　筆者も受け取ったイベントマップを参考に，市内にあるスペシャルスポットを巡ることに。スペシャルスポットは有名な公園や人気のカフェなど，横須賀観光で押さえておきたい名所ばかりで歩くだけで楽しい。

　それぞれのスポットの距離もほどよく，「次はここに行こう！」と前向きな目標になるので，歩くのが苦にならなかった。

市内では，ピクミンのステッカーも配られていた

　スペシャルスポットに到着すると，金の苗とひまわりのエキスを入手できるのもうれしいポイントだ。シナモンロールが有名なスイーツショップでは，ドーナツデコのピクミン，駅では切符のデコピクミンなど，ちゃんとスポットに合わせたものが仲間になる。ハンバーガーショップなど，横須賀のイメージに合ったスポットが多かったのも印象的だ。


　個人的には，なかなか出会えない砂浜のデコピクミンを仲間にできるスポットがあったことにもテンションが上がった。自分が歩いて体験したことと，出会うピクミンがリンクして，思い出をより深く刻めるのも，リアルイベントの醍醐味だろう。

　イベント当日は，絵に描いたような真夏の青天で，絶好の探索日和ではあったのだが，ちょっと暑い1日だった。しかし，横須賀市の緑にあふれた美しい景観や，海辺で吹く爽やかな浜風のおかげで，暑さも少し和らいだように感じられた。また，無理に一気に歩くのではなく，横須賀で有名なカレーを食べたり，スポットで休んだりと，ポイントで休憩を挟みつつマイペースに進められたので，最後まで楽しく探索できた。


　開催地の素晴らしさや，かわいいデコピクミンたちに出会えた「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」。次回はどんな街でツアーが開催されるのか，今後の展開が楽しみだ。

「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」公式サイト

「Pikmin Bloom」公式サイト

「Pikmin Bloom」ダウンロードページ

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