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「PlayStation Partner Awards 2022 Japan Asia」表彰式をレポート。宮崎英高氏ら受賞者へのメディアインタビューも掲載
「原神」「ELDEN RING」などのタイトルが受賞。PlayStation Partner Awards 2022 Japan Asia開催
SIEは本日,「PlayStation Partner Awards 2022 Japan Asia」の表彰式を開催した。日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカーのタイトルで,2021年10月から2022年10月までの全世界売上の上位を表彰するGRAND AWARDは,「原神」と「ELDEN RING」が受賞している。
日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカーのタイトルで,同期間内の全世界売上上位を表彰する「GRAND AWARD」は,「原神」(PS5 / PS4)と「ELDEN RING」(PS5 / PS4)が受賞した。
同じく全世界売上上位にランクインし,とくに注目すべき活動成果を残したタイトルを表彰する「PARTNER AWARD」は,「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」(PS5 / PS4),「遊戯王 マスターデュエル」(PS5 / PS4),「ファイナルファンタジーXIV」(PS5 / PS4),「機動戦士ガンダム バトルオペレーション2」(PS5 / PS4),「バイオハザード ヴィレッジ」(PS5 / PS4)の5タイトルが受賞。
「SPECIAL AWARD」は,日本・アジア以外の地域で開発されたソフトウェアメーカーのタイトルにおける,同時期の日本・アジア地域売上最上位作として「Apex Legends」(PS5 / PS4)が,またSIEワールドワイド・スタジオと共同開発されたタイトルでの,同時期の全世界売上最上位作として「グランツーリスモ7」(PS5 / PS4)がそれぞれ受賞した。
総ゲームプレイ時間の上位30タイトルのうち,日本およびアジア地域のユーザー投票によって選ばれた上位5作を表彰する「USERS' CHOICE AWARD」は,「ELDEN RING」(PS5 / PS4),「地球防衛軍6」(PS5 / PS4),「Stray」(PS5 / PS4),「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」(PS5 / PS4),「Ghostwire: Tokyo」(PS5)が受賞した。
表彰式の会場では,GRAND AWARDとPARTNER AWARDを受賞したタイトルの開発スタッフに対するメディアインタビューが行われた。以下にその模様を掲載する。なお,「原神」でGRAND AWARDを受賞したHoYoverseは,インタビューを辞退している。
フロム・ソフトウェア
「ELDEN RING」
宮崎英高氏(ディレクター)
──GRAND AWARDとUSERS' CHOICE AWARDのダブル受賞について一言お願いいたします。
宮崎英高氏(以下,宮崎氏):
大変,光栄なことだと思っています。とくにUSERS' CHOICE AWARDについては,プレイしていただいた皆さんが選んだ賞ということで,開発チーム一同非常に嬉しく思っていますし,また励みになっています。
──振り返ってみて,「ELDEN RING」がここまで高い人気を獲得した理由を,どのようにお考えでしょうか。
宮崎氏:
正直,あまり分析できていません。今までより売上が高かったのは確かですが,それがどのような理由によるものなのかは,まだ全然分かりません。したがって,再現してくれと言われても困ってしまうんです。感覚としては,今までどおりの作り方を変えるつもりはないので,そこを深く分析して次もまた同じ成功を求めるようなことをやると,邪念になりそうなのであまり考えないようにしています。ただ,すごくありがたいことで,幸運なことだと受け止めています。
──グローバルの売上が1000万本を超え,世界的デペロッパーになったフロム・ソフトウェアですが,次の目標は何でしょうか。
宮崎氏:
自分達が世界的な存在になったという実感は,あまりないんです。今までどおり,我々の作りたい,我々らしいものを作ってきた結果がこれだと捉えています。繰り返しですが,これからも同じように続けて,より面白いもの,より我々らしいものを作っていきたいです。1000万本という売上や皆さんからの評価は,そうした我々のやり方をものをバックアップする環境につながっていくと考えています。
──リリース後,とくに印象に残っているユーザーの声を教えてください。
宮崎氏:
実のところ僕自身は,皆さんの声は直接見ないよう注意しています。と言うのは,皆さんの声をすべて聞くことはできませんし,たまたま聞いた声が強く残ってしまって,調整や方針に影響を与えてしまうのが怖いからです。
ただ皆さんの反応を見ると,初めてフロム・ソフトウェアのアクションRPGを遊んでくださった方が多いという印象を受けました。阿鼻叫喚というか,そういった反応が懐かしかったですね。「Demon's Souls」がそうだったなと。そんな感覚を久しぶりに味わって,すごく嬉しかったのは覚えています。初見だとかなり刺激的だと思うのですが,皆さんがその刺激を新鮮に楽しんでくださっているところを見て,我々も思いを新たにできました。
アニプレックス
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」
製作委員会一同
──アニメ「鬼滅の刃」をゲーム化するにあたり,大切にした要素を教えてください。
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」製作委員会一同(以下,製作委員会):
非常に多くの方が,アニメや原作のコミックのファンになってくださっていましたので,そうした皆さんにしっかり楽しんでいただけることを意識しました。
その一方で,ゲームだからこそ実現できる要素──とくにプレイヤー自身が主人公の炭治郎になってストーリーを体験できたり,好きなキャラクターを操作できたりという点については,本作で初めてゲームに触れる皆さんが多いことを想定し,簡単操作でストレスなく派手なアクションや演出を楽しめるプレイ感を目指して,細かな調整を重ねました。
──アニメ「鬼滅の刃」としては初のコンシューマゲームタイトルとなりましたが,反響や手応えはいかがでしょうか。
製作委員会:
初のゲーム化ということで,発売するまで期待と同時に不安もありました。結果として,日本国内のみならず海外の皆さんにも楽しんでいただけるタイトルとなったことを,非常に嬉しく思っています。ご協力いただきました関係各社やプレイいただいた皆さんには,大変感謝しています。
──キャラクタそれぞれの紹介映像が非常に好評でしたが,「鬼滅の刃」らしさを出すために,どのような点に力を入れたのでしょうか。
製作委員会:
アニメで描かれるキャラクター達のアクションを,ゲームで表現するとどうなるかというところをしっかり伝えようと考えました。そのため紹介映像では,アニメと同じカメラワークだけではなく,ゲームだからこそ表現できるカメラワークや,「鬼滅の刃」の世界を自由に移動できる部分,アクションの華やかさやえ気持ちよさを伝えることを意識しました。
コナミデジタルエンタテインメント
「遊戯王 マスターデュエル」
米山 実氏(プロデューサー )
吉川貴彦氏(ディレクター)
──リリース当初から多くのユーザーがプレイしていますが,この反響は予想していましたか。
米山 実氏:
本作は,対戦者も観客も楽しめる“オンライン遊戯王”を目指して作りました。その甲斐あって,リリース時には大変多くの「遊戯王」ファンを中心に反響をいただいて,その熱量を持った口コミがSNSなどで拡散されました。それが,普段「遊戯王」をプレイしてない方々にまで広がっていったのは想定外でしたが,本当に大変嬉しかったです。
──マルチプラットフォーム展開を実現するための苦労や,開発の裏話を教えてください。
吉川貴彦氏(以下,吉川氏):
プラットフォームによって,コントローラ操作だったりタッチパネル操作だったりと,UIが異なっていても気持ちよく遊べるように試行錯誤を繰り返しました。またPS5などのハイスペックなプラットフォームでは,4Kグラフィックスで迫力のある映像や演出を作りつつ,モバイル端末では手軽に遊べるようスペックに合わせて作り込んでいきました。それらの苦労によって,皆さんに気持ちよく遊んでいただける環境をお届けできたかと思います。
──今後「遊戯王 マスターデュエル」は,「遊戯王」のデジタルコンテンツとしてどのような立ち位置で展開していくのでしょうか。
吉川氏:
米山が冒頭の質問でもお答えしたとおり,本作は「遊戯王」ファンの皆さんに向けて作ったという側面があります。そのため,まずは「遊戯王」が好きな方に向けて,引き続きカードゲームとしての競技性にフォーカスしていきます。
また弊社では,「遊戯王 デュエルリンクス」をリリースしていますが,こちらは「遊戯王」の世界観が好きな方に向けたタイトルです。いずれも「遊戯王」のデジタルコンテンツとして,それぞれの強みや特徴をしっかりと活かし,「遊戯王」の素晴らしさを世界中に届けていきたいです。
スクウェア・エニックス
「ファイナルファンタジーXIV」
松澤祥一氏(リードプロジェクトマネージャー)
小野塚由紀氏(リードマーケティングプランナー)
──「ファイナルファンタジーXIV」は,2023年に新生してから10周年を迎えますが,所感を教えてください。
小野塚由紀氏(以下,小野塚氏):
私自身,新生の直前から本作に携わっていまして,気づけば本当に早い10年だったと思っています。本作のチームは停滞することを知らず,本当に日々チャレンジしています。何か達成したら,また次のゴールを作って全力でやっていくという日常の繰り返しだったので,あっと言う間に10年経ちました。これから先,また10年続けるという目標を掲げているんですが,それもまたあっという間で20年を迎えるんじゃないでしょうか。
松澤祥一氏(以下,松澤氏):
オンラインゲームということで,プレイヤーの皆さんと歩んできた10年かなと思います。これだけ長くアップデートを繰り返して,さまざまな試みができたでのは,やはりプレイしてくださる皆さんがいらっしゃるからだなと,常に感じています。この先10年も,プレイヤーの皆さんと一緒に歩んでいきたいです。
──2022年2月には,次の10年に向けての施策が発表されました。あらためて意気込みを教えてください。
小野塚氏:
この先10年,より多くの皆さんに一層楽しんでいただくために,開発も運営も日々努力を続けています。最近では,1人でもメインストーリーが進められる新しいシステムを実装しました。そのような展開を,今後も続けていきます。
松澤氏:
グラフィックスに関しても,PS5のさまざまなフィーチャーにも対応するなど大きなアップデートをしました。これから先も,常に攻め続けることが大事だと捉えています。シナリオは一区切りを迎えましたが,また新しい展開をプレイヤーの皆さんと作っていきたいと考えていますので,ぜひ期待してください。
──開発や運営のハードルを乗り越えるために必要不可欠な要素を教えてください。
松澤氏:
むしろ,我々が教えてほしいです(笑)。シナリオが一区切りついたことで,おそらく新しい展開を期待していただいているだろうと思っていますし,我々としても繰り返しですが新しいことにチャレンジしていくことが大事だと考えているので,そこをプレイヤーの皆さんと一緒に楽しんでいけるかどうかが,開発や運営,宣伝の重要なポイントになると捉えています。
バンダイナムコエンターテインメント
「機動戦士ガンダム バトルオペレーション2」
倉知洋輝氏(プロデューサー)
──「機動戦士ガンダム バトルオペレーション2」のユーザー層を教えてください。
倉知洋輝氏(以下,倉知氏):
本作はグラフィックスの美麗さ重厚な操作感,そしてモビルスーツのパイロットとして操作できる面白さが特徴です。したがって,モビルスーツを操作したいと思うユーザーが多いと捉えています。
また「機動戦士ガンダム」のゲームの中では,多人数のオンラインチームバトルオンラインチームバトルであることも大きな特徴ですから,対戦が好きな方も多いように見受けられますね。その影響もあってか,コミュニケーションが活発だというイメージがあります。
──PS5版の開発にあたり,PS5だから実現できたことや苦労したことを教えてください。
倉知氏:
新しいプラットフォームですから,手探りで開発を進行しつつ,並行して運営をしなけなればならないところが大変でした。その甲斐あって,ロード時間の短縮やフレームレートの改善といった,パイロット体験の没入感を阻害しないような仕上がりになったかと思います。
またPS5版は,DualSenseのアダプティブトリガー機能により,機体の銃などを撃ったりする没入感を高めることができました。
──運営タイトルとして,プレイを継続してもらうために意識していることを教えてください。
倉知氏:
継続してプレイしていただくためには,皆さんに飽きが来ないことが重要です。そのため,週1で機体を追加したり,月1で調整を加えたりしていまして,皆さんのパイロット体験の向上を意識した運営に努めてきました。そうやって2022年に4周年を迎えた結果,機体は340機ほどになり,調整に苦戦していますが,引き続き体験向上のために頑張っていきます。
カプコン
「バイオハザード ヴィレッジ」
神田 剛氏(プロデューサー)
──先日,最新DLC「ウィンターズ エクスパンション」がリリースされましたが,反響などを教えてください。
神田 剛氏(以下,神田氏):
とくに新シナリオの「シャドウズ オブ ローズ」に関して,「泣けた」という感想が印象に残りました。「バイオハザード ヴィレッジ」の本編は,ウィンターズ家のストーリーを完結させるべく作りましたが,「シャドウズ オブ ローズ」はそれを追体験する形で作りました。成長したローズの中にある忌まわしき思いを打ち砕くために,彼女自身が勇気を振り絞って戦いに挑んでいくというところが,最終的に家族愛につながるという部分も含めて感動していただけたようです。「『バイオハザード』で泣くとは思わなかった」というコメントがすごく印象的でしたね。
──PS VR2版の注目ポイントを教えてください。
神田氏:
圧倒的な新世代のVR体験と言っても,本当に過言ではありません。あの没入感は,本当に体験していただきたいです。PS VR2 Senseコントローラーを介して,プレイヤーの実際の動きが主人公のイーサンの動きとなり,「バイオハザード ヴィレッジ」の世界を体験できます。またマガジンを挿入したりコッキングしたりといった,銃のアクションも追加されています。2丁拳銃的なアクションもできたりと,没入感のある体験ができますので我々としても強くお勧めします。
──「バイオハザード ヴィレッジ」が多くの人にプレイされたポイントはどこにあると考えでしょうか。
神田氏:
「バイオハザード7」以降,カプコン独自のREエンジンをベースにシリーズを開発しています。原点回帰してホラーを追求してきた中,「バイオハザード7」と「バイオハザード ヴィレッジ」の間に「バイオハザード RE:2」をリリースするなど,コンスタントにシリーズを手に取っていただける機会を作ってきました。そうやってシリーズのブランド価値を高められたことが,大きな要因の1つだと捉えています。
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