プレイレポート
ジャンとニコライがいる「ブレイブリーデフォルトBL」。でも正教騎士団三銃士はいまだそろわない
スクウェア・エニックスのスマホゲーム「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」(iOS / Android。略称,BDBL)では,過去のシリーズ作品の登場人物たちがなんやかんやあって自然と登場する。
それがどういう仕組みなのかから知りたい人は,本稿よりも下記のプレイレポートを参考にするほうがためになるだろう。
ブレイブリー新作「BDBL」のプレイレポート。CBTを経た正式版で,より快適になったバトルや育成の序盤攻略も指南
スクウェア・エニックスが本日(2022年1月27日)配信した,新作スマホゲーム「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」のプレイレポートをお届け。CBTを経て,BDらしい手応えはそのままに,遊びやすさはさらに進化した。
とどのつまり,ジャンがいて,ニコライがいて,ユウがいない。
BDBLの世界では,ようやく二銃士が使えるようになったのに今度は一銃士がいないから三銃士にならなくてまだ二銃士なのである。
「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」公式サイト
「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」ダウンロードページ
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3-2=1 からの 3-1=2
2015年発売の「ブレイブリーセカンド エンドレイヤー」というシリーズ作品がある。言ってしまえば,初代「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー」の数年後が描かれる正統続編だった。
そこでは“正教騎士団三銃士”の若きお坊ちゃまリーダー,疾風のファルコン「ユウ・ゼネオルシア」を主人公に,烈火のウルフ「ジャン・アンガルド」,堅牢のバイソン「ニコライ・ニコラニコフ」という,おのおの毛色の違う男三人衆による冒険がはじまる――はずだった。
その部分こそなんやかんやあるので解説できないが,ともかく同作では彼らが三銃士として活動する時間があまりに短かった。
体験版が“三銃士編”と銘打たれていたこと,続々と前作キャラクターたちの参戦が決まったこともあり,ほどほどに予想はできていたし,本編中も決してなかったわけではないのだが,いやもうよそう。
ブレイブリー作品というのは,そういった仕掛けがストーリー中盤以降の驚きに変わる,巧みな物語構成のシリーズである。
だから,とりあえずは2015年に胸にしまった話だ。
ところがどっこい。BDBLには歴代シリーズの登場人物が現れる。
初代の主人公「ティズ・オーリア」,ヒロイン「アニエス・オブリージュ」,みんな大好き「イデア・リー」に,ジャンとニコライもだ。
そのうえ最新作「ブレイブリーデフォルトII」からも,船乗り主人公「セス」,亡国の王女「グローリア・ノイ・ミューザ」,さらにエルヴィスにアデルにニハルにセレネと,たくさんの人物がこの世界に(不本意な事故で)やってくる。まさにお祭り風の大盤振る舞いのようにだ。
けれど,ユウはいなかった。ジャンとニコライと別れたユウがようやく「(三銃士での冒険的な意味で)がんばリベンジ」するはずが,ジャンがいて,ニコライがいて,ユウがいなかった。
ついでにミステリアスな月の民「マグノリア・アーチ」もいないわけだが,そこはまあ,いったん置いといてだ。
正教騎士団三銃士が,2022年でもまだ二銃士しか集まんないのだ。
などと言いながらも,上記は決してBDBLやブレイブリーセカンドにケチをつけているわけではない。断じてない。
あの作品は,ゲーム面に関しては立場を忘れて声にしたい部分もまあまああるが,体験版での前日譚を皮切りに,製品版でホットスタートを決めるための物語作りとしてはいい体験をさせてもらった。
描きたかったであろう本筋展開にも文句はない。ユウのそうなってしまった新たな生き方。それも存分に楽しませてもらった。
ただ,心残りはゲームの発売前のこと。正直な話,興味はティズやアニエスたちのその後に向いてしまっていたが,そのうえで新主人公のユウ,ジャン,ニコライがどんな立ち回りを見せてくれるのか。
そのちいさな期待は,絶対に見届けてみたいものだったわけではなく,実際すぐに物語本編が期待値を上回ってくれたが,それでも。
三銃士ではそんなに冒険しないんだ……と。しこりは残っていた。
といったところで,そのへんの恨み節はキレイさっぱり忘れて。
ユウはいないが,まさか今後も出ないわけではないだろうから,とりあえずBDBLの配信後,ジャンとニコライをお迎えして遊んでいた。
パーティ4人中の残り二枠は,世間の最強リセマラランキングを参考にしたセスと,あとはガチャやりすぎでミスリル(ゲーム内通貨)が足りなかったので,ロール的に初期メンバーのルーファスだった。
こういう記事にほぼ必須な美少女感のなさは,仕方なかった。
ちなみにジャンだけ,リセマラランキングで扱いが悪かった。
BDBLはCBTで遊んでいたが,ビックリすることにオート3倍速でスイスイ進められてしまった。序章はまだしも,そこそこキャラクターを育てておけば1章ですらオート任せでクリアできてしまったのだ。
それを特筆したくなるくらい,あのCBTは頑強であった。
ゲーム序盤は正直,どのキャラが強いだの弱いだのはまるで誤差の範疇な気がする。専用武器があると強い,アレコレをどうこうしておくといい,といったRPG熟練者ならではのセットアップはたしかに有用だが。
開始数日間で一番大切なのは,満腹なお腹にポーションをこれでもかと注ぎ込み,強化クエスト「EXP獲得クエスト」をスタミナの続く限り自動周回し,スマートフォンを30分間隔で放置する作業だった。
そこまでしてレベルを上げても,言うほどすごい感じにならないのがBDBLのバランス感だが,その後のストーリー進行をなるべくストレスなく,気持ちよく進めるためには,わりと必須めいた儀式だった。
ジャンは烈火のウルフ,もとい蒼炎のウルフとして,野卑で粗暴な振る舞いは在りし日のまま。それでいて,危険なときに駆けつけてくれるヒーロー的な存在に映る。ゲーム的にも近接アタッカーとして火力に特化していて,小細工はしづらいがシンプルで扱いやすい。
そんな彼がなぜあんな宿命に……なんて話はもうしないが,シリアスな物語にあって,しょっちゅう酒場で酒をあおっているBDBL主人公のクレアのように,気楽なキャラクタークエストもあるといいね(要望)。
ニコライのほうは,彼がなぜあんなことに……という天丼はさておき,ヒーラーとして頼りになることは仲間にしてすぐに分かった。
彼は物語上,ユウに道を授けた人だが,ぶっちゃけ役回りが役回りだけに,前文で語っているほどに愛着が強い人物でもなかった。
ただ,美青年や美少女が幅をきかせがちなグラフィックスマウントが常識なスマホゲーム環境にあって,ニコライやナジット,ハインケルやエルヴィスといった味のある中年たちが,(最強リセマラランキングによると)性能面で上々だというのはなかなかどうして小気味よい。
1章ボスで猛威を振るっていたドラゴンは,オートではさすがに厳しかったが,手動でならたやすく狩ることができてしまう。
2章からはさすがと言うべきか,厳しいまではいかないが不穏さが漂ってくる。3章からはパーティメンバーのレベル最大&1覚醒は必須で,4章からは毎回ボス戦の心境。アニエスはなにも教えてくれない。
BDBLはストーリーをこなしたというだけで称賛に値する。それは高難度なゲームを攻略したという意味ではなく,RPGとして考えなくてはならないバトルに,楽しみながら誠実に立ち向かった証明としてだ。
幸い,ジャンとニコライは無料プレイの範疇で専用武器が手に入った。確率に支配されたガチャのシステムに運命を感じるというのもめでたい話ではあるが,人というのはこういうところに奇縁を感じてしまう。
一方,未加入のナジットは専用武器とアーティファクトがそろった。
ボスは手動。道中はオート。それができないなら育成が足りていない。EXP獲得クエストを回れ。覚醒が足りなくなってからが攻略の本番。
(ブレイブリー的に)オーソドックスなバトルシステムだけに,やれば楽しいが,自分本位で手軽にやめられてしまうのがスマホゲームとあって,愛着を抱きはじめる本流に乗るまでにはプレイスタイルないし,簡単育成のための事前の仕込みがあるといい。
そこまでの道のりは,育成の日々自体に楽しさを見いだすものでもなければ,なるべく手軽,かつ快感を味わえるのがベスト。つまりEXP獲得クエスト。ある程度データが整ったとき,人は愛着を持ちはじめる。
つまりEXP獲得クエスト。EXP獲得クエストがすべて解決してくれた。
ジャンとニコライは前述したとおり,ものすごい愛着があるとか,とっておきのお目当てだったとかではなく,単純に「BDBLを遊ぶなら自分なりの思い出を立て付けにはじめてみよう」と思っただけで,むしろ気持ちよりも理由が先行する遊びはじめではあった。
とはいえ,なんていうと嘘くさくもあるが。それなりに育成が進んで,物語を追っていると,自分がもとからジャンとニコライが好きだった気になってくるから不思議なものだ。あっ,ユウもユウも。
作中のメインストーリーでは原則,錬金少女クレアたちの異世界転移に次ぐ異世界転移なクリスタル探しが中心のため,一つの物語を終わらせた彼らがまた主役になるということはないだろう。ユウの参戦についてもスケジュールがあるだろうから,わざわざ急かしたいとも思わない。
ただ,好きなシリーズ作品の好きなキャラクターを集められる。そんなゲームなのだから。そのうち,今度こそ,三銃士できればなと思う。
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