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Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU
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印刷2022/05/11 14:32

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Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU

画像集#002のサムネイル/Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU
 北米時間2022年5月10日,Intelは,ノートPCやモバイルワークステーション向けとなる第12世代Coreプロセッサの新製品として,第12世代Core HXプロセッサ(以下,Core HXプロセッサ)を発表した。本製品は,開発コードネーム「Alder Lake-HX」と呼ばれていたもので,ざっくりと一言でまとめるなら,デスクトップPC向けの第12世代Coreプロセッサ(開発コードネーム Alder Lake-S)をノートPC向けに転用したCPUとなる。
 CPUコア自体には,目新しい要素がない製品だったりもするので,簡単に新製品の概要をまとめてみたい。

デスクトップPC向けのCPUをノートPC向けのパッケージに改装したのがCore HXだ
画像集#003のサムネイル/Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU

Core HXプロセッサは,ノートPC向けHシリーズの上位モデルであるTDP 55Wクラスとして追加される
画像集#004のサムネイル/Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU


デスクトップPC向けのAlder Lake-SをノートPC向けに転用


 冒頭で触れたとおり,Core HXプロセッサは,元となったAlder Lake-Sとおおむね同じ特徴を持っている。プラットフォームの構成は次に示すスライドのとおりで,CPU直下にGPU向けとなる16レーンのPCI Express(以下,PCIe)5.0と,ストレージ向けとして4レーンのPCIe 4.0を備える構成だ。

Core HXプロセッサのプラットフォーム構成。Alder Lake-Sとほぼ同じで,単体のPCHが必要な点が,既存のHシリーズとは異なる
画像集#005のサムネイル/Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU

 ちなみに,既存のノートPC向けのHシリーズは,最上位モデルでPCIe 4.0×8レーンと,PCIe 3.0×4レーンが2組という構成だった。つまり,既存のHシリーズは単体GPUのx16レーン接続ができなかったのだが,Core HXプロセッサはx16レーンでの接続が可能なわけだ。
 また,対応可能なメモリも,Alder Lake-Sと同じくDDR5-4800およびDDR4-3200となっており,逆に,既存のHシリーズが対応するLPDDR5-5200には対応していない。

 さらに,Hシリーズを含めた既存のノートPC向けのCoreプロセッサは,CPUパッケージ内にチップセット(PCH)を組み込んだSoC製品だが,Core HXプロセッサは,デスクトップPC向けCPUと同じように,PCHが別途必要だ。

 製品ラインナップは表1〜3のとおり。最上位モデルCore i9が2製品で,ミドルハイ向けCore i7が3製品,そしてCore i5が2製品の計7製品である。
 Core HXプロセッサの主要なターゲットは,ハイエンドのゲーマー向けノートPCと,ビジネス向けのモバイルワークステーションだ。そのため,Intelの企業向けセキュリティおよび管理ソリューションである「Intel vPro Technology」(以下 vPro)対応製品がラインナップされている。vPro対応製品は企業向けなので,コアクロック倍率のアンロックに対応していないのが共通点と言えようか。

※メモリのオーバークロックのみ対応
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 最上位のCore i9は,デスクトップPC向けのCore i9と同じく,高性能コアの「P-Core」が8基と,高効率(低消費電力)コアの「E-Core」も8基というAlder Lakeのフル実装版である。既存のノートPC向け最上位「Core i9-12900HK」は,P-Core×6+E-Core×8の構成だったので,ついにノートPC向けCPUにも,フル版のAlder Lakeが登場したことになる。

 TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は,定格であるProcessor Base Powerが55W,電力的に許容できるピーク時の「Max Turbo Power」が157Wに設定されている。ノートPC向けCPUとしては大きいが,当然ながらAlder Lake-Sに比べるとやや抑え気味の設定となっている。


デスクトップPCクラスの性能をノートPCで実現


 デスクトップPC向けのCPUを,ほぼそのままノートPCに持ち込んだと言っていいCore HXプロセッサなので,当然ではあるがIntelは,「ノートPC向けのCPUとして最高の性能を有する」とアピールしている。

CPUの整数演算性能を測定する「SPECint2017」で,競合CPUや前世代のCPUと比較したスライド。前世代の「Core i9-11980HK」に対してシングルスレッドで17%,マルチスレッドでは64%の性能向上を謳っている
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 Intelが主にアピールしているのは,クリエーター向けのアプリケーションにおけるCore HXプロセッサの性能だ。Intelとしては,モバイルワークステーションを本製品の主要なターゲットと見ているようである。
 とはいえ,卓越したゲーム性能もアピールしているので,Core HXプロセッサを搭載するゲーマー向けノートPCも,いずれ登場するだろう。かなり大がかりで高価な製品になりそうではあるが,ハイエンドデスクトップPCに匹敵する性能を得られるノートPCが欲しいゲーマーならば,Core HX搭載PCをチェックしておくといいかもしれない。

統合3D CGソフト「Blender 3.12」や,ベンチマークソフト「CrossMark」のクリエーター向けシナリオにおける性能比較を記したスライド
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Core i9-12900HXとGeForce RTX 3080 Tiを組みあわせたテスト環境における,主要なゲームのフレームレート。「Far Cry 6」で128fpsを記録するなど,ハイエンドデスクトップPCに迫るフレームレートが得られるとアピールしている
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Intelの第12世代Coreプロセッサ製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    第12世代Core(Alder Lake)

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