プレイレポート
重力を操る不思議な球体となり,惑星の表面を走り,滑空する。「Exo One」プレイインプレッション
そんな本作のデモ版をプレイしたので,そのインプレッションをお届けしよう。
「Exo One」は,オーストラリアのデベロッパであるExbleativeが開発中の3Dゲームだ。現時点でアナウンスされている対応機種はSteam(PC)とXbox Series Xで,発売日は「Coming Soon」となっている。2017年5月にKickstarterを開始し,約1か月で目標額の3万5000オーストラリア・ドルを達成。PAX Australia 2019のINDIE SHOWCASEで表彰されるなど,発売前から高い評価を得ている。
ゲームの基本的な部分をお伝えすると,Exo Oneとは異星人から届けられた設計図を基に作られた宇宙船のことである。プレイヤーは,宇宙人の謎を解き明かすべく,宇宙船を操作してさまざまな惑星を探検するわけだ。
Exo Oneは,Steamページでは「宇宙船」,公式サイトではalien probe(異星の調査機)と説明されているが,パチンコやニュートンのゆりかご(吊られた複数のボールをカチカチと衝突させるアレ)の玉のような,ともかく見た目は普通の金属球である。そんなシンプルな見た目ではあるが,自分にかかる重力を自在に操作できるという「グラビティ・ドライブ」が搭載されており,想像のできない動きと速さで移動可能だ。
Steamにて配信中のデモ版では,火星のような星「サガン4」を舞台に,Exo Oneの操作が自由に楽しめる。キーボードとマウスでの操作の場合,マウスの左ボタンで自機にかかる重力を調整し,空を飛びまわったり,地面を転がるように走ることが可能だ。
例えば,すり鉢状の地形を転がっているとしよう。左ボタンを押し続けるとExo Oneが重くなり,すり鉢の底に向けて加速しつつ転がり落ちていく。そのままだと底でグルグル回るだけになってしまうが,よいタイミングでマウスのボタンを離して重力を軽くすれば,先ほどの加速で蓄えた運動エネルギーを使って坂を駆け上がっていく。充分にスピードが乗っていれば,すり鉢のフチから離陸し,空を飛びまわることも可能だ。
[Shift]キーを押せば円盤状のような形に変形し,より遠くまで滑空できるようになる。円盤状態で左ボタンを押せば,重力をかけることで地面に向かって加速し,地面に触れると小石を使った水切り遊びのようにホップするなど,操作になれるとさらに自由にExo Oneを動かせるようになるのが楽しい。
重力を制御できるといっても,アニメや映画に出てくるUFOのように,慣性を無視して自由自在に飛び回れるのではないのが本作の面白さ。長く飛んだり,速く転がったりといった気持ち良さを味わうには,重力をかけて坂道を転がったり,高度を下げて加速したりすることで運動エネルギーを蓄えなければならない。つまり,セオリーに則った動きをしなければならないわけだが,それだけに上手くいくと気持ちいいのである。
左ボタンを押して重力を掛け,その力による急加速を楽しむ。今度は,坂道を転がりながらよいタイミングでボタンを離して離陸し,円盤型になって重力から解放された軽やかな動きを味わう。風切り音を響かせながら滑空し,運動エネルギーが失われて速度も鈍ってきたら,球体に戻って重力を掛け,隕石のように地表に向かって落下。激突寸前で再び円盤に変形すると同時に重力を軽くし,それによって得た運動エネルギーで再び軽やかな滑空を楽しむ……といったように,翼を使った飛行とはひと味違う,重力を操る不思議な感覚はなかなかクセになる。
Exo Oneの構造。ゲームの設定上では誰がExo Oneを操作しているのか。雷雲に突っ込むと宇宙飛行士たちらしい写真が浮かびあがる……など,本作の世界観には謎の部分が多い。サガン4の地表には,触れた物を加速させるモノリスのような謎めいた建造物が点在し,山にはExo Oneと同様の物体が開けたと思しき大穴があるなど,重力を操るゲームプレイはもちろん,その世界観も考察し甲斐がありそうだ。なかなか言葉では伝えにくい感覚のゲームなので,気になった人はぜひデモ版をプレイしてみてほしい。
「Exo One」公式サイト
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