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[プレイレポ]“Mafia”シリーズのクリエイターによる新作「Crime Boss: Rockay City」は,90年代オマージュに溢れるクライムアクションFPSだ
本作は,1990年代のフロリダを舞台にした,Co-op型のクライムアクションFPSで,同時代の映画オマージュ的な演出や雰囲気をベースに構築された世界観が楽しめる作品だ。PlayStation 5およびXbox Series X|Sでも2023年後半の発売が予定されている。
本作を開発するInGame Studiosには,クライム・サスペンスとして有名な「Mafia」シリーズを手掛けたクリエイターだけでなく,「SILENT HILL: DOWNPOUR」といったホラーゲームの開発スタッフも所属している。
今回4Gamerでは,そんな完全新規タイトルを先行体験してきたので,本稿で作品の特徴やゲームシステムについてお届けしていこう。
敵のボスはチャック・ノリス!?
まず本作でもっとも興味深いのは,冒頭でも紹介したように,本作が1990年代のフロリダを舞台にしたクライム・アクションということだ。洋画において1980年代から1990年代のフロリダは,マフィアと薬物の流通が生み出したビッグマネーによって摩天楼を形成し,急成長したかのように描かれることが多い。
1990年代の洋画オマージュに満ちた本作は,もちろんその例に漏れず,主人公のトラビス・ベイカーが,作中におけるフロリダの都市「ロッケイシティ」で金品の強盗や薬物の強奪といった犯罪を重ね,ギャングスターとしての頂点を目指す物語が描かれる。
トラビス・ベイカー役として本作に出演するのは,1990年代の洋画スターにして現在も最前線で活躍を続けるマイケル・マドセンさんだ。1990年代には,クエンティン・タランティーノ監督作の「レザボア・ドッグス」に出演しているため,1度は目にしたことがある人も多いのではないだろうか。
さらにベイカーの恋人のケイシーを演じるのは,キム・ベイシンガーさん。そしてベイカーの右腕を務めるナサラ役として,ダミオン・ポワチエさんが出演している。このほかにも,マイケル・ルーカーさん,ダニー・トレホさん,ダニー・グローヴァーさんといったクライム映画やアクション映画において,おなじみのスター達が登場する。
またヒップホップのミュージシャンとして日本でも高い知名度を誇るヴァニラ・アイスさんも出演。自らラップのアルバムを制作するだけでなく,音楽プロデューサーや俳優としての側面も有名な彼が演じるヒエロは,主人公とは対照的にビジネスをたたんで,イビザ(現実ではクラブミュージックの聖地とされている)に逃げようとしている役どころだ。実際のヴァニラ・アイスさんの背景を微妙に含ませているのが面白い。
豪華俳優陣が作品を飾る中で「ロッケイシティ」警察のリーダー,つまり犯罪者であるベイカーにとって真の敵にあたるキャラクターを演じるのは,あのチャック・ノリスさんだ。作中での役名もノーリス保安官となっており,まるでチャック・ノリスさん本人が作中に入り込んだかのごとく描かれている。
チャック・ノリスさんは,2023年時点で齢80を過ぎながらも大御所俳優として知られていることに加え,さまざまな映画で特殊部隊員,軍人,警察官を好演。マフィアの主人公の前に立ちはだかるに相応しい配役と言えるだろう。
シンプルなゲームモードで1990年代のマイアミに没入!
本作のゲームモードは,シングルプレイや最大4人までのPvEモードなどを含めて主に3種類が用意されており,それぞれのモードでまったく異なるクライム・アクションが体験できる。
主人公トラビス・ベイカーとしての物語を味わえる「ベイカーの争奪戦」では,協力プレイが一切なく,「ロッケイシティ」での敵対組織から薬物を強奪したり,街全体の支配をほかのマフィア組織と競り合ったりと数々の犯罪行為を重ねるのだが,プレイヤーの選択肢によるストーリーの変動も楽しめる。
2つめのゲームモード「クライム・タイム」では,キャラクターや物語の要素が一切なく,お金を稼ぐという1点に絞られたクライム・アクションを短時間かつシンプルに体験できる。
そして,ほかのプレイヤーと協力して,もっとも激しい戦いが味わえる「都市伝説」では,「ハイスター」と呼ばれる操作キャラクターを自由に選び,武器やスキルのロードアウト(組み合わせ)を設定できる。
先行プレイでは,この「都市伝説」内に6種類用意されていたステージの中から3種類が体験できたが,開始前にゲームのクリア状況によって開放される「ハイスター」から4人のチームメンバーと,それぞれのロードアウトを選択する。チームメンバーをNPCに担当させて,ソロで進めていくことも可能だ。
今回の取材で挑戦したステージは,薬物を敵対組織から奪い取り,敵の攻撃や警察の追跡をかいくぐりながら,回収用の車に乗り込み脱出するというもの。
各ステージの始まりは,敵地へ潜入する直前だったり,一般人に紛れて移動中だったり,あるいは重武装の警察官達に囲まれている状況だったりと,数多くのシチュエーションで展開される。「都市伝説」のクリア目標は,敵ボスの撃破や一定の金額分にあたる薬物の奪取といったシンプルな内容がメインとなっていた。
敵地に潜入するステージでは,いきなりドンパチするのではなく,まさに潜入で,スニーキングを駆使して目的地に向かう。そのまま目的地まで到達できればスムーズにブツを集められるのだが,敵はそこかしこを巡回しており,うっかり視認されてしまう(気づかれるまで一定時間の猶予はある)と“全員に潜入がバレ”て猛攻撃を受けてしまう。敵地のど真ん中だと四方八方から迫ってくるので,あっという間にハチの巣だ。
一方,多数の警察官に囲まれた状況から始まるステージは,非常に難度が高い。最初から狙われているのはもちろんだが,盾などで武装した警官もいて,処理に時間をかけると増援が集まってきて,やはり囲まれてしまう。その囲みをなんとか突破して,脱出用の車までたどり着いたと思ったら車が爆破され,逃走先が何度も変更されるという特殊な演出もあった。
過激な世界観だが,FPS初心者の入り口にもなりそうなカジュアルさ
FPSとしてのプレイフィーリングは,今回の先行プレイにおける範囲では特殊な操作がなく,誰でもプレイしやすいように作られていると感じられた。また,ほとんどの敵がヘッドショット一発で倒せるので,正確なエイムが重要になってはいるのだが,遮蔽物を挟んだ落ち着いた状況での射撃を意識すれば,FPSの経験が少ないプレイヤーでも敵を倒しやすいという印象だ。
味方のダウンに関しても非常にシンプルで,蘇生に特殊なアイテムなどは必要なく,倒れた味方の近くまで行ってコマンドを選択するだけ。そうしたシンプルさは,友達とワイワイ遊びながらのプレイにも向いていそうだ。
今回の先行プレイから得られた情報は以上となる。洋画好きにとって見慣れた俳優陣による世界観を味わえる本作だが,実際のゲームシステムにおいても1990年代のアクション映画を彷彿とさせるカジュアルな面が多い。
現状はランクマッチのようなシステムもないようなので,昨今のコアなゲームの息抜きとして友達と楽しめそうな作品だと感じられた。とは言っても,カジュアルに騒ぎながらプレイするだけの作品ではなく,「ハイスター」や武器の選択などのやり込める要素もあり,高難度のステージもあったりするので,遊びごたえはありそうだ。洋画好きからFPS好きまで,気になった人は,Epic Games Storeをチェックしてみよう。
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