ついに3人のアイドルをお披露目。気になるプロジェクトの内容も明らかになった「PROJECT IM@S vα-liv（ヴイアライヴ）」発表会レポート

　バンダイナムコエンターテインメントが展開する「PROJECT IM@S 3.0 VISION（サードビジョン）」のコンテンツの1つ「“MR”-MORE RE@LITY-プロジェクト（MRプロジェクト）」。その推進に向けた新規プロジェクト「PROJECT IM@S vα-liv（ヴイアライヴ）」が2022年12月26日に発表された（関連記事）。

「PROJECT IM@S vα-liv」公式サイト

　発表から約4か月が経過したが，これまで「PROJECT IM@S vα-liv」の詳細はほとんど分かっていなかった。発表されていたのは，人気イラストレーターである森倉 円氏が描いた3人のアイドルのイラストと，ティザーPV，そして，アイドルたちがストリーミングプラットフォームで活動するMRに特化したものになることや，アイドルたちがライバー活動を通じてデビューを目指していくといった概要のみだった。


　そんな「vα-liv」だったが，ついに2023年4月14日，バンダイナムコ未来研究所で「PROJECT IM@S vα-liv（ヴイアライヴ）」発表会が行われ，コンテンツの概要や今後の展開，アイドル候補生たちの情報などが発表された。
　本稿では，発表された情報と，メディア向けに行われた質疑応答の内容をお伝えしよう。

「PROJECT IM@S vα-liv」とは……？

　「vα-liv」のロゴが大きく表示されたスクリーンを背景に登壇したのは，司会の狭間和歌子氏（アイドルマスター ミリオンライブ プロデューサー）と，プロジェクトのプロデューサーを務める勝股春樹氏で，勝股氏からプロジェクトの紹介が行われた。メディアミックス展開強化を掲げた「PROJECT IM@S 3.0 VISION」において，「PROJECT IM@S vα-liv」はどういう立ち位置になるのだろうか。


　勝股氏によれば，「MORE RE@LITY-プロジェクト」は，アイドルたちの活躍の場を広げ，アイドルプロデュース体験を拡張する，という狙いを持っており，シリーズ他作品のアイドルたちはすでに，お仕事コラボや番組・ライブ出演など，活動の場を着実に広げている。「PROJECT IM@S vα-liv」は，ここでギアを一段上げ，切り込み隊長として，また，タレント活動に特化したアイドルの単独デビューチャンスがある場として立ち上げられた。そのため，この企画は「アイドルマスター」ではなく，「PROJECT IM@S」名義でスタートしたという。
　
　アイドル候補生たちは，今ホットな場である「配信活動」を行い，アイドルデビューを目指す。つまり，アイマス公式の研修生制度のようなものと考えてよさそうだ。

各ブランドに並ぶほど存在感あるアイドルの輩出を目標としている

気になる企画の内容は「視聴・投票・勝利」
かなりガチでシビアな面も

　「PROJECT IM@S vα-liv」は，ライブ配信活動を通じて必要なスキルを磨き，トップアイドルを目指す候補生たちの姿を描く，視聴者参加型のアイドル育成公開オーディションというわけだ。
　現段階で，3名の候補生がアイドルデビューのラストチャンスを掴むために挑戦する。


　最大の特徴は，視聴者がプロデューサーとして参加できること。活動でさまざまなことに挑戦していく候補生の実績などの情報は公式サイトですべて可視化され，視聴者は気に入った候補生に投票することや，実装される予定の支援機能などで候補生をサポートする。
　オーディションは4月のチュートリアル期間を経て5月から本格的にスタートし，3回の中間審査ののち，翌年2月に最終審査を行なう。この結果により，デビューできるか，活動終了かの運命が決まるという。


　候補生たちの直近スケジュールは，公式サイトで確認してほしい。

「PROJECT IM@S vα-liv」公式サイト

　現段階では，「ファーストインプレッション」として，各候補生の第一印象についての投票を受け付けており，投票結果は公式サイトでいつでも確認ができる。
　プロジェクトそのものについても投票を受け付けていて，支持されない場合，プロジェクト自体が終了ということもあり得るようだ。

　かなりシビアなシステムだが，必ずしも投票で1位の候補生しかデビューできないわけではなさそうだ。がんばった候補生は適正に評価され，全員がデビューできる道もあるらしい。具体的な判断基準については，追って発表されるとのことだ。

3人のアイドル候補がついにお披露目！今後の展開は？

　続いて，フレッシュなアイドル候補生たち3人が発表され，自己紹介が行われた。



灯里愛夏（ともり まなか）
誕生日：7月1日
身長：158cm
血液型：B型
星座：かに座
出身地：福岡県
趣味：アイドル研究，カフェで読書，ミュージカル
特技：料理，利きアイス

【PROJECT vα-liv】 灯里愛夏公式チャンネル：https://www.youtube.com/@TomoriManaka　



上水流宇宙（かみずる こすも）
誕生日：9月12日
身長：162cm
血液型：B型
星座：おとめ座
出身地：東京都
趣味：イラストを描くこと，ゲーム，食べること
特技：書道，地獄耳

【PROJECT vα-liv】 上水流宇宙公式チャンネル：https://www.youtube.com/@KamizuruCosmo



レトラ（サラ レトラ オリヴィエラ ウタガワ）
誕生日：11月11日
身長：159cm
血液型：O型
星座：さそり座
出身地：埼玉県
趣味：寝ること，ネイル・メイク，雑貨集め
特技：歌，古着リメイク

【PROJECT vα-liv】 レトラ公式チャンネル：https://www.youtube.com/@UtagawaLetora


　狭間さんからのネタフリで「好きな食べ物」についてのトークを盛り上げるなど，3人は，初々しいながらも堂々とした存在感を見せてくれた。

　続いて，1か月間の具体的な流れが説明された。勝股氏によると，与えられたテーマに沿ったレッスンの模様や，企画に挑戦する姿などをYouTubeで配信し，視聴者がそれらをアイドルマスターポータルサイトでプロデュースし，結果によって「マンスリークイーン」を決定する。そして，翌月はまた新たなテーマで活動を行っていく。トレーナーからの評価やチャンネル登録者数など，評価基準はいくつか設定されるそうだ。


　候補生の宇宙が「自分との戦いになる」と表現したとおり，誰かを蹴落としてデビューするのとは若干異なる企画の性質からか，3人は終始和やかな雰囲気で，候補生同士の結束も感じられた。

プロデューサーの勝股氏とアイドル候補生3名への質疑応答タイム

ここからは，配信終了後に行われた囲みインタビューの様子を紹介したい。
まずは，勝股氏への質問から。


──ご自身のキャリアを，プロジェクトにどう活かしていきたいと考えていますか。

勝股春樹氏（以下，勝股氏）：
　これまで約十年間，イベントやライセンスなど，いわゆるメディアミックス展開に関わっていました。その経験を活かして，タレント展開をじっくり進めていきたいと思います。MRという世界で活躍するアイドルたちの姿を夢見て，ここまでやってきました。皆さんにも，新しい楽しみを見つけてもらえればと思っています。

──気の早い話かもしれませんが，今後新たな候補生が追加されることはありますか。

勝股氏：
　1年間は，基本的にこの3名で活動していきますが，ここから「研修制度」という風にしたいと思っているので，今すぐにではありませんが，検討しています。

──「配信を通じての活動」は，どこからインスピレーションを得たのですか。

勝股氏：
　コロナ禍が非常に大きな要素です。過去にMRステージのアンコール公演（「THE IDOLM＠STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆ENCORE」）がコロナで中止になり，星井美希の生配信をさせてもらったことがありました。そのとき，配信を通してプロデュース体験を提供できているという手ごたえを感じ，配信には可能性があると信じてやってきました。

──プロジェクトのゴールは「アイドルデビュー」とのことですが，具体的にどういうことですか。

勝股氏：
　CDデビュー，ライブなど，アーティスト，タレントとしての活動です。

──既存ライバーとのコラボレーションなどは考えていますか。

勝股氏：
　いろいろな方とコラボできたらいいなと思っていますし，営業活動もできればと考えています。

──プロジェクト自体の評価について，公式サイトでの投票のほか，何か予定されているものはありますか。

勝股氏：
　基本的には投票が分かりやすい指標ですが，これからの企画の中には，プロデューサーさんに参加してもらうコンテンツもあります。総合的に見られるよう，設計をしているところです。

──昇格審査基準は，いつ発表されますか。

勝股氏：
　チュートリアル期間後にお知らせしたいと思っています。

──スーパーチャット（有料で自分のメッセージを目立たせる機能）はできますか。また，収益化についてはどのような展開を考えているのでしょうか。

勝股氏：
　そうした，配信を楽しめる要素については，随時拡張してきます。収益化は，グッズやデジタルコンテンツ，音楽など，多角的にやっていきます。

──アイドル候補生の公開オーディションという形ととったこと，活動期限を区切ったことには，どんな狙いがあったのでしょうか。

勝股氏：
　候補生がアイドルを目指すという点がドラマチックだということで，題材にしました。1年の戦いにすることを決めたのは，展開の基準を作ると分かりやすく，臨場感をもってアイドルたちを応援できるのではと。アーケード版を参考に，表現したかったということもあります。

──「アイドルマスター」他ブランドアプリとのコラボは考えていますか。

勝股氏：
　直近では予定していませんが，いつかできたら嬉しいと思います。



　続いて，アイドル候補生3名への質疑応答が行われた。

──「こういうネタで動画を作ってみたいな」というものを，1つ教えてください。

灯里愛夏（以下，愛夏）：
　利きアイスをやってみたいですが，自分でプロデュースしたアイスを1人で食べてほしいです。毒味じゃないですよ！（笑）

上水流宇宙（以下，宇宙）：
　私は絵を描くことが得意なので，それを活かして……絵しりとりとかですかね？　お絵描き配信にもチャレンジしてみたいです。

レトラ：
　アイドルには体力が要ると思うので，腹筋チャレンジをしたりとか，体張る系にチャレンジしてみたいです！

──尊敬する先輩について教えてください。

愛夏：
　私は五十嵐響子さん（「アイドルマスター シンデレラガールズ」）がすごく好きで。その愛と憧れについて語ったものが後日公開される予定です。楽しみにしてもらえればと。

宇宙：
　憧れの先輩はL'Antica（「アイドルマスター シャイニーカラーズ」）の皆さんです。ゴシックなコンセプトと言いますか，オタク心に刺さるなと……。すごく憧れています。ああいう衣装を着てみたいなんて思ったりしています。

レトラ：
　ユニ -uni-さん（歌い手）を尊敬しています。歌字が上手で，耳が幸せになれるので，ああなりたいなって。

──初めてほかの候補生に合った時期と，そのときの印象を教えてください。

愛夏：
　（勝股氏に返答を促されて）もぉ，なんでいつも私が最初なんですか〜（笑）。実は，私たち昨日初めて会ったんです。私は緊張しいなんで，1人でテンパってたんですけど，2人とも落ち着いていて。帰りも3人一緒だったのですが，「帰り道大丈夫？」「家まで送っていこうか？」とお世話を焼いてもらって……。頼もしいお2人と一緒に頑張っていきたいです。

宇宙：
　愛夏さんも言っていましたが，心配になりますね……。目を離すといなくなってしまいそうな，ハムスターのような感じです。でも，同い年ですし，仲良くできたらいいなと思っています。レトラさんは，見るからに「陽キャ」という感じで。

愛夏：
　あーっ，分わかるー！

宇宙：
　すごく警戒していました。

レトラ：
　えーっ！？

愛夏：
　でも，話してみると……

宇宙：
　はい，すごくいい人で！　ただの騒がしい方ではないので。これから仲良くしていきたいです。

レトラ：
　2人とも可愛すぎて。愛夏ちゃんは綿菓子みたい。フワフワして甘め。帰りに送っていこうかと言ったのは私なんですけど，放っておけない感じがして。

愛夏：
　大丈夫ですよ〜，東京のイケイケシティガールなので〜！

レトラ：
　あーっ，そういうとこよ！（笑）宇宙ちゃんはクールビューティという感じで，上から下までジロジロと見てしまいました。

宇宙：
　そうだったんですか。知らなかったです。

レトラ：
　自分はこういう感じなので，クールな人に憧れがあって，「美しい」と見ていました。みんなジャンルが違って，楽しいメンバーになりそうだと思っています。

──アイドルを目指したきっかけと，どういうアイドルになっていきたいかを教えてください。

勝股氏：
　じゃあ，今度はレトラさんから。

レトラ：
　音楽を続けるか就職するかで迷っていて，そのとき（このプロジェクトを）やってみないかとチャンスをもらいました。全力でやっていきたいです。歌を全国民に届けて，心を通わせたいです。

宇宙：
　魔法少女とかに憧れたことがきっかけです。私，多分この中で一番長く芸能活動をやっているのですが，なかなかうまくいかなくて。でも，キラキラした女の子になりたいという夢をあきらめられなくて……。そんなときにお声がけいただいたこのプロジェクトに，最後のチャンスとして参加しました。誰よりも輝けるアイドルになりたいです。

愛夏：
　ボランティアに行ったとき，小さい子供たちに読み聞かせをしたり，一緒に遊んだりして，子供たちが笑顔になってくれるのがすごく嬉しくて。私にも人を笑顔にできる力があるのかな，もしあるのだったら，たくさんの人と，私も一緒に笑顔になりたいと思って目指したのがアイドルの道でした。私はちっちゃいころから，あまり前に出られなかったり，自信が持てなかったりする性格なので，そんな自分を変えたい，変わらなきゃ！　と踏み出す勇気を持つため，今回参加したって感じで……。何言っているか分からなくなってきちゃった（笑）。

宇宙：
　合ってますよ。大丈夫。

愛夏：
　みんなと笑顔になりたいし，みんなとハッピーになりたい。ヤッピー（※愛夏の決めゼリフで，「やったるぜハッピー！」の略）なアイドルになりたい，って感じです。

──リアル，バーチャルと多数のアイドルオーディションがあるなかで，このプロジェクトを最後のチャンスと決めたのはなぜですか。

レトラ：
　むずかしいですね。

勝股氏：
　このプロジェクトに参加したときの気持ちでもいいかなと思います。

レトラ：
　気持ち……。

宇宙：
　私から行きましょうか。私は長い間芸能活動をしていて，もうすぐ10年経つんです。なので，続けるかやめるかの決断を含めてこのプロジェクトに参加しました。でも，アイドルへの挑戦が最後なだけで，芸能活動自体は続けていきたいと思っているので，私の集大成として，チャレンジしています。

勝股氏：
　愛夏さんいけますか。

愛夏：
　まかせてくださいよ！　……あっ，まかせてくださいと言ったのに，もう分からなくなっちゃった！

宇宙：
　落ち着いて！

レトラ：
　深呼吸，深呼吸！

愛夏：
　（深呼吸する）私は宇宙ちゃんと年齢は一緒なんですけど，立場的には逆です。私はアイドルを目指して上京して，養成所に通い始めてからやっと2年なんです。でも，アイドルを目指し始めるには16歳という年齢は少し遅いスタートなので，私としてはそこがちょっとコンプレックスな部分でもあるんです。前に出られない性格が壁になっているところもあったので，そんな自分を変えるため，「これがラストチャンスだ。がんばるぞ！」という気合をもって臨んだという感じです。私は追い込まれないと，きっとできないと思っているので，自分を追い込むためにラストチャンスと決めて，このプロジェクトに参加しました！

レトラ：
　私は，この中ではいちばん年上で，19歳です。専門学校にも通っていて，先ほどお話ししたみたいに「これからどうしていくのか」とすごく迷っていたところ，運よく声を掛けていただけて……。オーディションにも年齢制限があるので，年齢的にもラストチャンスかなというのが大きい理由だとも思っています。

「PROJECT IM@S vα-liv」公式サイト