SIE傘下のFireawalk Studiosが完全閉鎖へ。2週間足らずでサービス中止したヒーローシューター「CONCORD」の開発スタジオ

　ソニー・インタラクティブエンタテインメント傘下で，ヒーローシューター「CONCORD」（PC / PS5）を開発したFirewalk Studiosが閉鎖されたことを，同社公式Xアカウント（リンク）で明らかにした。


　「CONCORD」は，5vs.5でプレイヤーが争うチーム対戦型のアクションシューティングゲーム。2023年4月にソニー・インタラクティブエンタテインメントがFirewalk Studiosを買収した際には（関連記事），「PlayStationプラットフォームにとってのオーバーウォッチ」などとも期待されていたが，βテスト時の最大同時アクセス者数は2400人未満，正式ローンチ直後でも700人ほどのプレイヤーしか集まらないなど苦戦した。

　その要因のひとつとなったのは，DEI（英語のDiversity/多様性，Equity/公平性，Inclusion/包括性の略）への配慮の結果にあるとされており，魅力的でないキャラクターデザインや開発者のスタンスが批判されていた（関連記事）。

　公式Xアカウントのコメントでは，「コロナ期間中である2022年に本格的なゲーム開発が始動して以降，カードバトルや格闘ゲームの要素を巧みに取り入れるリスクを取ったこと」や，「何十万人というプレイヤーにアピールできたこと」，そして「ローンチまで漕ぎつけたこと」など，過大評価気味な開発チームの成果が列挙されている。
　その最後には，「Firewalk Studiosの才能と個々の技術のレベルは真にワールドクラスであり，ソニー・インタラクティブエンタテインメントおよび業界全体の同業者にとって，彼らと仕事をできたのは幸運なことだった」とし，169人が在籍したとされるチームメンバーの新たな雇用機会をうかがっている。

　これについては，ソニー・インタラクティブエンタテインメントの公式ニュース（リンク）でも，スタジオビジネスグループCEOであるハーマン・ハルスト氏名義で社員全員に宛てられたメールが公開されている。

　それによると，Firewalk Studiosと合わせてフィンランドのNeon Koiを閉鎖したのは，「短期および長期的なビジネス目標を確実に達成するために，常にゲームポートフォリオとプロジェクトの状況を精査している」ことの結果で，「プレイヤーが求める体験を満たすことができない場合は，それをしっかりと認識する必要があります」と述べ，グループに広がるかも知れない動揺や懸念を払拭している。

　解雇された開発者の再雇用などについても，可能な限り取り組んでいくとしつつ，「CONCORD」から学んだ教訓を今後のライブサービス戦略につなげていく構えのようだ。