プレイレポート
[プレイレポ]ロボットやアニメへの愛情溢れる「Mecha Force」「プニヒローダー2」「機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語」を紹介
「BitSummit Let's Go!!」に集った,ロボットやアニメへの愛情溢れるゲームたち
●「Mecha Force(空想大乱闘)」
「Mecha Force(空想大乱闘)」は,中国のMing StudioがMeta Quest 2およびMeta Quest Pro用に開発を進めるVRゲームで,現時点ではMeta Questのストアページ(リンク)からデモ版をダウンロードできる。
プレイヤーは巨大なロボットに乗り込み,両手に持ったコントローラでロボットの左右の手の動き,そして移動・攻撃を操作する。ロボットの胸の辺りにコクピットがあり,自分でコントローラーを動かした通りに巨腕が動く辺りは“エヴァンゲリオン風”だ。ロボットが動くたびに周囲のビルが崩れ,その巨大さを体感できて,迫力満点である。
敵が振るうビームサーベルをギリギリで弾けばパリィとなり,しばらく硬直させることができる。無防備な胴を斬ってトドメを刺すもよし,ほかの敵に対処するもよしと,いかにパリィを決めるかも重要という印象だ。二刀流はもちろん,片手はビームサーベル,もう片手は内蔵火器で射撃するというコンビネーションも可能。次々襲ってくる敵をさばいているとテンションも上がるのだ。
ステージ間では,基地でロボットの武装を交換できるが,その中にはロケットパンチや,無限拳を思わせる伸びるパンチといった巨大ロボット好きのツボを押さえた品が存在しており,ロボット愛の深さがうかがえる。基地にはオペレーターの少女もいて,コミュニケーションを取れる。彼女は物語の鍵を握る重要人物。ベルトを用いて変身でき,プレイヤーとともに戦ってくれるという。その際には,敵の巨大ロボットにライダーキックのような跳び蹴りをブチ込むというから楽しみだ。
制作者であり,Ming Studio代表取締役のソン・イハン氏いわく「空想大乱闘」というタイトルには,自分がオマージュするさまざまな要素を詰め込むことができる,何でもアリの世界にしたいという思いが現れているという。将来的には,ゴジラのような大怪獣や,ハンドモーションで光線を放つ巨人ヒーローを追加する構想もあるそうだ。巨大ロボット,怪獣,巨人ヒーロー,変身美少女……と,好きなものをすべて盛り込んだ感があり,まるでおもちゃ箱のように感じられた。
会場ではソン・イハン氏に,「Mecha Force(空想大乱闘)」の見所や,今後の展開について聞いた。
4Gamer:
本作の見所を教えてください。
ソン・イハン氏(以下,ソン氏):
スーパーロボット系のVRアクションを作りたいということで開発を進めています。個人的には「マジンガーZ」や「ゲッターロボ」といった,日本で3〜40年前に放映されたアニメが大好きで,こうした作品の要素を取り入れたゲームにしています。
4Gamer:
ロボットゲームといえば「機動戦士ガンダム」オマージュのリアル系が多い中,スーパーロボット系というのは珍しいですね。
ソン氏:
そうなんです。こうした現状が寂しくて「これは,自分で作るしかない!」と考えたわけです。
4Gamer:
主人公機にはさまざまな武装があるようですが,製品版にはどんなものが登場するのでしょうか。
ソン氏:
ロボットアニメがモチーフになった武器がいろいろと出てきます。「マジンガーZ」をリスペクトしたロケットパンチ,「創聖のアクエリオン」の無限拳っぽく腕が伸びる武器,「コードギアス」シリーズに出てきた「輻射波動機構」のように敵をつかんで波動を叩き込む武器,「天元突破グレンラガン」的なドリル,そしてブレストファイヤーやゲッタービームのような大技など,いろいろな武器を実装する予定です。
また,ゴジラのような大怪獣や,実際にコントローラーを持った手を交差させて光線を放つ巨人ヒーローも実装したいです。「空想大乱闘」というタイトルには,アニメから特撮まで,格好いいものを何でも取り入れたいという願いが込められているんです。
4Gamer:
基地にはオペレーターの少女がいますが,コミュニケーションはとれるのでしょうか。
ソン氏:
コミュニケーション可能です。物語が進むとベルトで変身し,プレイヤーとともに戦ってくれます。
4Gamer:
その際は巨大化するのでしょうか。
ソン氏:
巨大化するわけではありません。「仮面ライダー」のように跳び蹴りで戦うんです。
4Gamer:
美少女が変身して,等身大のまま巨大な敵と戦うというのも凄いですね。では最後に,個人的に好きなロボットアニメについて聞かせてください。
ソン氏:
一番好きなのは「マジンガーZ」と「ゲッターロボ」。「勇者王ガオガイガー」も大好きですね。スーパーロボットは男にとってのロマンですよ。鋼の魂です! 個人的には「スーパーロボット大戦OG」の完結を楽しみにしています。初めて見たロボットアニメは「超時空要塞マクロス」で,リアル系ですけどね(笑)。ガンダムだと「機動戦士ガンダム0083」が好きです。
4Gamer:
ロボット好きの魂は国境を越える,という感があります。完成を楽しみにしています。ありがとうございました。
Meta Questの「Mecha Force」ストアページ
「Mecha Force」公式サイト
●「プニヒローダー2」
自分でカスタマイズしたロボットに,不思議な一頭身生物「ぷにひ」を乗せて戦う“メカカスタマイズシューター”が221gamesの「プニヒローダー2」。対応機種はPCで,現在はSteamでデモ版が公開されている。
本作は,自分で操作する1機と,AI操作の僚機2機の計3体のロボットでチームを組んで戦う,シングルプレイ専用ゲーム。ロボットをカスタマイズし,個性的な相手チームと試合する「アリーナモード」と,巨大ボスも登場する「ミッションモード」を戦い抜くのだ。
ロボットは「胴体」「右腕」「左腕」「脚部」「背部」という5カテゴリのパーツを組み合わせることが可能。脚部で積載量と移動速度,腕で武装が決まり,背部には各種のオプションを積み込めるので,組み合わせ次第でいろいろな機体を作ることができる。100点以上用意されているというパーツはいずれも個性的だ。胴体ひとつ取っても,リアルロボット的なミリタリー系デザインから,ダンプカーのような形のものまであるカオスっぷり。脚部も二本脚やホバー,タイヤとバリエーションは豊かで,腕にマシンガンやバズーカ,ミサイルに斧,背中にはマントやクレーンといったように,男性の心をくすぐる品が揃っている。これらのパーツを組み合わせれば,見た目にも性能的にも個性的な機体を作れる。
中でも面白いのがオプションパーツだ。ダッシュが可能になるなど機体の運動性を補うものがあれば,周囲にいる味方の耐久力を回復できるサポート用のものも存在している。3体で戦うチーム戦としての側面が強調されているわけで,斧やマシンガンで斬り込み用の前衛機を作るもよし,ミサイルやサポート装備で後ろから援護するもよし,と多彩な戦術を採れるのが面白い。
そして,本作ならではの面白さが,ロボットに乗る「ぷにひ」のカスタマイズ要素だ。「ぷにひ」は,お餅のような一頭身生物で,アクセサリーやボディペイントを自由に変えられる。モヒカン刈りやハチマキ,サングラスといったアクセサリー/髪型は4つまで同時に装備でき,可愛らしくもワイルドにもできる。ダンプの運転席にモヒカン+葉巻の「ぷにひ」が座っている様はなんともユニークで,本作の雰囲気を大いに和らげていると感じられた。本作は2023年内の発売が予定されているとのことなので,気になる人はSteamでデモ版(リンク)をプレイしてみよう。
ブースで,221gamesの代表である蟹野横信氏と,副代表の離水ひつじ氏に,作品の狙いやロボット愛について聞いてみた。
4Gamer:
よろしくお願いします。「プニヒローダー2」の見所について教えてください。
蟹野横信氏(以下,蟹野氏):
“メカカスタマイズシューター”というジャンル名のロボゲーですね。人間ではなく,マスコットの「ぷにひ」が乗っているのと,2体の僚機とチームを組んで戦うのがポイントで,奥深い戦術性で楽しんでいただける作品になっています。
4Gamer:
パーツは何種類くらい存在するのでしょうか?
蟹野氏:
体験版では約60種,製品版では100種以上となります。
4Gamer:
本作を製作するきっかけはどういったものですか?
離水ひつじ氏(以下,離水氏):
我々は,オンラインロボゲー「フィギュアヘッズ」で知り合った仲でして,私のモデリングと代表のプログラミングを合わせてロボゲーを作りたいとなり,それで作り始めたのがBooth(リンク)で販売している前作「プニヒローダー」です。これをもっと奥深いものにしようということで,続編となる本作の開発が決まりました。一人プレイ専用でもやり応えがある戦いや,カスタマイズを工夫して強敵に勝つといった面白さのあるゲームを目指しています。
蟹野氏:
今回「プニヒローダー2」に僚機の要素を取り入れたのも「フィギュアヘッズ」からの影響ですね。
離水氏:
「MechWarrior 5」の影響もありますね。チーム全体をカスタマイズするという特色を出したかったんです。
4Gamer:
ちなみに,お二人が好きなロボゲーを教えてください。
蟹野氏:
「ファントムクラッシュ」ですね。このゲームに出てくる人型でない機体がカッコイイと感じ,「プニヒローダー2」にも色々な形状のパーツを出しています。
離水氏:
個人的にやり込んだのはアーケードの「BORDER BREAK」でしょうか。4〜5mくらいのロボット,パーツを組み替えて戦う,対戦の雰囲気が「プニヒローダー2」にも影響しています。
4Gamer:
なるほど。これまでに愛したロボゲーから影響を受けて,自分なりのロボゲーを作っていくということなんですね。では,一番好きなロボットはなんですか?
蟹野氏:
「ファントムクラッシュ」に出てくる「アーロン」というメーカーですね。頭部の後ろに胴体が付いていて「機械というのは人型でなくていいんだ」という自分の好みにあった機体を作るところなんです。
離水氏:
私は「ナイツ&マジック」の「テレスターレ」です。私自身がエンジニアなので,作中で技術背景がしっかり語られており,4本の腕で杖を4つ扱えるといった機能性が現れたデザインや,欠点も抱えたうえで活躍する……といったところが好みなんですよ。
4Gamer:
どちらのロボットも,ロボットカスタマイズゲームとしての「プニヒローダー2」に影響を及ぼしている感がありますね。ありがとうございました。発売を楽しみにしています。
●「機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語」
こちらはロボットゲームというよりは,日本のSFアニメをオマージュしたアドベンチャーゲームだ。イギリスのSpace Colony StudiosがPC向けに開発を進めており,Steamストアページ(リンク)では「近日登場」とアナウンスされている。
人型機動兵器のパイロットである主人公は,激戦の最中,マシントラブルで出撃できなかったことから生き残り,臆病者の汚名とともに木星軌道パトロール艦「ガンドッグ」の警護特務部隊の隊員となる。そして,ガンドッグの個性的なクルーたちとともに,危険な任務に身を投じていくのだ。
Astrolabe Gamesブースには「機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語」のほかにも,さまざまなゲームが出展されていた |
本作のグラフィックスはグリーンディスプレイ仕様となっており,まるで大昔のパソコンでゲームをしているような気分になる。会場のAstrolabe Gamesブースに出展されていたバージョンは,昭和の日本アニメをオマージュしたキャラクターデザインの「ショウワ オマージュ」モードで,まるで日本ゲームのようだった。画面右側にあしらわれた大きなコマンドアイコンも同時期の日本製アドベンチャーゲームに良く見られたもので,本作を開発するSpace Colony Studiosがイギリスのデベロッパであるということが信じられないくらいに日本的だ。
普段は画面右のアイコンでコマンドを選択するが,時には画面中央に選択肢が出ることも。懐かしいテイストだ |
イベントシーンもグリーンディスプレイ風のカラーリング |
本作は「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦艦ナデシコ」といった日本アニメをリスペクトしており,個性的なキャラクターたちが力を合わせて危機に立ち向かう様が描かれる。出展バージョンでも,暗い過去を背負った主人公と明るいガールフレンドのカサンドラ,クルーを厳しくしごく機関長,杓子定規なヴァネッサ,かつて主人公と同じ部隊に所属し,主人公を「臆病者」と罵るハンセンといったキャラクターたちが登場。ガンドッグは航海の最中にシステムがダウンしてしまい,孤立無援の危機に陥る。絶体絶命の危機の中,主人公とクルーたちがどんな活躍を見せてくれるのか,楽しみに感じられた。
本作はSteamで体験版が配信中。1990年代のアニメやアドベンチャーゲームが好きな人は,少し懐かしいテイストのある本作をチェックしてみよう。
機関長は筋骨隆々の女性で,クルーを厳しく鍛える |
ヴァネッサは主人公を「能なし」と呼び,辛く当たる |
機関長の被害者である整備士のダルトン。いつも機関長にしごかれている |
かつて主人公と同じ部隊に所属していたハンセン。出撃できずに生き残った主人公を臆病者といい,部隊が全滅したのは主人公のせいだと主張する |
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