プレイレポート
[プレイレポ]「HOP! STEP! DANCE!」で“踊れる私”になろう! 無理せず楽しくダンス生活を始められるレッスンソフト
「HOP! STEP! DANCE!」公式サイト
今,世の中で“ダンスを楽しむこと”が爆発的に広がっている。小学校の指導要領の表現運動としてダンスが取り入れられ,中学校体育でダンスが必修化となったのは10年以上も前のこと。SNSや動画プラットフォームには,楽しそうに体を動かすダンスの動画があふれ,それをシェアして世界中の人たちで盛り上がることは当たり前となった。
かくいう筆者も,ここ数年でダンスに強い関心を持つようになり,それらをテーマとした体を動かせるソフトにハマっている。それは,フィットネスという目的もあるが,体を動かす楽しさ自体を味わうことが一番の目的だ。
数年続けていることもあり,ダンスの振りを覚えることも前より早くなってきたが,だからこそ最近は,「ダンスを基礎からじっくり学んで,もっとかっこよく踊りたい」と感じることようになってきた。だが,ダンス教室に通う時間を捻出するのは難しいし,なにより,ひとりで気楽に踊る時間が私は好きなので,ちょっとわがままだけど「なるべくなら,今は自宅でそれができればいいな」なんて願望もある。
果たしてその願いは,「HOP! STEP! DANCE!」ですべて叶うのだろうか。発売前にプレイして確かめてみたのだが,もう結論から述べてしまおう。
それは,叶う。ダンスをしていくための第一歩としては,かなり丁寧に寄り添ってくれるタイトルだった。“楽しくダンスを踊る”というコンセプトのソフトはこれまでもたくさんリリースされているが,“まったくの初心者を踊れるまでしっかり導く”という,細やかなレッスンの側面を大きく打ち出したソフトは,今までになかったのではないだろうか。
なぜ叶うと感じたのか,実際に“レッスンを体験”した流れで詳しく伝えたい。
スモールステップで丁寧に,テンポよく進行するレッスン。ステップの進めかたはマイペースに
まず初めに伝えておきたいことがある。
それは,ダンスの経験がなく右も左も分からない,体を動かすのが苦手,そもそも体力に自信がない……という人でも,まったく問題ないということだ。むしろ,そういう人のためのソフトであり,とにかくJoy-Conを両手に持ち,画面のなかにいるインストラクターの指示通りに進めていけばいい。
ダンス教室などで実際の先生に教わるわけではないので,レッスン時間を気にすることも,先生に気を遣うこともなく,疲れたらいつでも中断できる。非常に気楽だ。
インストラクターは,活発でキュートなアンナ(CV:水瀬いのり),優しい笑顔のノエル(CV:福山 潤),「フィットボクシング2」から“特別参戦”しているリン(CV:早見沙織),ヒロ(CV:石田 彰)の4人。アンナとノエルは,ダンスの基礎を教えてくれる「レッスン」を含む全モードで,リンとヒロのふたりは「フリー」と「ストレッチ」のモードにのみ登場する。
メインとなるレッスンでは,「ダウン」「アップ」「ウェーブ」など,ダンスのアクションごとに複数のステップが用意されている。用意された30ステップ・84パートをすべて学び終えると,すべての要素が入った曲を踊れるようになるという流れだ。
1ステップに複数のパートが用意されているので,1日ですべてをこなすのは少し厳しい。進める速度や量に制限はないが,1日1ステップ,1か月で完成,というような流れが想定されている印象だ。今回の先行体験では,「ダウン」「アップ」の動きで振付を踊れるようになる「レッスン14」まで挑戦した。
最初は,ひざを曲げてリズムをとる「ダウン」を習得するところからだ。最初のパートである「イントロダクション」では,ダウンを使った振り付けの完成形を,実際にインストラクターが踊ってくれる。
それを見て,「このお手本を目指して練習をがんばるぞ!」とさらに気合が入る人もいるだろうが,このソフトを実践するダンス初心者は,「動きを目で追うことすらできない……無理」と,絶望してしまうかもしれない。実際に,筆者は一瞬そうなった。
だが安心してほしい。最初はそんな状態でもまったく大丈夫である。
インストラクターのお手本は,あくまで「いずれあなたもこのようになれる!」という完成形を見せてくれているだけ。こんなに多くのことをいっぺんに求められるわけではないからだ。そう,私たちの心を折るためのものではないのである!
ダウンのメニューは,「リズムの取り方」の基本である「上半身だけでリズムを取る動作」の練習から始まる。徐々に動きを入れていき,速度を少しずつ上げ,慣れてきたら振付に挑戦と,このように段階的にステップアップしていくので,初心者も振り落とされずについていける。しかも,一度実施したメニューはZL,ZRボタンでひとつ前,ひとつ後に即スキップできるので,反復練習が非常にしやすいのだ。
もうひとつ,アップのリズムをとりながら横に歩く動きを例にとってみよう。最初はその場歩きの状態でリズムに慣れ,次にサイドステップを加え,3回目のパートで横の移動につなげていく。横移動の足の動きに関して「平行四辺形を描くイメージで」と助言してくれるなど,インストラクターの発言は,ひと言で直感的に理解できるよう考え抜かれている。
さらに,ひとつのパートが短く,テンポよく進んでいくので,プレイヤーが何もしないでいる時間が少ない。常にノリノリで,ストレスを感じずに進めていけるのだ。
気になる点は,瞬時にリトライして完成度を高めよう。フリーモードで6種のダンスも習得
レッスンの内容がまだ習得できていないと感じたら,リトライあるのみ。ボタンひとつで直前の動きまですぐ戻れるので,100回でも1000回でもやり直せるし,1週間同じところだけを反復練習することだって自由だ。
一度実施したレッスンはいつでもどこからでもやり直せるので,行き詰まったら数ステップ戻ってみてもいいし,「今はアップのメニューをやっているけれど,ダウンの振り付けはそれとは別に毎日復習する」という使いかたもおすすめだ。
レッスン中は,インストラクターの姿が後ろからのアングルで常に表示されるほか,一時停止させてからカメラを回すことで,別角度からの確認もできる。正面から見ただけでは理解しにくい動きがあっても,じっくり追求し,ものにしていこう。
だが個人的には,ひとつのパートにあまり留まらず,だいたい踊れるようになってから,気になるところに戻って細部を調整していくほうがいいと感じる。そのほうが飽きないし,上手になっていく自分をしっかり感じられるからだ。
そこそこ踊れるようになってきたらおすすめしたいのが,6種類のダンスを収録した「フリーモード」だ。これは,基礎の動きから始めるレッスンと違って,最初から振りの練習に入る。まったくのダンス初心者であれば,ある程度レッスンを進めたのちにチャレンジしてみよう。
レッスンやフリーモードで実際に踊ってみて感じたのは,ステップ,パートでの適切な間のとりかたや,ダンス中にひと言で的確にアドバイスしてくれるところ,画面の見やすさなどに,「Fit Boxing」シリーズでのノウハウが生かされているということだ。
ダンスを楽しむこと,踊れるようになることがメインで,フィットネスとしての一面はそこまで推していないと思いきや,「Fit Boxing」シリーズと同じように体重を登録し,ゲーム上で推定消費カロリーを管理できる点は,同シリーズらしい細やかな気遣いを感じられた。
また,レッスン中にプレイヤーを導く際の速度が適切で,ダンス初心者が知りたい技術をしっかり,だが決して退屈にならずレッスンしてくれる。
多くのダンス未経験者・初心者をダンスの楽しさに目覚めさせる力があり,家にいながらにしてダンサーへの第一歩を踏み出せる「HOP! STEP! DANCE!」で,「踊れるようになったらな」というその憧れを今,形にしてみよう。
なお現在,本作のトレイラーとして4つのショートドラマが公開されている。
主人公は,高校生女子のフタバ,運動が苦手な小学生ヒトシ,推し活に全力のミツキ,駄菓子屋の店主ヨツロウ。彼らは同じ地域に住んでいるが,とくにはっきりとした接点はない。共通しているのは,「HOP! STEP! DANCE!」が彼らの人生にさらなる豊かさを与えることだ。
「HOP! STEP! DANCE!」というソフトの魅力が伝わるのはもちろん,立場が異なる人たちの物語や,彼ら以外の登場人物同士の意外な関係が描かれた,さりげなく凝った構成なども面白いので,気になる人は目を通してほしい。
そして,マイニンテンドーストアでは体験版が配信されているので,「自分に合っているだろうか? 続けられるだろうか……」と思った人は,まず体験版で確かめてみるといいだろう。
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