今さらですがお砂糖の話をします。「VRChat」で美少女になって，堕ちに堕ちたら恋にも落ちた，そんな実体験の怪文書

お砂糖の避けられない問題

　などとまとめたところで，言っておきたいことがありまして。
　「お砂糖を作る意味はあるのか」と問われれば，とっても幸せだからありますよと返しますが，「リアルで恋人作れよ」に対しては，まだ何もお答えしていませんからね。

　お砂糖って，一歩引いた目で見ると，VRChatのコンテンツというか，遊び方の1つです。
　VRChat自体，ごっこ遊びが楽しい世界であり，プレイヤー主催のさまざまなイベントが行われていたりしますが，お砂糖もバーチャルでの恋愛ごっこに過ぎません。いくら本気であろうとも，何の責任も発生していませんし，すぐにやめられてしまいますからね。
　根底にある恋愛感情は，リアルだろうとバーチャルだろうと同じかもしれませんが，それでも現実の恋愛とはまた別物です。

　とはいえ，だからこそ楽しみやすい部分があるのも事実。一概に「リアルのほうがよくない？」とは言えないはずです。
　実際，お砂糖関係はVRChat内だけのものとして，楽しまれている方もたくさんいらっしゃいますし。


　現実の恋愛は，ステージが変わるものです。お付き合いして，同棲して，結婚して，子供ができて……みたいな。それによって，ある種の刺激があったり，法的な責任が発生したり，ただ“好き”以外に一緒にいる理由ができます。
　でも，お砂糖にそういうのはないんですよね。どこまで行っても甘いだけ。これは，お砂糖という恋愛ごっこのよいところでもあり，避けられない問題を抱えているとも思っています。

　甘いだけの関係って，終わりが見えるんですよ。現実の恋愛もそうですけど，人間，ずっと全速力で恋愛モードでいられるかって言われたら，難しいじゃないですか。いくら燃え上がったとしても，落ち着いていくものですし。
　それでも，現実の恋愛においては，いろいろな一緒にいる理由がありますから，関係は続いていきます。
　その点，お砂糖はだんだんと糖度が落ちていく。始めた以上は，どこかで終わりを迎えてしまう関係なのかなというのが，個人的な考えです。
　先ほど，「VRChatの1か月は，体感で現実の3か月」というお話しをしましたが，これはコンテンツの消化速度が早いということでもあるので，飽きてしまうのが早いことも大きな弱点になります。

　それでも構わない，楽しめる間にたくさん楽しもう。そう思えるのならいいんですよ。
　でもですね。根底にあるのが恋愛感情な以上，そうもいかない人だっているわけでして。しかし，そうなるとリアルのお付き合いに発展させるしか道はありません。
　いずれ終わる甘い関係か。現実の恋愛に移行するのか。
　この二択を迫られるというのが，お砂糖におけるどうしようもない壁だなと，できてみて実感するわけですよ。

　お砂糖とリアルで会う。これはもうめちゃくちゃリスクの高い行為です。
　なにせ，普段の姿は美男美女のアバターですから，どうあってもリアルアバターはマイナスにしかなりません。とくに，私のような声の性別まで変えているプレイヤーなら，なおさらです。
　いくらVRChat上では好きでも，実際に会ってみたら何かが違うと感じる。リアルでお互いを知ってしまったばかりに即お塩。そういう可能性も当然あるでしょうし，それはあまりに辛すぎます。

　それでも，溢れる恋愛感情を，現実の恋愛まで持っていきたいと思うなら，勇気を出すしかない。
　これは大変なことですし，実際，お悩みの方も，涙を流した方もいらっしゃるでしょうから，すべてのお砂糖がいるVRChatterに幸あれ，と思うのです。

　……私ですか？
　なんていうか，その，美少女声を作ったままでも号泣できるということを，知りました……。