「マインクラフト」を生み出したMojang Studios,「バトルフィールド」シリーズの開発会社であるEA Digital Illusions(DICE),名作ストラテジーを多数抱えるParadox Interactiveも,その拠点はスウェーデンにある。
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とくに近年はメジャー,インディー問わず,ゲーマーを唸らせたスウェーデン発の作品が多数リリースされている。雪深い北欧の地から届けられたタイトルの中から,注目のマルチプレイゲームをピックアップして紹介しよう。
スプリット・フィクション
プラットフォーム:PC / Nintendo Switch 2 / PS5 / Xbox Series X/S「スプリット・フィクション」は,ジョセフ・ファレス氏率いるHazelight Studiosの最新作だ。同スタジオの「It Takes Two」と同じく,画面分割の2人プレイ専用タイトルであり,大好評だった同作を凌駕する完成度を誇る。
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プレイヤーはSF作家志望のミオ,ファンタジー作家志望のゾーイーをそれぞれ操作し,サイバーパンクやスペースオペラ,オークやドラゴンの生息するファンタジー世界など,多彩な舞台を冒険していく。各エリアには協力前提のギミックが途切れなく配置されており,同じ仕掛けは二度と繰り返さない。常に新鮮でテンポよく進行するアクションゲームだ。
たとえ同じ道具やガジェットが登場したとしても,使い方がシーンごとに変わったりと,飽きさせない工夫が随所に見られる。
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とくに終盤のマップは圧巻で,誰もが一度は夢見た展開が圧倒的なスケールで描かれる。子どものときのテーマパーク体験のような感動が押し寄せ,「ゲームを好きでよかった」と思わせる傑作だ。ぜひ友達や家族に声をかけて,ゲームでしか味わえないアトラクションを楽しんでほしい。
HELLDIVERS 2
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X/S「HELLDIVERS 2」は,最大4人協力プレイに対応するマルチプレイシューター。プレイヤーは管理民主主義と呼ばれる偏った思想の国家「スーパーアース」に属し,「ヘルダイバー」として銀河の平和を守り抜くのが使命だ。
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プレイヤーはさまざまな惑星に出撃して,その地を荒らすロボットや巨大な昆虫をなぎ倒し,ミッションを遂行していく。全編を通して,映画「スターシップ・トゥルーパーズ」へのオマージュが光る。
前作は見下ろし視点のツインスティックシューターだったが,新作はTPSとなり,それでも同じようなプレイフィールになっているのは驚きだ。
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通常の難度でも湯水のように敵モンスターが登場し,それらをさばくだけでも大変。しかも救援物資や空爆,隊員補充(味方の蘇生)の要請時には,格ゲーのようなコマンド入力が求められ,忙しさに拍車をかけている。そのうえ,フレンドリーファイア(味方に自分の攻撃が当たること)は常にONになっているので,気づいたら味方を背中から撃っているなんてことも日常茶飯事だ。
どんなに集中しても誰かが凡ミスをかまし,悲惨なことになっている。とにかくワチャワチャした遊びが待っていることは間違いなく,パーティーゲームとしてもオススメできる1本だ。
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ARC Raiders
プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X/S「Escape from Tarkov」が切り開いた脱出シューター(エクストラクションシューター)のジャンルにおいて,今最も注目されているタイトル,それが「ARC Raiders」だ。
最大3人のチームを組んで地上に降り,ARCと呼ばれる危険なロボットや同じ志を持つレイダー(プレイヤー)と戦いながら,有用な資源や銃器などを地下に持ち帰ることが目的となる。
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基本的なゲームデザインは「Escape from Tarkov」と同様だが,フォロワー作品ゆえに多くの面に改良が見られる。
まず,「ARC Raiders」にはフレンドリーファイアがなく,攻撃目標はすべて機械であるため,紛らわしい戦闘や予期せぬアクシデントは基本的に発生しない。レイダー同士もラジオチャットによるコミュニケーションが交わせるので,「戦闘を避けたい」という意思を伝えられるのだ(もちろん無視されることもあるし,無視してもいい)。
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脱出シューターは出撃中に力尽きると荷物をすべてロストしてしまうが,いつでも無料のロードアウトで出撃できるので,全ロストの恐怖がやや軽い。とはいえ,ちゃんと装備を固めたレイダーや強力なARCには歯が立たないので,着実なアイテム集めが重要であることは変わらない。全体的なバランスはうまく保たれている。
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新コンテンツの配信にも積極的であり,いつ遊んでも新鮮な気持ちで楽しめる点も評価したい。脱出シューターのデビュー作を探しているなら,自信を持ってオススメできる。
PEAK
プラットフォーム:PC「PEAK」は,最大4人で協力して山を登るマルチプレイゲームだ。飛行機の不時着により,プレイヤーたちは仕方なく巨大な山に挑むことになる。
キャラクターメイキングを終えると,空港ロビーから出発だ。本作は距離によって音量が変わる近接ボイスチャットを採用しているが,これはゲームデザインと直結しているため,外部アプリではなく,本作のボイスチャットを使うほうが臨場感の高い協力体験が得られる。
操作方法は[W/A/S/D]移動,ジャンプ,ダッシュ,クライミングといった基本動作に加え,右クリックで味方を引き上げるというアクションがあるだけ。複雑な操作は要求されない。
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ゲームの根幹を成すのは,スタミナゲージである。重量の増加や空腹,落下ダメージ,毒や火傷といったトラブルによって最大値が削られ,徐々に自由な行動が難しくなっていく。プレイヤーたちは残されたスタミナで最適なルートを探し,アイテムを駆使し,互いに助け合いながら進む必要がある。
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山は24時間おきに自動生成され,届きそうでギリギリ届かない崖,ツタを伝うことでショートカットできる道など,手作りのような絶妙な配置になっている。誰かが滑落するなんて状況は日常茶飯事だが,その瞬間の悲鳴が思わずパーティの笑いを誘う。
落下したプレイヤーはスタミナが大きく削られ,さらに下から迫る霧の存在もあるため,先へ急ぐか仲間を救うかの選択を常に迫られる。距離が離れればボイスチャットは届かず,意思疎通も困難になるため,判断はよりドラマ性を帯びる。
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なお,力尽きても幽霊となって会話と観戦が可能だ。区切りのステージには蘇生像が用意されており,脱落させられた感は少ない。焚火で休息し,マシュマロを楽しむ休憩所は景観も含めて雰囲気が良く,次のバイオームに進む活力を与えてくれる。
昭和から平成にかけて放送された冒険番組のような雰囲気の中で,友人とワイワイ登頂を目指してほしい1作だ。
RV There Yet?
プラットフォーム:PC「RV There Yet?」もまた,最大4人で協力するマルチプレイゲームだ。
プレイヤーの目的は,RV(キャンピングカー)を操縦してキャンプ場から家まで帰ること。チャチなサングラスにベレー帽を被った胡散臭いおじさんとなって,冷えたビールを嗜みながら,束の間のホリデーを満喫しよう。
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ただし,本作のオブジェクトはすべて物理演算が働き,おまけにステージもキャンプ場とは思えないほどハードな作りになっている。崩れた橋,細い道,ヘビの出る洞窟,ジャンプ台,ゴテゴテした岩場――RVで通るなんて,普通じゃ考えられないようなマップが続く。
もちろん,衝突したり落下したりすれば車体は大きく傷つき,しまいには大破してしまう。人間には蘇生ポイントがあるが,RVが壊れるとチェックポイントまで戻ることになるので,慎重な操縦が求められる。
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ウインチを使ったり,木の橋を架けたりしながら,創意工夫と勢いでステージを突破していく楽しさは筆舌に尽くし難いものがある。
そのうえ,本作には時間制限もノルマもない。ちょっとゲームプレイに疲れたら,後部座席に座って煙草でもふかしていればいい。チルい点も魅力だが,すぐにアクシデントが起きて,RVを降りて手伝わなければいけなくなるところも,ちょうどいい塩梅だ。
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近年,世界中から注目を集めたスウェーデン産ゲームのうち,筆者が実際にハマった5タイトルを紹介してきたが,ほかにも「R.E.P.O.」の大ヒットや,2026年1月に予定されている「Core Keeper」の大型アップデートなど,重要なトピックには事欠かない。
引き続き,スウェーデンから世界へと送り出されるタイトルの動向に注目していきたい。
































