だまし絵をパズルゲームに組み込んだ「Monument Valley 2+」。静かな世界で繰り広げられる小さな母娘の物語（今日から始めろApple Arcade #22）

　「Apple Arcade」は，Appleが月額900円（税込）／年額6000円（税込）でiPhone / iPad / Mac / Apple TV / Apple Vision向けに提供している，ゲームのサブスクリプションサービスだ。
　この連載では，広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されているこのサービスの中から，4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していく。

　第22回では，だまし絵をパズルに組み込んだ「Monument Valley」（iOS / Android）の第2弾のApple Arcade版，「Monument Valley 2+（モニュメントバレー2+）」を紹介しよう。

「Monument Valley 2+」

リリース日：2022年3月21日
配信元：ustwo Games Ltd
開発元：ustwo Games Ltd
対応端末：iPhone / iPad / iPod touch / Apple Vision
ゲームパッド対応：×

オススメポイント
1.現実的に考えられないだまし絵（不可能図形）をパズルゲームとして構築
2.タップとスライドだけで行える簡単操作
3.幻想的な世界の中で描かれる母と娘の物語

「Monument Valley 2+」公式サイト

「Monument Valley 2+」ダウンロードページ

　「Monument Valley 2+」は，2014年にustwo Gamesがリリースして大ヒットした「Monument Valley」の続編である。オリジナルは2017年に買い切りの「Monument Valley 2」（iOS / Android）としてリリース後，2022年にDLCを追加した「Monument Valley 2+」として，Apple Arcadeでプレイできるようになった。

2人の主人公をモニュメントの上で歩かせ，ゴールへと導く

　ゲームはステージクリア型のパズルゲームで，プレイヤーキャラクターは母親「ロー」とその娘だ。M. C. エッシャーが描いた“だまし絵”のような不可解図形のモニュメントの上を，彼女達に歩かせて，ゴールまで導くというゲームである。
　ローと娘はプレイヤーがタップした場所へと移動するのだが，彼女らが移動できるのは道なりの平面，平面から続く曲面の坂道，はしご，階段のみ。
　モニュメントの中にはいくつかのギミックが存在していて，プレイヤーがそれを動かしたり，ロー達を導いてスイッチを踏ませることで，移動できる道のりを作ってあげることがゲームの基本となる。
　攻略のカギとなるのは，モニュメントがだまし絵になっている点だ。一見つながらないような道のりでも，ギミックを作動させると思わぬところでつながることがあり，これが思考を巡らせる面白さに直結している。

ゴールは画面上に見えるゲート。2人がいる場所とは高さが合っていないが……

2人が乗ったギミックを左上にスライドさせると，ゲートのある足場に高さが合って移動できる

　プレイヤーが動かせるギミックは，◎の形状をしたものと，ハンドルのような形をしたものがあり，前者は2人が乗っている状態でも動かすことができるが，後者は2人が乗っている間は動かせないという特徴がある。

壁や柱にある◎の形をしたギミックをスライドさせると動かせる。動くのは垂直方向か水平方向となる

同じ◎のギミックでも回転するものもある

こちらは一つのギミックで足場のすべてが回転するステージ

十文字のハンドルがあるギミックは，2人が乗るとハンドルが引っ込んで動かせなくなる

前作にも登場した単眼のある柱のようなキャラクターも登場。彼（？）は2人と同様，平面となった道の上を自由に動かせ，2人を上に乗せることもできる

　これらの要素を踏まえてギミックを動かして，画面をタップして2人を誘導，スイッチがある場合はそれを踏ませ，さらなるギミックを作動させる。そしてゴールとなる場所へと導ければ，ステージクリアとなる。
　操作は同じだが，光を当てると大きさが変わる植物が道の一部になっているステージなどもあり，進めるたびに新鮮な驚きを味わえる仕様だ。

植木のようなギミックは不可思議な形をしているが，光を当てると大きさが変わり，足場の一部となる

ローや娘が特定のゲートやゴールポイントまでたどり着けばステージクリアだ

　ちなみに前作は主人公が1人だったが，本作は母娘2人になったことで，必然的にゲームの難度が上がっている。娘はローの後を追って移動するが，ステージによっては2人が別行動になってしまうこともある。
　2人を誘導する場合も操作自体に変わりはないが，別行動の場合はステージによってプレイフィールが変わることもあり，新しい感覚でプレイを楽しめる。

最初は2人で歩いているが，分かれてしまうシーンもある。分かれたときはそれぞれが動く挙動が異なる

　ゲーム画面は絵本のような雰囲気があり，だまし絵のモニュメントと相まって実に幻想的だ。ストーリーを表すメッセージはローや娘に対する天からの語りかけのみで，あとはすべて2人の動きで物語を描いている。
　娘の成長や母娘の別れ，ローが子供だった頃の振り返りといった演出が，すべて小さなキャラクターの動きによって表現されている。母と別れた娘がステージを進めると少しずつ身体が大きくなっていき，別のステージを進んできた母と再会するシーンは意外にも感動する。

娘を船で送り出す母。アンビエントなサウンドが物語を盛り上げる

娘も成長のために1人で旅をしていく。ローとは歩くモーションが違うのが可愛い

　なお，Apple Arcadeでは前作の「Monument Valley」にDLCを加えた「Monument Valley+」も配信中だ。今回はApple Arcadeでプレイできる最新作として本作を紹介したが，初めて遊ぶ人は，シンプルなステージをプレイできる前作からプレイをすることをオススメしたい。

こちらは「Monument Valley+」の画面。チュートリアルなどはなく，直感でプレイする仕組みは同じだが，プレイヤーキャラクターが1人なので最初に遊ぶならこちらがオススメ

　最新作の「Monument Valley 3」（iOS / Android）も昨年（2024年）12月10日に配信されたばかりだが，こちらをプレイできるのは現時点でNetflix Games加入者限定となっている。

「Monument Valley 2+」ダウンロードページ

「Monument Valley+」ダウンロードページ

Apple Arcade：月額900円（税込） / 年額6000円（税込）
Apple One：月額1200円（税込）
※「iCloudプラス（50GB）」「Apple TV＋」「Apple Music」「Apple Arcade」を利用可能

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