連載
過去の自分がボスになる,棒人間ローグライトアクション「Stick It to the Stickman」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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理不尽な業務命令には拳で答え,同僚を窓から放り投げ,上司を蹴り飛ばして階上を目指す。血と汗にまみれ,ついに最上階のCEOを倒したその時,君は知るだろう。
この暴力による出世競争こそが,決して逃れられない企業の呪いそのものであることを。
本日は,Free Livesが手掛ける「Stick It to the Stickman」を紹介しよう。本作はブラック企業をテーマにしたローグライトアクションゲームだ。プレイヤーは名もなき棒人間となり,理不尽な会社組織の頂点を目指していく。
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このゲームの特徴は,たった一つのボタンで繰り広げられる爽快な格闘アクションにある。複雑なコマンド入力は一切不要だ。攻撃ボタンを押すだけで,あらかじめセットされた技が順番に発動し,目の前の敵を次々となぎ倒していく。
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階を進むごとに新たな技を習得したり,既存の技を強化したりして,自分だけの強力なコンボを組み立てる楽しみがある。
最初に選べる職業も「うぬぼれや」「他力本願」「アニオタ」などユニークなものばかりで,選んだ職業によって初期技や立ち回りが大きく変化するのも面白い。
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最上階のボスを倒してCEOになっても,次のプレイではその自分を倒すために新たな社員と挑戦するという,皮肉なループ構造も本作の大きな見どころだ。
物理演算と暴力の爽快感
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キャラクターの動きは,まるで糸の切れた人形のようにフワフワとしている。一見すると操作しづらく感じるかもしれないが,この独特な挙動こそが本作の味だ。
敵を殴れば派手に吹き飛び,机や壁に激突して予測不能な動きを見せる。慣れればこの制御不能な暴れっぷりを自在に操れるようになり,お祭り騒ぎのような大乱闘を巻き起こすのが快感に変わっていく。
派手で分かりやすい技の進化
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最初は地味なパンチやキックだが,昇進を重ねるにつれて,豪快なアッパーをお見舞いしたり,自転車を漕ぐような連続キックを繰り出したりと,技の性能が大きく変化していく
。
終盤には画面を埋め尽くすほどの派手なエフェクトが飛び交うが,自分が何をしているのか見失うことはない。カオスな見た目と裏腹に,手触りは常にシンプルで直感的であり続ける点が優れている。
ユーモアたっぷりの翻訳
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海外製のゲームでありながら,日本語の翻訳品質はとても高い。「他力本願」といった職業名や,随所に散りばめられたブラックジョークは,日本の企業文化をよく理解した意訳がなされている。
ただ直訳しただけでは伝わらない皮肉やユーモアが,違和感なく頭に入ってくる。仕事に疲れた現代人なら思わずニヤリとしてしまうような,キレのある言葉選びがゲーム全体を盛り上げている。
本作は,シンプルな操作でド派手な乱闘を楽しめるアクションゲームでありながら,企業社会の不条理を鋭く突いた風刺作品でもある。
日頃の鬱憤を物理演算で吹き飛ばしたい人や,ちょっと変わったローグライトを探している人には,間違いなく刺さる一作だ。ぜひともこの終わらない出世バトルに身を投じてみてほしい。
- 関連タイトル:
Stick It to the Stickman
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