連載
知恵と道具で確率にしぶとく抗うローグライト「Sol Cesto」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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松明の灯りを頼りに,あなたは異形の怪物や死の罠が待ち受ける階層へ足を踏み入れる。
次に何が飛び出すかも分からぬ闇の中,運命に身を委ねてただひたすらに下へと潜り続けるのだ。
本日は,運と確率の支配をテーマにしたローグライト「Sol Cesto」を紹介しよう。プレイヤーは太陽を求める探求者となり,危険に満ちた地下世界を目指していく。
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本作の特徴は,4×4マスのグリッドで構成されたダンジョン探索にある。プレイヤーができるのは進む「列」を選ぶことだけ。その列のどのマスに止まるかは,ランダムな抽選によって決定される。
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一見すると運任せのようだが,ここには重要な法則がある。敵には「物理」と「魔法」の属性があり,自分の対応するステータスが敵以上であれば,無傷で一方的に倒すことができるのだ。
つまり,ただの障害物に見える敵マスも,自分が十分に強ければ「実質的な安全マス」へと変わる。逆にステータスが足りなければ,確実なダメージ源(ハズレ)となる。
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現在の自分の能力でどの敵なら倒せるのか,どの罠なら許容できるのか。盤面の状況と自分のステータスを照らし合わせ,「どの列を選べば確率的に最も安全か」を常に計算し続けることこそが,本作の真のゲームプレイである。
敵を「安全地帯」に変える計算
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前述の通り,ステータスで上回れる敵は,脅威ではなく単なる通過点となる。そのため,一見すると敵だらけで危険に見える列も,計算してみれば「4マス中3マスが安全」という高確率のボーナスゾーンになり得るのだ。
直感的な見た目に惑わされず,物理と魔法の数値を冷静に見比べ,論理的に「安全圏」を導き出す。この計算ずくの探索がたまらなく面白い。
運命へのささやかな抵抗
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本作におけるビルド構築は,劇的な強化ではない。「呪われた歯」を付け替え,確率を数パーセントずらす程度の,非常に地味な調整だ。
しかし,この「お守り」のような微調整が,生死を分ける局面で効いてくる。圧倒的な不運を前に,ほんの少しだけ自分に風を吹かせる。その職人芸のような渋い調整にこそ,プレイヤーの腕が試される。
不気味で愛嬌ある絵本の世界
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ドットで描かれたキャラクターたちは,どこか海外の絵本を思わせる独特の雰囲気を持つ。敵である怪物たちも,恐ろしいだけでなく,どこか抜けていて憎めない愛嬌がある。
死と隣り合わせの殺伐とした探索行でありながら,画面からは不思議な温かみとユーモアが漂っており,何度ゲームオーバーになっても,またこの世界を覗きたくなる。
くじ引きのような運試しと,シビアなリソース管理が混ざり合った本作。理不尽な確率に翻弄されることを「不公平だ」と嘆くのではなく,「今日はツキがないな」と笑って流せるような,大人の余裕を持つゲーマーにおすすめしたい一本だ。
- 関連タイトル:
Sol Cesto
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