連載
体内でウイルスとなり暴れ回れ。テトリス×コンボバトルがクセになるローグライト「Winnie's Hole」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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それはひとつの小さなウイルス。細胞を喰い,臓器を渡り歩き,宿主の肉体を内側から作り変えていく。
かつて穏やかだった森の友人たちは,変わり果てた姿のプーを前に,やがて牙を剥く。
本日は,オーストラリアのスタジオTwice Differentが手掛ける「Winnie's Hole」を紹介しよう。
本作はパブリックドメインとなった「クマのプー」を題材にしたローグライトで,プレイヤーはプーの体に入り込んだウイルスとなり,体内を侵食しながら森の仲間たちと戦っていく。
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目的は宿主を殺すことではない。ウィニーを生かしたまま,ウイルスとして生き延びるために最適な姿へと改造し続けることだ。
戦いに勝つたびにウィニーの体には新たな腕や目,触手が生え,見た目はどんどん“何かわからない怪物”へ近づいていくが,どこかコミカルさの残るアートスタイルで描かれている。
開発元のTwice Differentは「Ring of Pain」で知られるスタジオで,ジャンルの枠を横断するローグライトを得意としている。
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このゲームの特徴は,探索も戦闘もすべてテトロミノ(テトリス風ブロック)の配置で進む点にある。
ゲームは大きく「体内侵食パート」と「脳内バトルパート」の2つに分かれている。体内侵食パートでは,ウィニーの臓器を模したグリッド状のマップにテトロミノを1つずつ配置して道を作っていく。
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ブロックを置いた範囲の細胞を捕獲でき,それによって新しい戦闘スキルの獲得やHP回復,次のエリアへの接続といった報酬が変わる。どのブロックを,どの向きで,どこに置くかがそのままルート選択になるわけだ。
一定距離を進むと脳内バトルパートに移行する。こちらもテトロミノを使うが,今度はウィニーの脳を模した小さなボード上に散らばるアクションパネルをブロックで覆い,一度に複数のアクションを発動させる仕組みだ。
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アクションはブロックで覆った順に処理されるため,「まず敵を引き寄せ,次に大ダメージを与え,最後にシールドで守る」といった順序の組み立てが勝敗を左右する。
敵の次の行動は毎ターン開始時に公開されているので,見えている情報をもとに最適な一手を組むパズルに近い感覚で遊べる。
テトロミノひとつで探索も戦闘もこなす
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多くのローグライトがSlay the Spire型のノードマップを採用するなかで,本作は「テトロミノで体内を塗り潰して進む」こと自体をルート選択にしている。
ブロックの置き方ひとつで,どの報酬を拾えるか,どのイベントにたどり着くか,HPやリソースをどれだけ消費するかが変わる。しかも戦闘でも同じテトロミノを使い,ブロック配置がそのまま複数カードの同時発動になる。
探索と戦闘を単一のシステムで処理しているのはかなり独特で,ほかのローグライトとは明確に手触りが異なるゲームに仕上がっている。
序盤の選択が終盤のデッキを方向づける
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戦闘後にはアクションカードやパーク(常時発動するパッシブ効果)を報酬として獲得でき,ここでデッキを組み上げていく。
150種以上のアクションと100種以上のパークが用意されており,「ノックバックで敵を操作する」「シールドを重ねて耐える」「自傷ダメージと引き換えに高火力を出す」など方向性はさまざまだ。
パークはアクションとのシナジーで真価を発揮するため,「とりあえず強そうなものを取る」よりも,早い段階でビルドの軸を決めて寄せていくほうが噛み合いやすい。
周回を重ねれば新しいウイルスタイプやストレインもアンロックされ,攻撃特化や変則ギミック型など,遊び方がさらに広がっていく。
「笑えるけど不快」を狙ったダークコメディ
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本作のトーンは,開発側いわく「ニコロデオン風の悪趣味なギャグとグリム童話の残酷さ」を混ぜたもの。児童向けキャラクターを「体内寄生」「医療事故」「病原体」というモチーフで再解釈しており,ホラーというよりは嫌悪感と笑いが同居するダークコメディの色が濃い。
戦闘や進行に応じてウィニーの体に腫瘍のようなパーツが増えていく様子は不気味だが,絵柄のどこかにかわいげが残っているのが絶妙なバランスだ。
ネタゲーだと思って触ると,その奥にしっかり遊べるローグライトが待っている。テトロミノという一つの入力で探索とバトルの両方を回す仕組みは新鮮で,ビルドの方向づけや報酬プールの変動など,周回を重ねるほど理解が深まる設計になっている。
現在はSteamで早期アクセス中で,150種以上のアクションと100種以上のパーク・敵がすでに実装済み。ダークコメディが好きな人,テトリスやパズルが好きな人,そしてローグライトのビルド研究にのめり込めるタイプの人にはとくに刺さるはずだ。
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