連載
個性豊かなダイスを振ってシナジーを爆発させる「Dice A Million」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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見覚えのない施設,目の前に転がるダイス。誰かの声が聞こえる「振れ。100万点を出せ」。
理由も目的もわからないまま,あなたはダイスを手に取る。脱出の鍵はただひとつ,誰も見たことのない数字を叩き出すことだけだ。
本日は,countlessnightsが手掛ける「Dice A Million」を紹介しよう。
本作は「ダイスを振ってスコアを稼ぐ」ことをテーマにしたローグライトデッキビルダーだ。プレイヤーは謎の施設に囚われた人物となり,ラウンドごとに提示されるスコアノルマを超えながら,最終目標である100万点の到達を目指す。
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このゲームの特徴は,「ダイス」「リング」「カード」という三つの要素を組み合わせてビルドを組んでいく点にある。
ダイスは120種以上が用意されており,それぞれが「素数の目でほかのダイスを強化する」「周囲のダイスから数値を吸収する」「自分の出目に描かれた別のダイスをさらに振る」といった,一筋縄ではいかない固有の効果を持っている。
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リングはBalatroにおけるJokerのような常時発動のパッシブ枠で,80種以上が存在し,特定の条件下でダイスの倍率や効果を増幅する。カードは1回限りの消耗品で,ダイスの強化やリロール,追加ドローなど,ここぞという場面で使う切り札だ。
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ゲームの流れはラウンド制で進む。マップ上のノードを選んで進み,各ラウンドでは制限された回数のなかでダイスを振り,出目の合計値と各種倍率効果を掛け合わせてスコアを算出する。
ノルマを超えた分のスコアはそのまま通貨となり,ラウンド間のショップで新たなダイスやリングを購入してビルドを強化していく形だ。
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一定数のラウンドをこなすと,高いノルマや特殊条件を持つボス「Face」が待ち受けている。ゲーム開始時には10種あるHand(クラス)からひとつを選び,初期ダイスやパッシブが決まるため,Handごとにまったく異なるプレイ感が生まれる。
個性的なダイス
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120種以上あるダイスの一つひとつが,ただの数字を出す道具ではない。位置関係で効果が変わるもの,チャージを溜めて発動するもの,隣のダイスを「吸血」するものなど,どれもが独自の条件と効果を持っている。
さらに「エンチャント」で恒久的な追加効果を付与できるため,同じダイスでもビルドによって役割がまるで変わる。この異常なバリエーションが,毎回のランに新鮮な発見をもたらしている。
数字が壊れる瞬間の気持ちよさ
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ダイスの出目にリングの倍率が乗り,エンチャントの効果がさらに重なる。この三層の掛け算が噛み合ったとき,スコアが一気に桁を跳ね上げる。
実際に筆者がプレイしたときには,目標スコアがまだ1000程度のラウンドで,ダイスのシナジーが爆発して800万点を叩き出してしまったことがあった。見た目はミニマルだが,数字が跳ねるときのSEやインターフェースの反応が小気味よく,この「壊れ」の快感をしっかり増幅している。
運を殴り返せる設計
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ダイスゲームと聞くと運任せに思えるが,本作はそうではない。各ダイスには出目の範囲を制御する仕組みがあり,リングやエンチャントでその範囲をさらに絞り込める。
ダイスの位置を並べ替え,不要な目をロックし,確率そのものをビルドで押さえ込んでいく。「運が悪かったから負けた」ではなく,「ビルドの詰めが甘かったから負けた」と思える設計が,周回のモチベーションを支えている。
「Dice A Million」は,ダイスという古典的な遊びの道具に,ローグライトデッキビルダーの文脈で新しい意味を与えた一本だ。120種以上のダイスとリング,エンチャントが織りなすビルドの幅は膨大で,同じ構成がほとんど再現されない。
1ランは30分〜1時間程度と手軽で,Handを変えれば別のゲームのように遊び方が変わる。Balatroのようなスコアアタック系ローグライトが好きなプレイヤーなら,まず間違いなく時間を溶かすことになるだろう。日本語にも対応しているので,気になった方はぜひ遊んでみてほしい。
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